牧場付近にゴブリンロードが率いるゴブリン達が迫って来て、ソルジャーに皆に防衛にしてくれる様、説得する形の依頼を頼み。
それに皆は引き受けて、現在最終確認の途中である。
ソルジャーは必要な物を置き、残りは物陰に隠す。
辺りを見渡すと、皆が迅速に行動してくれて、本当に助かっていた。
ソルジャーが少し一安心していると、そこに重戦士が来る。
「おいソルジャー、こっちに来てくれ」
「ん。どうした?」
呼ばれたソルジャーは重戦士の元に行き、重戦士は「こっち来い」と合図を送りながら歩き出し、それにソルジャーはついていく。
重戦士の元に付いていった先には槍使いとソルジャーと重戦士、そして槍使いと並ぶ筋骨隆々の女冒険者『女戦士』が居て、そこには新人冒険者たちがその場に並んでいた。
その様子にソルジャーは重戦士に問う。
「何なんだこれは?」
「まだこいつらはゴブリンのことをよく知らなん連中だ。生意気なガキ達にゴブリンがどんなものか教えてやってくれ」
「あたしらはあんたほど詳しくないからね。頼んだよ」
「頼むぜ」
三人に頼まれたソルジャーは少しばかりため息を付き、そして新人冒険者たちの前に来る。
そしてソルジャーは新人達にある事を話す。
「昔…、ゴブリンなんて最弱な生き物だと…そう教えられてきた者達がいた、ゴブリンは馬鹿だ腑抜けだと…そう言って挑んだものたちは…帰ってこなかった。皆……ゴブリンによって殺された。
ゴブリンは馬鹿だが意外と腑抜けじゃないんだ。残虐で殺意むき出しの魔物だ、油断すれば速攻取り囲まれ殺される…男はな、女たちは捕まり、そしてゴブリン達によって凌辱され、ゴブリン達の孕み袋とされる。それが結果だ」
っとその話を聞いた新人冒険者達は一気に表情を青ざめていき、近くで聞いている槍使い達は何とも言えない表情をしながら見ていて、近くで作業していた女神官達がそれを耳にして立ち止まって聞く。
「それで何人もの新人冒険者達は辞めていき、死んでいった…、ゴブリン退治は新人向けとは大違いだ、実際は青玉等級か鋼鉄等級位の難易度だ、お前達はもっと経験を積み…高見を目指せ。
お前達はまだ若い、もっと上を伸ばせる! この討伐を終えたらもっと過酷な試練が待っている! ここでダメだと思ったら仲間を頼れ!仲間こそがお前達新人達の今の強さだ! 仲間を信じられない奴は冒険者をやめろ!信じられな者は死を意味する!
決して仲間を見捨てるな!見捨てた者は人間だけじゃない!ゴブリン以下のクズだ! お前達!分かったか!!」
「「「「はい!!!」」」」
「お前達!!分かったのか!!!」
「「「「「はい!!!!!」」」」」
新人冒険者達はソルジャーの気迫にのまれながらも力強く返事を返し、皆の士気が一気に高まった。
「よし!!ゴブリン達に一体誰に戦いを挑んできたのか思い知らせてやれ! 奴らはすぐに来るぞ!準備しろ!」
『『『『『『はい!!!!』』』』』』
掛け声に新人冒険者達はすぐに準備を始めて出して、武器の確認や仲間達の連携を確かめる。
その様子を見てソルジャーは槍使い達の方をみると、槍使い達はただ唖然とした表情をしており、それにソルジャーは問う。
「…なんだ?」
「お前…国王軍かよ?」
「いや、まるで軍事教官だぞ?」
「あたし、思わず笑いを堪えてたよ」
槍使い達の言葉にソルジャーは頭をかきながら少々困った感じになった。
そしてその様子を女神官達は見ていて、思った。
「仲間を信じろ…」
「なんか…感激した感じ」
「あの人、普段はあんな事言わないのに。思い切った事を言ってきたわね」
ソルジャーの普段見せない姿に女神官達は心に強い影響を感じ、そして今回のゴブリン退治に意気込みを強めていく。
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そして夜中、林の奥で無数のゴブリン達が集まっていて、そして大岩の上にホブより小さいが一回り大きい『ゴブリンロード』が立って、ゴブリン達を率いて集めさせる。
《皆の者!この先の街に冒険者達が居る、我らの
皆殺しだ!!
生きたまま串刺しにし!方々を畏れさせろ!女は死ぬまで孕ませ、そして子にその死肉を喰わせてやるのだ!奴らの街を滅ぼし、我らゴブリンの王国を築くのだ!!
それにはまず東にある牧場を手に入れる…行くぞ!!我らは軍隊だ! 奴らなど恐るに足らぬ!!》
『『『『GROOOOO!!!』』』』
ゴブリン達がゴブリンロードの言葉にゴブリン達は一斉に動き出す。
そんな中でゴブリンロードの隣に居る目玉だけで足のみが“ある魔物”は何も問わずにゴブリンロードについていく。
そして牧場では冒険者達が警戒する中で、小屋で牛飼娘が心配する様子に新人の冒険少女が声をかける。
「大丈夫ですよ」
「…うん」
そして一人の冒険者が…。
「っ!おい!」
その言葉に冒険者達は振り向くと、林の奥からゴブリン達が出てくる。
しかもゴブリン達は女性を板に縛りながら盾にする『肉の盾』を使ってきた。
《肉の盾、これを掲げる冒険者達は途端に矢や魔法を撃てなくなる、間抜けな奴等よ…》
ゴブリンロードはそうにやけながら言い、隣に居るある魔物は…。
『…ダメだ、読まれてる』
《っ!?》
その言葉にゴブリンロードは思わず振り向く。
その言葉通りに、ゴブリン達は突如眠り出していき、肉の盾を離してしまう。
鉱人道士とその道士が眠りの奇跡を使って眠らせる。
「眠れ眠れい、小鬼共」
ゴブリン達が眠ったのを見て、岩陰と草むらに隠れていた冒険者達が立ち上がる。
「今だ!!ゴブリンには構うな盾だけ回収しろ!!」
冒険者達が一斉に駆け出して、盾を持ってその場から逃げる。
それを逃がさないとゴブリンシャーマンが呪文を唱えようとした時、シャーマンの首に矢が刺さる。
矢が飛んできた方向、木の上で妖精弓手と圃人野伏が弓を構えていた。
「全く…、あれが盾ね。悪趣味ったらないわ」
「同感、さあ!呪文遣いを減らすわよ!」
二人が弓でゴブリンシャーマン達を打ち払い、その隙に盾を運んでいる冒険者達が全員戻る。
「盾はこれで全てだ!」
「よっしゃ!!稼ぎ時だ!!かっ飛べ!!!」
槍使いが掛け声と同時に重戦士、女騎士、女武闘家、蜥蜴僧侶、自由騎士達が飛び出していき、後方で待機している魔女と女魔術師、只人僧侶、森人魔術師が奇跡と魔法で援護していた。
大勢の冒険者達がゴブリン達を狩り出して、一気に形成が崩れたゴブリン達は慌ててしまう。
「ソルジャーさんは何時もこんな事をしているんですか。苦労するわね…」
「いえいえ、ソルジャーさんは若い人たちの為にやっているんですよ」
自由騎士がそう呟くと、近くにいた女武闘家がゴブリンを蹴り飛ばしながら言う。
「全く、こう多いと嫌になっていまうぜ」
槍使いがそれに呟きながら槍を華麗に振り回しながら言い、その時蜥蜴僧侶が出てきて、ゴブリン達を踏み潰す。
「いくら強い小鬼殺し殿も今回はお手上げでしょうな、当然でしょうや」
その際にゴブリンが槍使いに向けて矢を放つ、っが、矢は槍使いに当たる直前逸れて、それにゴブリンは驚き、槍使いに首を飛ばされる。
魔女が《矢避》で矢の軌道をそらしたのだ。
そして一人の冒険者が叫ぶ。
「き!きた!!『ゴブリンライダー』だ!!」
皆が林の方を見ると、林から狼に乗ったゴブリン『ゴブリンライダー』が押し寄せてきて、それに重戦士は振り向く。
「(なるほど…あいつの言うとおりだったな)後退だ!所定の位置まで下がるぞ!」
重戦士の言葉に冒険者達は下がり、所定の位置に付く。
「整列しろ!相手は馬じゃなくオオカミだ! 的が小さい分低い!十分に引きつけろ!」
槍使いが指示しながら合図を待ち、ゴブリンライダーが一斉に飛びかかってきた所に。
「構えろ!!!」
槍使いの言葉と同時に皆が木の長い槍を構え、飛びかかってきたゴブリンライダー達はそれに串刺し状態になる。
取りこぼした残りのゴブリンは冒険者達がその場で止めを刺しいく。
その際に状況を監視しているゴブリンがゴブリンロードに講義していると、ゴブリンロードが監視のゴブリンの頭部を斧で切り飛ばす。
《雑魚共が、所詮雑魚では役に立たんか。後の物はお前たちに譲るとしよう》
っとゴブリンロードの後ろにホブコブリン達ともう一体ホブよりも異常に筋肉が発達したゴブリン『ゴブリンチャンピオン』が共に向かっていく。
そしてゴブリンロードはその際に後ろに振り返ってその場から走り出し、それに魔物は目を細める。
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ゴブリンロードが逃げ出した。その者が考えていた策とは全く違っていたのだ。
《どういう事だ…、どうしてこうなったのだ…》
まともに考えていたはずが、全く違って、更に冒険者達にこっ酷く倒されていった。
こんなはずではなかった、ゴブリンロードは更に走り出す。
《まだだ、まだ望みはある。故郷に戻れば女どもがまだいる。そうすれば再びゴブリン共を増やすことが出来る! そうすれば!》
ゴブリンロードがそう考えた瞬間。
バン!
ゴブリンロードの足元に銃弾があたり、それにゴブリンロードは足を止める。
すると林の奥から馬に乗って現れるソルジャーがM9ピストルを構えてやって来て、馬から降りる。
ゴブリンロードは斧を取り出して、ソルジャーもM9ピストルを仕舞って、バスタードソードを抜いて構える。
「生憎だがな、お前の巣穴は潰した。もうお前の帰るところはない、ここで討伐されろ…!」