男女逆転してる変な世界ですがデュエルで戦っていきます 作:火壁
ソリティアだったり大量展開のデッキを考えていると青眼をもっと展開できるようにならないかなと思案している作者です。
明日葉君デュエル回、展開早いけどこれくらいやんないとWCS編だけでだらだらするのも……
WCS会場は観客が騒々しくしている中、控室の明日葉たちは遅れてきた
「突然倒れた骨塚……明日葉君、あれがオレイカルコスが原因だって言っていたけど」
「骨塚の目にオレイカルコスの紋章が浮かんでいたんです。加賀良とのデュエルでも実際の衝撃が走った。メビウスの効果が発動した時に寒気がしたのは気のせいじゃなかった。あの時止められていたら……!」
「でもオレイカルコスの結界は発動していなかった。それなのになんで?」
「メディナの時みたいなケースだろうね。あれはデュエルで使われたわけではなかったけど効果は生きていた。そういった行動が見られていたら良かったんだろうけど今回は見られなかったから仮にジャッジに詰めたとしても」
「恐らくデュエルは続行されていたろうね。男とはいえ、これは全世界で中継されている。今更中止になることもないだろうし、したらしたで大バッシングを受けるかも」
「だったらどうしろと! このままドーマの連中に好き勝手なことさせるって言うんですか!」
「明日葉君……多分ドーマの事を言ったとして観客の方たちは演出としてしか見ないと思います。このように話しているけど普通の人たちからすれば何万年も前の話なんておとぎ話としか認識されません。ポラリスさんの事だってさっき警備員が控室に詰めかける所を見ましたけど」
―――「負けた事がショックだったんでしょう。それにしてもあの男性デュエリストに抱き寄せられるなんて羨ましい事もあるものだね」―――
「と言って話題をすり替えて骨塚さんへのヘイトの方が溜まっている状態です」
「こんな状況だってのにそういうの優先するのか……」
この世界の女性に対し改めて頭を悩ませる明日葉。そこに景子が話に入る。
「兎に角今出来る手は明日葉君に勝ち続けてもらうしかない。ポラリス以外のドーマの勢力がどこかにいるかもしれない。こちらも人員を割いて連中の仲間を探して捕らえる。だから君はデュエルに集中してくれないか」
「……はい」
明日葉はこの大会の中で起こりうるであろう闇のデュエルが引き起こす惨劇を危惧した。そして
「……ん?」
「悠香? 何かあったか?」
「いや……何も……」
闇から招く手もまた、徐々に近づいていた。
『先日はアクシデントがありましたが骨塚選手は現在は島の病院で入院しています。ご安心ください。
それでは今日のWCS第二回戦! 最初はやっぱりこのお方! 西エリアのオデット選手を下し、今大会大注目株! 我らが「遊崎明日葉」様ああああああああ!』
「……」
予選で見せたツッコミが無い事に違和感を感じる観客もいたがそれを意に介さない様子でたたずむ明日葉。かれを余所に次のデュエリストが現れる。
『次に来たのがセントラルエリアで頭角を現した影のデュエリスト……「
「……」
影野と呼ばれたデュエリストも無言で明日葉に近づき互いのデッキをシャッフルする。
「……貴方は何を信じるの?」
「……どういう事だ」
「貴方には信じるものが無い。それだと何かを無くした時耐えられなくなる。神がいると信じられたらそういった事にも耐えられるようになる」
「お前……ドーマか」
「貴方のやっている事は賢い行いじゃない。私達の神の世界で一緒に……」
顔を赤らめながら桐花はドーマへ明日葉を誘おうとする。しかし明日葉は
「ふざけるな」
冷たい視線を桐花に向け、言い放った。
「?」
「昨日のデュエルで分かった。お前達を野放しにすればどれだけの人が犠牲になるか。それを正義というのなら俺は悪でいい。お前達の神は復活させない」
「……どうして他の人を気にするの?」
「俺達は誰かがいないと生きていけない。大切なものを無くした時、支えてくれるのも人間だ。神に縋るだけなんて奴隷も同じだ」
「……この世界に心を許した人なんていないのに」
「! お前……どこまで「シャッフルはもういいでしょう。早く位置について」あ、はい……」
デッキを相手に返し、互いに位置につく。
『ではこれより第二試合第一回戦
デュエル開始ィ!!』
「「デュエル!!」」
明日葉
LP8000
VS
桐花
LP8000
「私のターン、私はまず『マスマティシャン』を召喚」
マスマティシャン ☆3 魔法使い族
ATK1500/DEF500
「マスマティシャンの効果、デッキからレベル4以下のモンスターを1体墓地へ送る。『シャドール・リザード』を墓地へ」
「手札から『増殖するG」の効果を発動。このカードを墓地へ送ってこのターン、お前が特殊召喚する度にデッキから1枚ドローするぜ」
「! シャドール・リザードの効果で新たに『シャドール』モンスターを墓地へ送る。『シャドール・ビースト』を墓地へ送ってビーストの効果、デッキから1枚ドロー。魔法『
影を紡ぎし糸よ 物言わぬ傀儡を操り 世界を覆う闇をもたらせ 融合召喚 『エルシャドール・ミドラーシュ』」
エルシャドール・ミドラーシュ ☆5 魔法使い族
ATK2200/DEF800
「増Gの効果でドローだ」
「ウェンディの効果でデッキから『シャドール』モンスター、『シャドール・ビースト』を裏守備で特殊召喚。
「効果でドロー」
「カードを1枚伏せてターンエンド」
桐花
LP8000
モンスター:エルシャドール・ミドラーシュ、マスマティシャン、セットモンスター1体
魔法、罠:1枚
手札:無し
静かに始まったデュエル。観客は雰囲気を読み固唾を飲んで見守る。
「俺のターン、手札から魔法『トレード・イン』を発動。『白き霊龍』を墓地へ送って2枚ドロー。魔法『復活の福音』これで白き霊龍を蘇生だ。そして効果でそのセットカードを除外する」
「なら罠『
「バトルだ。白き霊龍でミドラーシュを攻撃【消滅のスピリット・バースト】!!」
白き霊龍が放ったブレスがミドラーシュを直撃し消滅させる。しかしミドラーシュがいた場所には黒に近い紫が溜まっている。
桐花
LP8000→7700
「ミドラーシュが破壊された事で墓地の影依融合を手札に戻す。これで次のターンも融合ができる」
「白き霊龍の効果、相手フィールドにモンスターがいれば自身をリリースして手札から『
白き霊龍の身体が光輝き、青き眼を持つ龍へと昇華する。青き眼は咆哮をあげ、敵を威嚇する。
「まだバトルフェイズだ。青眼の白龍でマスマティシャンを攻撃!【滅びの
青眼の白龍の口から敵を滅ぼすブレスが放たれる。これに対抗出来るはずもなくマスマティシャンは飲み込まれ爆散した。
桐花
LP7700→6200
「マスマティシャンの効果、戦闘で破壊された事でデッキから1枚ドローする」
「カードを1枚伏せてターンエンドだ」
明日葉
LP8000
モンスター:青眼の白龍
魔法、罠:伏せ1枚
手札:4枚
「明日葉も大きく動かなかったな」
「ミドラーシュには特殊召喚を1回だけに制限する効果があったのだし、仕方ないとは思いますが……」
「だとしても明日葉さんの普段の動きでは無いわね。慎重になっているのかしら」
3人は普段と違う明日葉の動きに違和感を覚えるが、盤面の関係故と納得する。しかし、明日葉の雰囲気が間違いなくおかしい事をデュエリスト特有の空気から読み取っていた。
「私のターン、魔法『影依融合』。これd「させねえ」……え?」
「手札の『灰流うらら』の効果を発動。手札からこいつを墓地へ送って影依融合を無効にする。そいつは俺のフィールドにEXデッキから特殊召喚されたモンスターがいればデッキからも素材を持ってこれたよなぁ。無効にできるぜ」
「そ、そんな……モンスターを1体伏せる。カードを1枚伏せてターンエンド」
桐花
LP6200
モンスター:セットモンスター1体
魔法、罠:伏せ1枚
手札:無し
「俺のターン。手札の青眼の白龍を公開する事で
伏せ→超電磁タートル
「亀か、枯らさせてもらおう。オルタナティブで攻撃」
「超電磁タートルは……使わない」
桐花
LP6200→3200
「……メインフェイズ2だ。『
召喚条件はドラゴン族モンスター2体 俺は青眼の白龍と太古の白石をリンクマーカーにセット サーキットコンバイン 『天球の聖刻印』」
天球の聖刻印 LINK2 光
ATK0
「エンドフェイズに太古の白石の効果だ。デッキから『ブルーアイズ』モンスターを特殊召喚出来る。『ブルーアイズ・ソリッド・ドラゴン』を特殊召喚してターンエンドだ」
明日葉
LP8000
モンスター:青眼の亜白龍、天球の聖刻印、ブルーアイズ・ソリッドドラゴン
魔法、罠:無し
手札:2枚
「私のターン……貴方、本当はそんな顔出来るのね」
「お前達を倒さない限りこの世界はいつまでも滅亡に晒される。それを無くす事が出来るなら、鬼にだってなってやるさ」
「ふふふ……でも残念。一手遅かったわ」
「……止めろ」
「このカードはあの方からいただいた絶対の力。貴方を倒し、神復活の贄にする力」
「なんで……こうなるんだよ……」
狂信と言える彼女の台詞に、まるで果たせなかったと言わんばかりに明日葉は顔を歪ませる。そしてそれは発動される。
「フィールド魔法
オレイカルコスの結界」
歴史に葬られた忌むべき紋章。一度世界を破壊したその力は再び世界の目に映る。
「セットしていた影光の聖選士を発動。これで墓地のウェンディを裏守備で蘇生。更にモンスターを1体伏せる。これでターンエンド」
桐花
LP3200
モンスター:セットモンスター2体
魔法、罠:無し
手札:無し
「俺のターン、手札1枚を墓地へ送って魔法『ドラゴン 目覚めの旋律』を発動。デッキから攻撃力3000以上守備力2500以下のドラゴン族を2体まで手札に加える。墓地の太古の白石を除外して墓地の青眼の白龍を手札に戻す。更に『沼地の魔神王』の効果を発動。手札からこいつを墓地へ送ってデッキから『融合』を手札に加え、そして発動。フィールドのオルタナティブと手札の青眼の白龍2体で融合。
青き激情が世界へ溢れる 彼方からの光よ 絶対なる破壊と共に出でよ 融合召喚! 『
神秘の渦から三つ首の竜が現れる。過剰なまでのエネルギーがアメジストのように輝き、しかしその光が恐ろしさすら演出している。
青眼の究極亜竜 ☆12 光
ATK4500/DEF3800
「究極亜竜の効果、相手のカード1枚を対象に破壊する。そしてオルタナティブを素材としていればその対象を3枚にまで増やす事が出来る。セットモンスター2体とオレイカルコスの結界を選択、破壊だ」
究極亜竜から放たれた光球が伏せられたモンスターに向かっていく。人形達は跡形もなく消え去った。しかし、その魂ともいえるオーラが留まる。
「上手い! これでオレイカルコスの結界は破壊出来る!」
「でも魂を奪われるというのも無くなるのかしら……もし無くならないとしたら」
「……ふふふ」
「?……まさか」
桐花の笑みに明日葉は何かを察する。そしてその勘は当たってしまう。
「オレイカルコスの結界は1ターンに一度だけ破壊を免れる。惜しかったわね」
「そんな……!」
明日葉の策もオレイカルコスの結界には通じない。彼女の笑みに彩佳は顔を青ざめさせる。しかし彼女の恐怖など知ったことではないと言ったように桐花は効果を発動させる。
「ウェンディとリザードの効果を発動。リザードの効果でデッキから『シャドール・ファルコン』を墓地へ送ってウェンディの効果でデッキからビーストを裏守備で特殊召喚する。更にファルコンの効果で墓地からヘッジホッグを特殊召喚」
「究極亜竜はこの効果を使った後は攻撃出来ない。だがソリッドがいる。バトルだ! ソリッド・ドラゴンで攻撃!!」
「超電磁タートルの効果でバトルは終了。ダメージは無い」
「……ターンエンドだ」
明日葉
LP8000
モンスター:青眼の究極亜竜、天球の聖刻印、ブルーアイズ・ソリッド・ドラゴン
魔法、罠:無し
手札:1枚
「私のターン、ビーストを反転召喚し、リバース効果でデッキから2枚ドローして1枚捨てる。!……今捨てたファルコンの効果で自身を裏守備で特殊召喚。これでモンスターは3体。……素材は揃った」
「……何だと?」
「ヘッジホッグを反転召喚して効果を発動。これでデッキから『
「な!?」
「さあ、『シャドール・ファルコン』と『シャドール・ビースト』、『シャドール・ヘッジホッグ』を
巨神よ 邪なる力持て 光明なる世界に制裁を
『邪神ドレッド・ルート』!!」
「じゃ……邪神?」
「何……これ……?」
顕現するは『闇』そのもの。その巨体から溢れるオーラは全てを飲み込まんとする。
「これこそ神の賜りもの。さあ、神に全てを捧げなさい」
だらだらするのもと言ったな。あれは嘘だ(前後編)というわけで続きは次回です。
最近刃牙をアニメで観てるんですが勇次郎ネタとしてもキャラとしてもいいですよね。作者もあんなキャラの濃いの作りたい。