お久しぶりです。ちょいと書けなくて悩みながらも投稿しました。ちょいちょい修正入れるかもです。
後は軽く書くつもりの方が執筆が進む不具合。
「困った・・・」
フラフラと教室に入り、自分の座席に座った瞬間に机に突っ伏しながら僕は呟いた。教室内にいるクラスメイトが僕の状態に驚いて此方を見ているがそれを気にする余裕はや僕には無かった。
「あの子のアプローチが凄い・・・」
あの子とは先日友希那さんにメンバーに入れて欲しいと頼んできた少女、宇田川あこの事だ。彼女から色々と話を聞いて別れたものの、あれからほぼ毎日アプローチを掛けて来ているのだ。その中で彼女の話を纏めると
宇田川あこ。中学三年生でドラムをやっているがバンドを組んだ事は無い。ドラムを始めた切っ掛けは姉の影響の様だ。
姉の名前は宇田川巴。彼女の幼馴染み5人組で結成されたバンド“After glow”のドラムを担当している。
「After glowか・・・。」
メンバー探しをしている際に何度か聞いた事がある。その時に幼馴染みで組んでいることも聞いたので、引き抜きは無理だろうと判断していたバンドだった。
「しかし・・・」
正直な話、彼女からも申し出はありがたかった。彼女が加入すればまず最低条件はクリアされる。それに、パートもドラムなので被らない。今から練習すればその分曲の完成度も高くなる。ただ・・・
「世界で二番目に凄いドラマーか・・・」
妥協を許さない友希那さんと紗夜さんの二人からすれば、この発言がネックだった。本人曰く、一番は大好きな姉で自分は二番目だと言う事だが、ストイックな二人としてはそんな甘い考え方は駄目だ。との事。
「後は本人の実力も知りたい・・・・・・」
いつも友希那さん達に門前払いされているので肝心の彼女のドラマーの実力を知らない。譜面は渡しているので練習していると思うが・・・・
「やはり一度機会を設けてオーディションをしてみないといけないな・・・」
僕が出した結論はそれだった。もし実力も申し分無いのであれば、友希那さんと紗夜さんを説得して加入させ、そうでなければ諦めて他の人をすう。
「ただ一番の問題は・・・友希那さんと紗夜さんをどう説得するかだな・・・・・・」
僕が最大の難関部分をどうするか考えている時、僕に近付いてくる人達が居た。
「な~に辛気臭い顔してんだアキラ?」
「おはようなのだアキラ氏。」
話しかけてきたのはクラスメイトである赤坂真守君と大田九郎君の二人だ。僕の左腕の事も気にせずに話しかけてくる良い人達だ。
「ああ、おはよう赤坂君、大田君。」
挨拶を返すとこちらに来て、近くの椅子に座った二人。
「なんか疲れてるみたいだなぁ・・・・・・女か?」
赤坂君が妙にニヤニヤしながら小指を立てて聞いてきた。小指を立てるのは良くわからないけど。
「あぁ・・・・
うん、まぁそうだね・・・」
赤坂君の問い掛けについてあながち間違っては居ないので肯定する。すると教室内の喧騒が止まり、一瞬で静かになった。聞いてきた赤坂君自身は「何・・・・・・だと!?」と絶句して固まっていた。何なんだろうか?
「大変でござるなぁアキラ氏。」
「まぁ彼女も本気みたいだしね。毎日アプローチしてくるんだ。」
「ほう、毎日でござるか?それはそれは。」
大田君とそう話していると周りの女子達がザワついていた。それと赤坂君が慌てた様に聞いてきた。
「なぁアキラ、その娘いくつなんだ?」
「えっ?えっと僕らの一つ下だけど・・・・」
「じゃあ中3か・・・・見た目は可愛いのか?」
「えっ?そうだね・・・・普通に明るくて可愛い女の子だと思うよ?」
「そうなのか・・・・」
赤坂君は崩れ落ちるように床に座り、絶望した表情を浮かべながら「俺もモテてぇよ・・・畜生、畜生・・・」と呟いていた。周りの人も何故か騒いでいる。
「あれか?運動じゃなくて頭が良ければモテるのか?」ブツブツ・・・・
「大丈夫赤坂君?」
奇行が激しい赤坂君に声をかけると急に立ち上がり、僕の両肩を掴んだ。
「アキラァ・・・俺に勉強教えろぉ・・・頼むぅ・・・」
「赤坂君顔が近い。それにどうして急に勉強教えろだなんて?」
赤坂君はテストの成績で見れば下から数えた方が速い。ちなみに僕は上位、大田君はトップクラスである。そんな彼がいきなり勉強を教えてほしいと言い出したのだから困惑するしかない。
「俺は・・・俺はモテたいんだぁ!!」
赤坂君の叫びに目が点になる。いや、意味がわからない。
「いや、意味がわからないでござるよ赤坂殿。」
大田君のツッコミに頷く僕。しかし赤坂君は大田君の方を向くと
「オタク、お前も頭良かったな。勉強教えてくれ。」
そう言って大田君の肩を掴んだ。捕まれた僕と大田君は顔を見合わせた後、深くため息を吐いた。こうなった彼は話を聞かないから諦めるしか無いからだ。
「結局こんな時間か・・・・・・」
太田君と二人で赤坂君の勉強の手伝っていたら外はもう真っ暗になっていた。赤坂君は満足そうに
「これで俺もモテるぜ!!」
と帰っていった。勉強できれば何故モテるのか?結局赤坂君が何を考えてるのか良くわからなかった。
しかし・・・
「これで1日潰れたのは大きいな・・・・・・」
フェスまでの時間が限られた中、ドラムを除いたとしてもキーボードとベースを探さなければならないのだから尚更だ。
特にキーボードに関してはあてが無いから時間が掛かるだろう。ベースはと言うと、頼めばやってくれる人が一人居る。だけど・・・
「だからと言って姉さんに頼むのは・・・」
そう・・・・昔、友希那さんと一緒に演奏したこともある姉だ。だけど、ベースをやめて一年も経つのにいきなりバンドに入って欲しいと頼むのは・・・やっぱり駄目だ。姉は頼って欲しいとは言っていたが、これは僕の都合だ。それを姉に押し付けたくない。
「なら、頑張って探すだけだ。」
僕はそう決めて家に向かう。
「ただいま。」
「あ、お帰りアキラ。」
リビングには姉がベースを軽く弾いていた。
「珍しいね姉さん、久しぶりに弾きたくなったの?」
「いや、実はね・・・アキラ・・・私、あこと一緒に友希那のバンドに入る事になったの。」
「・・・・・・・・・・・・・はい?」
この時の僕は人生で一番驚いていたと思う。いきなり過ぎて理解するのに時間がかかった。
「・・・どう言う事なの?」
詳しく聞いてみると、宇田川あこは友希那さんや姉と同じ羽丘の中等部の生徒で姉が所属しているダンス部の後輩らしい。帰りに友希那さんと一緒に居る所に彼女が来てアプローチを行い、事情を知った姉の助言もありスタジオでオーディションをする事になった。紗夜さんの発言でその場に居合わせた姉がベースを担当し合わせてみた所、歯車が噛み合った感覚を受けて、そのままメンバーに選ばれたらしい。
「僕が友達に勉強を教えている間にそんな事が起きていたなんて・・・」
僕の言葉に姉も苦笑してした。僕としては今日考えていた事が居ない間に実行されていた事に驚いている。
「友希那に聞いたけど後はキーボードの人を探さなきゃだね。私も探してみるよ。」
「ありがとう姉さん。もし見つかったら教えてほしい。」
「うん、わかったよアキラ。」
その後、僕は着替える為に自分の部屋に向かった。
「駄目か・・・・」
僕は自分が所属していた音楽教室の知り合いに連絡を取ってみたが、やはりあては外れた様だ。僕は音楽教室に通わせて貰っていたが、あの頃の自分は練習一辺倒だった為、交友関係はあまり広くなかった。
逆に姉は音楽教室に通っていないが、小学校から交友関係は広かったので、あてはありそうだ。
「こればかりは姉さんを頼らないといけないかもな・・・・だからと言って姉さんばかりに任せる気は無いが・・・・」
僕は僅かな可能性に賭けてクラスメイトにも聞いてみよう。と決めた。後キーボードさえ見つかれば、メンバーが揃う。
「友希那さんの為に・・・・」
僕は僕が出来る事を、やるだけだ。
わりとどうでもいいオリキャラ紹介
赤坂真守(あかさかまもる)
クラスメイト。アホの子。
大田九郎(おおたくろう)
クラスメイト。アダ名はオタク。