異世界から来るソルジャー   作:ライダーGX

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第21話 謎の暗躍 前編

辺境の街と水の街とはまた違う土地、浜辺の街。そこでは豊富な魚が取れると言われていて、繁盛な店が立ち並んでいる。

その浜辺の街での近くにある洞窟、そこにはゴブリンの出没が出ていると噂されていて、ゴブリンの噂に街の人たちが夜出歩こうとしない。

 

そこである冒険者2名がその浜辺の街にやって来て、洞窟のゴブリンを退治している。

 

2人組の冒険者は鎧を着込んでいる他、1人は大剣を背負い大柄な体で豪腕な腕の筋肉がむき出しの冒険者で、もう1人は頭に鉢巻を巻いて腰に剣を持って背中には収納可能な槍を持っている。

そして注目する部分が、彼らの両肩にある“ゴツイ物”があると言う事だ。

 

その洞窟で、2人の冒険者がゴブリンと遭遇し、大柄の冒険者が背中の大剣を手に取ろうとしたら、鉢巻の冒険者が止める。

 

「おい、こんな狭い場所でそれを使うのは妥当じゃないぞ」

 

「チッ、豪快に斬ろうしたかったんだが、仕方ない」

 

っとその冒険者は大剣を手に取るのをやめて、バックパックから二つのジャマダハルを取り出す。

同じようにもう1人の冒険者もバックパックからハチェット二つを取り出して、接近戦に構える。

 

「GARGIEAA!!」

 

「フッ!!」

 

大柄の冒険者がジャマダハルをゴブリンに突き刺し、更に豪快に二体突き刺していき、ゴブリンの胴体を切り分けて倒していく。

 

鉢巻の冒険者はハチェットを使ってゴブリンの頭を刺し、そして背後から来るゴブリンの首にめがけて振る、そのハチェットがゴブリンの首を切り裂き倒す。

 

そして迫ってくるゴブリンたちを蹴散らしていき、洞窟の奥に居る囚われての女性たちを救い出す。

救出した女性たちを浜辺の街に送り届け、その街のギルドに報告した後、2人は街を後にする。

 

「さて。ようやく長期の冒険を終えた所で水の街に戻るとするか」

 

「ああ、浜辺の街はいいんだが…海の塩の香りは俺にはきつい」

 

大柄の冒険者はそう言って鼻をつまみながら言い、鉢巻の冒険者は呆れた様子で“ある物”を取り出して、更にこの世…否、もっとも“この世界にはない乗り物”を取り出して、自分達の拠点である水の街に戻るのだった。

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

そして水の街では一度地上に戻ったソルジャー達、そんな中で女神官、女武闘家、女魔術師はサウナ風呂で地下水道で付いてしまった臭いを落としていた。

 

「ふぅ…気持いい」

 

「本当、こんな場所があったなんて」

 

「でもこの前ソルジャーさんのあの場所の方が…」

 

っとその事に女魔術師が言うと、三人は思わず顔を真っ赤にしてしまい、顔を横に振る。

 

「あ!あれは置いといて! それにしても皆さんも一緒にここにこればよかったのに…」

 

「多分無理だと思うよ? ドワーフさんとリザードマンさんは論外なのはともかく、あのハイエルフさんはどうもこっち側が苦手みたいで、火の精霊がどうとかで」

 

「それにソルジャーさんは少し手紙を書くと言ってギルドの方に行ったからね」

 

三人はそう言いながらサウナ風呂を満喫していると、扉から誰かが入ってくる。

 

「あら、皆さんお揃いで」

 

「「「っ!!!」」」

 

女神官達が驚いて振り向くと、そこには同じように入浴しに来た剣の乙女がいた。

 

「お邪魔してごめんなさいね、勤めで遅くなってしまって…」

 

「「「…」」」

 

剣の乙女の姿に見とれてしまっている女神官達は、ただ唖然としたまま見ていた。

 

「お隣、いいかしら?」

 

「あ!はい! 勿論です…!」

 

女神官は問いかけられる剣の乙女に慌てながら頷き、剣の乙女は彼女の側に来て、近くのかけ湯を体にかける。

すると女神官は剣の乙女の体にある物を見て問う。

 

「あ、あの…。それ……は?」

 

体には何かしら傷つけられた傷跡が体のあちこちに浮かび上がってきて、女武闘家と女魔術師がそれを見て思わず言葉を無くす。

それに剣の乙女が見ながら言う。

 

「ああ、これ。少し…失敗してしまったの。後ろからガツン…って。もう十年以上の前の事だけど」

 

「あ、えと…、その、…大丈夫なんですか?」

 

体のことを心配する女神官に、剣の乙女はそれに微笑んで言う。

 

「…貴女は優しい人なのね。だいたいの人がわたくしが教えると「ごめんなさい」って言うのに」

 

「…っ!そんな事は」

 

「あの…気にしないでください。彼女何時も心配してしまう方なんで…」

 

っとその事を女武闘家が言うと、それに女神官が思わず頬をふっくらして女武闘家を見る。

 

「大丈夫です。そちらも気になさらずとも良いのですよ」

 

そう言って剣の乙女は白樺の枝で身体を清め、そして三人に話す。

 

「あなた方は何時も一緒なのですね」

 

「は、はい。冒険者になった時にずっと一緒で」

 

「そうですか…。それと御方、ソルジャーと仰いましたか、頼もしい御仁ですね」

 

「え、は、はい。本当に」

 

少々慌てながらもその事に頷く女神官。

 

「探索も順調な様子で、わたくしも嬉しく思っておりますわ、ただ…」

 

っとその言葉に女神官達は思わず息を呑む。

 

「彼には何やら“不思議な力”を感じます。それもいくつも…、余りにも強大過ぎて、きっと何時か消えてしまうでしょうね」

 

剣の乙女の言葉に女神官達は言葉を無くしてしまう。

 

「のぼせない内にお上がりなさい」

 

そう言って剣の乙女はその場から立ち去っていき、女神官達はその様子をジッと見つめていた。

 

「知ってる…」

 

「ええ、あの人…知ってるわ」

 

「はい…、ゴブリンの事を…」

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

一方ソルジャーは水の街のギルドで牧場に居る牛飼娘に手紙を書いており、ある程度書いた所で受付人に手紙を渡す。

 

「ではよろしく頼む」

 

「かしこまりました」

 

そう言って受け取り、ソルジャーは窓口からその場をあとにする。

そして飲み物を注文しようとした時に。

 

「オルクボルグ!」

 

「ん?ようお前か。どうした」

 

妖精弓手が手を振りながらソルジャーの元にやって来て、ソルジャーの隣に妖精弓手が立つ。

 

「さっき手紙を書いていた所見たけど、誰に送っていたの?」

 

「俺の幼馴染だよ。この間の件で少しばかり心配させてしまったからな」

 

ソルジャーの話を聞き、妖精弓手はこの間の件と言えば恐らくゴブリンロードの件の事だろう思い、それに納得する。

 

「へえ、ちゃんと気を使ってるのね」

 

「当たり前だよ、勿論お前にもな」

 

「なっ!何言ってんのよ!バカ!」

 

思わず顔を真っ赤にしてしまい怒鳴る妖精弓手、それに笑いながら見るソルジャー。っとその時に周りの方を見る。

何やら気に食わない雰囲気をしており、こそこそと話し声が聞こえる。

 

「なんだよあれ、あんな奴のどこがいいんだ?」

 

上森人(ハイエルフ)の考えってよく分かんねぇぜ。男ならキチンと外見で見てもらわないとな」

 

「よし!後で俺が声を掛けていくぞ!」

 

「おい抜け駆けはなしにしろよ!」

 

っと何やら奇妙な空気になっている感じがし、それにソルジャーは妖精弓手に問う。

 

「おい、別の場所に移動するぞ」

 

「え?どうして」

 

「どうもここのギルドは奇妙な雰囲気を見せている。お前も少しは感じているだろう?」

 

「…そっちも? やっぱりヤな感じな所ね」

 

そう言って妖精弓手はソルジャーの腕を組んで、その場を出ようとする。

 

「さ!どこか美味しい料理を食べに行こう! 勿論あんたのおごりよ!」

 

「結局俺かよ!」

 

愚痴りならもソルジャーと妖精弓手はギルドから出ていき、それに舌打ちする者達がいたのは言うまでもない。

 

っがその時ある人物がその様子を見ていた。

 

「へぇ~、あれがか。なんとも言えない感じだけど…ふ~ん、どうもあれだね~…弱点が無いこともない」

 

何やら今の様子を探っている感じを当然ソルジャーは知るもしなかった。

 

 

 

 

そして美味しい料理店に入ったソルジャーと妖精弓手は、ソルジャーのおごりで美味しい料理を食べていた。

 

「たくぅ、なんで俺が奢らなきゃならないんだ」

 

「いいじゃない、あんたの依頼で、あんたの為の事なんだから」

 

「訳がわからん…!」

 

怒りをプルプル震わせながら我慢するソルジャー、そんな様子に妖精弓手は言う。

 

「あんたも意外と、他の皆の事、気を使ってるのね」

 

「ん?まあな、それが出来なきゃパーティーなんて出来ないだろう」

 

「…そうね、そりゃそうよね。ようし!後で何か買おう!」

 

「ん?何を買うんだ?」

 

それにソルジャーは問うと、堂々とした表情で妖精弓手は言う。

 

「色々よ!色々! さあ!早く食べて行こう!」

 

「(はぁ…やれやれ、こいつの頭の中は分からんな、全く)分かったよ、それじゃあ食べたあと行くか」

 

「よし!」

 

そう言ってソルジャーと妖精弓手は美味しい食事を食べた後に買い物をし、明日のゴブリン討伐に向けて準備をするのだった。

 

 

 




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