「くそぅ…何故こうなった…」
現在私は辺りに散らばっている元AGEだった肉片の前で膝をつき泣いている状況です。傍から見れば怖すぎるシーンでしょう。返り血を浴びた小さな少女の周りに肉片が散らばっている……
……ホラーゲームかな?
そんな冗談を思いつつ、どうしてこうなったのかを思い出します。あれは確か…見つかった時のことだったかな?……
※※※
「ついに見つけたぞ!人型アラガミ!」
ついに見つけられていまいました!AGEに!
おかしい…私のこのパーフェクトステルスの前には誰も私の姿を視認できないはず…
さっき拾って被った迷彩柄の布の下で何故見つかったのか理由が分からないまま悩んでいたら横の方から空気が切り裂かれる音がしました。
えっ?危なっ!
このままでは体が真っ二つになりゾンビみたいになりそうだったので横にゴロゴロと転がり回避します。ゴロゴロ回避です。
そして初めて相手を正面から見据えるのですが……あれ?……相手の動き遅くない?……
そうです相手の動きが遅すぎるのです。それはまるでカタツムリのように、ノロノロとしたクソ遅い動きで私の感覚的に十数秒ほど待ったところでやっと相手の神機が地面に当たりました。
なにこれ私クロックアップしちゃったの?いつの間にキャストオフしたの?まさか私は人型アラガミじゃなくて仮面被ったライダーになっちゃってたの?
軽く混乱してしまいましたが、時間が経つごとにこの私が見ている世界のことを理解出来てきて、本当にクロックアップに近い状態であるということがわかりました。
ですが不便なことにこのクロックアップ。相手が本当に鈍いんです。それはもう呆れるほどニブニブですよ。
そんなときふと疑問が浮かびました。
もしこの状態で攻撃したらどうなるのだろうか?まぁ、どうせライダーみたいにボコボコに出来るだけでしょうけどね…
スパッ!ドチュ!
ぇ?あ、あれ?おかしいな私、手刀入れただけなのになんか肉片が転がって見えるよ?
…もしかしてこれヤバい?
軽く自己嫌悪に至り周りを見渡したら、また肉片が散らばっていることに気づいて今に至るということです。
何かこのAGE(肉片)達に悪いことした気がします。
例えば長々と会話をしていたにも関わらず一瞬で殺されてしまった、みたいな立ち位置の人(肥料)達だったのかも知れません。
ご愁傷さまです……
とても心に残るエグい体験をして1つ成長することの出来たイルミであった……
※※※
「現在、先の戦闘映像をアップロード中です。少しお待ちください。」
「早くしろ!私は忙しいんだ!」
ここはさっき肉片にされてしまった三人がいた船、『バラン』というキャラバンのなか。そこでとてもお腹が肥えているおじさんが三人が人型アラガミを捕まえたのかどうかを確認するために映像を、見ようとしていた。
「アップロード終了しました。映像写します。……これは……」
その映像はとても酷かったという。
1人の可憐な少女が一瞬で手練のAGE3人をを肉片へと姿を変えさせ、その場でずっと佇んでいるという映像だ。
時間こそ短いものの内容はとても恐ろしく、人型アラガミの危険度を再確認することになるきっかけともなった。
「……おい、この任務から『バラン』は手を引くぞ。いいな?」
「りょ、了解致しました。今すぐ『グレイプニル』へ伝えておきます」
これで1つイルミの脅威がイルミの知らないところで減っていったのであった……
※※※
「うっ……やっぱり美味しくなかった」
軽いノリでさっきの肉片に手を出してみましたが、案の定あまり美味しくありませんでした。
例えるならゴムと鉄を一緒に食べているかのような感じでとても食べられるものではありません。
…まず人を食べようと思った時点で私人として終わってきてるなぁ…
ま、まぁこの世にはカニバリズムとかいう人がいるくらいです。人を食べる人型アラガミがいてもおかしいことは無いでしょう。
それにしても本当であれば今頃寝床でゆっくりと『オウガテイルの生肉 〜血のスープを添えて〜』を食べているはずだったのですが色々あって食べなくなったのでまたまたお腹が空いてきました。
このままではお腹と背中がくっ付いてペーパーイルミになってしまいます。
そんなどこぞの赤帽子のヒゲの人みたいにはなりたくないので食料調達をまたするとしましょう。
……こんな沼地にオウガテイルっているのかな?