頑張って執筆しましたので、是非ご覧下さい!
昔々、とある人間達が暮らしている町に一人の黒髪の女の子がいました。その子には家族というものがおらずに一人暮らしをしていましたが、その子の人柄がとても良く町の子供達のお姉ちゃん的な存在であったこともあり、多数の人達からの支援を受けれました。
こんな日常が少しでも長く続きますように...と、女の子は切に願いました。
────しかし、そんな日々に終わりを告げるかのような事件が起きてしまいます。彼女はとある朝、背中に違和感を抱きました。何か今までは無かったものが出来てしまったような、そんな感覚でした。
そう思い背中を見てみると...太い大きな爪のようなものが背中から生えていたのです。彼女は少し怖いと感じましたが、相談することで他の人に迷惑が掛かってしまうと危惧しそのままにしてしまいました。
問題はその次の日です。彼女は背中の酷い激痛で目が覚めました。患部は昨日生えてきた爪のようなものの部分。
恐る恐るそこを見てみると───なんと、全てが骨で出来た羽根があったのです。しかもそれは自分の背中から生えている......
とうとう彼女は怖くなって叫んでしまいました。滅多に弱音を吐かなかった彼女ですから周りの人々はただ事ではないと思い彼女の家に突入します。そこで人々が見たものは町の人が良く知るあの女の子ではなく─────
────髪の毛が真っ白で骨の羽根を持った『何か』でした。
見た人々は驚きます。あれは誰なんだ、あの少女はどこだ...等と口々に言っておりました。その中、ある者が叫びました。「あいつは吸血鬼だ!」と。
吸血鬼。それは町...いや、国全体に住む人間を脅かす一種の妖怪です。蝙蝠のような羽根で夜の空を飛び、人間離れしたその力で人々を殺し血を飲む悪魔なのです。
無残に殺される人々ですが、当然やられてばかりではいられません。軍隊を組みなんとか吸血鬼に対抗しようとしますが、勝てた試しはありませんでした。そのため、人々にとって吸血鬼というのは最悪そのものでした。
それが今目の前にいる。その事実が人々に恐怖を与えました。
すると、さっき叫んだ人とはまた別の人、更にまた別の人が次々に言います。
「あいつは女の子に化けてたんだ!」
「俺達が油断したところを喰うつもりだったんだ!」
「愛想が良かったのはそういうわけか!」
「俺達は騙されてたのか...」
「なら殺ることは一つだ!」
「そうだ!殺せ!」
「殺してしまえばいい!」
「「「「「「殺せ!殺せ!殺せ!!」」」」」」
女の子は咄嗟にそんな人々達から逃げ出しました。本能で感じたのもあるのでしょうが、とにかく捕まったらダメだということが頭にありました。
しかし、彼女は羽根が出来たとはいえ飛ぶことは出来ない。しかもまだ体格は子供ですから、大人から完全に逃げ切ることなんて出来ません。とりあえず森まで逃げ茂みに隠れますが、すぐに近くまで来られてしまいます。
「いたか!」
「こっちにはいないぞ!」
「こっちのほうに来たのは確かなんだが...」
今すぐにでも助けを呼びたい衝動を無理矢理抑え息を殺します。
(怖い!怖い!怖い!!)
彼女の心の中はその感情だけが支配していました。突然羽根が生えてきて、それを見た今まで良くしてくれた人達が急に面相を変えて自分を追いかけ回してる。もう訳が分かんなくなっていました。
「助けて...!!」
キュッと目を瞑り祈るようにしてひっそりと呟きます。すると──────辺りの景色が彼女から広がるようにして変わっていきます。朝日が照らす繁った森が一瞬で何もない暗い空間へと変化していったのです。
「な、なんだこれは!」
「ここはどこだ!」
「何が起こっている!?」
少しすると、その空間に変化が訪れました。突然、何か人の形をした影のようなものが人語ではない何かを叫びながら人々を襲い始めたのです。
「な、なんだこいつら!」
「ひぃ!来るなぁ!」
「た、助けてくれぇ!!」
人々は一目散に突如暗い空間に現れた、まるで出口のような一筋の光に向かって逃げ出していきました。人々が全員逃げていくと───空間は彼女に吸い込まれていくかのようにして元に戻っていきます。
「...あれ?」
暫くして彼女が辺りを見渡すと、あの怖かった人々はどこにもいません。
「...よし、チャンスだ」
これを好機と見て、彼女は逃げ出しました。またいつ探しに来るか分かったものじゃありませんから出来るだけ遠く、遠くに向かって歩いていきます。
道中別の町を見付けたりしましたが、やはり襲われるのが怖くて避けたりしました。
そんなこんなで歩き続けて一週間...彼女は遂に倒れてしまいました。
考えてみれば当然でしょう。何も食べず飲まずでひたすら人のいないところへ向かって歩き続けていたのですから。いや、もう前から体力の限界はあったのでしょう。
しかしとにかく人に襲われたくなかった彼女は気力だけでここまで来たのかもしれませんが...とうとうそれにも限界がやってきたのです。
(...もう私、死んじゃうのかな...)
ふと、そんな事が頭を過りました。
(次生まれて来るときは...襲われたくないなぁ...)
そう思い、彼女は目を閉じました。ここは人目もつかない森の中。吸血鬼が生息していると有名な森でした。しかも真夜中です。
このままでは彼女は呆気なく死んでしまうでしょう───
「...む?そこにいるのは...」
───運命の歯車を握る、一人の吸血鬼が通らなければの話ですが。
「
───美しい。
「優美な髪の毛だ...我が妻にも劣らないほどに。その存在も儚いもののようでまた良い...」
───あぁ、欲しい。この娘が欲しい!
「...これはもう私のものだ。誰にも渡さんぞ」
吸血鬼は大事そうに女の子を抱え、自身の屋敷へと持ち去って行きました。
◯ ◯ ◯ ◯
「あら...貴方、その娘は?」
「拾ってきた。どうだ、美しいだろう?」
「まぁ...可憐だわ。それをどうするおつもりで?」
屋敷へ持ち帰った吸血鬼は自身の妻であろう女の吸血鬼に見せびらかします。妻も妻でそれを良く思ったのか、少し声を弾ませて尋ねます。
「我が娘にしよう。私の元へ置いておけば盗られる心配はなかろう」
「...貴方、それは...」
「分かってる。だが、そう教育すればいい話だろう?最悪、また私達が頑張れば良い」
「そうですが...」
実はその吸血鬼の家系は国の中でも最高に有名な吸血鬼の家系の一つであり、娘にするということは、後継者にするということと繋がってしまうのだ。
更にこの夫婦、子に中々恵まれずまだ一度も孕んでいないのである。そんな中でこの話であった。
「...とりあえず、その娘に名前を付けましょう。名前が無いとなんと呼べばいいのか分からないわ」
「それもそうだ...うむ...」
二人は真剣にそれの名前を考え始めます。暫くして、夫のほうが言いました。
「...エレナだ。今日からこの娘を名を『エレナ・スカーレット』としよう」
───運命が、動き始めました。
あれ、リメイクなのに分かりにくくなってる...?
...成長、してないのかなぁ。