異世界から来るソルジャー   作:ライダーGX

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第9話 遺跡で 後編

ゴブリン達がぐっすりと眠っている間にソルジャーが気づかれないように近寄り、目に見える先まで来た所でマルチツールタブレットから新たな武器を取り出す。

それは手榴弾の一種であり、毒のガスを発生させる『ポイズンスモークグレネード』である、このポイズンスモークグレネードはほんの僅かな煙を吸っても全神経が麻痺し、更に呼吸困難に陥り、やがて死に至る。

 

ガスの効果は5分ほどでしかないが、50体近くのゴブリン達を蹴散らすには十分な時間である。

 

ソルジャーはポイズンスモークグレネードのピンを抜いて投げ込み、ガスが発生して広がっていき、ゴブリン達は知らず知らずに大量に吸い込んでしまう。

 

するとゴブリン達は突如暴れ始め、もがき苦しみ、そして口から泡を吹き出してそのまま死んでいく。

 

その様子見つめていたソルジャーは少しばかりため息を吐き、5分がたったのを見て、女神官達に来るよう合図を送る。

 

ソルジャーの合図を見た女神官達は下へと降りて行き、ソルジャーの元に向かう。

女神官達がソルジャーの元に着くと、ゴブリン達の身体は全く動かず、既に死んでいる様子が目に映る。

 

妖精弓手はゴブリン達が呆気なく死んでいる様子にソルジャーに問う。

 

「ねえ、一体何をしたのよ」

 

「この毒ガスを撒き散らしたんだ、結構効く毒だ」

 

ソルジャーは妖精弓手にポイズンスモークグレネードを見せて言い、それには妖精弓手は言葉を無くすのだった。

 

 

 

 

ドゴォォォォォォォン!!!!

 

 

 

 

もの凄い地響きがした事にソルジャーは達は思わず警戒をする。

 

「な!何!?」

 

「いかん!何か来るぞ!下がるんじゃ!」

 

それにはソルジャー達も後退して下がっていく。

すると地響きが徐々に近くなって行くのが分かる。

 

「ふ!ゴブリン共がやけに静かだったと思えば、やはり雑兵には役立たずだったか」

 

そして姿を現すとそこにはホブゴブリンよりも大きい大きなゴブリン…否、ゴブリンとは全く別の魔物が居た。

 

「貴様等…ここを我らの砦を知っての狼藉と見た!」

 

「なんと…!!」

 

「なんて事…こいつが親玉ってわけ…」

 

蜥蜴僧侶と妖精弓手がその魔物の存在を見て驚き、ソルジャーも少しばかり冷や汗をかきながら言う。

 

「みたいだな…、まさかこんな所にいるとは…。オーガ(・・・)!!」

 

ソルジャーが口にした魔物、人食い鬼『オーガ』を見て言い、それにはオーガは目を細める。

 

「グハハハハ!!狼藉共めが…この砦に足を踏み入れた事を後悔させてくれる」

 

オーガは手に持っている巨大な棍棒を肩に乗せ、オーガの存在を見てソルジャーはようやく確信する。

 

「これで納得したぜ、通路の鳴子も捕らえられてなおも凌辱されずに無事だったエルフも皆お前の仕業って事か。そしてゴブリン達は捨て駒の役目か」

 

「ほう?なかなか鋭い人間だ。だが我を見たものは生きて返さん!!」

 

そう言って棍棒を振り下ろし、それには皆はそれを避けていく。

それにはオーガが次の手を打つ。

 

「逃すと思ったか!《カリブン!クルス!クレスクント!》」

 

するとオーガは術を使い、巨大な火の玉《火球》を作り出す。

それには鉱人道士が驚きを隠せない。

 

「ファイアボール!!だがこいつはちょいとデカすぎるぞい!」

 

「散って!」

 

「ダメだ!奴のファイアボールが大きすぎる!逃げられん!!」

 

妖精弓手がそう言った所をソルジャーがすぐに否定し、考える暇がないと思った所で女神官が。

 

「皆さん!私の後ろに!」

 

ソルジャー達はすぐに女神官の後ろへと下がり、女神官は呪文を唱える。

 

「《いと慈悲深き地母神よ、か弱き我らをどうか大地の御力でお守りください》」

 

そして呪文が唱える同時にオーガのファイアボールが放たれる。

 

「《ヤクタ》」

 

「聖壁!!」

 

女神官のプロテクションがオーガのファイアボールを防ぐ、しかしオーガのファイアボールが強すぎてプロテクションにヒビが入る。

 

「っ!」

 

「脆弱な人間の奇跡が、我が術を止められると思うか!そのまま潰れて焼かれるがいい!」

 

徐々にヒビが広がっていき、それを抑える女神官。

 

「(防ぎきれない…、もっと厚い壁ないと…みんなが…。もっと深く、強く、祈りを…!深く!)《いと慈悲深き地母神よ、か弱き我らをどうか大地の御力でお守りください》聖壁!!」

 

すると女神官のプロテクションが何重にも展開され、オーガのファイアボールを防ぎ、そしてファイアボールが打ち消され、ソルジャー達は危機を脱した。

女神官は奇跡に体力を使いすぎたのか、倒れそうになった所をソルジャーが受け止める。

 

「よく頑張ったな…」

 

「はぁ…はぁ…はぁ、はい…ありがとうございます…」

 

それにソルジャーは頷き、すぐに女武闘家達に言う。

 

「武闘家!魔術師!神官を連れて下がれ! 後は俺達銀等級に任せろ!」

 

「「は!はい!!」」

 

女武闘家と女魔術師はすぐさま女神官を連れて離れていく。

一方でファイアボールを完全に防がれてしまったオーガは身体中の血管を浮き上がらせて怒りが込み上がる。

 

「小癪な小娘め…!あのエルフの様に楽に生かせると思うなよ! そしてお前たち女たちは新たなゴブリンを増やす為の孕み袋になって貰うぞ!」

 

「生憎だがそれは出来ないぞオーガ」

 

っとソルジャーが背中のバスタードソードを手にして抜き、左手にはSCAR-Hを構えながら言う。

 

「貴様はこの俺が討伐する! そしたら槍使いや重戦士等が喜びそうな土産話になるからな!」

 

「って言っている場合それ!?」

 

妖精弓手がソルジャーの言った言葉に思わずツッコミ、それに怒りが込み上がるオーガ。

 

「貴様…!!我を討伐するだと…!!抜かせ!!!!」

 

怒り任せに棍棒を振り下ろすオーガ、それにソルジャーは避けてSCAR-Hをオーガに向けて打ち込む。

20発の7.62mm弾がオーガの身体に直撃するも、血が飛び散りるだけで全く怯まなかった。

 

「貴様!!」

 

「(7.62mm弾が通用しない、分かってはいたが硬いなあいつ!)」

 

その隙に鉱人道士が呪文を唱える。

 

「《仕事だ仕事だ土精ども、砂粒一粒転がり廻せば石となる》石弾!!」

 

鉱人道士のストーンブラストがオーガに直撃し、それに怯んだかと思いきや、すぐさま反転して鉱人道士に棍棒を振り下ろす。

 

「うぉおおお!!!」

 

すぐさま鉱人道士は逃げて、その隙に妖精弓手が矢を放つ。

妖精弓手が放った矢が、オーガの目に直撃して、それにオーガが怯んでしまう。

 

「ぐあああ!!!己!!」

 

苦しながらも矢を抜き取るオーガ、すると抜かれた目から泡が吹き出し、そしてすぐさま再生する。

 

「嘘!?」

 

妖精弓手はそれを見て驚く。

それを見たソルジャーは思わず目を細める。

 

「再生した…強力な再生能力持っているのか? だとすると通常の攻撃は効かないな。なら」

 

っとソルジャーは隠れながらマルチツールタブレットを取り出し、SCAR-Hを仕舞って、新たな物を取り出す。

取り出したのは『C5爆弾』と言って、C4に変わる未来兵器である。C4よりも非常に強力で、雷管の芯を入れなくても爆破が可能でどこでも張り付く事が出来る爆弾である。

 

それを取って、隙を見て動き出すソルジャー。

 

そして見てもいられない女魔術師はすぐに呪文を唱える。

 

「火矢!!」

 

女魔術師の火矢がオーガの背中に直撃し、オーガの内部に火が通って大ダメージを与えた。

蜥蜴僧侶は刃をオーガに切りつけていくが、分厚い皮膚には全く通らなかった。

 

「(刃が通らぬ…!)」

 

「引け!リザードマン!」

 

するとソルジャーがバスタードソードを構えながら走り、そして切り込んでいきながらオーガの身体にC5を貼り付ける。

そしてまた切り込んでいきながら貼り付けて行く、っとその時。

 

「そこだ!!!!!」

 

オーガの棍棒がソルジャーの行き先に向けて振りかぶり、ソルジャーが来た所に棍棒が真上に来て直撃する。

その際にバスタードソードが飛ばされて、HK45も妖精弓手の近くに落ちる。

 

「ソルジャーさーん!!!!」

 

その光景を見た女神官が叫び、確かな感触にオーガはにやける。

 

っがその時、棍棒が勝手に動き出し、それにはオーガは驚く。

 

「何!?」

 

そして棍棒からソルジャーが棍棒を押し上げながら出て来る。

彼の鎧が粉々になっており、頭から僅かに血が流れている事にイラつきが出て来る。

 

「やれやれ…、お気に入りの鎧が粉々になっちまったぜ。この落とし前…たっぷりと付けてやるぜ!!!」

 

っとソルジャーは一気に棍棒を押して、そして回し蹴りで棍棒を吹き飛ばす。

ソルジャーの底知れぬパワーにオーガは勿論の事、女神官や女武闘家達、そして妖精弓手達も驚きを隠せない。

 

棍棒を吹き飛ばされ、体制を崩すオーガはソルジャーの能力に驚きながら見る。

 

「貴様…!本当に人間か!?」

 

「ああ…人間だよ、もっとも…ちょっとばかし“強化”した人間だ!!」

 

そう、ソルジャーはマルチツールタブレットの中にある強化型注射器を使って身体能力を上げているのだ、大抵の骨も筋力も格段に上昇しており、簡単に倒れはしない。

普段は力を抑えているため、滅多なことにしか使わない。

 

「お返しにこいつを食らわしてやる!」

 

っとソルジャーはあるリモコンを取り出す、それはC5の起爆スイッチであり、そのボタンを押すと、オーガの身体に付いたC5が一斉に爆発し、それにはソルジャーのみならず女神官達もそれには隠れる。

 

そして煙が晴れると、オーガの身体が真っ二つになっており、それにオーガは苦しながら驚きを隠せない。

 

「な!ど!どうなっているのだ!?」

 

「爆薬だよ。ゴージャスのな」

 

ソルジャーはゆっくりと近寄りながらデザートイーグルを抜き、オーガの胴体に乗っかりながらデザートイーグルを構える。

 

「いくら治る再生でも、血を大量に流せばお前は死に至るだろう。その際にこいつをたっぷりと喰らいながら死んでけ」

 

そう言ってバンバンバンバンとデザートイーグルを撃ちまくっていく。

その様子を妖精弓手は口をポカーンと空いたままになり、女神官達は何とも言えない雰囲気になる。

 

オーガはその間に耐え難い苦痛を味わいながら徐々に意識が薄れていく。

 

「ぐぁあああああ!い!いくら我が倒されても。更なる魔神王の幹部やその部下達が貴様等を倒しに行くぞ!!」

 

「そん時はたっぷりと返り討ちにしてやる、地獄でお前は苦しみ悔しながら消えな」

 

ソルジャーは弾倉を新たに変えて、全弾をオーガに食らわせ、オーガは苦しみながら息を引き取り、死んでいくのであった。

 

死んだのを確認したソルジャーはデザートイーグルを下ろし、ホルスターにしまいながら言う。

 

「これは捕らえられ苦しんでいたエルフの分だ。満足していけよ」

 

そう言ってソルジャーは自分のバスタードソードを拾い、皆のもとに行き、ソルジャーは皆の状況を問う。

 

「皆、大丈夫か?」

 

「大丈夫かって…あんたの方が大丈夫なの!?」

 

「小鬼殺し殿、そなたはオーガの攻撃をまともに受けていた。それでもなお無事は不思議でたまりませんな」

 

二人の問いに女神官達も頷き、それにはソルジャーは頬をかきながら言う。

 

「あ~…まあ確かにな。一応皆結構消耗しているかも知れない、今日はこれで引き上げよう」

 

「まあそうじゃのう、皆も疲れとる。一旦引き上げじゃわい」

 

そう言ってソルジャー達は地上へと向かうのであった。

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

そしてソルジャー達が遺跡から出てくると、外にはエルフ達が馬車を持って来ていた。

 

「皆さんお疲れ様です! ご無事でなによりでした!」

 

「取り敢えずは討伐しましたが、残っているゴブリンはいるはずです。そこを気をつけてください」

 

「分かりました、後のことはお任せを!」

 

そう言ってソルジャー達は馬車に乗り、街へと目指すのであった。

馬車の中でソルジャーは女神官に頭を包帯で巻いてもらい、横になっている妖精弓手が思い出して起き上がる。

 

「そうだわ、オルクボルグ、これ」

 

っと彼女が出したのはHK45だった、それを見たソルジャーは礼を言う。

 

「ああ、すまない。お前の所に飛んでたか、ありがとう」

 

そう言ってホルスターにしまい、ソルジャーは少しばかり目を閉じる。

妖精弓手はソルジャーの方を見て思う。

 

「(これがオルクボルグの戦い…、とてもじゃないけど無茶すぎるわ…。このまま無茶しなきゃいいんだけれど)」

 

っとそう思いながらも妖精弓手も目を閉じて身体を休める。

 

そんな風に思っていることをソルジャーは知るもしなかった。

 

 




ようやくオーガ編が終わりました。

次は水の街編かロード編かどっちにしよう。

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