異世界から来るソルジャー   作:ライダーGX

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今回はゴブリンとの戦闘は全く関係なく、叔父の命を救う話しです。

ですのでご理解してお読みください。


第35話 収穫祭までの休日 中編

昨夜、ソルジャーは牛飼娘と楽しい時間を過ごした後、皆に見つからない様に戻り、ソルジャーはその後に寝室へ行って就寝した。

 

そして翌日、ソルジャーは朝早く起きて、辺りを見回りに行き、そのついでに子犬と一緒に散歩していた。

 

「ワンワン!」

 

「よしよし、ほら…取ってこい!」

 

ソルジャーは棒を投げて、子犬を遊ばせる。

子犬は喜びながら棒を追いかけていき、投げ落ちた棒を拾い、ソルジャーの元にやって来る。

 

「よし、いい子だ。さてと…」

 

見回りを済んだソルジャーは一度辺りを見渡す。

いつも変わらない牧場、そんな平和な様子をソルジャーは少しばかり見続け、そして子犬を連れて戻る。

 

そして家に戻ると、牛飼娘達やジャベリンとブレイドが起きていて、ソルジャーが戻ってきたことに振り向く。

 

「よう、おはよう」

 

「おはよう。いまご飯作ってるからね」

 

「ああ、叔父さんは?」

 

「それがどこにもいないんだよ。探したんだけどよ」

 

その事にソルジャーは考え込み、それに頷いていう。

 

「分かった、俺が探してくる。皆は少し待っていてくれ」

 

そう言い残し、ソルジャーは叔父を探しに行く。

家の周りを探し、この間居た場所を探すも、そこには叔父の姿がなく、それに少し考え込むソルジャー、そして牛小屋の方に行くと、叔父がいた。

 

ソルジャーは叔父の所に向かおうとした際に。

 

「ゴホッゴホッ!ゴホッゴホッ…!!」

 

「っ!叔父さん!!」

 

またしても叔父が咳き込んだのを見て、ソルジャーはすぐに駆けつけ。叔父の様子を見る。

それに叔父は思わずソルジャーを押しのけてしまう。

 

ソルジャーは叔父の様子を唖然としながら見て、叔父はその場で固まってしまう。

 

「…す、すまない…」

 

「叔父さん…、風邪じゃなかったのか?」

 

「…………すまない、本当は風邪じゃないんだ」

 

っとその事を聞いたソルジャーは目を少しばかり開き、叔父の言葉を聞き続ける。

 

「実はここ最近…妙に咳き込む事が多くなり、少し前に医者に見てもらったんだ。それが…」

 

「まさかのガン…、嘘だろう…この前に地面に落ちていた血を調べたら異常なしと!」

 

ソルジャーはこの前調べた血液には異変はなしとの結果を見ていたが、それが今となっては別な事に驚く。

叔父はソルジャーが調べたことに少しばかり驚いた。

 

「調べたのか? 凄いな…君は。やはりあの“地下室”のお陰ということかな?」

 

「知っていたの…?」

 

「ああ、実は昨日冒険者の少女達が喋っていたの少し聞いてね。凄いよ君は…でも隠し事はちょっと許せないね」

 

「すまない…、それよりも叔父さん…あんたこの事をあいつには黙っておくのか? あいつが許さないぞ?」

 

牛飼娘の心配に叔父は少しばかり黙り込み、少し考えてソルジャーに言う。

 

「…この事とはあの子に黙ってもらえるか? あの子を悲しませたくはない」

 

「叔父さん…」

 

「そんな事…出来る訳ないでしょ」

 

っと別の方向から声がして、その方向を見ると、そこには牛飼娘とジャベリン達が居て、先ほどの話を聞いていたのだった。

牛飼娘は叔父の方をに駆け寄り、腕を掴みながら言う。

 

「ねえ…嘘だって言ってよ…、嘘だって!」

 

「…すまない」

 

「そんな…ねえ!叔父さんを治して!!何とかして!!!」

 

牛飼娘はソルジャーに希望をたくそうとして、ソルジャーはそれに応えるために頷く。

 

「ああ…任せろ」

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

ソルジャーはすぐさま特別部屋でガンの治療法を探して、研究台で調べていた。

 

それにジャベリンもブレイドも協力していて、ガンの治療法を調べている。

 

「ソルジャー、ガンの事は俺もよく知ってるよ。だがガンの段階はステージ4になると取り返しのつかない事になるぞ?」

 

「分かってる。そうなる前に何とかしないと」

 

そう言いつつソルジャーはガンの治療法を探すも、なかなか治療方法が見つからず、焦ってしまう。

 

「クソッ!こんな時にこれだけの施設があるのに、見つからないなんて…!」

 

「落ち着けよ、こういう時に落ち着かなきゃいけねえ。まだ見つからなかった訳じゃないだろう?」

 

ジャベリンの言葉にソルジャーはそれに頷き、そしてある事を思い出す。

 

「そうだ…錬金術師のあいつだ!」

 

「あ? あのガキンチョか? なぜだ」

 

「錬金術師はあらゆる物を錬金する事が出来る。俺達が作ったガンの治療薬を錬金してもらえば…!」

 

「そうか…、錬金ならその常識も変えることが出来る…! ナイスアイディアだ!」

 

そう言ってソルジャー達は街へと向かうために準備する。

特別部屋を出たソルジャー達、そこに牛飼娘が来る。

 

「ねえ、どう?」

 

「ああ、今解決策が見つかった所だ。それを試して、上手くいけば何とかできるかもしれない」

 

「良かった…。もし叔父さんがいなくなったりしたら…」

 

「心配するな、俺が必ずガンを治す。ただ覚えて欲しい…ガンは再発する可能性もある、俺が行う方法はまず有り得ないが、仮にもし起きたりしたら…そこは覚悟して欲しいんだ」

 

ソルジャーの真剣な表情に牛飼娘は黙ったまま頷いて、ソルジャーは牛飼娘の様子を見る。

 

「すまない…ガンはそれほど手ごわいんだ。だが必ず治す…」

 

「…うん、分かった。ごめんね…無理を言って…」

 

「構わないさ、じゃあ行ってくる」

 

そう言ってソルジャー達はマシンツールタブレットでハンビィーを出して、乗車して辺境の街まで行く。

ソルジャー達が向かう様子を叔父は少しばかり見て、そして椅子に座るのだった。

 

叔父の様子を女僧侶が見ていう。

 

「少しは安静にした方がいいですよ。病気が悪化する恐れがありますから」

 

「すまない。君達にも迷惑かけたね…」

 

「いえ、気にしないでください」

 

女僧侶はそう言ってお茶を入れる準備をし、それに叔父は少しばかり目をつぶるのだった。

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

そしてソルジャー達が辺境の街に到着し、ソルジャー達がハンビィーに降りてくる所に女神官がソルジャーの姿を見る。

 

「ソルジャーさん、どうしたんですか?」

 

「おお神官か。ちょっと急ぎのようでな」

 

「急ぎ…ですか?」

 

それに頷いて、ソルジャー達はギルドに向かい、女神官もその後を追いかける。

 

ギルドに入ったソルジャー達、そして錬金術師の組を見つけて、錬金術師に声をかける。

 

「おい!」

 

「え?ソルジャーさん? どうしたんですか?」

 

「実はだな…」

 

ソルジャーは錬金術師に叔父のガンの事を話して、それには錬金術師達と共に着いてきた女神官も思わず驚きを隠せない。

 

「そうなんですか?!」

 

「ああ…、それでお前の錬金術でこの薬を調合して貰いたいんだ。出来るか?」

 

「はい…問題はないですが、また急ですね?」

 

「すまない…出来るか?」

 

ソルジャーは無茶な依頼を錬金術師に頼み、それに錬金術師は頷いて言う。

 

「大丈夫です。5分かかりますが…お時間貰っていいですか?」

 

「ああもちろんだ、頼む」

 

それに錬金術師はソルジャーが出した薬を持って、その場を離れていき、女神官はソルジャーが困っている様子に見つめていた。

 

「意外です…ソルジャーさんがここまで焦っているのは」

 

「俺だって焦るよ。叔父さんはガンだと知ったときはな…、なんとしても救うさ」

 

「ソルジャーさん…」

 

その言葉に黙り込む女神官、そして5分後、錬金術師が戻ってきて、青い液体が入った小ビンを持ってくる。

 

「はい、出来ました。効果はすぐには現れませんが、これを飲ませればガンは完全に消えますよ」

 

「すまない、助かる。礼は──」

 

「大丈夫ですよ。お礼は。まあお礼と言っちゃなんですが、今度僕たちを冒険に連れてって貰えませんか?」

 

「問題ない、助かったよ」

 

そう言ってソルジャー達はギルドを出て、外に止めてあるハンビィーに乗り込もうとする。

っとそこに女神官もやって来て、ソルジャーに言う。

 

「ソルジャーさん、私も着いて行ってもいいですか?」

 

「え?ああ…いいぞ?」

 

ソルジャーの許可を得て、女神官もソルジャー達に同行する、ハンビィーに乗り込み、そのまま牧場へと向かった。

その様子をこっそりと着いてきた獣使いが居て、バトルドッグが獣使いの側に寄る。

 

「クゥ~ン…」

 

「大丈夫…、私はなんともないよ」

 

そう言って獣使いはソルジャー達の去る様子を見届ける。

 

 

 

そしてソルジャー達が牧場に戻ってきて、叔父にガンの治療薬を渡す。

 

「叔父さんこれが治療薬だ、これを飲めばガンは完全に消える」

 

「本当か? 信用していいのかい?」

 

「勿論だ、これは錬金術を得意とする者からの信頼性もある」

 

その言葉に叔父は少しばかり悩んでしまうが、それを牛飼娘が言ってくる。

 

「叔父さん。彼を信用してよ、お願いだから」

 

「…分かった、それじゃあ」

 

叔父はその治療薬の小ビンを開けて、それを飲む、治療薬を飲み干した後違和感がないか確かめる。

 

「う~ん…特に変わった様子は無いんだが…」

 

「効果はすぐには現れないって言ってたが、もう大丈夫…ガンは完全に消えるよ」

 

「そうなのか…? でもそれを聞いて安心感が出てくるよ…ありがとう…」

 

それを聞いてソルジャーはホッと胸をなでおろし、牛飼娘も一安心する。

女神官がソルジャーに近寄り、笑顔でソルジャーに言う。

 

「良かったですね。ソルジャーさん」

 

「ああ、着いて来てくれてすまないな」

 

「いえ、少し心配だったんで来たんですが、問題ないですね」

 

女神官の言葉にソルジャーは安心した感じになり、ジャベリン達はそれを優しく見届けたのだ。

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

そして日が沈んでいく中、ソルジャーはその夕日を見ていて、女神官と牛飼娘がそれを見てやって来た。

 

「叔父さん…あれから体調が良くなったって言ってたよ。あの薬が効いてきたみたい」

 

「そうか…良かった」

 

ソルジャーはそれを聞いて本当に安心し、牛飼娘がその事に礼を言う。

 

「ねえ…ありがとう、叔父さんを助けてくれて」

 

「ああ、お前との約束だからな。また何かあったら言ってくれ」

 

「うん…それじゃあこの子を街まで送ってあげて」

 

牛飼娘は女神官をソルジャーに任せ、それにソルジャーは頷いて、ハンビィーで送らせる。

 

その際に女神官がソルジャーにこう言った。

 

「ソルジャーさん、もし何かあったら…私を頼ってください」

 

「ああ、そうさせて貰うさ」

 

っとそう言ってソルジャーは辺境の街まで女神官を送っていったのであった。

 

 


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