仮面ライダー龍騎×IS ~孤高な少年がおりなすドラゴンとの宿命~ 作:ギンガ
当然のことだが、その手紙に返事は無い。
先を事態を把握した千冬先生により織斑はガムテープで口を大きく塞がれると、授業はスムーズに進んだ。
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それから四時限目が終わり、昼食の時間になった。
女子生徒による周りからの視線に何かしら反応することもなく、俺は食堂へ足を運ぼうとした。ところがガムテープを外したらしい織斑に後ろから声を掛けられた為にその足は一旦立ち止まってしまう。
「おい、そこの男子高校生、これから食堂で一緒に食べねぇ?」
「・・・は?」
「実はさっき箒って言う僕の幼馴染に誘われたんだけど・・・女子と二人っきりってのが妙に落ち着かなくて。」
「それで、俺にも同行すれば心配いと?」
「そうなんだ、頼む!」
「・・・最後に手を合わせてそれを要求するとは考えたな。しかし駄目だ、と言うかこっちにも先約が居るんでね。」
「えっ!」
織斑が俺の発言に驚いていると、窓の方からシャルロットがこちらにやって来て俺の左腕に自分の両腕を組んだ。
「お待たせ・・・それじゃあ行こうか。」
「あぁそうだな、食堂に
「ま、待ってくれよ、僕はどうすれば良い?!」
「さぁ?とことん勝手にしやがれ!」
織斑に背中を見せた後、俺は何事も無かったかのようにシャルロットと食堂へと向かった。
「「・・・・・」」
その為、そんな俺たちを睨んでいたのは織斑だけではなかった事など、知る由もなかったのだ。
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食堂
「いらっしゃい転入生、早速だけどどれにするかい?」
食堂のゲートをくぐると、白装束姿のおばちゃんがテーブル越しにメニュー表を僕たち渡す
メニュー表はファミレスと同じくらい分厚い本だったので、それには少し驚いてしまった。
「そうだな、ふりかけおにぎり四つセットでお願い。」
「じゃあ僕はハンバーグカレーが良いな。」
「承ったよ・・・あっそうそう!」
「何?」
「金髪じゃない方の転入生。今おにぎりセットって言ってたけどほんとにそれでいいのかい?」
「どうしてそんな事を言うの?」
「実は私も、高校生の時に学園で授業受けていたんだけどここの実技は結構ハードなの。だからあんちゃんのような細身の場合はおにぎりだけじゃあ足りないと思うから。」
そうテーブルより奥の調理場に向かうとしたおばちゃんがぐるりと一周して俺に問うと、今度はメニュー表を閉じたシャルロットが続ける。
「そう言えば午後の授業は体力テストが入ってたような。」
「そっか、ならヒレかつでお願いします。」
「承ったぁ!なんならテーブルで待っといてくれや!?」
「りょっ了解。」
「解かりました!」
おばちゃんは両手をパンと叩いてから、面白いくらいに腰を曲げながら調理場へと向かった。
「「・・・・」」
テーブルの席に座ると、俺たちは一言ずつ本音を漏らした
「今のおばちゃんのテンション、ほんとの定食屋みたいだったね?」
「そうだね。」
それから俺はシャルロットに聞きたかった事を聞いてみる。
「それにしてもシャルロットよ、さっきなんであの状況で無視できたの?」
「え?」
「ほら、織斑が自己紹介した時とか千冬先生が現れた時とか窓の景色を眺めていただろう?あれバレないと思ったら大間違いだぞ?」
「あぁ・・・・やっぱり、君には隠し事ができないようだね。」
「そうだよ。」
そうやって俺が不気味な笑いを見せると、シャルロットの顔は段々青くなる
するとそこでセシリア・オルコットがこちら側からやって来て僕たちに話しかけて来たのだ。
「ちょっと宜しくて?」
「?」
僕が頬杖を付いた状態のままでその顔を見上げると、セシリアは少しイラついたように下唇の横側だけを開けつつそれを閉じてから言った。
「いえ、私はもう一人の男性操縦者がどんな人か気になっただけですわ。」
「本当にそれだけか?」
「・・・本音を言うと、少し忠告を言いに来たのです。」
「「忠告?」」
彼女の台詞に俺がシャルロットと共に反応すると、セシリアは先ほどの苦い表情が嘘だったかの様に笑顔の表情になりながら髪の片方を靡かせてからすぐに腕を組んで言葉を続けた。
「先の話しを聞いているなら分かるかもしれないですが、私はイギリスの国家が認める実力を誇る代表候補生なり、ですから貴方の力がどれだけであろうとも、私と言う『山』を越えることはほぼ不可能なのですわ!」
「・・・それはどういう事だよ。」
セシリアが言い切ると、俺とシャルロットはバレない限りに「(何コイツウザイ!)」と言う視線を送った。
しかしセシリアはことごとく気づいておらず、更に俺たちへ見苦しい追い打ちをかけてくる。
「そう言えば貴方も見る限り日本じ、日本猿のような顔立ちですけども。もしかして実力はそれほどの事だと言いたいのですか?」
「!」
「言うなれば日本とは、ISを作り出した天才科学者の『篠ノ之 束』を生み出した国と称されていますが。今では女尊男卑の激しい世の中のせいで変な猿が多いと称される国になってしまいました。」
「「・・・・・」」
「まっ私が住むイギリスもさほど変わらない離島なのですが、日本と比べれば面積、」
「ちょっと、おしゃべりはいいかげんにして!」
セシリアが俺たちの侮辱から日本とイギリスの違いについて語り出したところで、シャルロットが机の天板を強く叩いてから立ち上がる。
「シャルロット?」
それからシャルロットは下唇を噛みしめながらセシリアの顔を睨みつける
セシリアもそれに気が付くと、さっきとはまた違う表情に変化した。
それは何故だろう、在り得ないものを見て恐怖する人のようだった。
「な、何ですの貴方?今私はこの男子生徒とお話をしているのです。関係ない人は下がっててください」
「言い訳になってないよ!」
「ひっ!?」
この時、俺は軽く冷や汗をかいた。
そしてシャルロットはブチぎれる場面は、近くで見ると怪物やお化けよりも怖い事を
シャルロットは息切れしたのか、一先ず間を開けてから泣き顔のままでセシリアに問い詰めていく。
しかしその口から吐く息はまだ荒いままだった。
「セシリア・オルコット、あんたサイテイだよ。」
「な、何がですか?」
「貴方、さっきからていうか教室の時から思ってけどさ、兎に角自分の事しか頭に無いみたいじゃない?」
「!?」
「それに日本人ツラしているからと弱い判定するところがかなりムカついたよ。もし僕の幼馴染が日本人じゃなかったら、それで赤っ恥かくのは君じゃないのかい?」
「それにさ、ISの博士を生んだ島、後で侮辱するところもムカついた、ISが無かったら君は只の凡人だったんだよ?」
「!??」
「そして僕が遮っちゃった所、あそこの辺イギリスの方が日本より大きい島って言いたかったのかな?あれは。」
「それって結局、『自分の島と貴方の島はやや同じですが、何か?』って話してるのと一緒じゃないの?」
「!!??」
「結局、君はこの幼馴染に何の抗議も出来ていないんだよ。解かる?」
「・・・・・くっ!」
シャルロットが涙をスカートのポケットから出したハンカチで拭いてから下唇より上の歯を離して元に戻すと、セシリア・オルコットは何も言いだせずにただ両手拳を固めた。
二人の間に座る俺は、只シャルロットの抗議の内容が殆ど的確である事に驚いている
そう言えば十年程前にも同じようにシャルロットがブチぎれて抗議した事もあったのだが、余りに年齢とか身長とかが小さすぎて俺以外は誰も気にしなかったのである。
そして気が付くと物事に気が付かないフリをしておばちゃんが、ホカホカの煙を上げるとんかつ定食が乗ったトレーとハンバーグカレーが乗るトレーをそれぞれ片手に持って来てくれた。
「ほらよ、あんまり来ないもんだからこっちから来ちゃったよ。」
「あっ、どうもありがとうございます。」
ここでおばちゃんが器用な人なんだなと感心してしまった俺は、後で自分がどうかしていると思ってしまっていた。
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するとセシリアは、割り箸を半分に割ろうとしている俺を指して大声で一言吐いた。
「解かりました
今日の所はこの辺にして‥‥といきたいのですが、抗議したい事が一つあります、それはこの人の実力についてですわ!」
「私、この人がどれほど強いのかはわかりませんけども、恐らく実力は私よリ劣っていますわ。」
「・・・それは、何の実力?」
「決まってます、ISです。」
無理矢理気合を入れた台詞だったのだろう、セシリアは台詞を言い切ってから急に呼吸が荒くなる
それに合わせて俺も少し間を開けながらため息を吐いて、かつ丼のかつを一口頬張りながらこう発言した。
「クラス代表戦、なんだいそれは?」
「・・・本当に何も知らないのですね?」
セシリアがまた嫌な顔をしたのでそれがなんなのか聞いてみると、次の様に説明した。
「良いですか?クラス代表戦とは一ヶ月後に開催大会の事で、そこでは学年別クラス代表の一名ずつが違う代表と実力を競うのですわ。」
「ほう、国家代表とは違うのか?」
「それは名で察し出来るでしょう?しかしその国家代表との違いを強いて言うなら自薦して通る場合があると言う事です。」
「なるほどなぁ~」
「しかし自薦するとしてもその実力が周りに評価されない限りは通りませんし推薦されると断る事も出来ません。つまりクラス戦代表の選ばれ方にもリスクもあるという事です。」
「・・・・要するにセシリアは、自薦しても通る自身があるとでも?」
「その通りです、わ!?」
バシン!
少し調子に乗ったセシリアに天罰が下ったかのように頭上から拳骨が落ちる
その犯人は後ろに立った千冬先生であった。
「ったく。まともに食事も出来ん奴がイギリス代表とは、お前を推薦した奴を抗議してやりたい」
「お、織斑先生!?何時からそこに居た?」
「そうだな、お前がクラス代表戦について熱く説明していた場面からかな?」
「全く、気が付かなかった。」
千冬先生はセシリアの一言にニヤついてから一言で問う。
「・・・それでセシリア、お前は推薦される自信のほどがあるのかい?」
「あります!ありますとも!」
「そうか、ならばそれを証明してみろ?」
「は?」
セシリアの微妙な反応を他所に、千冬先生は息を吸ってからそれを吐くように大声で叫んだ。
「よぉく聞け皆のもの!これから一週間後に、男子生徒代表とイギリス代表が、クラス代表戦の一年一組の枠を賭けてバトルをすることになった。」
「制限時間は五十分、エキシビションマッチルールに乗っ取らせていただく・・・他の者も観戦は自由だ、但し面倒事は起こすなよぉっ?!」
『はい!』
千冬先生が皆に訊くと、条件反射的に女子生徒達は立ち上がって全力に答えてからまた座った。
「・・・・・・」
俺はそのペースに完全に取り残された
何故ならクラス代表戦の事も知らなかった俺が無理矢理それに参加されるような形に成ってしまったからだ。
・・・・チラっ?
気が付くと自分はふと後ろを振り向いて、窓際の円形の席にて織斑がポニーテール少女を横にうどんを食べていた事に腹を立てていた。
「(あの野郎、他人事だと思って油断しすぎだろう!?)」
コメカミに血管を浮かべる俺は、クラス代表戦で必ず殺してやると言う殺意を胸に席に座ってかつ丼を食べ始める
この時、午後の体力テストではその殺意が功を制したのか、成績が他をぶっちぎり追い抜いて一位になる事をまだ知らなかった・・・。