早朝、牧場で一足先に起きたソルジャーが牧場の周りを見回りをしている。
その際に、昨日牛飼娘が拾って連れてきた子犬も一緒に付いて来ている。
「ワンワン!」
「良かったなお前、昨日伯父さんに飼ってもらうの許してもらえて、まあお前の餌代は俺が稼がなきゃいけないけど」
昨夜、牛飼娘が伯父に子犬も事を相談した所、飼ってもらえる事を許してもらえた為、この牧場で住むことになった、当然この子犬は後に番犬として活躍する事になるであろう。
当然ながら餌代はソルジャーが冒険で稼がなきゃいけないことになってしまった。
その事を思い出すとソルジャーは思わずため息をついてしまう。
「ッ!ワンワン!!ワンワン!!」
すると子犬が突如吠え出して、どこかに向かって走り出す。
それにソルジャーはその子犬を見る。
「ん?どうした?」
すぐさま子犬の後を追いかけるソルジャー、子犬が向かった先は近くにある林であり、そこに止まって再び吠え始める。
「ワンワン!!ワンワン!!」
「どうしたんだ……っ!」
ソルジャーは草を除けた瞬間、言葉が失ってしまった。
なぜならと言うと、柵の先には無数の足跡…ゴブリンの足跡が大量に残されていたのだ。
そして林の先に何やら人の形をした足がうっすらと見えていて、それにソルジャーは目を細め、ホルスターにある『M9ピストル』を取る。
バスタードソードは家に置いたままで、ブロードソードはまだ取りに行っていない為ここにはない。
その為、身近にある銃で、護身用としてM9ピストルを選んでいる。
構えながら前進し、その人影の元に近寄る。
するとその場所にいたのは人ではなく、ゴブリンの死体であった。
「これは…」
ソルジャーがゴブリンの死体を調べると、胴体の半分が酷くえぐられていて、内蔵もバラバラになっている。
その様子を見てソルジャーは辺りを見渡す、するとすぐ近くに何かあり、それにソルジャーは調べに行く。
何かがある所には落し物らしき物を拾い、それを見るソルジャー。
「これは…宝玉? いや、今はこんな事をしている場合じゃない。急いであいつに知らせないと」
ソルジャーがその宝玉を見てつぶやき、その謎を抱えたまま子犬を連れて急ぎ牧場へと戻った。
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一方牧場の方では、牛飼娘が機嫌良く朝食を作っていて、ソルジャーの帰りを待っていた。
そしてソルジャーが帰ってきて、牛飼娘が彼が戻ってきたのに気づいて振り向く。
「あっ、お帰り、今ご飯作って──」
「緊急事態だ。今すぐ街に避難しろ」
っと突如避難を言ってくるソルジャーに牛飼娘は突然混乱する。
「え?何…? 一体どうしたの?」
「この付近にゴブリンの痕跡が確認した」
ゾッ!!
すると牛飼娘がその言葉を聞いた途端、身体が震えだし、その事を聞く。
「ご、ゴブリン…?本当に?」
「ああ、今確認して来た所だ、しかも大勢のな。もしかしたら街にいる冒険者か、女たちを狙っているに違いない。その為にここを砦にして、攻め込む気だろう、これを指揮しているのは『ゴブリンロード』だろう」
「そ、そんな…。で、でも君なら何とか出来るでしょう?」
牛飼娘はソルジャーが全て対処してくれるだろうと思っている。
っがしかし…。
「全ては無理だ。俺は魔物の数なら30か40くらいなら対処出来る、だがゴブリンの数は無数だ、何十体居るかわからない、それを考えるとお前がここにいるのは危険だ」
いくら身体を強化しているソルジャーでも、一人だけで何十体もいるゴブリンを対象するのは無理がある。
それを聞いた牛飼娘は…。
「…そっか、…分かった。私もここに残る」
「え? ちょ、待て。言っている意味分かってるのか?」
「うん、勿論分かってるよ」
「なら───」
「だからだよ」
っとその事に思わず言葉が止まるソルジャー、牛飼娘は身体を震えながらソルジャーの法を見て言う。
「もしここを失ったら…君が帰ってくる所が無くなっちゃう…。私だけ逃げても…きっとダメになっちゃう…」
目に涙を溢れさせて、それにはソルジャーは少しばかり考え、そして外に出ようとする。
その際に牛飼娘に言う。
「…泣かないでくれよ。お前の居場所は…俺が守る。それに俺の居場所は…お前の近くだ」
牛飼娘はその言葉に目を開き、そう言ってソルジャーは外に出ていき、牛飼娘は涙を拭き取る。
そして外に出て、伯父が少々考えているところにソルジャーが来る。
「…すいません、伯父さん」
「…いいんだよ、後…あの子を悲しませない様にゴブリン退治の事を考えてくれるかい?」
「はい、勿論です。すいませんが俺はギルドに向かいます」
ソルジャーは一度自分の馬の所に行き、そして“ある宝箱”を馬車に載せてギルドへと向かうのであった。
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そしてソルジャーはギルドに着いて、宝箱を持ってギルドに入る。
ギルドには槍使いたちが居て、そこで酒を飲んでいた。
そこにソルジャーが近付いて来て、槍使いが気付く。
「ん?ソルジャー?どうしたんだよ?」
「すまない皆、聞いて欲しいんだ」
っとその言葉にそこにいる冒険者たちは振り向く。
そして女神官達や妖精弓手達、そして自由騎士達もそれに振り向いてソルジャーの方を見る。
「実は俺の居る牧場で大変なことが起きたんだ」
ソルジャーは皆に解りやすく説明する、牧場付近にゴブリンの痕跡があり、それを指揮してるのはゴブリンロード、そしてその目的は此処である事を言い、それには皆は驚きを隠せない。
説明し終えたソルジャーは皆に説得をする。
「皆、どうか牧場とこの街を護るために力を貸してもらいたんだ。これは俺の依頼だ、当然その報酬はある」
ソルジャーは近くにある宝箱の箱を開ける。
中に入っているのは純度の宝玉よりも高い『プラチナクリスタル』が大量にあり、それに他の冒険者は思わず立ち上がる。
「う!嘘だろう!?」
「すっげぇプラチナクリスタルだ!! そこら辺では滅多に見つからないものだ!」
「流石ソルジャー! 並の冒険者じゃなねぇな!」
その事に他の冒険者はソルジャーの報酬を見て喜びの声をあげる、っがしかし中には…。
「ケッ!いくらその報酬を出したとしても、今更ゴブリン退治をしろだなんてゴメンだね!」
「そうだ!俺達はもっとすげぇえ冒険をする為に来たんだ!」
「大体ゴブリン達は新米の白磁がすることだろう、俺達のする事じゃねぇえ」
ゴブリン退治を反対する者も多く、それには近くにいた女神官達が思わず声を上げようとした。
っがその時。
「誰が白磁の専門だと言った?」
ソルジャーがその言葉に対して思わずその者達に向かって言い、それにはその冒険者達は思わず身体がビクつく。
「ゴブリン退治が白磁の専門だと誰が言ったんだ? ゴブリン退治はどの階級でもやるものだ。大体白磁のランクはジャイアントラットやジャイアントローチしか討伐しか出来ない、いやそれしかないんだよ。
それを白磁だけとか言うなよ、それに白磁の新米達は何も知らないまま冒険者になっているんだ。俺は何も知らないままそいつ等が死んで行くのは真っ平御免だからゴブリン退治を引き受けるんだよ。二度と白磁の専門とか言うな…!」
ソルジャーの鋭い目線にその冒険者達は腰が抜けてしまって倒れ込んでしまう。
槍使いは頭をカリカリしながら、ソルジャーの肩を叩く。
「おいおい、そんな言い方すんなよ、まあお前の言っている事はわからなくもねえよ。まっ、お前には散々俺の頼みも聞いてくれた時もあったからな」
そして槍使いはソルジャーの鎧に拳をぶつけながら言う。
「仕方ねぇえ、受けてやるよ。あと追加報酬として何か奢れ」
「槍使い…」
「ゴブリン退治を引き受けてやるんだ。そのくらいのことはしろよ」
「…すまない、ありがとう」
「やめろって! なんか照れ癖だろうが!」
素直に頭を下げるソルジャーに対応に恥ずかしがる槍使い。そんな槍使いについていく者も。
「私も、行くわ、よ」
魔女も槍使いに向かって言い、それに槍使いは頭をかく。
「私もやるわよ!」
すると二回から降りてくる妖精弓手がやって来て、ソルジャーに向けて指をさす。
「私もそのゴブリン退治、引き受けてあげる。その報酬として私の冒険に付き合うことよ!」
「あれ?この前のあれはどうした?」
既に冒険の約束をしているはずなのに、また冒険をする為に報酬を頼むのはちょっと頭をかしげるソルジャー。
それに妖精弓手は慌てていう。
「っ!こ!細かいことはいいの!! いい?これは私の報酬!分かった!?」
「(ははは…やれやれ)」
その事に頭を抱えるソルジャー、そして同じように鉱人道士と蜥蜴僧侶も降りてきて言う。
「ワシは美味い酒でも願おうかのうかみきり丸」
「拙僧は小鬼殺し殿の牧場が作っているチーズを貰いたい、それが拙僧の頼みである」
「なるほど」
「私たちもやります!」
すると自由騎士達が名乗り出してきて、自由騎士がソルジャーに言う。
「助けられた借りを返すには絶好に機会です! 絶対にお役に立ちます!」
それには只人僧侶達も同じように頷き、それにソルジャーは胸が熱くなる。
「皆さーん!ギルドからも依頼があります!ゴブリン一匹付き、金貨一枚の懸賞金を出します!」
すると受付嬢が依頼表を持って来て、その依頼報酬に皆は思わず飛び込む。
「何!!金貨一枚だって!」
「すげぇえ!プラチナクリスタルだけじゃなく金貨一枚も入るのか!」
「おっしゃ!!こんだけ報酬があるならやるぜ!!」
プラチナクリスタルと金貨一枚が同時に手に入る事でやる気が出て来る冒険者達。
そしてソルジャーに言われて腰を抜かした冒険者達はそれにやけくそになりながらも立ち上がる。
「ああ~くそ!わかったよ!やりゃあいいんだろうやりゃあ!!」
「ゴブリン退治!やってやる~!」
嫌々ながらもゴブリン退治を引き受けてくれた様子にソルジャーは心の底から感謝しきれない。
その様子を見ていた女神官達はソルジャーの側にやって来る。
「良かったですねソルジャーさん」
「ゴブリン退治、引き受けて下さって」
「それで、貴方はゴブリンをどうやって退治するつもり?」
三人からの質問にソルジャーは言う。
「考えはある。だが少しばかりこっちも準備がある」
っとそう言ってソルジャーは少しばかり武器屋に行き、それに女神官達は見届けるのだった。
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ソルジャーは武器屋でブロードソードを受け取った後、防衛の為に牧場に戻り、そして特別部屋である弾を作る。
フルメタルジャケット弾に更なるコーティングを施し、更に弾頭に超合金並の金属を足して、貫通力を増す。
「よしこれなら万が一に備えて大丈夫だろう。後は…」
ソルジャーはマルチツールタブレットに保管しているビームセイバーを取り出す。
一度試し斬りを行わければ行けない、どれほどの力を見てみなければいけない。
ビームセイバーを構え、青い刃を展開させ、床から出てくる丸太に向かって切りつけていく。
ズバッ!!!!!
ビームセイバーに斬られた丸太は綺麗に斬られて落ちる、しかも焼けた所もなく、不思議なくらいだった。
「なるほど…、大王神から貰ったこれは相当なものだな。よし、このくらいにして防衛の準備をしなきゃな」
そう言ってソルジャーは特別部屋を出て、既に槍使い達が来ていて防衛の準備をしてくれていた。
ソルジャーもそれに加わって、すぐさま防衛の準備をするのであった。
そしてゴブリンの大軍隊が徐々に押し寄せてくる。
その際にゴブリンロードの他に“別の存在”が居ることも、後に明らかとなる。