異世界から来るソルジャー   作:ライダーGX

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第27話 さらば水の街

地下墓地での戦闘を終え、ソルジャー達は夜になって水の街に戻った。

そしてソルジャーは報告のために剣の乙女の元に向かい、中庭にいる剣の乙女の所に行く。

 

剣の乙女はソルジャーが来たのを感じて振り向く。

 

「お待ちしておりましたわ、戦士様」

 

「どうも、地下水道に蔓延んでいたゴブリン達は全て排除した」

 

「それは良かったです。これでこの街も安心に───」

 

「ただ一つだけ、気になる事が」

 

ソルジャーは気になっていた事を剣の乙女に問い、それに剣の乙女は聞く。

 

「はい、私に出来ることならなんなりと…」

 

「貴女は…ゴブリンの存在を知っていましたね?全て…」

 

っとソルジャーはまるで『あんたはグルだな?』っと疑いを言わんばかりに言う。

だがそれを剣の乙女は静かに頷く。

 

「…はい、その通りです」

 

「やっぱり…」

 

ソルジャーの予想は当たり、その事に言葉をこぼす。

 

「どうして気づかれたのですか?」

 

「全てを知った訳じゃないけど。あの地下のゴブリン、どう考えても誰かを狙っての行動、そして…この件には“邪教団”も絡んでいるっと言う事だな?」

 

「…流石っと言うべきかしら、それならもう少しはぐらかすべきだったかしら」

 

「そんな事をしても無意味だ、時期に気付かれるさ。ジャベリン達が戻ってきたからには…」

 

「そうですか…」

 

もはや隠す事はないと言わんばかりに言う剣の乙女、そんな彼女にソルジャーはある事を問う。

 

「それともう一つ、地下にいたあのアリゲイター。あれは見張り役か?」

 

「…どうしてそう思うのです?」

 

「ジャベリン達もそうだが、この街の冒険者は地下のネズミ退治はしないし、ゴブリン達の事に全く動こうとしない。それを考えるとどう考えてもあれは見張り役としか考えられないからだよ。それとだが…あれは貴女の“使徒”か?」

 

ソルジャーはアリゲイターが剣の乙女の使徒と問いただし、それにより剣の乙女は重い言葉を開かせる。

 

「本当に流石ですわね。そうですわ…あれは私を…ゴブリン達から守って下さる様に召喚したのです、ですがゴブリンはそれを学習して船を使い、襲われないようにしたのでしょう。そしてこれが…私への復讐だとしても」

 

「復讐…、と言う事はやはり貴女は…」

 

「……はい、私は…ゴブリンによって凌辱され、そしてこの目を焼かれました。幸い失明は逃れましたが…私の心はゴブリンによって深い傷を負わせました」

 

「そういう事か…、それじゃあ邪教団は地下にあった鏡を使い、貴女への報復と考えて…」

 

転移の鏡でゴブリン達を呼び出し、剣の乙女を狙おうと考えた邪教団だと考えるソルジャー、同時に彼の心の中ではジャレットもそれに含まれていたと推測する。

そして剣の乙女は杖を握り締める。

 

「もし…ゴブリン達に出くわしたら…、私…泣いてしまいますもの。私は…誰にも言えず、剣の乙女と英雄がどうかゴブリンから助けてくださいなどと…言えるはずがありません。誰も…そう思わないですから」

 

「……」

 

「それを聞いて、貴方は…どうするおつもり?」

 

剣の乙女はソルジャーに自分をどうするかと聞き、それにソルジャーは少しばかり間を空けて、口を開かせる。

 

「どうもしないよ」

 

「っ!? どうもしない…って!」

 

「俺は…貴女を咎める事は出来ない。貴女もまた…ゴブリンの被害者だ、被害を受けた者の痛みはよく知っている。だからどうもしない」

 

だからどうもしないと言う言葉を聞いた剣の乙女はそれに顔を下げ、重い言葉をこぼす。

 

「…皆にわかって欲しかった…。怖くて辛くて…痛くて恐ろしくて、そんな事がこの世にあって、そういう事をする者がこの世界にはいる、分かって貰いたかっただけです…私は」

 

剣の乙女の心を理解して欲しい…そう思った彼女はそう言う言葉を放つも、それを聞き入れてくれる人は誰い一人いなかった。

それを感じたソルジャーは少しばかり黙り込む、英雄と呼ばれる彼女はより重たい心を背負っているのだと。

 

「地下にあったあの転移の鏡は差し上げます、貴方になら…きっと分かって貰える筈…」

 

「いや、あれは捨てたよ」

 

っとソルジャーの言葉に剣の乙女は思わず驚く。

 

「ええ?! 古代の秘宝ですよ?!」

 

「あれは余りにも強大すぎる。俺達だけでは扱いきれない、使えばきっと今回の繰り返しになる…。あれはコンクリートで固めて、アリゲイターのいる場所に沈めたよ、あいつにとっては良い寝床になるよ」

 

「…本当に…面白いお方。貴方は時々…“外れている”と言われてませんか?」

 

「いや、俺は俺だよ。それは違いない」

 

その言葉を聞いた剣の乙女は少しばかり笑い、そしてある事を問う。

 

「…少しだけ聞いていいかしら?」

 

「何か?」

 

「貴方は…小鬼を退治して、何か変わりました?」

 

「どういう事だ?」

 

剣の乙女の言っている意味が分からないソルジャーは少しばかり問い、剣の乙女は夜空の月を見る。

 

「勇者様が魔神を滅ぼせば…世界はきっと救われるのでしょう。でも小鬼に襲われた15歳の少女が今も救いを求めていたとしても…そんな事を気にかけてくれる人は何処にもいないでしょう…小鬼を退治しても…何も。何も変わらないじゃありませんか」

 

「…それはちょっと違う」

 

「え?」

 

ソルジャーの言葉に剣の乙女は言葉が止まり、ソルジャーは言う。

 

「俺はゴブリンばかり相手している訳じゃない。ビックベアやデーモンにガーゴイル。あらゆる魔物を退治しているんだ。だから俺はそこまでゴブリンを相手してるんじゃない。それと貴女はひどい目にあったと言ったな?」

 

「はい…」

 

「俺は故郷をゴブリンによって襲われてしまった、俺は最後まで見ていた、そして最後まで抗い、全滅させたが…結局何も守れなかった」

 

「でしたら!!「だから…俺は貴女の気持ちを理解する事は出来ない。俺は…貴女じゃない」…私を助けて下さらないのですか?」

 

剣の乙女は今にも泣きそうな表情をしていて、ソルジャーは少しばかり考え、そしてその場を後にしようとした際にこう言う。

 

「でもゴブリンが出たならまた呼んでくれ。すぐに駆けつけて…ゴブリンを倒してやる」

 

「っ!!!」

 

ソルジャーの言葉に思わず剣の乙女は杖を離して、その場に膝まつく。

 

「ゆ、夢の中でも…ですか?」

 

「ああ、夢の中でもだ、ゴブリンは…放っておけないからな」

 

そう言ってソルジャーはその場を離れていく、剣の乙女はペンダントを握り締め、そして涙を流しながら言う。

 

「わ、わたくしは…、貴方を…お慕い申し上げております」

 

そう泣き崩れる剣の乙女だった。

 

そして廊下では、ソルジャーの帰りを待っている女神官とジャベリンとブレイドの三人がいて、ソルジャーが来たのを見て振り向く。

 

「報告は終わった」

 

「報告…ご苦労様でした」

 

女神官はそう言って頭を下げる、そんな中でジャベリンがソルジャーにある事を問う。

 

「おいソルジャー、大司教にはどう言う風に言ったんだ?」

 

「何も…ただ報告しただけ」

 

そういうソルジャーにジャベリンはただ何も言うことはなかった。

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

そして次の日、ソルジャー達は依頼達成の報酬を受け取り、辺境の街に戻るため馬車に乗る。

するとジャベリンとブレイドが見送りにやってきた。

 

「ようお前ら」

 

「あ、こんにちは」

 

「なんじゃ、お主等見送りに来たんか」

 

「ああ、それとソルジャーに礼を言わなきゃな、今回の依頼を引き受けてありがとうよ、本当なら俺達がやらなきゃ行けないことなの」

 

ジャベリンは今回のゴブリン退治の事を言い、ソルジャーはそれに頭を横に振る。

 

「いいや、今回はわざわざあっちが依頼を横してきたんだ。それを断る訳には行かなかったんだ。それに今回は気になる事がわかったからな」

 

「ああ~、あのジャレットか。そういやアイツは何処に行ったんだろうな?」

 

「恐らくは自分のアジトだろう、でもしばらくは動きはないだろう。あの怪我だ、そう簡単に動けないさ」

 

ブレイドの言葉にジャベリンは言い、それにソルジャーも頷く。

 

「そうだな、しばらくはあいつも手は出してこないだろう。それとお前たちも今回は世話になった、お陰で死にそうになったが助かった」

 

「良いって。同じ転生者同士、助け合いだ」

 

「ありがとう、今度辺境の街に遊びに来いよ。もうこの時期だと収穫祭が近いからな」

 

その言葉に二人は頷く。

 

「おうよ! その時は遠慮なく行かせてもらうぜ!」

 

「それにソルジャーのケミストビルダーツールタブレットもコピーさせて貰いたいしな」

 

「おお、そん時はお前のカスタムツールタブレットもコピーさせてくれ」

 

それにジャベリンは頷き、そして馬車が出発する時間がきた。

 

「ソルジャーさん」

 

「おう、それじゃあな二人共、元気でな」

 

「ああ、そっちも元気でな」

 

ソルジャー達は握手を交わし、ソルジャー達は馬車に乗って辺境の街へと向かい、ジャベリンとブレイドは手を振りながら見送った。

 

馬車の中でソルジャーの方を見る妖精弓手、それにソルジャーは気づく。

 

「ん?どうした」

 

「いや…あんたもあんな風になるのね?」

 

「あれがか?別になんにも変わらないが」

 

っとその事に思わずずっこけそうになる妖精弓手。

 

「ってあんたね…。まあいいわ、それよりもオルクボルグ、ちょっとあたしの頼み、聞いてくれる?」

 

「またか…? んで今度は何」

 

「またかはなによ…。今度冒険に一緒に出て欲しいのよ、出来れば二人だけで」

 

妖精弓手は小声でその事を言い、彼女の言葉にソルジャーは頭を傾げ、それに問う。

 

「なんでまた?」

 

「いいの!お願いよ…ダメ?」

 

「はぁ…、分かったよ。今度の冒険一緒に出てやる」

 

その事に妖精弓手は心の中でガッツポーズをし、それにため息を付くも、ソルジャーは辺境の街の街まで一眠りをするのであった。

 

 




これで水の街編は終わりです。

そしてしばらくの間、R系を進めます。
見た方はそちらを期待して下さい!
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