VRゲームで進撃の巨人~飛び立つ翼達~   作:蒼海空河

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すいません新年でめっちゃ忙しいので投稿遅れました……。
誤字修正や感想の返事もきついかもしれません。

野球の方も書いてますがかなり遅筆に……(>_<)
のんびりまっていただけると助かります。


イベントと兵士達

 俺は今、調査兵団本部団長室にいる。

 この部屋に居るのはエルヴィン団長、後ろにハンジさんとミケさんのいつものメンバー。

 対峙するのはリヴァイ兵士長と俺、という構図だ。

 何故かびきびきと青筋を立ててイラだっている兵士長が怖すぎる。

 今ならかつて白い大魔王さんが残した「ちょっと……頭、冷やそうか」という言葉と共に話題になった表情より怖いと断言できる。

 小市民な俺は後ろで静かにするしかなかった。

 最初に口火を切ったのはリヴァイ兵士長だった。

 

「……んで、エルヴィン。お前はあのふざけたお遊び会を実行に移すのは本気なのか、おい。正気の沙汰とは思えねぇな……」

 

(お遊び会……? 一体なにがあるんだ?)

 

 最初から意味が判らない。

 どうもなにかしらのイベントがあるみたいなのだが……。

 対するエルヴィン団長は至極真面目な表情で今の問いに答える。

 

「そうだ。このイベントには重要な意味がある」

「それにしたって、たった兵士2人で巨人達と命を賭けたダンスを踊れってのか? だったら脳みそが詰まってねぇ中央の貴族共でも連れて壁外一日観光にしゃれこんだ方がよっぽど効果があるだろうが。しょんべん垂らして感謝するだろうぜ、自分達の命は兵士達が必死に守っているんだとな」

「奴らがそんな危険を冒すわけないのはリヴァイも判っているだろう。だがこのイベントは市民達の絶大な支持を得るとともに、希望にもなる。いままで同じ人類なのに手を携えなかった調査兵団と駐屯兵団が協力する第一歩だ。是が非でも成功させたい」

「……ちっ……それで、俺とアオイが調査兵団と駐屯兵団の代表として出ろってか? 俺は兎も角、子供のアオイも巻き込んでとはな……」

「人類で今、戦闘経験が豊富かつ実力最上位の人物を選出すればおのずとこうなる。済まないが順当な結果でもある」

「やるせねぇな……本当に……」

 

 目を伏せ吐き捨てるリヴァイ兵士長。

 前から気付いていたが、理不尽な事に対して兵士長は良い顔をしない。

 だが納得いく理由が存在するから話しは聞くし了承する――今回のこともそれに近いものを感じていた。

 話の内容が突飛なので状況は読めない。

 俺は会話を聞くことに集中する。

 

「……それだけ、人類は追い詰められているという証左でもある。明日の見えない今日は絶望と同義であり誰も生きる希望を持つことは難しい。だからこそ人は強烈な光を欲するのだ。すなわち――」

「『英雄』だってか……。大人が気張らねぇでよく言えるな。てめぇは本当に凄えだろうよ。俺が神なら笑顔で地獄に招待してやるぜ」

「元より天国など行く気もない。全ては人類の為に、この命は捧げたつもりだ」

「てめぇのその考えも怪しいがな……。……まあ俺はいい。壁の中で平和を貪る豚どもの英雄でもなんだってなってやる……だがアオイはまだ餓鬼だろうが。それでも使うのか?」

「彼は天才だ。おそらくリヴァイ、君と同レベルの次元で戦える非常に稀有な存在だ。どの道、この平和とて長くは続くまいと私は考える。壁を破壊できる超大型巨人や鎧の巨人がこのまま何もしないとは思えないからな。なら少しでも戦力を強化する方法は必要と思わないか?」

 

 …………本当に凄いなエルヴィン団長は。事実、数年後にはトロスト区の門も超大型巨人に破られ人類は窮地に陥る。

 人が陥りがちな希望的観測に惑わされることもなく、冷静に現在の状況を見つめている。

 その姿は団を率いる代表としてあるべき姿だった。

 

「つまり、てめぇはこう考えているわけだ。俺やアオイに英雄として期待を集めつつ、ついでにアオイも鍛えようって寸法か?」

「そうだ」

「餓鬼を問答無用で前線に送る……素晴らしい外道だなエルヴィン」

「外道は上等だ。元より地獄へ行く覚悟。その為なら悪魔にだって魂を売ろう」

「…………相変わらず、気色の悪い野郎だ。人類の為なんておためごかし…………それだけを心の底から純粋に思っているわけでもないだろうに、あっさり言って退ける。まあいい、おいアオイ……てめぇはどうなんだ。やるのかやらねぇのか」

「話は判りませんけど、それが必要というなら俺が断る理由はありません」

 

 エルヴィン団長は決して判断を誤らない人だと信じている。

 冷徹であろうと最善を求める姿は人を率いる者には絶対必要なもの資質だ。

 

 話の内容から巨人かなにかとちょっとした戦闘があるのだろう。

 ただ内容だけは知りたい。

 小型ならともかく、通常種の大型や奇行種とはあまり戦いは正直避けたいのも事実だ。

 住民達の理解が得られれば、調査兵団としても動きやすくなるだろうし、志願兵の数にも関わるだろうから疎かにはできないが……。

 

「……はっ、だったらいいがな」

「済まないな……お前達にはいつも負担をかける。だがこれも未来への一手……その効果は保障する。俺の命に賭けてもな」 

「俺はそんな……みんなの為になればそれでいいです」

「エルヴィン、てめえがリーダーなんだ。軽々しく命をどうこう言うんじゃねえよ。おっ()んだら俺があいつら(・・・・)にどう説明したらいいか困るだろうが……」

「……ふっ……そうだな」

 

 咎めるようなリヴァイ兵士長とふっと笑う団長。少しだけ影があった。

 2人の間にどんな過去があるかは判らない。

 でもお互いを信頼し合っているという事だけは判った。

 そんな2人に後ろで静観していた人達もからから笑う。

 

「あっはっはっ! エルヴィンもリヴァイも相変わらずだねっ!」

「……だが人は言葉では伝わらぬことも多い……その逆も然りだが。10の言より1の心――口にせず伝わる想いは尊く儚い、だからこそ人はお互いを尊重し合えるのだと俺は思う」

「ミケはちょーっと難しく考えすぎな気もするけど、まあ私も似たようなものかな?」

「ふっ、お前達には敵わないな」

「……フンッ……調子のいいことを」

 

 ハンジさんやミケさんも加わった4人を見て俺はリヴァイ班のようだと思った。

 この人達もお互いを認め合い信じあっているのだと強く感じる。

 

 心から信頼し合っていると判るその光景が眩しかった。

 親友の事を……少し思い出していた。

 俺の交友関係は広く浅くというパターンが多い。

 別に深く付き合うのが嫌だとかではなく、小中高、大学と進んでいく過程で知り合いの大半と離れ離れになり、自然と疎遠になってしまったからだ。

 唯一一緒だったのが親友のアイツ(・・・)だけだった。

 特別な理由は無い。たまたまクラスメイトで進学先も同じ。趣味も共通点が多かった。

 友人や親友などそんな理由で出来ることが大半だろう。

 

(もう2年か……)

 

 日本が恋しく無いと言えば嘘になる。

 ハンバーガーやラーメンなどの塩味の濃い食事。

 都会の喧騒、秋葉原や池袋、忙しくも今日も働く社会人の人達。

 失くしてみると存外寂しいと何度も感じた。

 

 この世界の食事は海が無い所為で塩も高い。

 大半の食事は野菜や芋のスープなどの味気ないもの。

 巨人との戦いや治安の悪さから来る命の危険。

 

 ゲームの世界?

 断末魔をあげて喰いちぎられた兵士や市民たちの赤黒くドロリとした臓物を見てそんな呑気なこといえる訳が無い。

 アイテムボックスやステータスがあるが、巨人との殺るか殺られるか――生死を賭けた戦いは今までやってきたVRゲームではありえないほど緻密で精緻だった。

 AIや仮想世界では不可能なレベルの『現実』がある。

 だから…………俺は――――

 

「――おい」

「…………」

「――おいッ、餓鬼、どうしたんだ」

「え?」

 

 リヴァイ兵士長の少しドスが利いた、それでいてどこか心配する感情も見え隠れした声が聞こえた。

 

 ……どうやら悪い癖が出ていたようだ。

 普段は能天気に過ごしているつもりだが、どうしても悩みだすと止まらない。

 こういう苦悩など結論が出ずに最後は問題の先送りにすることも多いので、いつもなら気にしないようにしているのだが団長達の姿を見てつい思い返してしまったようだ。

 

(俺はアオイ・アルレルト……今はそれでいい……)

 

 頭を軽く左右に振った。

 迷いは隙に繋がる。今はこれでいいんだ。

 

「すいません、皆さんがとても仲が良さそうだったので開拓村に居る幼馴染達のことを思い出していました」

「あ~~ごめんねぇ、アオイ君以外は普段から顔を合わすから疎外感を与えちゃったかな? だいじょーぶッ、君も良き友人だからさ!」

「スン……君も俺達の仲間だ。気にしなくていい」

「ふっ、ハンジもミケもアオイ君の事を結構気にしているのだな」

「…………」

 

 笑い合う3人の輪には加わらず、リヴァイ兵士長だけは俺を静かに見ていた。

 

 

 

 

 

 軽い雑談を挟んだ後は本題だ。

 さっきも話していたがこの『セレモニー』――――本来は兵士しか登れない壁上に市民や有力者達を招き巨人を目の前で殺して見せるという過激な内容だ。

 他にも街の各所に木製の巨人【アニメ第3話で立体機動の試験等に使われている】を配置し、普段見られない立体機動を駆使しながら撃破するというパフォーマンスを行う。

 セレモニー……まあお祭りみたいなものなので屋台を多く出店する予定らしい。

 市民達のストレスを解消させるという意図もあるようだ。

 このイベントは王政府ではなく、調査兵団と駐屯兵団が主として行われる。

 王政府と憲兵団の許可も得ている。

 どんな裏事情があるか不明だが、ダレス総統が一枚噛んでいるとか。エルヴィン団長はなにか含みのある笑顔でそういっていた。

 気にしても仕方が無いのでスルーしよう。いつもの裏工作やら作戦でもあるのだろうな。

 

 さて……今回のセレモニーには当然、狙いがある。

 

 まず調査兵団と駐屯兵団の連携強化――――互いの技能を高め合うこと。

 人類の精鋭――高い格闘技能と経験に優れる調査兵団と、3万人――調査兵団の10倍の兵数に多数の兵器を保有する駐屯兵団。

 協力体制を強化し、人類全体の戦力強化を図る。

 調査兵団の代表としてリヴァイ兵士長が、駐屯兵団の代表として俺が出場するとか。

 ただ気になるのは――――

 

「あの俺は調査兵団志望なんですが……」

 

 そう駐屯兵団代表と言われても正直困る。

 これから起こり得るであろう戦いは調査兵団が主軸となる関係上、他兵団には決して所属できない。

 

「無論知っている。ただまあ、これはキッツ駐屯兵団隊長の要望でな」

「キッツ隊長が?」

「白状するとだ、君の裁判では駐屯兵団とちょっとした裏取引をしていてた」

「それは、まあなんとなく感じていましたけど」

 

 確かキッツ隊長が尋問しにきた時にそんなことを呟いていたのが聞こえた。

 

「ならば話は早いな。その1つが君の所属だ。君は主に駐屯兵団で仕事していることにも関係するが、君の功績は全て駐屯兵団の成果となる」

「……まあトロスト区で壁の補修や巨人を追い払ったりしていますし、間違いじゃないような気も――」

「間違いではないな。だが君が活躍すればするほど、トロスト区の評価は高まり、比例してトロスト区の駐屯兵団も力を増す。忘れてはいけないが巨人との戦闘は犠牲が付きものだ。それを単騎で巨人に勝利できる君は駐屯兵団でも上位の実力者なのだ。その存在は決して無視できるものではない」

「えーっ……とすいません、結局キッツ隊長の狙いってなんなんでしょうか? 別に悪い話でもなさそうなんですが……」

「ああ済まないな、別に悪い話ではない。彼はトロスト区の防衛能力を高める為に君に協力して貰っているようなものだ。軍はどうしても成果――手柄がなければ意見が通りにくい組織だからな。巨人の撃退という成績を片手にトロスト区に振られる予算の増額や壁上の武装強化を狙う為の措置だ。最近は邪魔する者もいるからな……」

 

 邪魔……予想は付くがとりあえず置いておこうか……。

 俺から何か言ってもどうしてと聞かれたら説明し辛い類のものだし。

 ただキッツ隊長の鬼ぶりもいろんな目的があったというだけだ。

 当然のことだと思うし俺がいうことはない。

 エルヴィン団長もそれ以上いうことは無かったようで次の話に移る。

 

 

 

 セレモニーの目的。

 支持率集め――金を溜めこんだ貴族や豪商達にパトロンとなって貰う、貰いやすくするためだ。だが裏の理由も存在する。

 

「広く市民達に我らの雄姿を見せて安心させる――――というのが表向きに語っている目的。実際はパトロン集めだがね。しかし裏……というかもう1つ狙いがある」

「狙いですか?」

「ウォール教……といえば判るかな?」

「ッ! それは……」

「裁判で君を処刑しろと喚いていた彼らだ。どうにも腑に落ちない部分がある」

「あれはおかしいよね~、何で彼らが君を殺せというのか不自然だ。君は彼らに睨まれるようなことはしていないよね?」

「勿論です! というか何で処刑なんて言葉まで出てくるのか……」

「スンッ……怪しい匂いがするな。それもとびっきりのだ」

「…………ウォール教か……存在すら怪しい『神』を語る連中なんざ、どうせ碌でもない組織だろうさ」

 

 ウォール教は壁が破壊された845年から急速に信者を増やしてきている新興宗教だ。

 たった一年で既に中央へ喰い込めるまで支持を拡大しているらしい。

 だがそれは不自然だ。説法を聴いて信者になるにはかなりの労力がいるだろう。

 

 有名なキリスト教のイエス・キリストとて最初から全ての者が信者となった訳ではない。

 うろ覚えだが処刑されたのは30代半ば――いつから布教活動を始めたかは不明だが20年と見積もるとして処刑され神格化された後、世界に広まっていった。

 条件は色々違うから一概に断言こそできないが……。

 ウォール教は1年ですんなり中央まで影響を与えている……元々宗教らしい宗教がない世界とはいえ、為政者からの弾圧が皆無で肥大していくこの宗教には何者かの手引きがあったとしか思えない。

 

 例えば…………王政府自身が糸を引いているとか、だ。

 

 エルヴィン団長は続ける。

 

「急速に拡大しつつあるウォール教は、最近、事あるごとに壁の武装化等の強化に異を唱えている。しかも王政府はそれに従い、資金を回さなかったり、駐屯兵団からの挙げられた壁上固定砲整備計画の立案書を棄却されたりしているらしい。兵士である我らからすれば、一般人に過ぎない彼らの言に耳を傾けること事態がありえないことだ」

「しかも理由は『神から賜りし壁に人が手を入れるなど言語道断!』なんて理由じゃねぇ~……。まあ門を封鎖するよう要求する人達もいるから、壁外が主任務の調査兵団としては、そういう人達を抑えてくれる分にはいいんだけど」

「……かといって、準備を疎かにすればウォールローゼも破られかねない。もう一度破られれば人類にとって決定的な致命打になりかねない。奴らの主張は神とやらの為に、命を捧げろという邪教とさしてかわらん。正気の沙汰とは思えないな」

「俺の意見としては、宗教ってそんな簡単に広まるものなのかって疑問があります」

「……ハッ! 案外、糞貴族とかがグルになってるかもしんねえな。あーいう奴らは立派な目が2つも付いてる割に、スラムの住人より現実を見ていねぇからな……」

「だが全て推測の過ぎん。……だからこそ対策は必要だ」

「対策ですか。具体的にはどういった事を?」

 

 エルヴィン団長は先ほどと打って変わって真剣な表情だった。

 その双眸からはなんの色も窺えず、意図を知ることは出来なかった。

 

「まだ言えない。アオイ君は信用しているが、事は内密に運びたいんだ。君は彼らに警戒されている可能性がある。警戒する理由は不明だがそれも含めて調べるつもりだ。知る者は少ない方がいい。…………済まないな」

「いえ、俺はエルヴィン団長を信用していますから気になさらずに。あまり頭の回転がいい方でもないですし」

「悪いな。一定の成果を得たらキチンと説明すると約束しよう。それと謙遜しなくていいと思うがね。君は長距離索敵陣形の発案者でもあるのだから」

「……はい、ありがとうございます」

 

 本当、ただ戦うだけで終わる世界ではない。

 様々な思惑が絡み合う。

 その中で俺が願うのは皆で戦い抜くことが出来ればいいという事だけだ。

 それとは別に思うところが無いとはいえないが…………。

 

 

 

 このあと2週間後のイベントに備えてリヴァイ兵士長が俺に直接指導する事が決まり話は終わった。

 倒す巨人も大型は壁上固定砲で事前に始末し、比較的弱い小型だけのようだ。

 退出したあとリヴァイ兵士長は徐に俺の肩を掴む。

 俺より少し身長の高い彼を見上げる形になった。

 

「っとどうしたんですか?」

 

 まさかここから恐怖のボコりタイムとか行かないよな?

 

「…………別にこれは言うことでもねぇが――」 

「……?」

 

 ふぅとため息を吐くリヴァイ兵士長。

 一体どうしたというのだろう?

 

「てめぇはまだ餓鬼だ」

「あ、はい……」

「……ごちゃごちゃ悩むな、それはてめぇが死んでからでも遅くないだろうが。頭の回転が宜しくないっていうならな」

 

 ちょっとだけ、酷いこと言われてる気がするけど……励まして、いるとか?

 

「……餓鬼は餓鬼らしく突っ走れ。兵士(ポーン)は敵陣に突っ込むしか能がねえんだからな。難しいことはエルヴィンの馬鹿野郎に押し付けとけ」

「はい」

 

 リヴァイ兵士長は俺が現実について思い悩んでいたあたりから静かだった。

 それをこれからのことなどについて悩んでいるのだろうと思っているのかもしれない。

 間違いではある――――ただ俺は声をかけて貰っておかげが胸が軽くなった気がした。

 どの道なるようになるしかない。

 突っ走るしかないことに違いないからだ。

 

 ゴン!

 

「あだ!?」

「オラ、ぼさっとするな! 2週間、俺らきっちり絞ってやるからな」

「はいっ!」

「それとこの2週間は調査兵団の預かりになる。訓練が終わったら訓練場の掃除はてめえの管理だ……手ぇ抜いたら承知しねえからな」

「はい! …………あれ?」

 

 もしかして、リヴァイ兵士長監督のお掃除ですか?

 俺、片づけや掃除の類はめっちゃ苦手なんすけど……。

 具体的には1、2ヵ月に一回の頻度で一気に掃除するタイプなんで――

 

「――ちょ!? 掃除はお手柔らかに――ってもう先いってるし! 待ってくださいよーー!」 

 

 俺は足早に去っていくリヴァイ兵士長を追いかける。

 どうやら外に向かうようで中央階段を降りて玄関に向かっているようだ。

 急いで階段を駆け降りた先でふと見慣れた一団を見つけた。

 

「あれは――」

 

 それは玄関の一角。

 

 絶望したかのように頭を抱えたペトラさんとオルオさん――――それをグンタさんとエルドさんが慰めているという変わった光景だった。

 

 

 

 




次回のヒントはアニメ20話か21話辺りの小話。
兵長にしごかれつつリヴァイ班の面々とのお話です。

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