モチベある限りは投稿をつづける予定なので
ゆ っ く り し て い っ て ね
本編、どうぞ
「はぇー…物凄い広さだなぁ…
というか、内装がここまで赤いとは思ってなかった」
意気揚々と紅魔館の中へ入った幻佑だったが、
その広さと、赤さにただただ圧倒されていた。
「吸血鬼の館ってだけはあるのかな」
エントランスを奥へ進もうとした時、
「ようこそ、紅魔館へ」
前触れもなくいきなり幻佑の目の前に
銀髪のメイド服の女性が現れた。
「!」
突然のことに驚きを隠せない幻佑。
「失礼しました。私は十六夜咲夜。
レミリア様に仕えるメイド長でございます」
メイド長──十六夜咲夜が自己紹介をした。
「あっ、僕は…」
幻佑も自己紹介をしようとしたが、
「究 幻佑様ですね?」
先回りされた。
「え?なぜ僕の名前を…」
再び驚く幻佑。
咲夜が続ける。
「お嬢様─レミリア様の能力です。
今日貴方がここへ来ることも、お嬢様は予見しておられました」
「予見…?未来視の能力かな…?」
「いいえ。お嬢様の能力は『運命を操る程度の能力』です。
お嬢様は今日貴方がここへ来訪してくることが運命だと予見しておりました。」
幻佑の独り言に、咲夜が答える。
(ここに来ることが…“運命”だった…?
にわかには信じ難いけど…ここは幻想郷だし、
こんな能力が存在してもおかしくは無い…のかな?)
「それで、いきなりで申し訳ないのですが、
ひとつ、お願いしたいことがあるのです…」
ふいに咲夜が聞いてきた。
「問題ないですけど…一体何ですか?」
幻佑が答えると、咲夜はこちらを見据えて、
「私と手合わせしていただけませんか?」
と言った。
「…はい?」
たっぷり10秒は黙ってから、
幻佑はそれだけ答えた。
「ですから、私と勝負して頂きたいのです」
「なぜ…?」
首を傾げる幻佑。
「先程の戦闘であなた自身が戦っていらっしゃらなかったので、
まだお嬢様に会わせて良いのかどうか判断しかねているのです。」
その言葉に幻佑はしばし考え込む。
そして理由らしきものを思いついた。
「…吸血鬼ハンター、ですか」
幻想郷に来ているとはいえ、
その手の人間が幻想入りしていないとは限らない。
「それもありますね」
「それ“も”…他にもなにかあるんですか?」
という幻佑の質問の答えは、
「いえ…私個人が、
あなたと戦ってみたいと思っただけです
あれだけ強力な戦士を使役するあなたの強さは
一体どれほどなのか、と」
「………さいですか」
予想してたものとややズレた返答が
返ってきて拍子抜けした幻佑。
(マッシュは使役してる訳じゃあないんだけど…まぁ、あの門番─美鈴さんを倒したマッシュは確かに強いと思われてるだろうし。)
『マッシュが強いだけで自分が強い』と思われるのは正直なところ不本意である。
(というかそもそも、完全に自力で戦ったのって、凛子の時だけだった気がする…)
前回は完全にマッシュに任せていたし、
魔理沙の時はLA(ラストアタック)はオメガにやってもらったので、
ここら辺で最初から最後まで1度自力で
戦っておかないと経験にならなくてヤバそうである。
(覚悟を決めよう)
そう、決心した。
「それで、お受けしていただけますか?
NOと答えられても、一応お目通しはさせて頂けますが」
咲夜からの問いに、幻佑はキッパリと、こう答えた。
「もちろん、答えはYesです。」
その答えに、咲夜は微笑を浮かべ、
「ありがとうございます。
では、準備をしていてください」
そう言って、次の瞬間居なくなった。
「…どういう原理なんだ?」
咲夜が何らかの能力を持っていることは確実だろう。
恐らくこの館で唯一の『人間』で、メイド長を任されているような人物が『能力なし』とは到底思えない。
(考えられるのは瞬間移動する程度の能力、
と言った感じの能力だけど、それは恐らく違うと思う。)
咲夜の能力について幻佑は何か感じ取ったようだ。
(まだ分からないけど、とにかく対策は万全にしておこう)
そう考え、幻佑は準備を始めた。
数分後、咲夜が戻ってきた。
「準備は整いましたか?」
そう聞いてくる彼女の手には、
数本のナイフが挟まっていた。
幻佑は、そのナイフに既視感を感じた。
「そのナイフは…」
「?…ああ、これですか。
何故吸血鬼のメイドが銀製のナイフを持っているか不思議に思われるかもしれませんが、
諸事情あってお嬢様から携帯を許されているのです」
「へぇー…」
って、そうじゃなくて。
「そのナイフ、どこかで見たようなって
思ったんですけど、美鈴さんの頭に突き刺さってたのと同じナイフですね…」
気になっていた既視感の正体がわかった。
となると、さっき美鈴にナイフを突き刺したのはこの人で間違いないだろう。
「ええ、そうですね。その際は
こちらの門番がご迷惑をおかけしました…」
そう言ってこちらに向かって一礼する咲夜。
「いえいえ、大丈夫ですよ…
…もしかして、いつもああなんですか?」
幻佑が聞くと、
「ええ…そうですね…」
彼女は何かをこらえるような表情で言った。
「…大変ですね」
「それでは、始めましょうか」
咲夜のその言葉を聞いて、
改めて緊張感が張り詰めてきた幻佑。
「よろしくお願いします」
そう返し、幻佑もあるナイフを出して構えた。
「あなたもナイフを?」
「いえ、下手にデカい武器出しても持て余しそうなので、
まずはナイフから使い慣らしていこうと思っただけです。」
咲夜の主要武器がナイフだったのは正直想定外だったのだけれど。
咲夜は、目を細めて
「成程…ではそちらからどうぞ」
とだけ言った。
(いかにもナイフの扱いが簡単であるかのような言い方しちゃったよ…
でもなんでだろうか…
初めてナイフを持った感覚がしない、っていうのは)
こちらに来る前は一体何をしていたのだろうか、と考えると少し背筋が寒くなるが、今は目の前の敵に集中することにした。
「フゥゥ───」
深呼吸。
「行きます!」
幻佑は咲夜へと────
「幻符『殺人ドール』」
駆け出した─のだが、
「……!!?」
急に幻佑の前方に大量のナイフが展開した。
そのまま幻佑へ向かって
突然の事で動揺する幻佑だったが、
「なん…のっ!」
体をひねり、走り出そうとした勢いを利用してコマのように回転した。
ガガガガガガキン!
複数のナイフを叩き落としたが、
「くっ…数が多すぎる…!」
まだ無数のナイフが迫ってくる。
幻佑は、スペカを1枚、取り出した。
「弾幕には…弾幕をっ!」
そして宣言する。
「てきのわざ『マトラマジック』!」
周囲に無数のミサイルが展開し、
ナイフへ向かって飛んでゆく。
ドドドォン…
「よし、ほとんど落とせた」
それでも抜けてくるナイフはあったが、
数本程度なので落とすことが出来た。
(そうだ。ちょっと貰っておこう)
落としたナイフを数本回収する幻佑。
「避けることに専念するかと思っていましたが、まさか全て撃ち落とされるとは…
少々驚きました」
そう呟く咲夜は、
今立っている位置から1歩も動いていない。
「それはどうも…」
(ナイフが急に現れたってことは、
少なくとも瞬間移動やPKの類の能力じゃないってことは確かかな)
バックステップで後退しつつ、熟考する幻佑。
(後考えられるのは、咲夜さんがものすごい速さで動いて大量のナイフをばらまいているか、このエントランスにナイフが大量に仕込まれているか──)
そこまで考えて、幻佑は何か引っかかりを感じた。
「ん…?速さ?」
「どうかしましたか?」
考えが声に出ていたようだ。
「いえ、あなたの能力について何かをつかみかけたんですが…」
幻佑がそう言うと、咲夜は目を少し見開き、
「もう看破されかけているとは…
流石、と言うべきですか」
と言った。
「こちらも出し惜しみをしている場合ではないですね」
そして、片手に何本ものナイフを構えて、
もう片方の手に持つスペルカードを宣言する。
「幻在『クロックコープス』」
幻佑はその宣言を聞き逃さなかった。
(クロック…時計…ってことはまさか…)
考える暇もなく、
またも突然にナイフが飛来する。
さっきよりナイフの数は少ない。
しかし、今度は判別のしづらい小さな弾が織り交ぜられている。
「小型弾まで…!」
慌てて幻佑は上方向へ飛び上がる。
しかし、これは悪手だった……
授業で使う用のパソコンを買って貰ったので
原作ちょちょっとやる予定です