転生者は超次元サッカーを楽しみたい   作:何処でも行方不明

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気がついたら平成が令和に変わろうとしてるだと!?


第八話 《VS雷門》

雷門中との試合当日。

サッカー部の面々は部室に集合していた。

全員が黙り、国立サッカー部部室にしては珍しく出る音は部長の神内がホワイトボードにキュキュとマジックを走らせる音だけが響いている。

 

「それじゃあスタメンの発表を始める。今回の練習相手である雷門中とあわせて選手は合計で13名とする」

 

神内は手に持つボードを見つつ発表する。

 

「FW!9番〘藤 優華〙、12番〘黒羽 樹〙」

 

「よし、任せろ!」

 

「うし!」

 

「MF!10番〘神内 秋峰〙、6番〘白黒 神棋〙、7番〘的場 英治〙、9番〘雨崎 瑠璃〙、8番〘石動 黒乃〙」

 

「キャプテン今日はMFで出るんだ」

 

「そんな日もあるってだけだ。基本はDF開始でリベロさせてもらうからな」

 

「おし!スタメンゲット!」

 

「当然ですわ!」

 

自尊心の塊ですか?先輩方には及ばないと思いますが、努力させてもらいます」

 

「DF!5番〘日向 朱里〙、4番〘綾瀬 環〙、13番〘竹中 丈〙、3番〘村雨 紫姫〙、2番〘早駆 結斗〙」

 

「私がディフェンスリーダーか。よろしく頼む」

 

「はい、日向先輩」

 

「初めての試合……全力で挑ませて……もらいます」

 

「え!俺?」

 

「キャプテン!なんで俺がフィールドプレイヤーじゃないんだよ!言わせて貰うが体力はこの中の誰よりもあるつもりだぞ!」

 

自身の背番号が発表され神内に食ってかかる竹中。

神内は呆れたように言う。

 

「竹中は人の話聞かないからね。ちなみにフィールドプレイヤーから外す提案をしたのは日向だ。まあ、俺も賛成したが。文句をいうようなら尾張と変わるか?」

 

「……チッ!」

 

「最後言うぞ。GK!」

 

「頼む……!」

 

「1番〘古田 淳〙、以上11名だ」

 

「よっし!!」

 

「ちなみに今回三年の瀬ノ内が出ない理由だが……高宮、頼んだ」

 

そこで今まで黙ってた高宮が声を出す。

 

「今回の選出されたメンバーは経験を積ますという意味でも一年、二年を多く投与している。次からは正真正銘実力でフィールドプレイヤーを勝ち取れ、いいな!」

 

『『はい!』』

 

「……やっぱ俺より高宮がキャプテンした方がいい気が……全員グラウンドに出ろ!俺たちのサッカーをするぞ!」

 

『『おう!』』

 

※※※

 

数時間が過ぎ雷門中のメンバーがやってきた。今回は雷門中側の要求として国立学園のグラウンドで練習試合をするのとになってる。

 

「おお!お前、的場か!久しぶりだな!」

 

「2年ぶりだな、円堂!」

 

英治と雷門中キャプテンの円堂は出会って早々握手をする。

 

「円堂、そいつは?」

 

そんな二人の様子を見て一人の雷門中サッカー部部員が声をかけた。黄色の瞳に茶髪をポニーテイルにしている。

 

「菜花は初対面だったな」

 

「いや、俺は円堂以外の雷門中サッカー部とは初対面だが?」

 

「そうだっけか?気にすんな!こいつは的場英治。一回キーパー練習に付き合ってもらってな!ほら、前から言ってた月のシュートを撃つやつ!」

 

「ああ……そいつね。僕は菜花宮司。雷門中のディフェンスリーダーってことになってる。今日はよろしく」

 

「ああ、よろしく!」

 

そして試合開始時間となった。

 

GKーー円ーー

DFー壁ー風ー

DF菜ーーー栗

MFー半ー少ー

MF宍ーーー松

FWー豪ー染ー

ーーーーーー

FWーー藤ーー

MF雨ー英ー白

MFー神ー石ー

DF村ーーー環

DFー日ー早ー

GKーー淳ーー

 

一応補足しておくが、雷門の松とはマックスのことだ。

先攻は国立学園でゲームが始まる。

藤は英治にパスを出すとゴールに向かい突き進んでいく。

 

「藤先輩!?」

 

「あれが本来の藤のプレースタイルだからね。さて、僕達もボチボチ行こうか」

 

「的場、雨崎は突っ込め!後ろに俺と白黒がつく!DF陣は朱里に任せるぞ!」

 

『『了解!』』

 

「そう簡単に通すかよ!」

 

前進しつつ指示をだす神内に対し、雷門のMFは進行を停めようとブロックに挑む。

だが……

 

「悪いが止まるわけには行かないんでな!〘エアリアルドライブ〙!」

 

英治はボールと共に直上に急上昇。空中で踏ん張りを付け斜め下に急降下し半田をかわした。

 

「な!」

 

「英治くん、挨拶替わりに一発いっときな!」

 

「はい!」

 

英治はそのまま調子でゴールに向かうが……

 

「〘フレグランス〙!」

 

突如、花びらで構成された槍が英治を襲った。

 

「嘘だろ!」

 

槍は英治に直撃。

 

「がっ、鼻が!」

 

「花の槍が放出させるのは花の香り。まあ、色々な花が混じってるからとんでもない悪臭だろうね。風丸!」

 

英治が匂いで悶絶している間に菜花が悠々とボールを奪う。菜花は風丸にパスを出し、風丸は持ち前の瞬足で駆け上がっていく。

 

「あのDF早いな……少し止めてくる」

 

「ああ、任せたよ」

 

風丸の目の前に同じ速度で神内が並ぶ。

 

「やあ、なかなかに早いね」

 

(こいつ……俺と並ぶほど早いのか!?)

 

「でも、まあ、止めさせてもらおう〘パラライズウェイブ〙!」

 

地面をかける衝撃により風丸の足が止まる。ボールを即座に奪い、白黒にパスを繋げる。

 

「行くよ、必殺タクティクス!」

 

『『〘スカイハイ〙!』』

 

白黒は天高くボールを上げると雨崎がそのボールに並ぶように飛翔。そのままボールをさらに蹴り上げる。

いつの間にかそのボールよりも高い場所にいた英治が太陽を背にして敵陣に切り込んでいた藤に向かって踵と落としでパスを繋いだ。

なお、雨崎と英治の打ち上げにはそれぞれ環と早駆が土台となっている。

 

「必殺タクティクスだと!」

 

「すげぇ……これが国立学園のサッカー!」

 

驚く菜花と思わず笑顔をこぼす円堂。

そんな円堂を尻目にパスを受け取った藤は驚いている壁山を難なく突破しゴール前につく。

 

「こんな序盤から必殺タクティクスとか……まあ、いいけど。行くよ、雷門のキャプテン!」

 

「来い!」

 

「〘アブソルートビースト〙!!」

 

気温が一気に冷え込む。走る藤に冷気で形成された狼が追走する。藤が蹴り込むと同時に冷気の狼がボールと一体化。氷の狼と化したボールはフィールドを凍らしながらゴールに向かって突き進んでいく。

 

「〘ゴッドハンド〙!!」

 

円堂はゴッドハンドでアブソルートビーストを止めにかかるがゴッドハンドは狼と接している面から徐々に凍っていく。だが、間一髪のところで氷の狼が砕け散りボールは円堂の手に収まる。

 

「すげぇ。たった一人で帝国の〘デスゾーン〙に匹敵する程の衝撃……」

 

「少し気持ちが入りすぎたかな」

 

アブソルートビーストの止まられ方としては二通り。一つは圧倒的パワーでねじ伏せられる。もう一つは敵キーパーの手を凍らせる前にエネルギーが切れることだ。

今回は後者……ではなく、単に藤が力を入れすぎ本来の威力を発揮する前に氷の狼が砕け散っただけだ。久しぶりの試合なので少々気持ちが昂っているのだろう。

 

「よし、俺たちもやるぞ!菜花!」

 

「敵は必殺タクティクス持ち、遠慮なく行くぞ!」

 

『『おお!』』

 

前半開始10分。既にフィールドの空気はヒートアップしている。

 

「……全然ボール来ないですね」

 

「まあ、ウチの前衛は結構逞しいからな」

 

国立学園のDF陣以外は




「なぜ、他作品ネタがタグでついたと思う?」

「新しく加入した石動が技とか色々某地球外生命体をモデルにしてるからだろ?」

次回
第九話《火の龍と風の龍》

「染岡の声優は龍馬の声してて、染岡の弟子は龍馬で、龍馬は龍馬の力でパワーアップして、染岡の化身は龍馬と同じで……」

「……何言ってんだこいつ」

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