一龍妖魔學園紀   作:影鴉

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まさか連日投稿する事になるとは思わなかった影鴉です。
思いついてしまった以上、仕方無し。
次々回で原作スタートする予定。

追記
トトの九龍への呼び名を間違っておりました。
「ファラオ」→「我ガ王」


サブタイトル元
『冒険者たち』 歌手:THE ALFEE


 冒険者たち

「一隅を照らす これ即ち国の”宝”なり」

 

───最澄

 

 

____________________________________________

 

 

西暦20XX年10月27日

 

エジプト・アラブ共和国

 

カイロ南東南区域郊外

 

地下約1000M地点 『名も無きファラオの墓(なもなきファラオのはか)』入り口

 

 

 光の届かない遺跡内に一人の少年と男性が降り立つ。

 少年が懐から何かを取り出し空中へ放り投げるとそれは輝きだした。

 明るくなった遺跡内を見回して少年は口を開く。

 

 

「周りは特に問題無い様ですね」

「油断ハ禁物デス。何処二とらっぷガアルカ分リマセンヨ、一龍」

「【燃】そうですね、この先サポート御願いしますトトさん」

「ハイ、喜ンデ」

「『H.A.N.T.』、サポートを頼む」

【ナビゲーションシステムを起動します】

「道は真っ直ぐか…」

「注意シテ進ミマショウ」

 

 

 一龍と呼ばれた少年『葉佩 一龍(はばき いちろう)』はトトと呼んだ男性『トト ジェフティメス』を連れて遺跡内を進み出した。

 

 

【別区画に移動しました】

 

 

 『断罪の間(だんざいのま)』に入った一龍達、先程までいた場所とは違う不気味な雰囲気に気を引き締める。

 

 

「この気配……」

「一龍、気ヲ付ケテ下サイ。何時デモ戦闘態勢をトレルヨウニ」

「解りました!」

 

 

 部屋の中央には石碑が立っていた。一龍達は石碑を調べる。

 

 

「エジプト文字の様ですね」

「”《罪人》と《断罪者》が向き合う時、《冥界の扉》を開く鍵は現れん”デスカ…」

「あそこの石像がそうでしょうか?」

 

 

 石碑の向こう側に頭垂れた石像と短剣を構えて佇んでいる石像が背中合わせで立っていた。

 

 

「頭垂れている方は《罪人》、もう片方は《断罪者》かな? 向き合わせれば良いというなら…、やっぱり動かせる!」

 

 

 一龍は石像を回し、互いを向き合わせた。すると向き合った石像同士が離れ、その石像達の間から短剣が載った石柱が現れた。

 

 

【秘宝を入手しました】

 

 

 『断罪の短剣』、これが《黄泉の扉》を開く鍵になるようだ。一龍は『断罪の短剣』を取る。

 

 その時、得体の知れない鳴き声が部屋に響いた。

 

 

「!?」

「ヤハリ、罠デスカ…、一龍!」

「はいっ!!」

 

 

 武器を取りだして一龍達は構える。一龍達が入ってきた扉の上にある穴から大きな蠍が出て来た。

 

 

【敵影を確認、戦闘態勢に移行します】

 

 

 蠍達は一龍達に向かって来る。一龍は腰に下げた手榴弾を取る。

 

 

「纏まって来るなら好都合だ!!」

 

 

 ピンを抜き、ガスHGを集団の中央へと投げつける。大爆発と共に蠍達は木っ端微塵になった。

 

 

「残りはこれで!」

 

 

 マシンガン『MC51』を取り出し、生き残りに撃ち込んでいく。ガスHGの爆風によって虫の息であった生き残りの蠍達はなす術も無く全滅した。

 

 

【敵影消滅、探索態勢に移行します】

اَلسَّلامُعَلَىْكُمْ(貴方の上に平穏を)(アッサラーム・アライクム)」

「ふう、」

 

 

 数々の罠や化人(ケヒト)達を突破し、一龍達は進んでいく。

 

 

「ドウヤラコノ場所ガ、コノ遺跡ノ最後ノ区画ノ様デスネ」

「しかしこんな遺跡がまだ誰も入ったことが無いなんて…」

「協会ノ最新鋭ノせんさーデ漸ク発見出来タ訳デスカラネ、シカシ良ク此処マデ深ク潜ッタモノデス」

「深度的には5キロを超えたでしょうか?」

「ソウデスネ、此処ハキット海ノ下デショウ。フフッ」

「トトさん?」

「父サンガ言ッテマシタ。我ガ王モ嘗テ父サント一緒二かいろノ地下二アル遺跡デ秘宝ヲ見付ケタト」

「師匠が?」

「ハイ、思エバソレガワタシト我ガ王ガ出会ウ切欠デスネ、『ヘラクレイオンの遺跡』デ我ガ王ガ父サント共二秘宝デアル碑文ヲ手二入レマシタ。ソレガ我ガ王ニトッテ初任務ダッタ筈デス」

「師匠の初任務がこんな遺跡の秘宝を手に入れる内容だったなんて…」

「ハハッ、ソシテ我ガ王ハ次ノ任務デワタシガ在校シテイタ学校ヘ来タンデス。」

「学校、確か『天香(かみよし)学園』でしたね?」

「ソウデス、我ガ王ガワタシヲ救ッテクレ、ソシテ伝説ノとれじゃーはんたー二ナッタ場所デス」

 

 

 トトは懐かしそうな顔で一龍に嘗ての出来事を語った。

 

 生徒会執行委員として九龍達と敵対していた事

 『天香(かみよし)学園』の地下遺跡で九龍と戦った事

 戦いに敗れ、失った思い出を取り戻して貰い、救ってもらった事

 九龍の仲間として共に戦った事

 仲間達と楽しく騒いだりした事………

 

 そして話している内に、遂に『名も無きファラオの間』に到達したのだった。

 

 

「此処が…」

「一龍、石碑デス」

 

 

 扉の横には警告が書かれた石碑が立っていた。

 

 

「”『名も無きファラオの間』の《知恵の神の宝玉》を盗りし者は覚悟せよ、護り手は盗人を逃がさない”、か…《知恵の神の宝玉》?」

「多分、『トト神』ノ事デショウ。ワタシノ名ノ由来ニナッタ神様デスネ」

「護り手って罠かな?」

「ドチラニセヨ注意シテ行キマショウ。一龍、鍵ヲ」

「はい」

 

 

 扉の窪みに『断罪の短剣』を嵌め込んで鍵を開ける。

 『名も無きファラオの間』に入ると奥に祭壇があり、宝玉が奉っていた。

 

 

「あった! あれが『トト神の宝玉』!!」

「ヤリマシタネ一龍! コレデ任務完了デス」

「やった!」

【秘宝を入手しました】

 

 

 一龍は『トト神の宝玉』手に入れた。

 

 

「後ハ、護リ手二注意シナガラ来タ道ヲ戻レバ良イデショウ」

「よ~しっ、さっさと帰ってゆっくりした……、!!」

 

 

 『H.A.N.T.』から警告音が鳴り響き、同時に部屋内に地響きが鳴り渡る。一龍達はすぐさま構える。

 

 

【警告、高周波のマイクロ波を検出、強力なプラズマ発生を確認】

「ドウヤラ簡単ニハ帰シテハクレ無イ様デスネ」

「やっぱりか…」

 

 

 天井の中央が崩れ、瓦礫と共にナニかが落ちてくる。ワニの頭で鋼鉄の首輪を着けた四足の巨大な獣であった。

 

 

「生者が何故に冥界の扉を潜った!!」

「こいつはっ!?」

「冥界ノ生物、『アムムト』!!」

 

 

『アムムト』、

 エジプト神話において冥界に住むと言われている生物の名前である。体の構成が頭がワニ、体の前がライオン、後ろがカバであり、トト神とアヌビス神が死者を審判する『オシリスの審判』において心臓の重さを計量する時に、冥界に行く資格のない死者の心臓を食べると言われている。

 

 

「生者が冥界に来るなんぞ言語道断!! その心臓喰ってやるわ!!」

「来マスヨ! 一龍!!」

「了解!! 『H.A.N.T.』サポート頼む!」

【敵影を確認、戦闘態勢に移行、サポートを開始します】

 

 

 アムムトが突進してくる、一龍はランチャー『M203GL』を取り出すと動きを封じようとアムムトの足を狙って40mm榴弾を放った。

 

 

「ぐわああああああああぁぁぁぁっ!!」

 

 

 アムムトの前足に見事命中し爆発する。アムムトは倒れる。

 

 

【目標ダメージ、前左足を捻挫】

「まだまだいくぜ!!」

 

 

 アムムトの横へ駆け込み、続いて手榴弾『ガスHG』をアムムトの腹部に投げ込む。『ガスHG』は見事腹部で爆発する。一龍は更に『MC51』で追撃する。

 

 

「おのれぇ、冥界を荒らしおって、絶対に許さん!!」

 

 

 アムムトの巨体には榴弾や爆弾は効果あっても『MC51』の9mmLUGERでは効き目は薄いようだ、弾丸を喰らいながらも平気な様で、一龍に突進を仕掛けてきた。

 

 

「やべっ!」

「このまま喰い千切ってやる!!」

 

 

 アムムトが大口を開けて一龍を噛みつこうとするがその動きが止まる。よく見るとアムムトの体を黒い粒子の様なモノが包み込んでいた。

 

 

「な、何だこれは!?」

「アーイエ……アーイエ……」

「トトさんナイス!」

 

 

 アムムトの動きを封じているのは砂鉄、トトの磁力を操る能力によって集めていた砂鉄をアムムトに纏わりつかせたのだ。トトはそのままアムムトの首輪を磁力で持ち上げる。体を浮かされてアムムトは足をばたつかせる事しか出来なかった。

 

 

「首輪が!? おのれっ、生者めぇ!!」

「一龍、今デス!!」

「おっしゃあ!!」

 

 

 一龍はグローブ『音速グローブ』を嵌め、アムムトへ駆けて行く。そしてその腹部へラッシュを打ち込んでいく。

 

 

「おらおらおらおらおらぁ!!!」

 

 

 目にも止まらぬパンチの嵐、古代の叡智によって速度や威力を増すそのグローブは炎を纏い、燃え盛る渾身のストレートを止めにぶち込んだ。

 

 

「どりゃあぁぁぁ!!」

「がはぁっ!!!」

 

 

 ストレートが打ち込まれると同時にトトは能力を解除する。固定するモノが無くなったアムムトは吹き飛び、部屋の壁に叩きつけられた。

 

 

「そんな…、死者の心臓を喰ってきたこのアムムトが…、ぐあああああああ!!」

 

 

 断末魔と共にアムムトは亡者の魂を放ちながら消えていった。

 

 

【敵影消滅を確認、安全領域に入りました。通常モードへ移行します】

「オ疲レ様デス一龍」

「【喜】有難う御座いましたトトさん、危ない所でした」

「イエ、貴方ヲさぽーとスルノガワタシノ仕事デス。デモ次ハ気ヲ付ケテクダサイ」

「ぐ、御免なさい…」

「次、気ヲ付ケレバ良イノデス。『後悔しても反省はするな』デス」

「…それ逆ですよ」

 

 

::::::::

:::::

::

 

 

 一龍達は無事、秘宝を手に入れ、遺跡を出たのであった。空は既に暗く、月が浮かんでいた。

 

 

「うおおおおお!! 地上に出たあ!」

「モウスッカリ夜デスネ、支部ヘ戻リマショウ。連絡ハシマシタカ?」

「はい、任務完了のメールは送っておきました」

 

 

~♪ 【メールを受信しました】

 

 

 一龍の『H.A.N.T.』からメール着信の音楽が鳴る。

 

 

「返信かな?」

「次ノ任務カモシレマセンヨ?」

「そんな、新入りなのに」

 

 

 一龍はメール内容を確認する。

 

 

_________________________

 

受信日:20XX年10月27日

送信者:ロゼッタ協会

件 名:探索要請

-----------------------------------------------------

日本にて、超古代文明にまつわる遺跡の存在を確認、

場所は、○○県××区に所在する「IS学園」の領地

内。知っている通り「IS学園」は超法的区域であり、

協会でも迂闊には手を出せない場所となっている。

したがって、ISを起動できた貴君に白羽の矢が立っ

た。1ヶ月後、協会からIS起動の件を公表し、

「IS学園」へ入学依頼を送る予定。来年度の入学式

から貴君には潜入して貰う事になる。それまでに準備

を整えておく事。

尚、今件の閲覧資料は自動的に

このH.A.N.T.に転送される。

 

         《ロゼッタ協会》遺跡統括情報局

_________________________

 

 

「何デシタカ?」

「新しい任務です、IS学園に潜入しろって」

「IS学園デスカ? 一龍ノ故郷デアル日本二アル学校デスネ?」

「ISを起動出来たから白羽の矢が立ったそうです」

「マア、仕方無イデショウネ」

「はぁ…」

「嫌デスカ? 故郷ヘ帰レルトイウノニ」

「トトさんも俺の事情知っているでしょう? 俺は『葉佩 一龍』であって、もう『織斑 一夏』じゃ無いんですよ、あの時に嘗ての自分は捨てたのに…」

 

 

 一龍の顔が険しくなる。あの誘拐事件以降、『織斑 一夏』の名前とそれまでの日々を捨て、葉佩 九龍の弟子『葉佩 一龍』として世界を駆け巡って鍛えられてきた。そして新米ながらもトレジャーハンターとして活動しているのだ。

 

 

「辛イデスカ?」

「辛いと言うか、IS学園には千冬姉が赴任しているから気まずいんですよ」

「一龍ハオ姉サンヘノ誤解ガ解ケタト聞イテイマシタガ?」

「確かに、あの時の誤解は解けました。でもあの事件の事に関与している以上、俺は許せない」

「『白騎士事件』デスネ? 確カニアノ事件デ世界ハ大キク変ワッテシマイマシタ」

「だから、どんな顔で向き合えば良いか分からないです」

「マダ任務マデ時間ハアルノデスカ?」

「まずISを起動できたという公表をしないといけませんから、これから色々とやって、入学式がある4月までは時間があります」

「ソレナラソレマデニ考エレバ良イデス」

「そんなものですか?」

「ソンナモノデス」

 

 

 そう言ってトトは一龍の手を引っ張る。

 

 

「兎二角、今夜ハ任務成功ノオ祝イヲシマショウ! 最近、支部ノ近クニ美味シイ寿司屋ガ出来タンデスヨ♪」

「トトさん、本当に寿司好きですね。前も俺に作らせましたし」

「ハイ! 大好物デス♪」

 

 

 一龍達はカイロの街へと向かって行った。

 

 

TO BE CONTINUE




今回登場した武器は『九龍妖魔學園紀』で登場しているものです。

武器紹介
MC51
イギリスで特殊部隊への供給を目的に開発されたマシンガンで世界最強ともいわれる。
M203GL
アメリカで開発された、歩兵が携行できる最小にして最軽量の擲弾発射器。
ガスHG
圧縮ガスを利用した破砕式手榴弾で高い殺傷能力を持つ。
音速グローブ
古代の叡智を受け、更にその速度と威力を増した拳を放つ事ができるグローブ。ダメージに火炎属性を付加する。


一龍(一夏)の師匠である九龍は原作の舞台をレベルMAX+アイテムも全て揃えてクリアしています。
従って、一龍もアイテムチート化してますし、『蝶の迷宮』擬き(ドラゴンボールの精神と時の部屋的なダンジョン)でかなり鍛えられています。
強くてニューゲーム的な状態です。

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