男女逆転してる変な世界ですがデュエルで戦っていきます 作:火壁
就活でわちゃわちゃしてたらPV30万超えたしUAも9万いってるしお気に入りも400超えてるしどうなってんのって感情とありがとうございますって感情が渦巻いてる。本当にありがとうございます。
Twitter垢作ったはいいけど動かしてないし何なら裏垢女子にフォローされてるからなんか明かすに明かせない感じになってる。
『さあ始まります! WCS本選準々決勝第一試合、対戦カードはこの二人!!
我らが愛する男性デュエリスト、東エリア代表『遊崎明日葉』! 対するは北エリア代表『クラウヴィア・ドラッゲン』だあああ!!』
準々決勝まで進んだWCS。それも準々決勝とまでくれば相手も一筋縄でいくものではない。気を引き締めて行かなければと口元を引き締めた。
「でゅ……でゅふふ……あ、あしゅはきゅん。よ、よろしくね……」
「お前もドーマの一味と聞いた。お前はどうして奴等についたんだ?」
「あ、あしゅはきゅんので、デッキ……か、カットするね……ふひひ……」
明日葉の言葉などどこの空。デッキカットの為に明日葉に差し出された手は汗でまみれており、デッキを返された明日葉は顔をしかめてしまう。
「……シャワーは浴びてきたのか?」
「しゃ、シャワー!? あ、あしゅはきゅんがそういうならやぶさかじゃないけど、まだ心の準備が……でゅふふ」
明日葉の言葉から様々な妄想を膨らませるドラッゲンだが、明日葉は今まで見た事の無い人種に困惑とドン引きが同時に押し寄せていた。
「べたつく……」
クラウヴィアに聞こえない程度の小声で呟きながら自分の立ち位置につく。クラウヴィアも未だ膨らませている妄想を垂れ流しながら自身の位置についた。
『さあ準部は整った! 今度はどんなデュエルを見せてくれるのか、それでは
「俺の先攻だ。俺は魔法『ドラゴン・目覚めの旋律』を発動。手札1枚を墓地へ送って、デッキから攻撃力3000以上で守備力2500以下のドラゴン族モンスターを2体まで手札に加える。今加えた『
理想的ともいえる流れで明日葉は自身のエースを呼び出す。しかし、その様な状況でもドラッゲンは変わらず顔を歪めながら明日葉をじっと見つめている。
「なんか不気味だよな」
「ドラッゲン……確か本来は西エリアの事業家ですね。どうして北エリアに……」
「まあ、自分の住んでいるエリアで負けてしまったから他のエリアで……というのは良くある話だけど、あの女がそんなに熱心とは思えないわね」
「それに……ドーマの暗躍はここだけじゃない。ここで勝ち残れなかったら他の場所でデュエリスト狩りをしてる。負けたら用済みとはならない」
「デュエリスト狩り!? おいおいマズいじゃねえか! こっちでそんなの把握してねえぞ! どうする今からでも部長に連絡入れるか?」
「それは大丈夫……東エリアは他と比較しても平和だったし、他のエリアでは既に対策本部が各国で立てられてる。東エリアでもいくつか抵抗組織が立ち上がってるから、今の状況なら凌ぐことぐらい出来るはず」
「はずって……本当に大丈夫かよ……」
「そこは信じるしかないですよ。それよりも今は明日葉君のデュエル……?」
彩佳は目線をデュエルフィールドに戻すと、どこかしらに違和感を覚える。しかし何が違うのかははっきりとせず、その違和感を飲み込んだ。
「カードを1枚伏せて、ターンエンドだ」
明日葉
LP8000
モンスター:青眼の亜白龍
魔法、罠:伏せ1枚
手札:3枚
「わ、私のターン……ドロー……ま、魔法『隣の芝刈り』を発動。お互いのデッキ枚数が同じになるようにデッキの上からカードを墓地に送るね」
「芝刈り……でも俺が削ったのは初手と旋律での合計7枚。たかだか1枚で……まさか!?」
「す、すぐに理解するなんて流石あしゅはきゅんだねっ。そう、このデッキは60枚だから芝刈りで送るのはに、21枚になるよ……ふひひ」
クラウヴィアのデッキがいきなり大きく削られる。そしてその意味を明日葉はよく理解していた。
「これで墓地リソース使い放題ってか……」
「わ、私は魔法『
F・G・D ☆12 闇
ATK5000/DEF5000
「ファイブ……ゴッド……!!」
「ふひっま、まだだよ。墓地の光属性の『クリスタル・ドラゴン』と闇属性の『ヘル・ドラゴン』をゲームから除外して『カオス・ソルジャー-開闢の使者-』を特殊召喚するね」
「カオス・ソルジャーまで……」
「そ、そのドラゴンはじゃ、邪魔だね。わ、私とあしゅはきゅんのけ、けけけけけけけけけけ……」
「? いきなりどうしたんだ……?」
「け、結婚には……ね。えへへ……」
「「「「は?」」」」
まず明日葉は身に覚えのない自身の結婚話に、彩佳達3人はそもそも彼女が何をのたまったのか理解出来ずにいた。
「……誰の?」
「あ、あしゅはきゅんの……」
「……誰と?」
「わ、私と……ふひひ……」
因みにクラウヴィア・ドラッゲンの容姿については深く言及しない。強いて言うなれば、この世界でも美人しかいない訳では無いのである。
「わ、私があしゅはきゅんにか、勝っちゃったらダ、ダーツ様が……結婚を許してくださるんだぁ……」
「……ごめんなさい無理です」
「あ、あしゅはきゅんの意見はどうでもいいんだよ! 私が勝っちゃえば関係無いんだから……ぐひゅひゅ」
特徴的すぎる笑い声をあげて、手札の1枚を掲げる。明日葉はそのカードに焦燥感を覚えた。
「これは……マズいか……」
「『ロード・オブ・ドラゴン-ドラゴンの支配者-』を召喚するね。更に手札から『ドラゴンを呼ぶ笛』を発動するよ。手札のドラゴン族を2体まで特殊召喚するから『ダーク・ホルス・ドラゴン』を特殊召喚するよ」
間の抜けたような声だが、やっている事は高火力モンスターの展開と効果対象耐性付与のモンスターを出した事な為、全く笑い事ではない。
「一気にモンスターを4体。しかもF・G・Dに開闢、ダーク・ホルスか……」
「更にカオス・ソルジャーの効果で青眼の亜白龍をゲームから除外するよ」
展開した後も抜け目なく、オルタナティブを墓地へ残さないように異次元に飛ばす。明日葉のフィールドは文字通りがら空きとなった。
「オルタナティブ……」
「こ、これでか、勝ちだね……ふひひ……ば、バトルフェイズに入るよ。F・G・Dでダイレクトアタック」
「墓地の『超電磁タートル』の効果発動! このカードをゲームから除外してバトルフェイズを終了させる!」
「! いつの間に墓地へ送っていたの!?」
「目覚めの旋律のハンドコストだ。入れといて良かった……」
首の皮一枚繋がった状態だが、次のターン、何も出来なければ何の抵抗も出来ず敗北する。しかし、明日葉が考えていた事は別にあった。
ーーー影野桐花といい、デッキが回る。
デュエリストは勝利の為に大なり小なりデッキの構築において、勝利の形を模索する。最終盤面、コンボ、相手の妨害の回避と考える事は多い。この世界では単純な攻撃力とそれを如何に上回る、又は罠を張ってカウンターを食らわせるのがセオリーとなっている。明日葉自身この世界で墓地リソースの使用はケースとしては珍しく、隣の芝刈りというデッキを大きく削るカードや『強欲で貪欲な壺』のようなデッキを削り、カードを除外するカードは然程注目を集めるものでも無かった。
エクストラデッキも同様である。それらをメインに据えるデッキでなければまずエクストラデッキを構築する手間をかけるデュエリストは多くない。『強欲で金満な壺』といったカードも同様である。
「だというのに二人共この世界では時間をかけて召喚する上級モンスターを最短で呼び出すコンボがあったり、この世界では見向きもされないカードを起用する。この世界では悲しい事に片手で数えるくらいしかいなかったが彼女達は特有のオーラがあった。でもお前にはそれを感じない。ワンキル狙うなんてもっての外だ。お前ら、一体何を隠してる!」
「……」
明日葉含めたある程度デュエルを続けた者は対戦相手の放つ“気”やオーラを感じ取る。それの強弱によってどれ程のデュエリストかを見極める事が出来る。明日葉にとって彼女は元の世界でプロに入るまでに戦い続けたレベルのオーラである。戦術は悪くないが弱点を見極めて立ち回ればどうという事は無い相手といった程度だ。
「……んで」
「? 何を「なんで終わらないのおおおおおおお!! そこはワンターンキルでカッコ良く終わる場面でしょおおおお!?」!!」
突然のヒステリックに明日葉だけでなく会場の観客も困惑する。その姿はまるで玩具を取り上げられた子供のようであった。
「ここまでやったんだよ! ご褒美に勝たせてくれてもいいでしょ!! なんで躱すのおおおおおお!!」
「……デュエル中だぞ」
「うるさいうるさい! 男の癖にデュエルなんかしてちょっとチヤホヤされたからって調子に乗って! 言っておくけどそういうのは今こそ珍しいから皆注目してるけど少ししたら誰も見向きもしないから! 男なら黙って孕み棒になってればいいのに!!」
この世界の男性にとって最上級の罵倒を放ち、会場からもヘイトが集中する。中には棄権しろを野次を飛ばす人も現れる。その中で明日葉は
「……」
クラウヴィアに向けて憐みの目を向けていた。
「お前も辛い思いをしてきたんだな」
「何? それだったら勝たせてよ。憐れんでるなら結婚してよ!」
「それは出来ない。俺は勝たなくっちゃいけない理由がある。その一つが正にお前みたいなヤツさ」
「は?」
「俺もさ、人から嫌われて、いじめられて、何もかも嫌になった時があった。そんな時に救ってくれたのがデュエルだった。まあ細かい部分は端折るけどそれが切っ掛けでプロを目指したし、俺やお前みたいなヤツにデュエルで希望になれたらいいなって思うんだ」
「……そんなの無理でしょ。デュエルは勝負、勝って負けてがある以上そこに希望なんて無いに決まってる」
「そうかな? 少なくとも、俺のデュエルでワクワクしてくれた人がいる。世界が俺を嫌ってもその数人の為にならどれだけ傷ついても戦える」
クラウヴィアの否定に明日葉は正面切って答える。その真っ直ぐな目に怖気づいてしまうクラウヴィアは目尻に涙を浮かべる。
「何さ何さ何さ! 自分はヒーローで私が悪役みたいでいつもそう! そうやって敵を作って戦争ごっこでもやればいい! 何がデュエルだ何が希望だ! そんなの認めない! そもそもこのフィールドをどうやって攻略するのさ! それが出来なきゃどうあがいてもお前の台詞は安い三流漫画の主人公の台詞だ!」
「じゃあ三流漫画の主人公らしく、ハッピーエンドの為に戦うさ。早くターンを回せ!」
「っ……ターンエンド」
クラウヴィア・ドラッゲン
LP8000
モンスター:F・G・D、カオス・ソルジャー-開闢の使者-、ロード・オブ・ドラゴンードラゴンの支配者ー、ダーク・ホルス・ドラゴン
魔法、罠:無し
手札:無し
「俺のターン! 一つお前がこの世界の人物だって分かった事が一つある。盤面が完成したからって油断しない事だ。『海亀壊獣ガメシエル』の効果。ダーク・ホルス・ドラゴンをリリースして相手フィールドに特殊召喚する!」
「! こんな簡単に……」
「更に魔法『トレード・イン』を発動。手札のレベル8モンスターを墓地へ送って2枚ドロー。魔法『竜の霊廟』を発動。デッキからドラゴン族モンスターを墓地へ送ってそれが通常モンスターならもう1体墓地へ送る青眼の白龍を2体墓地へ。魔法『
「ここで龍の鏡!?」
「出来れば使いたくないんだけどな。ブルーアイズ達はこのデッキの要だし、でもそうも言ってられないし何より
あんな事言った手前日寄ってられないっての!!
墓地の青眼の白龍3体を除外し融合!
『
龍を象った鏡から現れたのは明日葉が持ちうる最強のドラゴン。芸術とすらいえるその体がフィールドを支配する。F・G・Dも負けじと咆哮をあげた。
「バトル! 究極竜でロード・オブ・ドラゴンに攻撃!」
三つの首から高密度のエネルギーが放たれる。自身の攻撃力は下級の中でも下に位置する魔法使い程度では超火力の前には余りにも無力だった。
クラウヴィア・ドラッゲン
LP8000→4700
「キィイイイイ!」
「究極竜の効果! エクストラデッキの『青眼』融合モンスターを墓地へ送って再び攻撃出来る! 開闢の使者に攻撃!」
LP4700→3200
「待って、待って! いいの? 私が負けたら魂が奪われるんだよ? あなたの心に消えない傷が「安心しろ」え?」
「必ず助ける。俺は宣言した事は曲げない。信じてくれ」
「……」
明日葉の言葉に嘘は無い。それを察したクラウヴィアは静かに、しかししっかりと明日葉を見据える。覚悟を決めたのだ。
「究極竜の効果で三度の攻撃! 対象はF・G・D!」
「! F・G・Dの方が攻撃力が上なのにどうして!」
「せめて最高の攻撃で終わらせてやる! 手札の『オネスト』の効果! このカードを手札から捨てて戦闘を行う光属性モンスター、究極竜の攻撃力にF・G・Dの攻撃力5000を加える!」
青眼の究極竜
ATK4500→9500
「攻撃力……9500……」
「闇を払え! 【ハイパー・アルティメット・バースト】!!!」
LP3200→0
デュエルの結果はパーフェクトゲーム。会場は沸き出し、敗北したにもかかわらずクラウヴィアの心は晴れていた。しかし彼女はオレイカルコスの力で魂を奪われる。ゆっくりと瞼を閉じてその時を待った。
しかしいつまで経っても魂が身体から抜ける感覚は無い。瞼を開いても意識はまだ身体に残っている。
「あれ……どうして……」
「良かった、まだいたぞ」
明日葉と違う声が聞こえた為に振り返ると、制服を来た女性が複数名スタジアムに入って来た。
「訳は後で貴女には聞かねばならない事が多くあるので」
「えっと……貴女は?」
「それも然るべき場所で。こちらです」
「なんで魂が奪われてないんだ?」
「それが……私にも分からなくて……」
明日葉達を含めた七人は情報のすり合わせに入っていた。明日葉達からしてみればオレイカルコスの結界を持っている者はその力を用いて魂を神への生贄として捧げる事を目的としている。そしてクラウヴィアはそのデュエルに敗北し、魂を奪われるはずだった。
「でも今もこうして会話もしてる。どうしてだ?」
「多分あの場でオレイカルコスの結界を使わなかったからだろうな」
明日葉の疑問に口を開いたのは悠香だった。何気なく確信があるといった口調に悠香を除いた全員が振り向いた。
「それはどういう意味? 魂を奪うのには条件でもあるの?」
「さっき渡した内通者いますよね。そいつとのデュエルでオレイカルコスの結界を積み込みしてたんですけど発動する前に倒してたんですよ。伝える前にどっか行っちゃったんで伝えそびれてたんですよね」
あっけらかんと答える悠香に頭を抱える克巳。そもそも自分が話を聞かなかったのが問題だがそれを自覚している為に悠香に強く言えないのだ。
「じゃあドーマの一味がオレイカルコスの結界を発動する前に」
「倒せば問題ない、と。でも用意ではありませんね」
今回は偶然オレイカルコスの結界を引かれず、メディナや骨塚のように予め発動されていなかったから成しえたと言える。しかし、次は流石に対策を講じられるのは間違いない。今までそのようにされなかったのがおかしいとすらいえる。
「デュエルが弱い人はディスクに内蔵されるの。それで相手を見つけたら発動して強制デュエルといった感じに」
「オレイカルコスの結界は一人一枚しか持ってないのか? 三枚もいらないかもしれないけど複数枚あれば盆回しとかで相手に押し付ける戦術もあるだろうに」
「明日葉君……さらっと言ってるけどえげつないです」
「一人一枚。例外は無かったはず。私はデッキに入れてた」
ようやくこれで情報が出揃った。オレイカルコスの結界の力を最小限に抑える方法、それは
「ワンキルか……後攻なら今のデッキでも大丈夫だけど先攻で発動されたらマズいな」
「デッキ入れ替えは禁止されている訳ではありませんが、先攻でデュエルを終わらせるデッキなんて使った事もありませんし……」
「それで敗北するくらいなら今のデッキを使う方が良い。本末転倒になるくらいなら」
ここは割り切るしか無い。ダーツを倒せば全ての魂を救う事が出来ると信じて。
「明日は準々決勝だな。お腹空いたしご飯食べに行こうぜ」
「ああ、でも海馬さんのデュエルは準決勝まで無いとか凄いな。元居た所じゃありえないぞ」
「伊達に五回優勝していませんからね。半分シード権のようなものですよ」
「それより初戦はわたしとポラリスのデュエル。絶対負けられない」
「ああ、勝てよ」
敵では無いと判明しても彼女らはデュエリスト。わざわざ敗北する理由も手加減する気も無い。ドーマを倒す為に負けられないポラリス。明日葉の為に負けられないレイカ。
両者の闘志は熱く燃えていた。
気づいたら明日葉君ワンキルしてる。何ならノーダメ達成してる。