手違いで死んで神様転生したら更に手違いで問題児な娘の背後霊になったので一夏と全力でくっつけます   作:ACS

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四話

 

 

いやぁマジで驚きだわ、本当に織斑家で居候になるとか夢にも思わなかった。

 

 

ドイツで一夏を助けた俺達は目当ての賞金が空振りしたものの、代わりに移住食揃った居候生活を手に入れられたし、治安の良い日本に移住する事も出来て万々歳。

 

これも所謂原作介入って奴なんだろうけど、結局一夏はドイツ軍に保護されたし、捜索の為にドイツ軍に協力を求めてた千冬はドイツで教官をする事になったからなぁ、大筋は変わらないってやつか?

けど意外だったのは千冬があっさり居候を受け入れたことだな、俺原作は途中までしかしらねぇからよく分からんけどあのブラコンが身元不明の女を住まわす事を良く許可したよな、てっきり渋るかと思った。

 

一応フィアにはある程度伏せた上で身の上話をさせたんだけど、それが良かったのか? フィア曰く、自分はデザイン・チャイルドを使わずに究極の人類を作ろうとした最高に頭のイカれた連中のモルモット、らしい。

 

……コレ多分俺が神にハイスペックな肉体要求したから、それに合致する身体を作る為に訳わらん計画を作る流れにした奴だよな? フィアはアルビノで、十分な栄養取れなかったからか鈴やラウラよりは身長あるとは言え十分ロリ体型だし、よくバイク運転出来たな。

 

つかそもそも俺はコイツの過去なんも知らないんだよな、人生を追体験した訳でもなし、短い付き合いでも元々俺が入る器としてハイスペックなのは分かったけど、初対面が転生も憑依も失敗していきなり目の前にポンって出た感じだから付き合い自体は一年と半年行くか行かないかだからなぁ。

 

あの時はほんと焦った。何せ足元には死体だわ、身体は浮いてるわ、挙げ句の果てに目の前のガキが直感的に自分の身体だって分かるわで死んでんのに頭痛がしそうだった。

 

まぁでも一応は何とかなった、んで一夏にこの娘押し付ける計画としては最高のシチュエーションなんだが……本人が花よりだんごだからなぁ。

 

容姿は原作ヒロインに引けを取らない、アホ毛付きのアルビノで小柄の可愛い系、けどそれらを統べ台無しにするアホムーブ。

 

今も服がホームレス時代の一張羅しか無いから裸Yシャツでベッドの上ゴロゴロしてるし、少しは恥じらいってもんがねぇのかコイツ。

 

 

(ん? 一夏が帰って来たみたいだぞ? わざわざお前が着るジャージを買いに行ってくれてたんだから出迎えくらいしたらどうなんだ?)

 

「……ん」

 

 

フィアはそう短い返事をすると、ぶかぶかなシャツを着たままトテトテと服のボタンも締めずに階段を降りて行った。

 

青少年よ俺は口を酸っぱくして注意したんだ、だから前全開の裸Yシャツ姿のコイツに関しては俺は悪くない。

 

「ただいまー、おーいフィアー服買って来たぞー」

 

「……おかえり一夏君」

 

「おうただい……って何でんな格好してるんだよ!? ちゃんと前閉めろ前!!」

(そうだ!! もっと言ってやれ一夏!! どうせ言う事聞かないからよ!!)

 

「……どうせ脱ぐのに」

 

「いやいや、だからってそんな格好ダメに決まってんだろ!?」

 

「……分かった」

 

(あ、あれ? いやにあっさり言う事聞いたな? てっきり無視すんのかと思ってたわ)

 

 

流石主人公パワーってか? 俺の方が付き合い長いってのに……特殊なフェロモンでも出してんじゃねぇの?

 

貰ったジャージを大人しく着替えながらまたリビングでゴロゴロし始めるフィア、寒空の下で野宿してばっかだったからよっぽど気に入ってるんだろうな。

 

つか裸Yシャツだったからコイツ今裸に直でジャージ着てるのか……何つー上級者だよ。

 

自由奔放過ぎる彼女に頭を抱えていると、フィアは急に立ち上がってリビングの方へと向かって行った。

何事?と思ったけど時計を見たら丁度お昼時、幽霊だから匂いが分からないけど昨日フィアが寝た後に一夏がカレー作ってたはずだから多分それだな。

 

……腹ペコキャラが確立しつつあるのは俺の気の所為か?

 

 

「……一夏君、ごはん?」

 

「まあな、昨日の晩にカレー作ったから直ぐに食えるぞ」

 

「……一夏君のごはんおいしい」

 

「比較対象が生のカエルとかカビたパンとかなのが釈然としないけど、ありがとな」

 

普通その二つと比較されたら誰だって喧嘩売られてると感じると思うけど、器がデカイな。

 

そんな風に一夏に関心してた俺だったが、黙々とカレーを食べ続けるフェアを見てなんだか嫌な予感がしてきた。

 

欧州をふらふら彷徨ってた時、路上パフォーマンスや残飯漁りなんかで食べ物を手に入れてたけど、毎回毎回食べられる量がまちまちで、下手したら三日絶食とかもあったくらいだから腹一杯食べてた記憶が無い。

 

つまり何が言いたいかと言うとだ、安心して好き放題食える状況にこのフードファイターを放ったらどうなるかって事だ。

 

 

「……おかわり」

 

「お、おいフィア? もう五杯目だぞ?」

 

「……おいしいから一杯食べる」

 

「そ、そうか、じゃあ仕方ねーな」

 

(あーあ、多分晩飯分も兼ねて作ってたなこりゃ、けど無表情ながら幸せそうに食ってるのを止められねぇって顔してやがる、夜は五反田食堂かなこりゃ)

 

 

安いし美味いから良く行ってるらしいし、親父さんも人が良いからご飯の大盛りくらいはやってくれるだろう、問題はこの娘が店のご飯を食い尽くさないかだが。

 

 

「……ごちそうさま」

 

「お粗末様でした、まさかカレーもご飯も完食されるとは思わなかったなぁ、米は六合炊いてカレーも10皿分あった筈なのに……その身体のどこに入ってるんだ?」

 

「……食べられる時に食べる、鉄則」

 

(胃袋ブラックホール搭載した奴初めて見たわ、すげぇなまるでカービィだ)

 

「……カービィ?」

 

「ん? カービィがどうかしたか?」

 

(ばか、人前で俺と会話すんなっていっつも言ってるだろ!? 一夏が不思議がってるじゃねぇか!!)

 

 

不思議ちゃんは男として好みが分かれると思う、それでなくても食費を圧迫するレベルの腹ペコキャラだからこれ以上変なレッテルを一夏に貼られたらくっつけるのが難しくなる。

 

そう思って慌てて注意したんだけど、この娘は任せろ的な視線を送って来たので、一旦ゴーサインを出して誤魔化させて見た。

 

 

「……降りてきた」

 

「な、何が?」

 

「……カービィ」

 

「待て待て、どう言う意味だそれ?」

 

「……頭の中にカービィって単語が降りてきた」

 

(はいアウトォォォオ!! 不思議ちゃん通り越して電波系になってんぞ!? あの一夏が返事困って曖昧な笑いしか浮かべてねぇじゃんか!!)

 

 

コイツに任せた俺が馬鹿だった!! 絶対コイツゲームの選択肢で一番わけわからん選択肢選ぶタイプだろ!? はぁ、幽霊なのに目眩がしてきた。

 

それから暫くして、洗い物と洗濯物の取り込みを終えた一夏と、散々言って聞かせて下着だけはジャージの下に履かせたフィアの二人は町の案内と称して色々と周辺を歩いて回った。

 

俺はそんな二人の後を追って浮いてたんだけど、ふと近くの電柱に赤毛の二人組を見つけて試しに近寄ってみたら案の定五反田兄妹、多分偶々買い物してる時に一夏とフィアを見つけて思わずつけたんだろうなぁ。

 

 

「お、おおおおにぃ!! あの子誰!? なんで一夏さんとあんなに近いの!? ももももしかしてで、でででデート?」

 

「お、落ち着け蘭、デートにしちゃ二人とも格好がラフすぎるだろ!?」

 

「そ、それもそっか、一夏さんとデートならもっとお洒落するもんね!!」

 

「そうそう、大方道案内かなんかだろ?」

 

「ほっ、良かった……」

 

 

まぁ恋する乙女の蘭の心配は分かる、ぽっと出の知らない女が一夏の横を親しげに歩いてれば気にもなるわな。

 

けどな? フィアは真っ当とは言いがたい生活してっから、素人の尾行とか直ぐに見抜いちまうんだ。

 

だから一夏にジュースを買って貰いに行かせた後、ずっと二人の後ろに立ってその様子観察してるんだけど、どうやって伝えるかな?

 

 

「……終わった?」

 

「あっハイ、今終わりまし……た?」

 

「あれっ? さっきまで一夏と一緒に居なかったか!?」

 

「……忍法?」

 

「どうして疑問形なんですか……」

 

「……美少女だから?」

 

 

ぶい、と目元にピースを当てながら無表情でそんな事を言うフィア、どーすんだよ場が凍ったぞ……。

 

その後、フィアは二人の背中を押して一夏のところまで行って彼に関係を説明してもらったんだけど、その際も背後から一撃かませる位置どりだったからもう暫く問題児なままだなこりゃ。

 

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