今回の保良で英治一年時代のは追加一旦止めます(しないとは言ってない)
「さて、みんなが入部してだいたい2週間ぐらいかな?そろそろ特訓の成果を確認するために部員同士で手合わせしてみようと思うんだ」
「……キャプテンいきなりだね」
時は四月中旬。新入生である英治たちはようやく寮生活に慣れ始め、クラスの中でもグループが作られ始めるタイミングだ。
そんな日の放課後。
練習前に放課後の二年の教室でキャプテンである神内がそう言った。
あきれたように反応したのは白黒だ。
「でも手合わせってどうするんだ?私たちで練習試合をしようにも人数が足りてないし、そもそもフィールドプレーヤーですらまだ一人足りてないぞ?」
「ふふ、安心しなよ藤。あてがあるのさ」
「「あて?」」
「まあ付いてきなよ。一年組も全員呼んどいてね」
「というわけで河川敷に集まらされたわけだが……」
「キャプテンは何を考えてるんだろうな……あてってそもそもなんなんだ?」
英治と黒羽は学校指定のジャージ姿で河川敷に来ていた。黒羽はサッカーに興味があったようで雨崎や竹中と一緒に入部届けを提出していた。
「英治くんたち早いですわ……」
「校内放送があってからすぐに飛んでいって黒羽を拾ってたのか……いや、それにしても早すぎる……だろ……」
「エージは……そもそもスタミナが異常だからね……それの横にいるくせに息を切らしていない黒羽くんはなんなの?って話だけど……」
英治たちが振り返ると英治と黒羽を除いた一年組四人が肩で息をしていた。
「四人ともスタミナ無さすぎだろ」
「だな」
「二人が多すぎるからだと僕は思うけど……」
英治と黒羽があっけらかんとしている中、一人の女生徒と高宮が人数分の水筒を持ってきていた。
「さすがは元日本代表ですね。私とは体力も筋力も違いすぎます……」
「これでも一年前と比べて落ちてるんだけどな」
女生徒の方は一週間前にマネージャーとして入部した
黒い髪を長く伸ばしているがくせっ毛であちこちはねさせているのが特徴だ。
「よっと……あれ?先輩たち来てないんですか?」
「そうみたいですわね……英治くんたちとあわせて全力疾走で来ましたけど遅すぎませんか?」
「たしかにそうだな。……高宮先輩、何か知ってますか?」
二年組が高宮以外来ていないのを訝しげにも思った英治は高宮にそう聞いた。
「多分、日向に急ぎで校外活動許可を取っているんだと思うぞ……まあ、時期に来るだろ。アップ始めとけよ?」
「「「はい!」」」
高宮の声で二人ずつペアを組み英治たちはアップを始めた。
※※※
一方、その頃
「というわけで、今日の部活は河川敷でやりたいんだ。河川敷の使用許可は取ってるんだけど……」
「生徒会は一切そのことについて聞いてないな……ま、そんな予感はしていたから校外活動許可はすでに申請して受諾してある」
「さすが朱里!俺のことよく分かってるな!」
「……小学校時代から秋峰の思いつきに振り回されていたら誰でも予見出来ると思うが……来年からは控えてくれよ」
「できうる限り努力はするよ。さて、河川敷まで走るか!」
「そう言えば白黒たちは?一緒じゃないのか?」
「白黒は瀬ノ内さんの迎えに行かした。藤は顧問の屋島先生に連絡に行かしてる」
「人使いの荒いキャプテンだな……少し待ってくれ私も着替えていく」
※※※
「さて!全員揃ったな!」
「キャプテン、神棋まだ来てない」
「全員揃ったな!」
「おいコラ話聞けよ」
「全員揃ったな!」
「………」
「やめて、やめて!胸ぐらをつかむな!暴力反対!」
「次やったら二週間早朝バズーカの刑にする。いいな?」
「イエス、マム!」
英治たちが河川敷についてから二十分後、やっと白黒を除いた二年組が河川敷に到着した。
「キャプテン、今日は何するんですか?」
藤に胸ぐらをつかまれ脅されたことなんて気にもせず英治は神内に問いかけた。
「今日はここにいるメンバーでサッカーバトルをしてもらう!」
「サッカーバトル?」
聞きなれない単語に黒羽が首を傾げた。
そんな黒羽に淳が説明を始める。
「サッカーバトルっていうのは5対5で行なう簡易的な試合みたいなものだよ。試合と違って勝利条件は様々だけどね。例えば、ボールを奪えだとか一点先制だとかね。制限時間は基本的に五分ぐらい。たまに道端でサッカーバトルをしてる人たちもいるから光景ぐらいは見たことあるんじゃないかな?」
「へぇー……でも、サッカーバトルやるにしてもうちのキーパーって古田だけなんじゃ……」
そんな黒羽の声を聞いたのか神内が口を開いた。
「今日は新しく入部してもらう奴の紹介も兼ねてるんだ。俺が一年ちかく声をかけ続けてようやく先日入部を快諾してくれたんだ。白黒がいないのはその人を呼びに行ったのが原因だ」
「たしか……
「そう!その人!国立に入学してたから声かけたんだけど「サッカーはもうやめたんです」の一点張りで説得するのに苦労したぜ!」
「よく説得に応じてくれたな……」
噂をすればなんとやら。土手の方から白黒と瀬ノ内と思わしき女生徒がようやく姿を現した。
白黒は国立サッカー部のユニフォーム、瀬ノ内は学校指定のジャージを着ている。
「キャプテン……人使い荒いよ……なんで瀬ノ内さんがいるところ知らないのさ……」
「まあ、白黒だったらすぐに見つけると思ってな」
「はじめは初対面だからものすごく警戒されたんだけど!?」
「まあ、神棋だし行けると思ったんじゃないか?」
「藤さん!?」
「まあ、白黒だし」
「日向さんまで!?」
「……まあ、そのなんだ……神棋はそういう立場だからな」
「なんで僕がこんな役目を……」
白黒がうなだれている中、神内は今一度英治たちに向き直った。
「白黒が連れてきてくれたこの人が瀬ノ内鹿嶋さんだ」
神内がそう言うと瀬ノ内はペコリとお辞儀をしてこういった。
「ご紹介に預かりました瀬ノ内鹿嶋です。ポジションはキーパーですが一応DFもできます。キャプテンの説得に応じて今日からサッカー部に入部しました。よろしくお願いします」
白いロングヘアーをふわりとさせながら顔を上げた。
「じゃあ早速サッカーバトルを始めようか。チーム分けは高宮が決めてくれるだろうから俺たちは準備運動しとくか」
「キャプテン……それでいいのか?」
「だって俺なんて名ばかりの部長で諸々のことなら俺よりも上手い奴らばっかりだし」
※※※
こうして新たにキーパー瀬ノ内を部員に迎えた国立サッカー部は二グループに別れサッカーバトルを始めた。
Aチーム
FW 黒羽
MF 白黒(キャプテン)
DF 竹中 絢瀬
GK 瀬ノ内
Bチーム
FW 藤(キャプテン)
MF 雨崎 的場
DF 日向
GK 古田
なお、神内は全体の動きを見るために不参加。
「やるからには勝つよ。Aチーム、頑張っていこう!」
「「「「おお!」」」」
円陣を組んでやる気を漲らせるAチーム。
「Bチーム、あっちは天才キーパーとか神棋とかいるけど全力出していくよ!ファイ!!」
「「「「オー!!」」」」
「……なんだこの空気、フットサルの練習試合?」