VRゲームで進撃の巨人~飛び立つ翼達~   作:蒼海空河

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ハーレムタグはまだ付けません。

すいません、作者は心理描写とか凄く苦手なので納得できる流れになるまではそのままにしていただけると助かります……(>_<)

人はどうして人を好きになるのか……(哲学)

追記――主人公がクリスタにお願いをするときの流れに違和感を感じると指摘を受けましたので少々文章を変えています


願いの裏、静かに動く影

「えっと、そ、そのね! ありがとうございますっ! あのままだったらどうなっていたか判らないし、助けてくれて本当に、ありががとうっ!」

「あ、ああ……まあ誰かが襲われそうになってたら助けるのは、普通だと思うし……」

「そんなことないっ! ずっと街を彷徨っていたけど、手を差し伸べくれた人はいなかった、から…………。私が悪いのだけど……」

 

 俯く彼女。

 

 クリスタ・レンズ……偽名だが本名はまだ置いておく。金髪の非常に小柄な少女で145cmという低身長。

 小柄なら立体機動の小回りが利くという利点もあるが、元来面倒見がよく優しい彼女は戦いより街の看板娘や花屋をしている方が似合うと個人的には思っている。

 しかし政治的、宗教的に複雑な立場におり、その所為で親を殺され、自分も危うく死ぬところだったが、名を捨てることで生きることを許された。

 そんな生い立ちからどうやって死んだら褒められるかとばかり考えるようになる。

 死んだ親にも元々冷遇されていた。

 

 彼女は元々お嬢様なのにここにいるということは恐らく親はもう殺されている。

 ただ気になるのは親が殺されたのはシガンシナ区陥落から数日後。

 その後は開拓地で2年間過ごすことになるはずでトロスト区にはいないはずなのだが……。

 

(いや俺という存在がいる以上、だんだんと未来が変わっているのかもしれない……。1匹の蝶の羽ばたきが遠い地で嵐を起こすなんて理論もある。……未来が予想し辛い状況は歓迎できないが、せめて良い方向へと進むことを願うばかりだ……)

 

 考えても仕様がない。

 彼女が目の前にいる以上はそれが現実なのだから。

 

 そうこうしていると、俯いていたクリスタは両手を祈るように組みながらそっと上目遣いで見つめてきた。

 

(う……ただでさえ可愛いのにそれは、ちょっときつい……)

 

 美少女に見つめられてたじろがない男はそう居ないだろう。

 色恋関係無しに綺麗な人の視線には不思議な圧力がある。

 育ちの良い彼女なら尚の事。

 彼女はゆっくり話し始める。

 

「助けて貰ったのですが……私は、お返しするものがありません……」

「別にいいっての。見返りが欲しくてやったわけじゃないし」

 

 よくも悪くも日本人思考の俺からすれば、助けることができるあの場で見捨てるなんて選択は無理だった。

 そして見返りが欲しくてやったわけじゃないのだからお礼と言われても困るだけだ。

 だがクリスタは納得がいかないらしく引き下がらない。

 

「それではこちらの気が収まりません! 助けて貰った恩人にお礼もしないなんて恥知らずもいいところです! なんでもしますから、なにかお願いを言ってください!」

「なんでも!? ……い、いや、ちょっと……少し待ってください……」

「はいっ!」

 

 力強く返事する姿は「決して引かないよっ!」と言外に伝えていた。

 一瞬なんでも、という単語に反応してしまったが、それで、はい判りましたといえる訳がない。

 非常に困った……。

 なんも考えてない。

 そもそも何でお礼される側が困る事態になっているのだろう?

 不思議でならない。

 

(話して見て判ったけど、芯が強いというか頑固というか、エレンと別タイプの頑ななところがあるなぁ……)

 

 拳をぎゅっと握って前のめり気味な姿は引きそうな気配が微塵もない。

 

(どうしようか……。クリスタって自己犠牲精神が強そうなんだよな。下手なお願いを言うと無茶しそうだ……ん? そうかそれなら――――)

 

 悩みつつ俺が出したお願いは、彼女に楔を打つための願いだった。

 生へと繋ぐ楔を打つ為の。

 

「じゃあ、絶対自分から死なない事……ってのはどうだろう?」

「死なない、こと?」

 

 ぴくんと反応する。

 気合の入った表情から一転、少し困った顔を覗かせた。

 彼女にとって都合が悪いからだろうか……人の為に死のうとしているから、とか。

 

「ほら、今日あったときは空腹でぶっ倒れてたわけだし。配給あるのになんでそうなってたのさ?」

「う……それは~」

「それは?」

 

 クリスタさん、目が泳いでおります。

 昔のCMであったけど、目が魚になってビチビチと跳ねまわっています。

 あ~とかう~とか口を濁しながらしばらくした後、やっと白状した。

 

「……お腹が減っている子供が、いてね?」

 

 あ、もう判った。

 

「かわいそうだから『お姉さんのパンあげる』『ありがとう!』って感じであげてて……」

「それで今日は倒れたわけだ。優しいのはいいけど、他の人のことだけじゃなくて自分の事も大切にしないとやばいって。普通に死にそうに見えたんだけど」

 

 案の定だった。優しいクリスタの事だから他の子の分けたんだろうなあと半ば予想はできていた。

 

「1日じゃ空腹で倒れないから何回か継続してやってたり?」

「え、ええっと……1ヵ月……」

「はい?」

 

 なん、だと?

 このお嬢さん、なにかとんでもない事を言い始めたぞ?

 

「いやあれだよっ。毎日じゃなくてね? 2日1回あげてたの! だって皆ズルいズルいっていうし、お腹をきゅるきゅる言わせている子達を見捨てれないし……」

「配給って1個だっけ……?」

「え、ううん、前の奪還作戦で暖かいスープが付くようになったから、それで過ごして……あ、パンはみんなあげてたよ。皆ありがとうって笑顔になってて私も嬉しくなって――」

「頭にチョップ!」

 

 ビシッ!

 

「あうっ」

「他人の事より自分のことを心配しましょう……いやまじで」

「うぅ……すいません……」

 

 想像以上にアレ方向で駄目な娘さんだった。

 毎日、配給される食べ物は人によって多少の差異があるらしい。

 クリスタの場合、1日に1個のパンとスープ1杯。

 それでも苦しいのに、偶然会った腹を空かした子供達にパンをあげてたとか。

 

 1ヵ月間の食事が2日1回のスープ1杯のみ。

 あとは皆子供達にあげてたとか、どこのナイチンゲールだ。

 

 いや……どちらかというと童話の『幸福な王子』ばりの献身さだ。

 あの童話は金箔や宝石が散りばめられた銅像の王子がツバメに頼んで恵まれない人々に自分の金箔をあげてまわったというお話。自分の身を削いであげつつけた王子は最後はツバメと一緒に死ぬとかそういうお話。

 

 クリスタならお姫様か?

 自分の命すら削っているのに笑顔で話す今の彼女は非常に危うい。

 人の為なら死んでいいという想いが見え隠れしている。

 

「うんお願いは決まった。クリスタは自分の命を粗末にしないこと。そして自分の幸せの為に生きること! これで決定!」

「え……でもぉ」

「だってもさってもなし! クリスタは自分の為に生きないと駄目だ。じゃないと絶対いつか、命を捨てる気がする。しかも笑顔で」

「うぅ……」

「誰かを助けるのは良い事だし、俺も無茶をして助けることはある――だけど死ぬつもりだけはない。クリスタはやりすぎっ! だからおっけー?」

「藪をつついたら蛇がでてきたぁ……うぅ」

 

 口調こそ軽いが彼女の雰囲気は少し暗くなっている。

 今度は声のトーンを1段階下げて呟く。

 先ほどお礼を求めてきた力強い表情とは違う。

 本当に困っている風だ。

 自分の為に生きるのなんて普通なのに。

 逆にそれが嫌だと彼女は思っている。

 

 殺した相手など状況こそまったく違うが、その姿はかつてカルラを亡くし嘆いていたエレンと一瞬、被った。

 ただエレンは絶望から憎悪と怒りを爆発させ巨人の復讐を誓ったが、彼女は絶望に沈んだままに見える。

 

 エレンの方向性も本来はあまり褒められたものじゃないが生きる希望という意味では、復讐は劇的ともいえる効果を発揮する。

 同時に自分の命を蝕む劇薬でもあるが……生き続ければやり直しは何度でも利くのだと俺は思う。だからまだいい。

 でも絶望は危険だ。それは心の奥底まで浸食し、いつか致命に至る毒物。

 何もかも捨て去る死はそれほど魅力的に映る。俺だって死ねば楽になるのではと考えてしまったこともある。ただ彼女には諦めて欲しくない……だから心の何処かに楔を打ち込む。

 死ぬ目に会う瞬間、生死を分けるのは今までの生きてきた想いの積み重ねだと思うから。

 

「…………判りました。私、クリスタは自分のことを大切にします。そして幸せに生きることを誓います」

 

 スッと静かに呟く。

 ころころと変わるクリスタの雰囲気。

 女の子はみな女優というがこれもそういうことなのだろうか?

 

 クリスタは跪きまるで敬虔なシスターのように祈るポーズをとる。

 彼女の声音は静かに、室内に響く。

 ボンヤリと映し出された少女は厳かな雰囲気を伴う。

 しばらく祈ったあと彼女はゆっくり立ち上がった。

 目を開けて立ち上がったクリスタの瞳は少しだけ光が燈っていた。

 小さく、しかし強さを感じるものへと。

 

「大袈裟だなって笑うところなのかな?」

「ふふっ♪ 誓ったばかりでその言葉は酷いと思うよ?」

「いやだってこっちに向かって祈られても……」

「恩人のアオイ神については、毎日一回お祈りをしたいとお願いしたく~」

 

 先のような暗い空気はもうない。そこにいるのは年相応の少女だった。 

 

「ホント勘弁してください!」

「あははっ、女の子を笑おうとする人は駄目駄目なんだよ? だからちゃんと見て貰わないとねっ!」

「見て貰うってなにをさ」

 

 クリスタは明るい声で笑う。

 先ほどの暗い雰囲気は霧散していた。

 にこっと笑みを浮かべる彼女は一番輝いて見えた。

 

「私が誓いを破らないように、ですっ♪」

 

 そう言いながらトントンと小走りにドアへと向かう。

 そういえば、と思い出したように振りむくと、貴婦人のようにスカートを両手で持ち上げるフリをしながら、

 

「明日からここで働くことになりました従業員のクリスタと申します。以後お見知りおきを、お得意様♪」

「お得意様かいっ!? いや確かにそうなんだけど……」

「それじゃお休みなさいっ」

 

 お休みを言いながらドアを閉めていった。

 トントンと離れていく足音は先ほどより軽快だった。

 

「よく判らないけど、納得してもらったからいっか」

 

 さすがに今日はもう疲れた。

 俺はちゃんと鍵を閉めた後、ゆっくり休むことにした。

 その後、クリスタは従業員として宿屋で生活することとなった。

 意外だったのが、彼女が不器用だったこと。

 

 

 

 

 

 ――洗濯――

 

 びりぃ!

 

 引き裂かれたのは俺が持っていたハンカチ。

 洗濯板で洗おうとしたら力を入れ過ぎたようだ。

 

「きゃ! あ、ごめんなさいごめんなさい!」

「あーっ、力入れ過ぎだよ、クリっちゃん!」

「もっと手早くしないと!」

 

 ――料理――

 

「はい、アオイ君、お待ちどうさ――え?」

 

 何もないところで足をくじくクリスタ。

 助けようかと椅子から立ち上がろうとしたが出来なかった。

 何故なら空中から飛来するアツアツのスープが俺に襲いかかったからだ。

 

 バシャン!

 

「ぎゃぁーーーっ!!?? あっつ!?」

「ひゃぁぁ!? ごめんアオイ君、えっと、えっとこれで拭けば――」

「クリスタさん、其れはパン。こちらを使いましょう」

「あ、マスターさんスイマセン……」

「う~ん、クリスタさんはもう少し落ち着きましょう。ゆっくり1つ1つ動作を行えば失敗はしませんよ」

「うぅ……すみません……」

「……とりあえず着替えてくるっす……」

 

 ――掃除――

 

 きゅっきゅっきゅっ!

 

「なんだいクリスタ。これはちゃんとできるんだねぇ。洗濯や料理の給仕で失敗が多いのに……」

「実家に居た時も掃除は得意でしたから!」

「そうかい、人間特技の1つや2つはあるものだしこれなら安心かね。あー、その拭いている壺の陶器はアオイがこの前骨董市から買ってきたものでね、なかなかの掘り出しもの――」

 

 パリーーーン!!

 

「うきゃあ!? 女将さんごめんなさいごめんなさいごめんなさいっ!!」

「……まずはホウキとチリトリを持ってきて片づけな。ほら早くしな!」

「はいっ!!」

 

 パタパタと掃除道具を取りに行くクリスタ。

 ふぅ~っとため息を吐く女将さん。

 

「……一生懸命だし物覚えもいいし客からの評判も上々――なんで坊やの時だけ失敗するかねぇ。まああの子が拾ってきた子だ。精々苦労して貰おうかね。あ、被害は全て坊や持ちにしといてっと」

 

 そんなことがあったりで、前以上に騒がしい毎日を送ることになった。

 とりあえず、クリスタ……俺だけ狙い撃った失敗だけは辞めてー、いただけるとー、助かるかなーなんて思っちゃうのは駄目かなぁ……駄目、かなぁ……。

 

 被害額――鋼貨20枚(ハンカチ10枚、私服上下2枚、雑巾5、壺1つ、絵画1枚等々――)

 

 俺の財布から羽が生えて飛んでいった。

 頑張れクリスタ……俺の為にも。

 割と切実に……そう願います。

 

 違う意味で平穏はなくなりました。

 

 

 

 

 

 

 

 余談だが、数日後にミッション失敗しちゃったなぁとミッション欄を確認すると何故か『父の手記を渡せ』の方が達成していた。

 謎だ……。

 あのフードの野郎って実はアニだとか?

 いやいや、ご都合主義にも程がある。

 もしかしたら彼女が後で偶然見つけたとか?

 どの道、全て推測でしかないのだが……。

 

「問題は会話が失敗しやがったことだ……。先に手記を渡すと駄目ってことなのか? いまいち判定が曖昧で困る……しかも――」

 

 

 

・アニと会話しろ! ――達成報酬【アニ好感度フラグⅡ】

 ※注 847年訓練兵団入団までに行うこと

 

 達成不可――――失敗!

 

 

 

・アニに父の手記をわたせ! ――達成報酬【1、ア二好感度フラグⅢ 2、アニ加入フラグⅡ】

 ※注 847年訓練兵団入団までに行うこと

 

 ミッション達成!

 

 

 スキルにより報酬変化!

 

【1、ア二好感度フラグⅢ 2、アニ加入フラグⅡ】→【1、アニがスキル『追跡』『猫警戒』『孤心』をゲット! 2、女型の巨人の能力上昇(第57回壁外遠征時――出現する通常種の巨人数1・5倍】

 

 『追跡』……ストーキング。相手を追走時、速度&隠蔽能力10%UP

 『猫警戒』……行動変化(行動が変わるだけのプラスにならない能力)。一度警戒すると近寄ることが少なくなる。ただし、離れようともしなくなる。

 『孤心』……行動変化【猫警戒】【警戒心】【人見知り】等を所持していると稀に習得。行動変化の1つ。信用した相手には全幅の信頼を寄せるようになる。

 

 

 

 

 

 なんか良く判らないけど報酬が変化しやがった!

 あれか?

 【運命】とかいう能力の所為か?

 だが今はそれはいい……それはいいとして――

 

「ぎゃー!? 難易度が上昇しやがったぁぁぁぁ!?」

 

 人生なかなかうまくいかんもんです……。ぐすん。

 アニのスキルとかよう判らないけど、強くなったのだけは判った。

 勘弁してください、ほんと真面目に……。

 

 

 

 

 

 ×  ×  ×

 

 

 

 

 

 1日目。

 あの背の低い男の兵士が宿屋から出てきた。

 ただし私服姿であり、休みなのかもしれない。

 のんびり歩く姿は隙だらけでスリをやろうとすればやれそうだ。

 休憩を挟みつつ様子を窺ったが、街の人と気さくに話しているようだ。

 人望はあるのかもしれない。

 イラだちを感じる。きっと能天気な顔が気に喰わないのだろう。

 帰ってから宿屋の食堂から「あっつー!?」とか聞こえてきた。

 騒がしいことだ。

 

 

 2日目。

 昨日と同じく私服で出てきた。

 何故か疲れた様子だったがよく判らない。

 

「アオイさん、行ってらっしゃーい!」

「ああ、ありがとう。行ってきます」

 

 従業員らしきエプロンをした少女を外まで出て見送っていた。

 カップル?

 いや関係ない。

 男なら仲の女の1人や2人くらいいるだろう。

 ただつまらない男だと思った。

 戦場では甘い奴ほど死にやすいと思う。

 アレはきっといつかしょうもない理由に死ぬに違いない。

 どうでもいいけど。

 名前はアオイ、覚えておこう。

 

 

 3日目。

 昨日と同じく女に見送られて出てきた。

 今度は駐屯兵団の制服に身を包んでいる。

 やはり駐屯兵団所属か。

 あんな小さい奴でも兵士になれるのだから、この国の兵士は質が悪いに違いない。

 元々のんだくれがばかりの腐った組織。

 最近は真面目に訓練をしているというが鈍った体でなにが出来る。

 父に鍛えられた子供の私にすら敵わないだろう。

 夕方に2人組みの男が絡んできた。

 誘拐しようとしてきたので転ばせたが諦めが悪い。

 

 肩の骨を外してやったら泣きながら逃げていった。

 人の不幸で甘い汁を啜ろうとする屑はみんな死ねばいいのに。

 故郷の村にいた頃が懐かしい。

 夕暮れの中、汗をかきながら父から格闘術の手ほどきを受けた。

 煩わしさしかなかったのにふと思い出すとあの頃に帰りたいと思ってしまう。

 絶対、取り戻す。

 

 

 4日目。

 追跡のやり方は知らないが結構手慣れてきたと思う。

 元々山奥の村育ちだから、気配を消すのは得意だった。

 思い切って間近に寄って会話を盗み聞く。

 姿は表さない。

 万が一でも相手が私の姿を見ていたら厄介だ。

 極力リスクを冒さず得られるものだけを得る。

 会話が聞こえてきた。

 

「お姉さん、いつものジュース1つ」

「あらぁ『英雄』さんの御贔屓、真にありがとうございます」

「……いいかげん勘弁してくださいよぉ」

「うふふ♪ い~や♪」

 

 ああいう手合いは無視するのが一番なのにいちいち反応して楽しませている。

 きっと馬鹿なのだろう。

 でも気になる部分もあった。

 

「『英雄……?』ちょっと調べた方が良さそうね……」

 

 もう少し調べることにしよう。

 私はそっと離れ『英雄』と『アオイ』という単語について調べることにした。

 

 ゴンッ!

 

「~~~~!?」

 

 下を向いて歩くとこういうことが起きるからあまり好かない……。

 

「……これも全てあの男の所為。ええ、そうこちらに無駄な労力を強いるアイツが全て悪い」

 

 動かざるを得ない状況を作りだした馬鹿が全て悪いことにして私は裏路地を目指し歩き始めた――

 

 

 




クリスタもう主人公好きじゃない? と思うあなた。

あまく見ちゃいけない。
クリスタは誰にも優しい。迂闊に勘違いするとどこぞのお兄さんみたく「クリスタは俺のことが好きに違いない」と痛い勘違いをすることになってしまう。

某伝説の~シリーズの1作目みたいに幼馴染の癖にやたら攻略難易度が高い人みたいにやたら難航不落です。
彼女の心の闇をどうにか出来なければ好かれることは容易じゃありません。
具体的には本名を明かしたら好意を抱いていると判断してください。

ミカサ&クリスタは鉄壁コンビ。


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