次回から1週間おきになるよ、きっと、多分、MAY be…
サブタイトル元
『キャッチーを科学する』 歌手:アルカラ
怠る者は自分の獲物を捕えない。
しかし勤め働く人は尊い”宝”を獲る。
───イスラエル王ソロモンの箴言 第12章27節
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「人知れない所で勝手に噂されてる奴の気持ち考えたことありますか? マジでぶん殴りたくなるほどむかつくんで止めてもらえませんかねえ……?」
「分かった、分かったってなブロントさん、勘弁してや!」
「ニコラス、彼が?」
「せやで、彼がワイのルームメイトや」
ニコラスがブロントさんと言った青年を見てみる。
その男性の特徴は色々ある。
2メートル近い長身、褐色の肌、ルビーの様な赤い瞳、輝く銀髪。
しかし最も特徴的な特徴は彼の言葉遣いであろう。
「ニコラウスが紹介したが、俺がブリリアント・アンルリー・レーザー・オブ・ノーブル・テザーだ。俺は謙虚だからな、言い難ければ”ブロントさん”で良い。国は欧州の辺りのイングランドなんだが、仕事の都合で北海道に引っ越してきた。中坊の頃は不良だったので、イングランドや北海道でも伝説の不良と恐れられていたから喧嘩も強いしバイクもヘルメットを被らないで乗る。あと自慢じゃないんだがISの操縦に関しては「IS界のイチローですね」と言われたことも有る(捏造)」
ブロントさんと名乗った青年が自己紹介をしたが周りは理解した様では無かった。
皆、ポカンとしていた。
「え、え~と、ブロントで良いのか?」
「俺は謙虚だから”さん”付けで良い」
「いや、ブロントじゃ…」
「謙虚だから”さん”付けで良い」
「ブロントじ…」
「謙虚だから”さん”付けで良い」
「【諦】………ブロントさん」
「【何か用かな?】」
(面倒臭ぇ…、つーかバイク関係無ぇ)
(ニコラスさんの事、ニコラウスって今言ってなかったか?)
「バッテン、”ブロントさん”と呼ばんと話進まんで」
「【困】ああ、今良く解かったよ」
「ほぅ、経験が生きたな。ジュースを奢ってやろう」
「【喜】え、有難う?」
「そこは『9本で良い』って返すんやでバッテン」
「【困】ええ~」
ニコラスは彼の独特過ぎる言葉遣いにもう慣れてしまっているようだ。同室でこれから共に過ごす訳なのだから当然かもしれない。
「それで、ブロントさんもこれから昼飯かいな?」
「ほむ、それもそうだが俺はまだ其処の3人の名前を聞いていない感、死にたくないなら今すぐ教えるべき」
「【友】俺は葉佩 一龍だ、宜しくな(死にたくない?)」
「私は篠ノ之 箒だ、箒と呼んでくれ(今のは脅しなのか?)」
「……荒垣 真次郎だ(外人だから言葉が変なのか?)」
「一浪とホーキに真次郎だな? 全力で覚えたから安心して良いぞ」
「私と一龍の呼び方が変じゃなかったか?(全力?)」
「俺のログには何も無いな」
ブロントの話し方に真次郎すらも呆気にとられるようだ。
「ねぇ、ちょっといいかな?」
ふと女性の声が掛かる。
「何いきなり話しかけて来てるわけ?」
「へ? いや、貴方じゃ無くってそっちの1組の2人なんだけど…」
ブロントの対応に困り顔の女性、制服のリボンの色から上級生と判る。
確か3年生の筈だ。
「俺達に何か用ですか?」
「噂で聞いたんだけど、代表候補生の子と勝負するんでしょ?」
「…そうだが(噂? 早く広がり過ぎだろ…)」
「でも君達、素人でしょ? 私が教えてあげよっか? ISについて」
「なんや、先輩の特別レッスンかいな? どうするんや、バッテン?」
「あ~、(別に素人って訳じゃ無いんだけど…)」
一龍は考える、協会の方で技術や知識を叩き込んだ身ではあるが、IS学園の3年生から様々な技術を学ぶ機会はそうそう無いだろう。従ってチャンスなのであるが…
横の箒をチラリと見ると頬を少し膨らまして3年生を睨んでいる。彼氏に近づいてきた女という事で面白くないのであろう。そこがまた可愛らしいと一龍は思った。
「わたし3年生だから色々と教えれると思うんだけどなぁ?」
「シンジはどうする?」
「練習がてら指導して貰えるならそれに越した事は無ぇ」
「そっか、俺も別に構わないんだが…、練習場とか訓練機は押さえているんですか?」
「勿論よ、申請が多かったから明後日の放課後からになるけど、」
「箒、彼女も一緒で良いですか?」
「一龍!?」
いきなり名前を出され、箒は驚く。
「3年の先輩に指導して貰えるんだ、一緒に習って強くなろうぜ?」
「むぅ、確かに…、私も良いですか?」
「別に構わないよ? じゃあ明後日の放課後、第6アリーナに来てね」
ニコリと微笑むと先輩は去って行った。
「丁度良い練習になりそうだな」
「まぁな、しっかし3年がわざわざな」
「ルカ坊よりはマシやで? クラス代表戦に向けて特訓してやるってクラスメイト、上級生、先生が押し寄せとったで」
「ちょとsYレならんしょそれは……、このままでは2組クラス代表の寿命がストレスでマッハなんだが…」
「先生までなのか…、ところでブロントさんはクラス代表なんですか?」
「俺がどうやってクラス代表だって証拠だよ? 4組には国家代表候補生がいるし俺は謙虚だからな、副代表になりましfa(無理に代表にならないのが大人の醍醐味)」
「そういやブロントさん、昼飯まだやろ? 早う食わんと時間ないで?」
「おっと、正論を言われた感、じゃあ俺は昼飯系の用事があるのでこれで」
そう言ってブロントは開いている席を探しにカカッと去って行った。
嵐の様な彼に一龍達は深く溜息を吐いたのであった。
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夜
『IS学園(ISがくえん)』 学生寮
風呂と夕食を終え、部屋でゆっくりする一龍達、
「ふ~、今日も一日終わったな」
「そうだな、しかしまだ2日目なのに色々と出来事が起こり過ぎだ」
「ははっ、まぁな」
一龍達は互いに肩を寄せ合い座っている。
「そういえばフロランタンは美味かったか?」
「ああ、とても美味しかったぞ」
「【喜】なら良かった」
「お礼というか、今度は私が作ろう」
「お? 箒が作るのか、何を作ってくれるんだ?」
「それは楽しみにしていてくれ」
「分かった」
見つめ合って笑いあう。
「一龍、有難う」
「ん? どうしたいきなり?」
「午後の授業の時、私を庇ってくれて」
「気にすんな、家族だからって他者と同じ様な扱いをされるのは誰だって嫌だろ?」
「うん」
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5限目の講義はISコアにおける機能についてであった。
「おさらいになりますが、ISコアは篠ノ之 束博士以外の者が造る事は出来ず、その数は467個…」
話の中にIS発明者である篠ノ之 束の名前が出た時である。
「あの先生、篠ノ之さんってもしかして篠ノ之 束博士の関係者なんでしょうか?」
篠ノ之という苗字は珍しい、開発者の苗字とクラスメイトの苗字がその珍しい苗字であるなら気付かない訳が無い。
「……そうだ、篠ノ之はあいつの妹だ」
言いたくなかったが嘘を吐く訳にもいかない、そんな複雑な表情で千冬は答える。
答えてしまえば一騒動起こると解っているからだ。
「ええ――――――――――――――――――――――――――――――――っ!!?」
「有名人の身内がクラスにいたなんて!!」
「篠ノ之博士ってどんな人なの? 今何処にいるとか知ってる?」
「篠ノ之さんは専用機とか用意してもらえるの?」
「やっぱり篠ノ之さんも天才なの? 」
「今度、ISの操縦方法教えてよ~!」
皆が箒の処へ群がる。
箒は篠ノ之 束の事が嫌いだ、彼女のせいで箒は約7年間寂しい思いをしてきた訳なのだから。昨日溜まった思いを発散したからと言って、またぶり返す様な状況になってしまっては堪ったものでは無い。
しかも妹というだけで彼女と重ねられているのだ、箒は辛そうな表情で今にも耐え切れずに叫び出しそうになっていた。
「ストップだ」
一龍の言葉に皆の声が静まる。
「確かに箒は篠ノ之 束の妹だ、だが身内だからと言って同じ様に見られては不愉快だろう? 皆驚いているだろうが、彼女の気持ちも汲むべきだ。」
「う、うん…そうだね」
「御免ね、篠ノ之さん」
「私達、勝手に盛り上がってた」
「いや…、気にしないでくれ」
囲んでいた女子達が箒へ謝罪し、再び授業は再開された。
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「一龍の御蔭で怒鳴らずに済んだんだ」
そう言って箒は湯呑をテーブルに置き、一龍に甘える様に腕に抱きついた。
「有難う一龍、私にとって一龍はヒーローだな」
「ヒーロー?」
「ああ、寂しさで潰れそうな私を支えてくれた、7年間の思いも吐き出させてくれた、そして今日の授業でも私の事を思ってくれていた。嬉しいよ」
抱きしめていた腕を解くと、箒は一龍の顔へ近づき…
「大好きだよ、一龍…」
一龍の頬にキスをした。
顔を離すと箒の顔は真っ赤だった。
「箒…」
「ふふっ、やはりキスはドキドキするな♪」
「【愛】本当に…、可愛いなぁ箒は」
「きゃっ、一龍!?」
一龍は箒を抱きしめて倒れる。
重さが箒に掛からない様に倒れ際に器用に回転して一龍が下になる。
「俺も好きだ…、大好きだ」
「一龍…」
互いに見つめ合う、顔が熱いと一龍は感じた。
「可愛くて、愛おしくて、傍にいるだけで幸せで…」
一龍は優しく箒を抱きしめる。
「【愛】だから俺はずっと箒と一緒にいるよ」
「一龍、嬉しい…、私も幸せだよ…」
互いに笑い合う、甘く、幸せな一時…
ふと、箒の肩がテーブルに当たり、縁に置かれていた湯呑が倒れてしまう。
零れたお茶は一龍の着ていたシャツを濡らしてしまった。
「す、済まん一龍」
「いや、いいって。着替えればいい事だし…」
一龍は立ち上がり、替えのシャツを取り出して着替える。
露わになる一龍の上半身に顔を赤らめながらも箒はその体に刻まれている傷を見て息を呑んだ。
「一龍!? その傷は?」
「ああ、箒には見せて無かったな…」
一龍はシャツを着ようとした手を止めて困った表情になる。
「鍛錬とかで付いた傷だよ、名誉の勲章とか言えば格好が良いかもしれないけど、醜いだろ?」
「っ! そんな事無い!!」
「うおっ!?」
箒は一龍を抱きしめ、彼の傷に触れる。
「痛くない?」
「痛みは無いよ、大丈夫だ」
「これが…、一龍の強い理由か?」
「まぁな、強くなろうと色々してきたから」
「そうか…」
愛おしく一龍の傷を撫でながら、箒は胸元の大きな傷に唇を重ねた。
「箒?」
「一龍、私は強くなりたい」
「………」
「一龍の様迄なんて言わない、でも私は一龍の背中を護れる位、一龍の横に立っていられる位に強くなりたい。大好きな一龍と一緒に何処までも行ける様に……」
「大変だぞ?」
「一龍がいるなら何も辛くない」
「そうか…」
愛しい箒を、一龍は再び抱きしめる。
箒は目を瞑る、聞こえるは一龍の鼓動、ドクンドクンと響く心地良い音を聞きながら彼女はふと思い出した。
「昨日は聞けなかったな…、一龍の養父の事を」
「そうだな、聞くか?」
「うん」
「分かった、じゃあ話そう。俺の過ごした約1年間を」
一龍はシャツを着て、互いに向かい合いながら己の正体と共に語りだした。
ドイツで行われたモンドグロッソで誘拐された事
誘拐犯に殺されかけた所を助けられた事
助けてくれた人は『
ISすらも倒したその人に弟子入りを懇願した事
それまでの自分を捨てて己を鍛え続けた事
彼に連れられて世界中を回った事
世界のあらゆる遺跡や秘境を冒険した事
時には命に係わる危機にも直面した事
師匠の仲間達に様々な事を教えて貰った事
一龍として期待の『
仲間達に支えられながら任務を達成してきた事
新たな任務としてこのIS学園に来た事
一龍の話が終わる頃には、時計の針は0時を指そうとしていた。
「こんなものだな」
「何と言うか、物凄く濃い1年間だったのだな…、しかし一龍が
「ああ、昨日の夜中に入り口を見付けた」
「そうなのか…、一龍」
「何だ?」
「私に、一龍の正体を教えたのは何故だ?」
「俺の恋人だから、そしてこれからずっといる人なんだ、黙ってはいられないさ」
「そうか…、ふふっ嬉しいな♪」
微笑む箒、心から信頼してくれている彼に胸がいっぱいになった。
「他の奴には内緒だぞ?」
「ああ、分かっているさ」
「さて、明日から打倒オルコットで特訓開始だな。箒、一緒に強くなろう」
「一龍はもう強いのにか?」
「俺はまだまださ、師匠は何十倍も強いから」
「そうなのか…、うん頑張ろう、一龍!」
「【燃】ああ!」
2人は強くなる事を心に誓い合った。
夜も更けてゆく…
TO BE CONTINUE
ブロントさん登場!!
彼の言葉遣いは難しいで御座る。
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