東方究幻伝   作:OKSK

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お久しぶりブリブリブリ大根ですわ!
…果たして待ってる人がいたのかどうかなんですけどね。
本編…どうぞっ


19話  魔法少女達

 

「ここかな?」

矢印が指す方向に進んで、大きな扉の前までたどり着いた。

扉の横にはすごく達筆な字で『Library』と書かれていた。

「ここは図書館か…」

中から何やら爆発音や、どこかで聞いたような弾幕の音が聞こえて来る。

「よし…入るか」

幻佑は、扉を開けた。

 

 

 

ドドドドドド…

2人の魔法使いが、弾幕を撃ち合いながら本棚と本棚の間を飛び交う。

「いい加減諦めたらどうだ?パチュリー」

パチュリーと呼ばれた

紫色のパジャマのような服を着た魔女は、

「それは…こっちの…セリフよ…」

息を切らしながら応える。

「今日という今日は…あなたが盗んだ本、きっちり返してもらうわよ…魔理沙!」

相手をしている魔法使い──霧雨魔理沙は、

「返すつもりはないぜ───死ぬまでな!」

満面の笑みで、言い返した。

 

 

 

「お邪魔しまーす…っと…広っ」

図書館の内部は驚くほどの広さだった。

おびただしい数の本棚にびっちりと隙間なく本が詰まっていた。

ドドゥーン───

「爆心地はあっちか」

幻佑は音の聞こえた方へと向かう。

 

 

 

「いいのか?小悪魔の心配はしてやらなくて」

魔理沙が本の山を指さして言う。

そこからは腕が1本、突き出していた。

「うるさいわね!後でいいわよっ!」

パチュリーは腹立ち紛れに弾幕を放つも、魔理沙はひょいひょいと回避していく。

「ああもう!

いっもいつもちょこまかと鬱陶しいのよ!」

パチュリーは忌々しいと言わんばかりの顔で憤慨する。

「へへん、当たらなければどうということはないないんだぜ?

やーい、悔しかったら当ててみろよ、ほらほらほらほら〜」

そんなパチュリーを煽る魔理沙。

「なんですっ…ゲホッ…ゲホッ」

パチュリーが咳き込む。

「あー、そろそろ潮時かな」

そう言ってくるりと後ろを向き、入ってくる時空けた風穴へと向かう。

「じゃあなパチュリー、また今度ー!」

「こらーーっ!!待ちなさぁぁぁぁい!」

パチュリーが手を振りあげて叫ぶも、魔理沙は止まらない。

「じゃ、達者でな!」

「その前に──本は返そっか」

「!?」

魔理沙の後ろに立つ者が1人。

「誰…?」

パチュリーは怪訝な顔をしている。

「お前は…幻佑!」

 

 

幻佑は、魔理沙に向かって

「奇遇だねぇ、こんなところで出会うなんて。

一体全体何をしているんだい?」

とわざとらしく言った。

「ふん、お前には関係ないだろ?

私は帰るんだ。そこをどいてくれ」

魔理沙はそう言って、幻佑の横を通り抜けようとしたが、

幻佑が魔理沙の手を掴んだ。

「待った。

その手に持ってる本を借りる許可は取ったの?」

「…必要ないね。私は顔パスが効くんだよ」

顔を逸らして言う魔理沙だったが、

「そんなもの許可した記憶はないわよーっ!」

遠くからパチュリーと呼ばれたパジャ魔女が叫んだ。

「ですって」

「むぎぎ…余計なことを」

「余計なことってなによ!

あなたが持って行った本の中で、

今まで私の手元に返ってきた本はないでしょ!」

話を聞くかぎりどうやら常習犯のようだ。

「詳しい話は署で聞くから、ね?」

「ね?じゃねぇわ!いいからそこを退けって…!」

イライラしたように魔理沙が手を振り払うが、幻佑はどけようとしない。

「ああぁもう!どうしてお前はそこまでパチュリーに肩入れするんだよ!」

怒鳴る魔理沙に対し、幻佑が言い放ったのは…

「いや肩入れも何も、僕は知り合いの犯罪を未然に防ごうとしてるだけなんだけど…」

「……………」

「……………」

ド正論。

「もう窃盗未遂だと思うのだけれど…」

「それ気にしたら負けです」

「いや、私被害者…」

「それも気にしたら負けです」

「………………」

「……あーーーーーっ!もういい!私帰る!」

子供のように吐き捨てて、

魔理沙は急いで箒に飛び乗り、飛び立った。

「あっ、待ちなさい!」

パチュリーが魔法弾を撃とうとするも、

魔理沙は飛び去ってしまった。

「…また…やられてしまった…」

その場にへたり込むパチュリー。

幻佑はパチュリーに近寄り、

「残念でしたね…これでも読んで元気だしてください」

と言って、ある本を差し出した。

「そうするわ…って、この本…!」

その本とは…

「ええ、魔理沙が持って行こうとしてた本ですが…どうかしましたか?」

パチュリーは、口をパクパクさせながら、

「嘘でしょ…一体どんな方法で…?」

とだけ言った。

「ああ、これです」

そう言って幻佑が取り出したのは、

「何これ…? ゴムの球体…?」

「スーパーボールってやつです。

残念ながらポケモンは捕まえられませんが…」

「…?どういうこと?」

首を傾げるパチュリー。

こういうどうでもいいタイミングでボケのための知識がちょっとだけ思い出せたりするのだが、残念ながら通じなかったようだ。

「いえ気にしないでください。」

「それで、何をどうしたのよ?

今度からそれで対策立てるから」

目を輝かせて聞いてきた。

「あー…『ぶんどる』の応用って言って分かります?」

「全く分からないわね」

「さいですよね…」

 

 

紅魔館から全速力で飛び去った魔理沙は、ある程度離れた空中で静止した。

「ぜぇ…はぁ…ここまで来れば大丈夫だろ…」

深呼吸して、気持ちを落ち着かせる。

「しかし…なんで幻佑が居やがったんだ?

まさかとは思うが雇われたって訳じゃあないよな…って、あれ?」

そこまで言って、魔理沙は自分が本を持っていないことに気がついた。

「どこかで落とした?いや、私に限ってそんなことは…まさかアイツが…!?」

 

 

幻佑がとった方法は、実にシンプル。

スーパーボールを用いて『ぶんどる』を行う、たったそれだけである。

古来より投擲武器やボールで、大小関わらず色んなアイテムや武具を『ぶんどる』ことができていたのでもしかしたらと思って試して見たのだ。

幻佑は非殺傷性のスーパーボールを投げて魔理沙に命中させ、本を回収。

魔理沙はそれに気が付かなったのだ。

正確には何かがぶつかった感覚はちょっとだけあったのだが、それを気にかける余裕もなく飛び去ってしまった。

ちなみに、本はボールが手元に戻ってきた時点で出現。

本がくっついてボールが戻ってくるシュールな絵面も想像していたが、そうならなくてほっとした反面ちょっと残念でもあった。

「という訳です。」

「ふうん…なかなか面白い能力ね…

魔法で再現出来ないかしら」

幻佑の解説を興味深そうに聞くパチュリー。

「そういえば貴方、名前は?」

「あぁ、名乗ってませんでしたね。

僕は究 幻佑といいます。

ここには咲夜さんを追って来たんですけど…」

「あー…咲夜は多分…いえ、なんでもないわ。

それと魔理沙のことを知ってたみたいだけど、一体どこで知り合ったのかしら?」

「魔理沙とは博麗神社で。

出会い頭に弾幕勝負申し込まれて…」

幻佑の回答に、

「そう…あなたも苦労したのね…」

パチュリーは同情というか、

仲間が見つかって良かったみたいな表情で答えた。

 

 

 

「…さっきから気になってたんですけど、あそこで本に埋もれてる誰かは掘り出さなくてもいいんですか…?」

ふと、幻佑が思い出したように言った。

「…あっ」

「もしかして、忘れてたんじゃ…」

「わ、忘れてなんかないんだからね?」

(忘れてたんだ…)

「とにかく!アレは別に助け出さなくてもいいわよ」

「え、いいんですか?

てっきり助けるのかと思っていたんですけど…」

幻佑が聞くと、

「最近アレもなんかウザかったし、そろそろお仕置きが必要だと思ってた所だったから。

しばらくそのままでいいわよ。」

無慈悲な一言。

「…すいません…調子こきました…助けて下さい…」

本の山から声が聞こえた。

「ああ言ってますけど…ほんとに大丈夫ですか?」

幻佑は心配になって再び訊ねたが…

「あら?そんなに心配なら

あなたが何とかしてもいいのよ?」

「え?」

予想外の返答が返ってきた。

「その代わり何があっても私は一切口を出さないから」

「それって…助けたら

『ざ〜んねん♪私はすこぶる元気でしたぁ♡

本気になっちゃってか〜わぃぃ…!ぷーくすくす…』とか言われたりするからですか?」

幻佑がさっき聞いた声を真似しながら理由を聞いた。

「…………」

突然の女声に一瞬無表情になるパチュリーだったが、

「…………私だったらそう言われるだろうけど、

あなたの場合ちょっと違うでしょうね。

…あと今の声どうやって出したのよ?」

ドン引きしながらも答えてくれた。

「違うんですか…?じゃあ一体…あと今のは

『ものまね』です」

「そう…あなた多芸ね。

それはそうと、理由はやって見たらわかるわよ…

特に貴方は男だから──ね」

 

 

 

「うーん…何が問題なんだろ」

そう呟くと、幻佑は本をサクッと片付けるために合成魔法の詠唱(と言っても詠唱はほとんどいらないのでそんなに大掛かりなものでは無いが)を始めた。

 

合成魔法とは──

幻佑がFFの魔法を元に2つ目の能力で作り出した、

魔法と魔法を組み合わせてあーしてこーして(本人談)目的のために最適化した魔法である。

今回幻佑が使うのは、彼が飛行にも用いている、『グラビデ+レピデト+トルネド』の3種類の組み合わせ。

レピデトで浮かせ、トルネドとグラビデで高度調整を行う。

「やってることはシンプルだけど

その割に難易度がえぐいのよね」

おっと、いきなり誰か入ってきましたね…

誰ですかあなた?

「解説はメタ空間ですもの。

まだ出番のない謎の美少女が登場したって

何も問題はないでしょう?」

まぁいいですけど…あなた少女って言うには

「うぉっほん!では失礼して…

この魔法の最大の難所は、オリジナルとなっている魔法をどれだけの出力でどんな方向に振り分けるかというところにあるらしいちの。」

そう。この方法を採用する場合、出力調整を行うにも相当な精密作業能力がいる。

本来ならリンゴ1つ浮かせるのにもかなりの集中力を持っていかれるのだが、そこは幻佑。

「能力によって自動調整が行われている、ということね」

だからこそ、彼が飛行している際に余計な気を使わなくてもいいのである。

MPを幾ばくか消費するが、 割と低コストで運用できるので優秀な飛行手段となっているのである。

ちなみにエアロ系の魔法でなくトルネドを用いている理由は、トルネドが直接的に風を操る魔法なのに対して、エアロ系は風を刃に変えるというプロセスを経るものであるのと、試運転中一応試してみた結果持ち上げる物によって上級魔法のエアロガでも出力不足に陥る場面が何度かあったからである。

トルネドだとオーバーパワーになりそうだが、

飛行したい高度に応じて出力が自動調整されるようにしているので大丈夫。

以上、いつもより長めの解説でした。

「またねぇー」

 

 

幻佑の合成魔法によって、大量の本が徐々に浮かび上がって行った。

「おぉ、すごいわね」

「本の順番はどうしますかー?」

念の為パチュリーに本の仕分けについて聞いておく。

「後で小悪魔にやらせるからテキトーでいいわよー」

「わかりましたー」

 

 

 

 

 

───私は小悪魔である。

名前は特にない。

この図書館で小間使いとしてこき使…もとい、書庫整理などの仕事を任されています。

今でこそ位の低い悪魔を演じている私ですが、

これでも実は名のある大悪魔と淫魔の間に生まれたハーフであり、かなりいい所のお嬢様だったりするのであります。えっへん。

…まぁ、実力は並の悪魔とトントンなんですけどね。

それはさておき、

そんな私がこの図書館で働いている理由は、私が今の主人であるパチュリー・ノーレッジによって召喚され、召喚者権限によって縛られているからです。

当時の私は、魔界からフラフラ現世に現れては男を誑かしてナニして得た精りょ…生命力で力を蓄えていました(むふふ)。

だから女の魔法使いに興味なんてなくて、

帰らせろと喚き散らしてパチュリー様に戦いを挑むも敗北。

仕方なく、ここで働くこととなった次第でございます。

パチュリー様も最初は手を焼いていたけれど、

働いていくうちに私も彼女のことを信用して、徐々に大人しくなって今に至ります。

まぁ、たまにからかったりして怒られてますけどね。

さて今現在の私ですが、本の山の下敷きとなっております。

なぜそんなことになったかと言うと、

霧雨魔理沙とパチュリー様の戦闘中、未処理の本の山に流れ弾が命中。

運悪く近くにいた私はその崩落に巻き込まれ、現在に至ります。

一応中の私は無事な空間を確保してあるので平気といえば平気だったのですが、パチュリー様が私を懲らしめようとしてるっぽいので平気じゃなさそうに答えておきました。

出てきた時に思いっきりからかって差し上げる予定でしたが…

なんか、もう1人来客があったようで、その人が私を掘り出してくれるようです。

しかも、珍しく男の人だそうで。

「ふむふむ…どんな人か気になりますねぇ…

ちょっとからかってみましょうか…全力で。

ふふふ…」

前に男の人間と会ったのは何年前だったっけ、

とか考えながら、救出されるのをにやにやしながら心待ちにしているのであります。

さあ、ご開帳───

 

 

 

 

 

 

 

全ての本をどかした途端───

 

「ゲッチュー!」

「わぷっ」

 

中から1人の女性が現れ、幻佑に飛びかかって来た。

そしてそのままスルスルと絡みつかれる。

ピンクがかった赤い髪に、

頭に一対、背中に一対の小さな翼。

悪魔のようなしっぽを生やしていて、

白いYシャツに赤いネクタイ、黒のベスト風ワンピースを着ている。

「あーぁ…」

遠くでパチュリーが顔に手を当てるのが見えた。

(うーん、このことだったのかな…?)

「だ、大丈夫ですか?」

とりあえず声をかける。

「はい。この通り元気ですよ?」

その彼女はニヤニヤと妖艶な笑みを浮かべて答えた。

「私は小悪魔です。名前はつけられておりませんので、どうぞご自由にお呼びください。」

そう名乗る間にも、その腕は徐々に幻佑の顔の方へ伸びてゆき…

「……何してるんですか?」

「ふふふ…そう緊張なさらないでください」

左手は首の後ろ、右手は幻佑の顎に添えられた。

所謂顎クイ体勢である。

(……どうすればいいんだろ)

男子にとっては夢のような状況のはずなのだが、幻佑は何故か動じない。

(なんか…嫌な予感が…)

幻佑の中で警報が鳴り響く。

このままだと『図書館が』ヤバい。

「よく見ると好みの顔してますねぇ…

ここで頂いちゃいましょうか」

そんな幻佑の思いを知らずに、

とんでもないことを言う小悪魔。

「他所でやりなさいよ…というかやるな」

パチュリーはどこか達観したような表情でツッコむが、小悪魔は無視して、

「それじゃあ、いただきま──」

と幻佑の顔へと迫った、その時…

 

 

 

 

ドゴォォォォォン…

 

 

 

 

「おう…儂の幻佑に手を出すとは…

いい度胸では無いか…えぇ?」

 

 

 

幻佑の予感が的中してしまったのであった。

 

 

 

 

「あああ…壁の穴が広がっちゃってるぅ…」




謎の美少女、いったい誰なんでしょうかねぇ?(すっとぼけ)
彼女については本編のもう少し後で出番があるかもしれないです。
最近筆が進まなくなってきててやべーです。
モチベをくださいと思う今日この頃なのであった。
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