仮面ライダー龍騎×IS ~孤高な少年がおりなすドラゴンとの宿命~   作:ギンガ

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前編(その2)

ーーーーーーー

 

俺を含めた生徒たちの自己紹介は『あかさたな順』に行われるらしいので、俺が自己紹介するのは少し後になる。

しかしあかさたな順と聞いて、真っ先に視線を向けたのはさっきまで緊張の嵐の中だった隣の席に居る奴だった。

 

「・・・」

 

織斑(おりむら)くん、織斑く~ん?」

 

「!」

 

「あっあの織斑君、貴方が自己紹介する番ですよ?」

 

「・・・えっと、それは何故でしょうか?」

 

この時、俺は隣の席に座る織斑と言う少年の台詞に絶句、そして周りもその雰囲気が感染したかのように伝わり、皆驚愕の表情で織斑を見つめる。

 

「あ、あのですね織斑君、あかさたな、そしてあいうえおから始まるので最初が『お』の織斑君の番はすぐに来るのですよ?」

 

「・・・・あっ!自己紹介!?」

 

今度は俺以外がズッコケそうになる

しかし織斑はそれを気にする事無く立ち上がってから一言で自己紹介をする。

 

「えーっと、転入生の織斑一夏(いちか)です・・・・以上です。」

 

『!?』

 

もう、彼の天然に対して誰もリアクションはしない

しかし沸々沸騰するヤカンのように怒りの表情を見せる者が後ろの列に居た。

 

因みに幼馴染は、ふと視線を送った瞬間にすぐ気が付いて何事もなかったかのように窓の景色を眺めていた。

 

 

・・・バシン!

 

突如、隣の織斑からそう空気砲のような音が鳴り響いたので、すぐさま俺たちは織斑に視線を集中させる。

そうするとその織斑の目の前に俺より背が高い黒いスーツの女性がいかつい顔を見せつつ教科書を片手に仁王立ちしており、呆れた表情を浮かべながら次のように口を開いた。。

 

「まったく、お前の天然の台詞は聞き飽きたぞ。」

「・・・なんだ、姉ちゃんか?」

 

『バシン!』

 

「学校で姉ちゃんは止せ、ここでは『姉弟』ではなく『教師と生徒』なんだからな?」

 

「はーい。」

 

タンコブを二つ付けても織斑は反省する態度を取らず、それどころか織斑の姉の姿を見た生徒が全員立ち上がり驚愕する。

 

『キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!』

『千冬さまああああああああああああああああああああああ!』

 

「!」

 

「憧れの千冬さまよぉぉぉっ!」

「素敵、観劇、私ほれぼれするゥ!?」

「私、千冬さまに憧れて、埼玉から来ました!」

「千冬さまぁ私を叱ってぇ、若しくは褒めてぇぇ!」

 

その憧れの目線と大声は流石に俺は驚く

ふと窓側に居る幼なじみを見れば頬杖を付きながら窓の景色を眺めていた。

 

「お前ら、静かにしろぉっ!!」

 

そしてこの織斑の姉の一言で、生徒たちは一斉に静かになる

これぞ『台風のように暴れて、嵐のように立ち去る。』の如しだった。

 

「・・・・自己紹介する必要は無いかもしれないが、一応しておこう。」

「私が千冬さま改め一年一組担任の織斑千冬だ、今日からお前達を一人前にするために積極的に指導する、だからお前達もそれを覚悟の上で取り組め・・・解かったな?!」

 

『はい!』

 

「よろしい、では先生、後の自己紹介をお願いします。」

「解かりました。では自己紹介に戻らせていただきます。」

 

織斑の姉は一度去って行き、次の授業まで帰って来なかった。

そして山田先生は何事もなかったかのように生徒達の自己紹介を続けた。

 

ーーーーーーー

 

さっきの騒動が嘘のように生徒の自己紹介は順調に進んで行った。

そしてさっきまで見て見ぬふりをしていた幼馴染は、山田先生に名前を呼ばれてハッとしてからすぐに立ち上がる。

 

「では次にシャルロット・デュノアさん、お願いします。」

「はっ!・・・・シャルロット・デュノアです。国家代表候補生としてフランスからやって来ました・・・皆さん、三年間程よろしくお願いいたします。」

 

ようやく名前が明かされたのは気のせいだろうか

幼馴染のシャルロット・デュノアはビシッと姿勢を正すと静かにお辞儀してまた姿勢を真っすぐにし、それから静かに座る

 

その右隣に居る生徒が強調された胸の部分を見て『おっきい!』と呟いたのは、気のせいでありたい。

 

「はぁいお辞儀もして偉いですねぇ・・・皆さんも見習ってほしいですねぇ?」

 

山田先生は手をお行儀良く合わせつつ、目と鼻先の合間に影を作りながら皆を笑顔で見つける

これで山田先生がさっきの騒動にキレ掛けていた事を、俺たちは良く理解した。

 

ーーーーーーーー

 

その時俺は、シャルロットの後ろの席に座る女子生徒が、シャルロットを見てからこちらを見て鋭い視線を送っていた事に気が付かなかった。

 

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