男女逆転してる変な世界ですがデュエルで戦っていきます   作:火壁

32 / 44
最近デュエマに復帰というには限定的すぎるけどデッキは買ってる作者です。箔押しカッコイイ。

武神を組み直して展開もう少しやれないかと模索中です。んな事やってるなら書けって話ですけど。

そんな事考えてたら新規来たィイヤッホオゥ!!!

あっそうだ(池沼)。今回はかなり暗めです(いつも通り)。


デュエル30 ~苦痛を伴う遊戯~

「ドレッド……ルート?」

 

突如現れた巨大な『闇』。その額にはオレイカルコスの紋章が浮かんでいる。

 

「『邪神ドレッド・ルート』がいる限りドレッド・ルート以外のモンスターの攻撃力守備力は半分になる。これは対象を取らないわ」

 

青眼の究極亜竜

ATK4500→2250

 

「アルティメット……!」

 

「バトル、ドレッド・ルートで青眼の究極亜竜を攻撃。【フィアーズノックダウン】!!」

 

ドレッド・ルートの拳が究極亜竜にめり込む。鱗が砕け、肉が弾けるという立体映像(ソリッドビジョン)ではありえない現象に会場も騒然とする。

 

「おい……これ本当に立体映像かよ……」

 

「究極亜竜の……鱗が……」

 

ドレッド・ルートによって沈んだ究極亜竜は弱々しい声をあげながら明日葉へ視線を向ける。まるで役に立てなかった事を詫びるように。

 

「今のは……何だ……?」

 

「闇のデュエルは実際の衝撃が走る。そこに邪神程の強大な力が乗れば、それはモンスターにも波及する」

 

「! つまり今の衝撃は……アルティメットが俺に謝るように声をあげたのは……!」

 

「……デュエルモンスターズの世界があるとするのなら、彼らは今異世界に召喚されて戦わされている状態。貴方のブルーアイズは貴方を信頼しているけど他のデュエリストはどうなのかしら」

 

「!」

 

桐花の台詞が明日葉の胸に深く刺さる。今置かれている状況が自分が望んだとはいえ、この異世界にいつの間にか迷い込み、神の復活を阻止せんと戦っている。それが戦力的な理由からも明日葉が適任であり、他がこの役割を全う出来ない事も理解しているが、何故この世界に来てしまったのか回答を得られずにいた。

 

「『冥王結界波』でこのターン貴方がダメージを受ける事は無い。カードを1枚伏せてターンエンド」

 

桐花

LP3200

モンスター:邪神ドレッド・ルート

魔法、罠:伏せ1枚

手札:無し

 

「俺の、ターン……」

 

「どうしたのかしら? 邪神の力に恐れたの? 貴方ともあろうデュエリストが」

 

「! そんな訳あるか! (とはいえ動くにはカードが無い……あの邪神の攻撃力も『オレイカルコスの結界』の効果で事実上4500だ。倒すにしても実質9000を揃えないといけない……待てよ?)墓地の『太古の白石(ホワイト・オブ・エンシェント)』の効果を発動。自身を除外して墓地の『ブルーアイズ』を手札に加える。『青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)』を手札に加える。青眼の白龍を公開する事で『青眼の(ブルーアイズ・オルタナティ)亜白龍(ブ・ホワイト・ドラゴン)』を特殊召喚する!」

 

明日葉のフィールドに再び青き眼を持つ龍が現れる。仲間の仇を撃たんとばかりにあげる咆哮は、いつも以上に殺気が籠っている。

 

「オルタナティブの効果だ。攻撃権を放棄してドレッド・ルートを破壊する!」

 

「! そうか! いくら攻撃力の壁が高くても効果で破壊出来るのなら……」

 

「問題なく突破出来るという事……流石明日葉君です!」

 

オルタナティブのブレスはドレッド・ルートを正確に貫く。ドレッド・ルートは断末魔をあげて絶命した。

 

「……意外とあっさり?」

 

「破壊耐性が無かった……?」

 

「バトルだ。ソリッド・ドラゴンでダイレクトアタッ「罠『影依の原核(シャドールーツ)』。トラップモンスターになって私を守る」……なら影依の原核を攻撃だ【討滅のソリッドストリーム】!!」

 

虹色に輝く光線が、影を生み出す根源を消し飛ばす。しかし桐花のライフを削るには今一つ足りなかった。

 

「……ターンエンドだ」

 

「残念だったわね。ブルーアイズ程の火力ならもう削り切れたはずなのに。ふふふ」

 

「……くそ

 

明日葉

LP8000

モンスター:天球の聖刻印、青眼の亜白龍、ブルーアイズ・ソリッド・ドラゴン

魔法、罠:無し

手札:1枚

 

「私のターン、魔法『貪欲な壺』。墓地のモンスター『シャドール・ビースト』『シャドール・リザード』『影霊の翼(リーシャドール)ウェンディ』『シャドール・ファルコン』『邪神ドレッド・ルート』をデッキに戻してシャッフル、そして2枚ドロー。魔法『闇の誘惑』、デッキから2枚ドローして手札の闇属性を除外。貴方のフィールドの天球の聖刻印と青眼の亜白龍の2体をリリースして『溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム』を守備表示で特殊召喚」

 

「何! ラヴァ・ゴーレム!?」

 

溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム ☆8 炎

ATK3000/DEF2500

 

明日葉のフィールドが溶岩に呑みこまれる。2体のモンスターはその溶岩の中に溶け、そのエネルギーが溶岩をもって形作られる。その首から吊られている檻に明日葉は閉じ込められた。

 

「くっ……あ、熱い……」

 

「このターン通常召喚は出来ないけど特殊召喚は出来る。魔法『死者蘇生』、墓地のモンスター『エルシャドール・ネフィリム』を蘇生する」

 

「ネフィリムは……マズい!」

 

「バトル。ネフィリムでブルーアイズ・ソリッド・ドラゴンを攻撃。【操りの影糸(シャドール・マニピュレーション)

 

ソリッド・ドラゴンの身体に影から生み出された糸が入り込む。引きちぎろうと身体をよじるが、更に入り込み身動き一つとれなくなっていく。身体のコントロールを奪った糸は脳に達し、生命活動を停止させられたソリッド・ドラゴンは地に沈んだ。

 

「ソリッド・ドラゴン!!」

 

明日葉

LP8000→7200

 

「糸とはなんて恐ろしいのかしら。ターンエンド」

 

桐花

LP3200

モンスター:エルシャドール・ネフィリム

魔法、罠:1枚

手札:無し

 

「俺のターン!」

 

「ラヴァ・ゴーレムの効果。コントローラーは1000ダメージ」

 

明日葉

LP7200→6200

 

「あっつ!! ……さっきのも含めて、闇のデュエルは質が悪すぎる」

 

「敗者の苦しむ様も我らが神は望んでいる。神とは我儘なもの。そこも愛おしいでしょ?」

 

「趣味悪いとしか思えないな。癇癪起こすのも神の特権ってか?」

 

空元気のように軽口を叩く明日葉だが、状況は悪化の一途を辿る。

 

「(ネフィリムもラヴァ・ゴーレムも大方俺のライフを削り耐久戦を続けながら再びドレッド・ルートを出す為の布石。まともにやっても破壊すら出来ないなら……)俺は魔法『貪欲な壺』を発動。墓地の青眼の白龍3体とオルタナティブ、究極亜竜をデッキに戻して2枚ドロー。魔法『トレード・イン』を発動。手札のレベル8『混源龍レヴィオニア』を墓地へ送って2枚ドロー。手札の青眼の白龍を公開する事で青眼の亜白龍を特殊召喚する」

 

「それは通さないわ。罠『奈落の落とし穴』を発動。これでオルタナティブを破壊してゲームから除外する」

 

明日葉が望みを託さんとしたオルタナティブはどこまで落ちるか分からない奈落へ突き落された。桐花は明日葉の一手を次々と破壊する。

 

「くっ……『輝光竜セイファート』を召喚。効果で手札の青眼の白龍を墓地へ送ってデッキから同じレベルのドラゴン族モンスター『混沌帝龍(カオス・エンペラー・ドラゴン)ー終焉の使者ー』を手札に加える……ラヴァ・ゴーレムを守備に変更してターンエンドだ」

 

明日葉

LP6200

モンスター:溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム、輝光龍セイファート

魔法、罠:無し

手札:1枚

 

「徹底的ね……」

 

「明日葉の手を悉く潰してる。更にネフィリムの効果破壊もあるし何より」

 

「オレイカルコスの結界は自身のモンスターに攻撃力500上昇の効果付き。このままドレッド・ルートをまた出されたら……!」

 

「その前にラヴァ・ゴーレムのスリップダメージだ。7ターン待つだけでも負ける」

 

「どうしたら……」

 

明日香メタともいえる桐花の妨害札。ラヴァ・ゴーレムのスリップダメージとドレッド・ルートという敗北の可能性がじわじわと明日葉の身体を這いまわる。しかし、今から始まるのは桐花のターン。逃れる手は無い。

 

「私のターン、そのままバトル。ネフィリムでセイファートを攻撃」

 

明日葉

LP6200→4700

 

「ぐぅおおおおお!!」

 

「カードを1枚伏せてターンエンド。これで後5ターン待つだけでも私の勝利は確定する。サレンダーも認めてあげる。その魂、神に捧げなさい」

 

桐花

LP3200

モンスター:エルシャドール・ネフィリム

魔法、罠:伏せ1枚

手札:無し

 

「俺の……ターン!」

 

「このスタンバイフェイズにラヴァ・ゴーレムの効果で1000ダメージを受けてもらうわ。更に罠『マインドクラッシュ』発動。宣言するのは貴方がさっき手札に加えた混沌帝龍 -終焉の使者-」

 

ラヴァ・ゴーレムの身体が溶け出し、明日葉の身体から半透明の球体が出現する。それはラインをつくり、床に落としたパズルのように弾けた。手札の混沌帝龍は墓地へ送られる。

 

明日葉

LP4700→3700

 

「これでリセットも出来なくなった。逆転の目は皆無、これからどうしようというの?」

 

「……そうだな。これで決まった」

 

「そうでしょう? なら早くサレンダーを「お前の負けでな」……どういう事?」

 

「こういう事だ。手札から魔法『死者蘇生』発動。青眼の亜白龍を復活させる。そしてオルタナティブの効果を発動。これで攻撃権を放棄してネフィリムを破壊だ」

 

「むぅ……でもラヴァ・ゴーレムで攻撃してもまだライフは「このターンで終わる!」……さっきから話遮らないで?」

 

「レベル8の青眼の亜白龍と溶岩魔神ラヴァ・ゴーレムをオーバーレイ!! 2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!!

 

闇に輝く銀河よ 光輝く化身となりて 我が敵に破滅を エクシーズ召喚!! 『銀河眼の光波竜(ギャラクシーアイズ・サイファー・ドラゴン)』!!」

 

銀河眼の光波竜 ★8 光

ATK3000/DEF2500

 

「ギャラクシーアイズ!? で、でも攻撃力は3000。たとえ攻撃されてもやっぱり200残る「何勘違いしてるんだ?」何?」

 

「まだ俺のメインフェイズは終了して無いぜ。銀河眼の光波竜でオーバーレイ! 1体のモンスターでオーバーレイネットワークを再構築!!」

 

「エクシーズモンスターで更にエクシーズ召喚!?」

 

「闇に輝く銀河よ 我が僕に宿り 振るえ! 制裁の光刃を!! エクシーズチェンジ!! 『銀河眼の(ギャラクシーアイズ・サイ)光波刃竜(ファー・ブレード・ドラゴン)』!!!」

 

銀河眼の光波刃竜 ★9 光

ATK3200/DEF2800

 

黒き光の中から現れたのは虹の光を放つ翼を持ち、巨大な刃を腕部に装備された竜が低い唸り声をあげて桐花を睨みつける。銀河を映した眼は静かに怒りを湛え、その刃を振るわんと見せつけるように構えている。

 

「攻撃力……3200!?」

 

「そう、お前のライフと同じだ。そして墓地にももう防衛札も無い。後は分かるな?」

 

「そんな……嘘……」

 

「バトルだ! 光波刃竜でダイレクトアタック! 【光滅のサイファースラッシュウェーブ】!!」

 

光波刃竜が腕部の刃に虹色のエネルギーを宿し、切り裂くように放つ。フィールドを割るように走る光波の刃が迸る。立体映像の体感ダメージを凌駕する衝撃波は桐花の身体をいともたやすく吹き飛ばした。

 

桐花

LP3200→0

 

「きゃああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!……あぁ……ダーツ様……

 

オレイカルコスの結界は桐花を中心に縮小し、光が天に昇っていく。桐花の眼からは光が消え、仰向けに倒れた。

 

「……」

 

明日葉は何も言わずフィールドから降りる。その姿はデュエル中とは似ても似つかないようなやつれた姿だった。

 

 

 

 

 

 

 

「明日葉君、君が何をしたのか分かっているのかい?」

 

「……」

 

「黙ってたら解決すると?」

 

あのデュエルから数十分、明日葉は克巳に責めよられていた。彩佳達も仲裁に入るが、聞く耳を持たない。

 

「お、お母さん。明日葉君だって命がけだったんですよ。それに加賀良さんの事もあるしドーマを許せないのは仕方ないと思います」

 

「それは私だってそうよ。問題なのはそこじゃなくてオレイカルコスの結界が敗者の魂を奪う事を周知の事実としてしまった事。たとえそのままの意味で知られずとも、あのカードを使うと負けたら気を失うだけでは済まない。下手をすれば死ぬ事だってあり得ると世間は考えてる」

 

「で、でもそれはディスクの異常とか他のカードが違法製造されたとかって線を考えた方が妥当じゃ……」

 

「あんな実際に衝撃が走っていたら何が怪しいかなんてすぐに分かるものよ。オレイカルコスの結界を発動させる前に決着を付けられたら良かったけどそうは行かなかった。それどころか必要以上に威力を上げたらそれ相応の衝撃、あれ以上の攻撃を食らえば本当に立てなくなったかもしれないわ」

 

事実ネット上では放送されたデュエルの考察、今回の大会を中止にすべきというコメントが多く上がっている。男性デュエリストのデュエルを見られるのは十分魅力だが、それよりもオレイカルコスの結界の危険性を鑑みれば使用禁止にするか出来ないのなら大会を中止にすべきとの声が多い。また骨塚伊織の容体も桐花と酷似している事から同様の原因があると見られ、オレイカルコスの結界と考えていても、確たる証拠が無いというのが観衆の意見であった。

 

「それに問題というよりも、明日葉君。どうしてあんなとどめの刺し方をしたの」

 

「え? とどめ……?」

 

彩佳は意味が分からないといった風に克巳を見る。克巳はそれを察するように説明を始める。

 

「あのデュエルは実際のダメージが帰ってくる。光波刃竜程のモンスターのダイレクトアタックなんか受けた日にはその後の生活にだって支障をきたす可能性だってある」

 

「で、でもそれなら加賀良さんやメディナさんだって……」

 

「確かに。でも今回はオレイカルコスだけじゃない。邪神もいたでしょう?」

 

「!!」

 

その時周囲の頭にフラッシュバックが走る。青眼の究極亜竜が邪神ドレッド・ルートに破壊された時の衝撃を、ラヴァ・ゴーレムの溶岩の熱気を。

 

「そう。邪神の存在は記述された文献そのものが無かった。だからダメージに応じた衝撃がどれ程のものになるのかを私達は知らない。それこそ明日葉君以外は」

 

「明日葉君は実際にダメージを受けて衝撃も知っている。だから大ダメージの攻撃がどれだけ身体に響くかを知っている……と?」

 

「そう。でも明日葉君は攻撃を続けた。どうして? 魂を奪われるだけじゃなく、邪神の存在がどんな影響を及ぼすか分からないって言うのに」

 

「……ったのか

 

「? どうしたn「俺が負ければ良かったのかよ!!」!」

 

「勝手な事ばかり言って! 外野はどうこう言えるけど俺は勝つか死ぬかなんだぞ? それにこのデッキには高火力モンスター以外は0とかあっても600! 6ターン攻撃し続けろってか! 向こうが何か打ってきたら? そいつが破壊されたら? 負けるのは俺だぞ!」

 

明日葉が見せたことの無い表情、本当に怒っている顔を彩佳達でも見たことが無い。

 

(無理も無いよな……死ぬかもしれないデュエルで相手にまで気を配る余裕なんか出来ないわな)

 

「明日葉君でも君は「だったらあんたに出来るのかよ! 相手の魂を奪わせず勝つ方法がよ!」っ……!」

 

「俺は正直言って怖いよ……メディナの時も加賀良の時もそうだった。でも彩佳が……皆がいるから、やってきたけど……何なんだよ邪神って!」

 

明日葉は自分の身体を抱きしめ、震わせる。今まで溜まっていたストレス、恐怖が噴出したのである。

 

「この世界に来て、女に狙われて、オレイカルコスとか闇のデュエルとか、挙句の果てに邪神だ!? 俺にどれだけ背負わせるんだよ!

 

 

 

 

 

 

部外者の俺に!!!

 

「「「!!!」」」

 

「!……お、おれ……」

 

「……明日葉君」

 

自分の言った事に我に返った明日葉を彩佳が包む。そして頭を撫で、諭すように、謝るように語る。

 

「ごめんなさい。色々なものを背負わせてしまって。ごめんなさい。あなたに無理を押し付け続けて。あなたの近くに居続けたのに、あなたを何も知らなかった。本当に……ごめんなさい……」

 

「……違う、違うんだ。俺がやるって言った事で……なのに……」

 

「違わないです。そもそもはこの世界の問題。それなのに明日葉君は自分に鞭打って戦って……こちらが何を言う権利があるって言うんですか。責める事なんて出来ません」

 

「彩佳……俺……おれぇ……!」

 

「明日葉君

 

 

 

戦ってくれてありがとうございます

 

 

 

「……ぁぁあああああああああああああああああああ!!!」

 

明日葉は彩佳の胸に顔を埋め、大声をあげて泣きだした。彩佳は明日葉の頭を優しく撫で、明日葉を離さないようにしっかりと抱きしめた。

 

「明日葉さん……」

 

「レイカ、行くぞ」

 

「ゆ、悠香さん?」

 

「克巳さんも、ほら早く」

 

「ど、どうしたの? 突然「こういうのは何も言わず二人きりにするのが華ってものですよ。あたしたちがいてもやる事も無いでしょう」……」

 

克巳は明日葉と彩佳を一度見つめると悠香の後を追いかけるように控室を出ていった。

 

「明日葉さん……」

 

レイカは今も明日葉の頭を撫で続ける彩佳を見つめ、悠香に振り返り後を追った。

 

 

 

 

 

「本当に良かったんですか? 二人きりにして」

 

「ああ、悔しいけど明日葉が最も心を開いているのは彩佳だ。それを邪魔するほどあたしも無粋じゃないよ」

 

克巳と別れた二人はレイカのデュエルの為にスタジアムに赴いていた。その折、レイカが悠香に対し、何故あのまま控室を離れたのかを聞き、悠香は明日葉の心境を察した事を答えた。

 

「それに丁度良いタイミングだったしな。レイカのデュエルに遅れたらアレだし、あのまま残って時間に遅れたら事だしな。協会からの応援もあるし、向こうは大丈夫だろ」

 

「それは……そうですけど……」

 

「はぁ……そんなに考え込むくらいなら後でお前も行って来れば良いさ。デュエルの勝利を手土産にさ」

 

「悠香さん……偶には良い事言いますね」

 

「偶にはってどういう事だおい」

 

レイカが冗談で先程までの空気を壊し、和んだ雰囲気が生まれた。これも悠香の気配りであり、デュエルの前にコンディションに関わる空気はプレイミスを生じさせる。それを避ける為にレイカへのフォローを忘れなかった。

 

「……あ」

 

「どうしたんですか?」

 

「ごめ、今日マーサがこっち来るって言ってたんだった。ちょっとそっち行ってくる」

 

「マーサ? ああ、悠香さんが幼少の頃にお世話になった……」

 

「警護対象の明日葉が出場するって言ったら応援に行くってさ。もうスタジアムにはいるはずだから先に控室に行っててくれ。座席の場所は把握してるからそっちで観戦するから」

 

「分かりました。全くしょうがないですね」

 

「サンキュ、明日葉達来たらそう伝えてくれな。んじゃ行ってくる」

 

「はい、マーサさんにもよろしく伝えてください」

 

レイカは先程より幾分か顔つきになり控室に向かった。それとは反対方向へ向かった悠香は明日葉の控室へ向かい、その入り口に立っている警護官一人を外へ呼び出した。

 

「悠香? どうしたのよここまで呼び出して。明日葉様の警護に忙しいんだけど」

 

「……前に克巳さんから古文書についての情報を聞いた」

 

「古文書? いったい何を言ってるの?」

 

「その後、協会に同じ状況の奴がいないかあたしらで探った。経歴、家族構成、全部ね」

 

「ちょっと、それってプライバシーの侵害「それでヒットしたよ。一人ね」……どういう事?」

 

「ここまで言ってしらばっくれるとは中々に肝が据わってるな。あんたの事だよ五十嶋早苗(いさじま さなえ)!! いや、パンドラ……そう呼んだ方がいいかな」

 

「……」




今回はここまで。中途? 俺もそう思う。

Q:ドレッド・ルートさん弱くない?
A:今回はまだ先の話の布石……まだ邪神は本領を発揮していないぜ!(後付け設定)

Q:明日葉君どした?
A:そもそも異世界転移なんてストレスマッハ不可避の状況にきたら作者はゲロ吐いて潰れる可能性、ありますあります。そんな中空元気でも戦う事を選んだ明日葉君は凄いメンタル強い方だと思うんですよ。

Q:なんで紋章眼にあるん?
A:後に明かされます。

Q:奪わせず勝つ方法、(発動させなければ)ありますあります。
A:我らが神の力でそのような状況になれば必ず手札に舞い込むのだ……

次回は年越しか番外を書くかも。ではまたー。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。