BLACK★ROCK SHOOTER -Wishing on a STAR-   作:アカ狐

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六章 ~Insane~ 7

 

「渡さない??」

 

“ガギイィ!”

 

金属の摩擦音を鈍く響かせ、デッドマスターは鎌を振り抜き、互いに距離を取り向かい合う。

表情一つ変えないステラに対し、デッドマスターもまた笑みを崩すことは無い。

 

「私以外にもう一人来てるのよ?ストレングス!」

 

彼女の言葉に応えるように二人の頭上を通過する一人の影、

その少女の体躯に不釣り合いな程巨大な鋼鉄の腕が目を引いた。

ステラは大砲を抜きその背中を狙う。が、

 

「あら?余所見?」

 

その行動を対峙している彼女が見逃すはずも無く、手に握られた大鎌に襲われて阻まれてしまう。

ストレングスを見送ったデッドマスターは、ステラに向き直り口を開く。

 

「さあ、続けましょうか。」

 

再び鎌と剣がぶつかり合い、火花が散る。

ステラはトトの言葉を思い出す。

 

それはストレングスの銃撃が止んだとき、

ステラはトトに言った。

 

「トト。私が時間を稼ぐから、トトは逃げて」

 

「…わかった。でも、絶対に無茶しないでね。かならず後で合流しよう」

 

「うん。絶対に戻ってくる」

 

ステラはトトと交わしたその言葉を反芻するように口にする。

 

「私は、絶対に、トトのもとへ戻る」

 

彼と交わした小さな約束は、力が湧いてくるのをステラは感じていた。

その力はそのまま彼女の剣撃にもあらわれてくる。

刃が交差する度に力強くなる太刀筋にデッドマスターの表情が曇る。

 

(なんなの……!この前とは何かが違う!)

 

何故かとステラを睨みつけ、気づく。

彼女の瞳に宿った青い炎に、少し紫がかっていることに。

その力の理由に思考を巡らせ、一つの答えが頭をよぎる。

 

「…まさか、インセイン化をしたの?」

 

デッドマスターの言葉に、ステラは表情こそ変えなかったが答える。

 

「…ジャンヌも同じことを言った。それは何?」

 

「あら?知らないの?おめでたい子」

 

クスリと笑うデッドマスターにステラの眼光が鋭くなる。

刃が交差し、火花が散る。

しかしその火花に、微かにだが紫の色が混ざる。

 

「何も知らない貴女の為に教えてあげる。インセイン化はね、あなたの負の感情によって発露するのよ。負の感情を溜めれば溜めるほど進行し、やがて元に戻れなくなるわ。」

 

「負の、感情…?」

 

デッドマスターはフフと笑い、

 

「化物になった貴女の手をあの子は握ってくれるかしら?」

 

「……ッ!!」

 

ステラは彼女の言葉を否定するように剣を振り、デッドマスターに追撃を仕掛ける。

デッドマスターは彼女の剣を抑えるものの、力負けをしているのか、後ろに大きくのけ反る。

ステラはその隙を逃さず一閃を放つが、刹那割り込んできた一人に攻撃を阻まれる。

大きな鋸と、ステラとも、ジャンヌとも違う真紅の炎を右目に宿す女性。

ゾディアックの四番位 “ ブラック・ゴールド・ソー ” がそこには居た。

 

「まどろっこしいのよ。こんなヤツ私がさっさと刻んでやるわ」

 

ゴールドソーはステラを押し飛ばし、鋸を振るい剣と激しくぶつからせる。

ステラの青紫の炎がさらに強くなる。

 

「退屈させないでよね、ブラックロックシューター」

 

 

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