異世界から来るソルジャー   作:ライダーGX

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第7話 遺跡で 前編

ソルジャー達が辺境の街を出発してから二日目、エルフの森付近の遺跡まであと一歩の地点でソルジャーは日が暮れているのを見て、足を止めて皆に言う。

 

「今日はここで休もう」

 

「賛成ね」

 

妖精弓手もそれに賛同し、女神官達はすぐに夕食の支度を始める。

ソルジャーも少しばかり手伝おうとしたが。

 

「いえ、ソルジャーさんは休んでいて下さい。私達がやりますので」

 

「それに貴方がやると、なんだか食事が爆発しそうだから」

 

「なんでだよ!?」

 

女魔術師の言葉に思わず愚痴るソルジャー、その様子を妖精弓手は大笑いし、それには鉱人道士と蜥蜴僧侶はなんとも言えなかった。

女神官と女武闘家はそれに苦笑いをしながらも調理をし、スープの準備をする。

 

そんなやり取りが過ぎて行き、夕食の際に妖精弓手がある事を問い出してくる。

 

「そう言えば、皆はどうして冒険者になったの?」

 

「そりゃあ世界中の旨いもん食うに決まっとるじゃろうが」

 

「焼けましたぞ皆の衆」

 

「スープも出来ました」

 

女武闘家がスープをソルジャー達に配り、それをソルジャー達は受け取る。

 

「私は外の世界に憧れて───」

 

「こりゃ旨い!なんじゃこれは!」

 

「って聞きなさいよ!!」

 

妖精弓手が話している最中に焼いたお肉を一足先に鉱人道士を取り、食べて思わず声を上げて、その事に怒鳴った。

それにソルジャーはやれやれとした表情をする。

 

「沼地の獣の肉だ」

 

「ええ~~?沼地~~?」

 

蜥蜴僧侶が提供する肉に思わず引いてしまう妖精弓手、そんな事を気にしない鉱人道士は再び肉を食べる。

 

「沼地か、それにしては苦味も臭みもないの、ピリリと辛口で肉の汁もたまらんわい」

 

「こちらにはない香辛料を使っている故、珍しかろう」

 

「野菜しか食えん兎もどきには分からんじゃろうな」

 

鉱人道士の言葉に妖精弓手は思わずムッとした表情をする、その際にソルジャーは獣の肉を取って食べる。

 

「うん、美味い、懐かしい味だ。山脈の街で食べて以来だ」

 

「小鬼殺し殿。この肉を食べたことがあるのですかな?」

 

蜥蜴僧侶はソルジャーが食べたことある様子を見て問い、それにソルジャーはうなづきながら言う。

 

「ああ、一年前ロックハウンドの討伐に出て行った時に山脈の街で食べたんだ。なかなか美味かったな~」

 

「はっはっは!見ろ耳長の!これがかみきり丸の風景じゃぞ! 小鬼ばかり狩っとらんじゃろうが」

 

「う!うっさいわね!」

 

妖精弓手はその事に怒鳴り、そんな様子を女魔術師は呆れながら乾燥豆のスープを食べる。

女武闘家は妖精弓手に乾燥豆のスープを差し出す。

 

「どうぞ、乾燥豆のスープです」

 

「いただくわ!」

 

乾燥豆のスープを受け取る妖精弓手はそれを食べて、美味しそうな表情をする。

その際に蜥蜴僧侶は自分のことを語る。

 

「拙僧は異端を殺し、位階を高めて竜となる為」

 

「へえ? 竜になる為か。結構すごい目標だな?尊敬するよ」

 

「ありがたきお言葉であります」

 

ソルジャーの言葉にお辞儀する蜥蜴僧侶。

 

「私は武術で多くの人々を救う為に冒険者になりました。でも…最初の冒険で全滅仕掛けましたけどね」

 

「私も同じ、賢者の学院を卒業して冒険者になったのは良いけど、ゴブリンに負けて死にそうになったのを彼が助けてくれた」

 

女武闘家と女魔術師はソルジャーの方を見ながらいい、それには女神官も同じようにうなづく。

その様子を妖精弓手は見て問う。

 

「あんた…、意外な一面持ってるのね」

 

「…お前は一体どんな風に俺を見てるんだ」

 

呆れ顔で妖精弓手を見るソルジャーは肉を食べきり、妖精弓手は知らん顔する。

鉱人道士は話の続きをしようとする。

 

「ほれ、さっきの続きじゃ。娘よ話せ」

 

「あ、はい。私は宗教的にと言いますか…」

 

「冒険に憧れて冒険者になったか?」

 

「あ、はい!」

 

言葉が詰まる女神官にソルジャーが助言しながら問い、その言葉に女神官はうなづく。

 

「最後は俺か。俺は…ある目的の為に冒険者になった」

 

「ある目的?それはなによ」

 

妖精弓手はソルジャーの言葉に問いかけ、それにソルジャーは頭を横に振りながら言う。

 

「それはまだ言えない、俺にも少々秘密があるんでね」

 

「何よそれ~、別にいいじゃないの」

 

「野伏殿、あまり相手側の事情に絡んでいくのはどうかと」

 

「かみきり丸はかみきり丸の目的がある。聞かん方がええじゃろう」

 

鉱人道士と蜥蜴僧侶が止めに入り、妖精弓手は頬を膨らませて機嫌が損ねる。

 

「おいおいそんな機嫌損ねるなよ。お詫びにこれをやるよ」

 

そう言ってソルジャーは荷物から袋を取り出して、そこからチーズを取り出す。

チーズが出てきたのを見て、蜥蜴僧侶は見る。

 

「これはなんですかな?」

 

「チーズだ、牛と羊の乳を発酵させて固めたもの。しかも今年のチーズは出来が良いぞ~、食べて見ろよ」

 

「いいの!じゃあ貸して!切ってあげる」

 

っとあっという間に機嫌が直った妖精弓手、そんな中で鉱人道士は蜥蜴僧侶にチーズを知らない事に驚く。

 

「鱗の、お主チーズを知らんのか?」

 

「拙僧等にとって、獣とは狩るもの。育むものではございません」

 

「な、なるほど…そういうことでしたか」

 

女武闘家はその事に納得し、女魔術師は少々ため息をはく。

そしてチーズを切り、皆に行き渡るように配り、それを少々炙って食べる。

 

「おお~!これはなかなか上物じゃわい!」

 

「おお!!甘露!!甘露!!」

 

「う~ん!美味しい~!」

 

妖精弓手はチーズをとても喜んでおり、女神官達も美味しそうに食べていた。

 

「これ、牧場で作ったものですか?」

 

「ああ、そうだ。旨いだろう?」

 

「はい!」

 

そう言って女神官はチーズを食べて、ソルジャーもチーズの一つを取って食べる。

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

そんな楽しい時間の中、蜥蜴僧侶はある事を言い出す。

 

「そう言えば拙僧は一つ気になってはいたのだが。小鬼共はどこから来るのだろう、拙僧は地の底に大国があると父祖より教わった」

 

蜥蜴僧侶の言葉に皆が考えていると、女神官がそれに答える。

 

「そうですね…『誰かが何か失敗すると一匹湧いてくる』って言いますね」

 

「なんと!そこに耳長娘を放っておけばうじゃうじゃ増えてくると言う事か!」

 

「まあ!失礼しちゃう!!」

 

鉱人道士の言葉に思わず怒る妖精弓手。

そんな中でソルジャーが。

 

「俺は何者かの手によってだ」

 

っとその言葉に皆はソルジャーの方を見て、ソルジャーはそのまま語り続ける。

 

「ゴブリン達は通常男のみしか生まれてこない、それは大きな謎の一つだ。本来だったらゴブリンは男だけじゃなく女のゴブリンも存在して、そこで密かに暮らしているはずの魔物なんだ」

 

「なんと、そんな小鬼も存在するのか」

 

「でも、なんで女性のゴブリンは存在しないの?」

 

妖精弓手はその事をソルジャーに問うも、ソルジャーもこればかりは知らない。

 

「すまない、流石に俺もそこまでは、ただ一つ言えることがある。飢えてるゴブリンは俺達の常識は全く通用しない上に女を欲しがっているっということだ」

 

そうソルジャーの言葉に女神官、女武闘家、女魔術師の三人はそう心に刻みながら忘れない様にするのであった。

 

 

 

そして翌日、エルフの森の付近にある遺跡へと到着し、その様子をソルジャー達は見ていた。

入り口には二体のゴブリンが居て、見張りに立っていた。

 

「ゴブリンが二体…、見張りの様子って所か…」

 

「ここは私の出番ね」

 

そう言いながら妖精弓手は弓を構えて、矢を放つ。

しかし放たれた矢はあさっての方向に飛んでいき、それに鉱人道士は愚痴る。

 

「おいおいどこに撃っとるんじゃ、全く逸れておるぞ」

 

その事に妖精弓手は口元をにやかせる、矢は方向を変えて、二体のゴブリンの頭部に直撃し、ゴブリンは絶命する。

見事に命中したのを見て、女神官は声を上げる。

 

「すごいです!」

 

「見事だが今のはなんですかな? 魔法の類かね?」

 

「ふふふ、あれはね──」

 

「あれは風向きだ」

 

っとその事にソルジャーが妖精弓手が言おうとした所に割り込むように話だし、それに妖精弓手はムッとした表情をする。

 

「風の流れで撃った方向を変えると言う技量で、熟練した者だけがやれる技だ。まあ丁度左の風が出ていたからな」

 

「あたしの言おうとする台詞を…」

 

「なるほどの~、かみきり丸、お主詳しいの」

 

「ええ、戦士である故に野伏の知恵もあるのですな」

 

鉱人道士と蜥蜴僧侶は詳しいソルジャーの知恵に感心し、ソルジャーは立ち上がりながら言う。

 

「まあ、あらゆる戦闘に対応出来るようにしておかないとな、この世は厳しいんだ」

 

そう言って入り口へと向かう。

 

そして入り口近くで止まり、ソルジャーがある物を取り出す。

 

「お前達、これを吹きかけてくれ」

 

っとソルジャーは取り出した超消臭スプレーを女神官達に渡し、それに女神官達は受け取って自分達の身体に吹きかける。

その様子を妖精弓手は問う。

 

「何しているのよ?」

 

「ゴブリン達は臭いに敏感なんだ。だからこうやって臭いを消すんだ、後でお前も吹きかけて貰え」

 

「ええ?!嫌よ! 何だか匂いそうだもん!」

 

「心配するな、無香臭だから臭わない」

 

そうソルジャーの言葉に妖精弓手はやや半信半疑な状態で女神官に消臭スプレーを吹きかけてもらい、ソルジャー達は遺跡の入り口へと入っていくのであった。

 

 

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