BLACK★ROCK SHOOTER -Wishing on a STAR-   作:アカ狐

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六章 ~Insane~ 5

「はじめましてトト君、私はトリュー・ゲオルクという者だ。」

 

「えっ!?トリュー…!?」

 

トトが受話器を取って聞いた言葉は彼を驚かせるには十分すぎた。

初めて聞く声だったが、その声の主は自らをトリュー・ゲオルクと名乗った。

電話の主はそのまま話を続ける。

 

「単刀直入に伝える。君たちのところにゾディアックが向かっている。6番位 “ ストレングス ” と7番位 “ デッドマスター ”の二人だ。直ぐに逃げるといいだろう。」

 

「えっ!?ど、どういう……」

 

「時間が無い。あと120秒後には君は逮捕されるだろう。私からは以上だ」

 

「あっあの、……ステラを置いていけない!」

 

電話の主が突拍子もないことをさっさと告げて電話を切ろうとするのをトトは引き止めるように叫んだ。

 

「ステラ?タ-ナーが見せた石を彼女に握らせるといい。また折を見て連絡する」

 

「えちょっ」

 

トトの言葉も待たずに彼は電話を切ってしまった。

 

「先生からの電話だったんでしょ?先生はなんて?」

 

マイが心配そうに覗き込むが、トトの頭はそれどころではない。

今の話が嘘なのか本当なのかは分からないが、とにかく行動するしかないと考え、

伝え聞いた通りにブラックロックを眠っているステラの手の平に乗せ握らせた。

 

瞬間、

 

「うわっ!?」

 

突如として石がまばゆい光を発し、トトは驚きの声を上げた。

それはほんの数秒ではあったがその石がただの石ではなく、魔力の塊であるということを示すには十分であった。

そしてその光がゆっくりと消え、ステラが静かに目を開いた。

 

「……トト?」

 

「ステラ?…い、今のは……?」

 

トトの言葉に首を傾げるステラ。

しかしトトはすぐさまターナーに思い切り背中を押され、床に倒れ込むことになる。

その直後轟音とも言うべき銃声が響き、部屋中に飛び込んできた弾丸の雨でターナーの行動の理由を理解した。

トリューの電話の通りの出来事が起こったのだ。

銃声の主はゾディアック6番位 “ ストレングス ” だった。

彼女の両手に取り付けられた鋼鉄の剛拳 “ オーガ・アーム ” の銃形態による攻撃は圧倒的で、ターナーの店の中はあっという間に穴だらけとなった。マイはナミマに覆いかぶさられる形で床に伏せていたため無事だった。

銃声が止み、ステラの左目に炎が灯る。

 

「やりすぎじゃない?」

 

ストレングスの隣に立つデッドマスター “ プルート ” の声が響く。

しかしストレングスは彼女の言葉に首を小さく横に振る。

次の瞬間誇り舞う店内から砲撃音と共に青白く燃える砲弾が二人に向かって放たれ、

ストレングスは巨大な両腕で攻撃を防ぐ。

その後ろに隠れたデッドマスターは高く飛び、建物の真上から裏の通りに降り立ち、裏口から出ようとしたトトと鉢合わせする。

 

「ごきげんよう」

 

そう微笑む彼女にトトは拳銃を向けるが、彼女もまた鎌の刃先をトトの喉笛に突きつけた。

目に勇気を宿すトトに対し、“撃てるの?あなたに?”と問いかけんばかりの笑みを浮かべている彼女の圧に引き金にかかるトトの指が震えた。

直後、彼の背後から銃を抜いていたターナーがデッドマスターの眉間に向けて銃を撃つ。

彼女は後ろに飛びながら体をひねって弾丸をかわし、続く二発目、三発目も同様にかわしてみせた。

そのままターナーに斬りかかろうと踏み込もうとするが、ターナーはコートの中から円形の弾倉が取り付けられた銃を抜き、デッドマスター目掛けて発砲する。

トトが驚いたのはその弾の出る速度だった。

たった数秒で20発以上もの弾を撃ちだす銃はトトは見たことが無かった。

 

弾幕とも呼べる攻撃にデッドマスターは鎌で銃撃を防ぐばかりで攻撃に転じることができないところに、

 

「ナミマ!」

 

マイがナミマに何かを手渡し、それをナミマがデッドマスター目掛けて投げ込む。

地面に落ちたそれはボフン!を白い煙を広げ、煙幕を作った。

デッドマスターは鎌を振るって煙をかき消すが、その頃には彼らの姿はなく、

刹那、ステラに斬りかかられ、鎌でその刃を受け止める。

火花を散らせながら互いの刃をギリギリと競り合わせる中、ステラは言った。

 

「トトは、絶対に渡さない。」

 

 

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