後編を更新します。
ソルジャーが牛飼娘と共に辺境の街へと向かい、収穫祭にやって来た。
街へと到着して、馬を馬小屋へと届けたあとに、ソルジャーは牛飼娘と一緒に収穫祭を見て回る。
数多く収穫された野菜や果物、更に祭りに楽しめる屋台が沢山あって、どれも皆が楽しめそうな物があった。
「凄いね~。みんな楽しそうにしてる」
「収穫祭は年に一度の祭りだからな…、楽しいのは当然だ」
そう言っていると女武闘家と女魔術師が、共に回っているソルジャーと牛飼娘の姿を見つける。
「ソルジャーさん!」
「何してるの?もしかしてデートですか?」
「ん?ようお前ら」
「あらこんにちは、今日は二人だけ?」
牛飼娘が女神官が居ないことを問いかけ、それに女武闘家と女魔術師がいう。
「はい、今日は収穫祭で大事な用があるんです」
「ですので、私達二人だけです」
「大事な用…、ああ~…なるほど」
ソルジャーは女神官の用とやらに気付き、それに納得する。
一方で牛飼娘はその事に何のことかさっぱりだった。その様子をソルジャーが見て、後で説明すると言っておく。
「分かった、それじゃあ俺達は行く」
「ええ、そちらもお楽しみに」
そう言って女武闘家と女魔術師はその場を去っていき、残ったソルジャーと牛飼娘は再び見て回る。
そしてとある屋台に新米戦士と見習聖女、重戦士のパーティの3人組がいた。
新米戦士と少年斥候が丸い玉をある的に当てようとしていたが、なかなか当たらずにいた。
すると少女巫術師がソルジャーと牛飼娘の存在に気付く。
「あっ、ソルジャーさん」
「どうも、こんにちは」
「楽しんでるなお前ら」
ソルジャーが今の様子を見て言い、それに少女巫術師が言う。
「楽しんでいると言うか、かなり粘ってるんですよ。もうこれで13回目なんですよ、本当に男の子は…」
「ふふふ…いいじゃない。その方が可愛いよ」
っと牛飼娘がそう言い、ソルジャーは新米戦士と少年斥候の投擲を見る。
どうも2人の投擲がぎこちない感じで、必死に的に当てようとしているのがだ、一向に当たらなかった。
それを見飽きたソルジャーが二人に近づき。
「貸してみろ、手本を見せてやる」
「え?」
「おいオヤジ、やらせてもらうぞ?」
「お、おう…」
それに屋台の男性は頷き、玉を受け取る。
新米戦士と少年斥候が後ろに下がり、ソルジャーが玉を持って的に向かって投げる。
彼が投げた玉は的のど真ん中に命中し、更に何発も当てて行き、全部当てた。
「「「おおーー!!」」」
パチパチパチパチ!
ソルジャーが全て的を当てたのを見た人たちは思わず拍手をし、見ていた牛飼娘は微笑んだ。
一方で屋台の男性は困り果てた様子で言う。
「だ、旦那~。もうちょっと手加減してくだせい」
「手加減したら手本にならないっしょ」
そう言ってソルジャーはその場を後にして、牛飼娘達の元に戻った。
「こんな感じだ」
「スゲェ…ソルジャーさん! 是非その投擲教えてください」
「簡単だ、単に練習するだけだ」
そう言ってソルジャーは牛飼娘と共に再び屋台を見て回るのだった。
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色々と見て回ってきたソルジャーと牛飼娘、そして別の人物との約束の時間が来た。
「ねえ、そろそろあの人との時間…だよね?」
「ん?ああ~…もうそろそろ正午か」
ソルジャーは時間的に正午の時間となっているの感じ、牛飼娘はソルジャーの方を見て言う。
「それじゃあ私は先に帰るね? 馬の方は…」
「馬は乗って帰ってくれ。こっちは別ので帰るから」
「うん、それじゃあ…楽しかったよ」
牛飼娘はそう言ってソルジャーと別れ、ソルジャーの馬に乗って牧場へと帰っていった。
ソルジャーはそれを見届けた後、約束の場所へと行き、受付嬢の居る所に向かう。
そして受付嬢のいる場所、受付嬢は普段とは全く違う格好でソルジャーを待っていて、ソルジャーがやって来た事に気付く。
「楽しめましたか?」
「ああ、待たせた?」
「いいえ、そんなに待っていませんよ。それじゃあ行きましょうか」
ソルジャーと受付嬢はそう言って共に周り、祭りの中を見ていく。
その中で受付嬢はソルジャーが常に持っている太ももの銃が“違う”事に気付く。
「あら?ソルジャーさん、いつものとは違うものですけど?」
「ん?ああ…、俺が使っている物は今手入れ中でな、置いてきているんだ」
そうソルジャーの武器であるHK45カスタムは現在メンテナンス中で、特別部屋に置いている。
現在彼が持っているのはベレッタM9をカスタムツールタブレットでカスタムバージョンをした物を持っている。
グリップをフィンガーグリップにし、ハンマーを強化ハンマーに交換、バレルをカスタムバレルにして、サプレッサーを装着可能にしている。
そしてスプリングガイドにレーザーサイトを搭載し、最後に強化型スライドに交換して、高い精度を実現させている。
受付嬢はそれを見て、少しばかり納得し、後は聞かないことにした。
そして橋に上に来て、川を見つめる。
「この川は海へと繋がっているんですよ」
「ああ、それはわかるよ、確かにここは海へと繋がってる、でもそこは行った事はないな」
「あらそうだったんですか? でもソルジャーさんは以前、水の街に行かれましたよね」
「ああ、でもあそこは湖と言う感じの場所だったし、それに此処とはしっかりとしていた。野菜は旨いし、水も綺麗だ」
「そうですか…あら?」
受付嬢が川にある人物達がボートに乗っている光景を目にする。
そこには重戦士と普段の格好とは違う普通の服を来た女騎士が乗っていた、当然ボートの係員もいる。
少々恥ずかしながら気まずそうにしている重戦士、女騎士は2人の存在に気付き、顔を赤くして慌てて内緒にして貰うよう頼む。
それには受付嬢が微笑みながら頷き、ソルジャーはあえて見ない事にした。
もしも仮にこの事をあかるみにしたら、絶対に重戦士は勿論、女騎士からは飛んでもない仕打ちが待ち構えているからだ。
それだけは避けなければならない。そう感じたソルジャーは受付嬢と共に次の場所へと向かう。
次にソルジャーと受付嬢が来たのは小さいステージで手品ショーが行われていた。
ステージに立っている男性が帽子から鳩を出す手品を披露して、観客の皆を喜ばしていた。
「凄いですね」
「あ、ああ…(実際…あんまり大した手品じゃないって言いたいんだが、これ言ったら絶対にダメだな)」
っとそう思いながらソルジャーはまた受付嬢とどこかに向かった、すると受付嬢がある事を言い出した。
「ソルジャーさん、少し私の頼みを聞いてもらえますか?」
「ん?」
その事にソルジャーは頭をかしげる。
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受付嬢に連れられたのは、冒険ギルドであった。
なぜ冒険ギルドに連れられたのかは分からないが、彼女がここを選んだ理由が後に分かるはず、ソルジャーは受付嬢と共にギルドへと入る。
中にはだれもいない、否…当然である、今は収穫祭の真っ盛りであるからだ。
「いいのか?誰もいないギルドに無断で入っても」
「勿論ダメです。ですが、どうしてもソルジャーさんに見てもらいたいものがあって」
受付嬢はランタンを持ってソルジャーをお誘いし、それにソルジャーは付いて行く。
階段を上り、最上階に着くと、その目の前に扉があった。
そこを開けると、屋上に到着した。
「どうですかソルジャーさん」
「ほ~…これはまた」
ソルジャーは受付嬢の言葉で思わず感心する、彼の目には辺境の街が全体見えているからだ。
その光景にソルジャーは見とれ、受付嬢は隣に並ぶ。
「ここ…私のお気に入りの場所なんです」
「お気に入りの場所…?」
「はい、ここは収穫祭の目玉となるには持って来いの場所なんです、あっ!そろそろ始まりますよ!」
受付嬢が見る先にソルジャーも見る。
すると地上から灯篭があげられ、無数の灯篭が空へと舞い上がる。
その光景をソルジャーは思わず言葉を漏らす。
「灯篭…そう言えば作ってなかったな」
「え?」
「いや。実はちょっと下準備とかでいろいろとバタバタしていたから、灯篭を作っていなかったんだ。参ったな…今年は」
「それは残念ですね、あっ、ソルジャーさん。あれを見てください」
っと受付嬢はソルジャーにある場所を指差し、それにソルジャーは見る。
すると広場に地母神の宗教達がとある儀式をしていて、皆がそれを見ていた。
そこには儀式用の衣装を身に纏った女神官がゆっくりと歩み寄ってくる。そして中央の台に載り、収穫祭の儀式を始めた。
女神官が華麗に舞い、ゆらりと動く衣装が人々の目を奪わせる。
その様子を受付嬢はゆっくりと目を閉じる。
「彼女も本当に成長しましたね」
「分かるか?」
「はい、この半年間…ずっと見てきました。ソルジャーさんと冒険して、更にたくましくなりましたね。それと…女性らしさも上がったような…」
っと受付嬢はソルジャーの方を見る。
「ソルジャーさん、ここだけの話なんですが…」
「…もうわかってるだろう」
「やっぱり!もう! ソルジャーさん!貴方って人は!」
少し怒った表情をしながらソルジャーに近寄り、頭を叩くかと思いきや、ソルジャーの手を握り締め、何やら少し頬を赤くしていた。
「そ、そういうのは…大人の女性に相手してもらうのが一番なのです。分かりましたか?」
「ああ…分かったよ。じゃあこっちに来いよ」
そうソルジャーは受付嬢の手を引っ張って、受付嬢はそれに素直に従うのであった。
やっと受付嬢とのあれに入れる!
って事で、あとの続きは別作品でお楽しみを。