ゴブリンスレイヤー ―灰の剣士―   作:カズヨシ0509

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ドーモです。
すっかり涼しくなりました。
日中は、やや暑いですが夜中は長袖が欠かせません。
結構冷えます。

今回はかなり長かったので、途中で区切りました。
では投稿致しますドゾ。( ゚ ω ゚ )


第108話―鈴玉狩り vs ジークバルド―

 

 

 

 

 

 

エオヒドの宝剣

 

滅びた小国、エオヒドの宝剣。

その赤金は、決して朽ちることが無く、使い手の気を宿し自在に動く。

 

エオヒドの剣は、空を舞うのだ。

 

彼の過去を知るものは、もう居ない。

もはや望郷の念など、持ち合わせてはいないのだから。

それ故に、悪鬼と成り下がり凶行に身を(やつ)したのであろう。

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

( 推奨BGM エルデンリング ―― 鈴玉狩り(Fallen Knights) )

 

 狭間の地リムグレイブで遭遇した当時は、二刀流などではなかった。

しかし目の前に現れた闇霊『鈴玉狩り』は、大剣と直剣を携えている。

そして本来使ってこない筈の盾戦技『突撃バッシュ(シールドチャージ)』まで、会得しているらしい。

その話が真実なら眼前の鈴玉狩りは、狭間の地に居た時よりも強力な存在という事に繋がる。

 

「――奇跡『贖罪』、戦技『黄金樹の誓い』…!」

 

 灰の剣士は早速、奇跡と戦技を併用し作戦を成功させるべく行動を起こす。

贖罪はロンドールの奇跡だが、敵の攻撃対象を自身に引き寄せる効果が有り、黄金樹の誓いは、周囲の味方を強化する働きがある。

 

「――接近しつつ一撃離脱を徹底!中距離は避けよ!遠隔操作剣の餌食になるぞ!」

 

 下手に中距離を保てば、遠隔操作剣の格好の的になる。

狭間の地での初見時は、予想以上の射程距離に余計な痛痒を追う羽目になった。

接近戦を徹底しつつ翻弄するか、遠距離を保ち魔法や飛び道具で攻めたてるのが有効策だ。

中途半端な間合いで様子を窺うのが、極めて危険度の高い相手なのだ、鈴玉狩りは。

味方を強化した灰の剣士は、オーレルとスイーパーを指揮しつつ鼓舞する。

今夜は、狭間の地より持ち帰った武器を所持しており、彼自身も接近戦を挑む事が出来る。

やや大振りな大曲刀『猟犬の長牙』を携え、敵に備えた。

 

彼の号令を受けたオーレルが、先ずは切り込み牽制を掛ける。

オーレルの瞬発力を活かした素早い肉薄で、居合切りからの切り返しで2連斬を仕掛けた。

 

――昨日と同じだ、硬いな。

 

黄金樹の誓いで上乗せされた、彼の斬撃は一級品だ。

しかし鈴玉狩りの重鎧に阻まれ、大した痛痒は与えていない事を悟る。

加えて強靭度も削れておらず、鈴玉狩りは大剣で切り掛かる。

 

「――ッ!」

 

 予め警戒していた動きだ。

オーレルは回避と攻撃の同時に行う『斬り下がり』で、再び間合いを離した。

続けてスイーパーが、小型の投げ分銅(ボーラ)を投げ付けつつ鈴玉狩りに攻撃を仕掛ける。

彼女には、オーレルほどの瞬発力はない。

それ故、先ずは飛び道具で牽制。

彼女の目論見通り、鈴玉狩りは手にした大剣で投げ分銅(ボーラ)を弾く。

其処に僅かな隙が生じた。

スイーパーは、仕掛け武器を手槍へと変形させながら鋭い突きを放つ。

その突きは鈴玉狩りの肩部を捕らえたが、切っ先は甲冑で阻まれた。

 

「――隙間を狙ったつもりだけど…!」

 

 鈴玉狩りの鎧が堅牢なのは、先日の襲撃で把握済みだ。

そして戦士職とは言え、彼女は若い女(17歳)で筋力よりも技量向きだ。

自分の長所と短所を自認し、甲冑の隙間目掛けて手槍で刺突したのだが、闇霊特有の赤いソウルが敵の全体像を認知し辛くさせていた。

彼女の目測が外れた事もあり、鈴玉狩りは痛痒を負っていない。

手槍分の間合いは離れていたが、敵も大剣を所持しており、リーチに恵まれている。

投げ分銅(ボーラ)を弾いた大剣を翻し、スイーパーに反撃を見舞った。

 

「――くッ…!」

 

 その大剣をスパイクシールドで受け止めようとするも、彼女の盾は攻撃を兼ねた木製の小盾。

鈴玉狩りの大剣を真面に受け止めれば、彼女の膂力では確実に腕が圧し折れる程の威力を誇っていた。

 

「――させぬッ!」

 

 危機に陥るスイーパーの間に、灰の剣士が割り込み大剣を受け止めた。

 

「――あ…」

「――退避せよッ!」

「――ッ!」

 

 呆気にとられるスイーパーに、彼の声が飛ぶ。

彼の武器は、大曲剣である『猟犬の長牙』だ。

これなら鈴玉狩りの大剣にも、真正面から対抗できる。

敵の攻撃を受け止めている間、スイーパーは焦りながらも一時退避を試みる。

そして灰の剣士と鈴玉狩りの間で、激しい剣戟が繰り広げられた。

大剣と、持ち替えた『鉄茨の大盾』で執拗な攻撃を繰り出す鈴玉狩り。

しかし灰の剣士は、『猟犬の長牙』で見事に捌き続ける。

この武器は大曲剣ながら独特の戦技が内包されており、宛ら猟犬の如き凄まじい剣技を振るう事が可能だ。

低い姿勢からの突撃戦法――しかし、意表を突くかの如き足裁きによる退避。

敵に動きを悟らせない独特の剣技で、鈴玉狩りを翻弄し続けながら徐々に大通りへと誘導してゆく。

灰の剣士が切っては退き、オーレルとスイーパーが連携で仕掛けつつ素早く退避する。

少しでも攻撃後の隙を減らす為、軽い斬撃の繰り返しを徹底させた。

その甲斐あり、鈴玉狩りは苛立ちを覚えたのか、単調で大振りな攻撃に傾倒し始めた。

取り分け、灰の剣士へと狙いを絞り防御を捨てた攻撃を繰り返す。

戦技『クイックステップ』と『猟犬の剣技』で器用に躱しつつも、攻撃後の隙を突いた突進切り上げで、鈴玉狩りに確実な痛痒を与え続けた。

 

「なぁ…このままいけば、僕ら3人だけで討伐できるんじゃないか?」

「私もそう思うわ。貴方が入ってくれたお陰で、流れはコッチのものよ」

 

 オーレルとスイーパーは、戦局が大きく有利に傾いている事に言及する。

確かに彼等の反応は至極当然と言えよう。

先程から、敵の攻撃は軒並み凌ぎ切り、此方側が主導権を握っているのだ。

これなら態々ジークバルドたちの力を借りるまでもない。

 

「…私も同意見だ。だが、この鈴玉狩り…私の知っている個体とは、差異が見られる。敵の全容が判明していない以上、迂闊な攻めは死を招く恐れもある」

 

 このまま攻め抜く事も決して(やぶさ)かではない。

今の余勢を駆り早期討伐が成れば、結果的には被害を抑える事も出来る。

しかし、相手は得体の知れない鈴玉狩りだ。

それに灰の剣士の識る個体とは”違い”も散見され、どの様な隠し玉を所持しているかも知れない。

相手が全ての手の内を見せない以上、作戦を変えるべきではないだろう。

 

「二人の気持ちは分かるが、此処は私情を押さえて役割を果たそう。その為の我々だ」

 

「…仕方ないな。確かにコイツは、何処か得体が知れない」

「優勢かも知れないけど、未だ恐怖感も薄れないわ」

 

 彼の言う事も尤もだ。

オーレルもスイーパーも、この闇霊には言い様の無い恐怖感が拭い切れていなかった。

勝てるかも知れない…という感情と、殺されるかも知れない…という感情が綯交ぜとなり今に至っているのだ。

二人は衝動をグッと堪え予定通りに動いた。

 

……

 

路地から僅かに届く、剣戟の金属音。

微かに耳を打つ音は次第に大きくなり、場の冒険者たちは否が応にでも緊張感に苛まれる。

 

「――皆、準備は良いな!」

 

 大通り中心部に陣取るのは、カタリナの騎士ジークバルド。

徐々に迫り来る命のやり取りを察知し、周囲に声を投げ掛ける。

 

「コッチはいつでも行けるよ、ジークバルドさん!」

「合図さえあれば、直ぐ展開できるからね!」

 

 大通りの脇で待機するのは、錬金術士であるライザとルルア。

この大通り中央へと『鈴玉狩り』を誘引し、結界を張る事で戦域を限定化させる役割を請け負っていた。

彼女らの声自体”はつらつ”としていたが、実際は足元がガクガクと震えていた。

しかし彼女らが直接戦う訳ではない分、幾らかは気も和らいでいるのだが、あの鈴玉狩りは恐怖の対象でしかない。

出で立ちといい強大さといい、とにかく恐ろしい事この上なかった。

 

「…心配だわ、あの3人」

 

 傍らの建物に避難し、その窓から大通りを窺っているのは監督官の女性だ。

大通りへと誘い込む為に前哨戦を仕掛けた、オーレル、スイーパー、そして灰の剣士の安否を心配していた。

辺境最高の一党として名を馳せた重戦士の一党、辺境最強と呼ばれるほどに成長した槍使いの一党という、ギルドでも主力を担う冒険者が軒並み壊滅した。

しかも、たった一人の敵に、だ。

それ程の強敵が街中に出現し、件の3人が戦いを挑んでいる。

無事でいる可能性は、低いと言わざるを得ない。

 

「アイツが居る、信じると良い」

「彼の実力は、僕も身を以て知りました」

 

 監督官の傍には、オーベック、輝石の貴公子、呪文使いの女が控えていた。

彼女の護衛と見届け役を兼任する為だ。

二人は灰の剣士の実力を熟知している故、何も心配する必要は無いと諭す。

そもそも灰の剣士自体、狭間の地で鈴玉狩りと遭遇し、単身撃退を果たしているのだ。

見方を変えれば、彼こそが討伐役としての最適解でもあった。

 

「――そ、それは分かりますけど…」

「――おっと、おいでなすった!」

 

 反論しようとする監督官の口を遮ったオーベックは、鈴玉狩りと戦う3人を視界に捉えていた。

 

「――!」

 

 オーベックに倣う監督官も、彼等と鈴玉狩りの姿を視界に捉える。

 

「う…あれが闇霊…なんて…禍々しい…」

 

 建物の窓越しとは言え、彼女には、さぞ恐ろしい対象として映っただろう。

赤黒い邪悪な気配を纏った鎧甲冑の大男。

夜間だというのに、暗い赤が宵闇の街の空間を支配している。

彼の赤黒いソウルは、周囲を赤く染め上げていた。

思わず恐怖で顔を背けたくなる光景だ。

彼女も職業柄、多くの冒険者たちと接し様々な体験談を耳に入れてきた。

中には大袈裟に武勲を誇張する者も多いが、やはり怪物は恐ろしい対象である事に違いはない。

稀にだが証拠品として、怪物の遺体やその一部を持ち帰る冒険者も居り、それ等を目にする日もあった。

しかし体験談や資料で拝見するのと、実際目にするのとでは雲泥の差が生じる。

正直な処、彼女は怪物を識った気でいた。

そう高を括っていた。

だがそれが、大いなる傲慢である事を身を以て知らされる。

いま目の前に存在する闇霊と呼ばれる人型のナニカ。

姿は辛うじて人の形を保っているが、彼女には『人間』だとは到底思えなかった。

一応ギルドにて、鈴玉狩りの素性は聞いている。

しかしそれでも、赤黒い禍々しい人型が人間である事を認める事に抵抗があった。

それ程までに、闇霊『鈴玉狩り』は邪悪に満ちた禍々しい存在なのだ。

そして、その様な恐怖の対象相手に、3人の勇敢な冒険者たちが戦いを挑んでいる。

その中でも灰の剣士の強さは、特に群を抜いているのは彼女とて周知の事実だ。

彼女自身、戦闘など素人同然だが、3人は鈴玉狩り相手に有利に立ち回っているの様に思えた。

僅かずつではあったが、3人は鈴玉狩りに痛痒を負わせている。

本来なら此処で胸を撫で下ろすのだが、妙な不安感が彼女の胸中を満たし安心できない。

――さりとて今の自分の役割は、この事件の一部始終を記録する事だ。

自身の目で、五感で、体感できる事件など然う然うあるものではない。

ギルド職員でもあり監督官という情報管理を担う役職に就いている彼女が体感し記録すれば、この事件は大いに有用な情報として今後に活かせるだろう。

何時しか内に巣くう恐怖感は和らぎ、監督官は今の光景を目に焼き付けた。

 

「――スイーパー離脱せよ!」

「――死なないでッ!」

 

 鈴玉狩りと剣戟を繰り広げる灰の剣士たち。

大通りへと差し掛かった事で、先ずはスイーパーを戦線離脱させる。

何も彼女まで、結界内に留まる必要はない。

恐らく、ジークバルドたちと鈴玉狩りの戦闘は、熾烈なものとなるだろう。

万が一彼女が結界内に残されてしまえば、間違いなく巻き添えを食らうのは必至だ。

スイーパーの戦闘力も、同じ等級内では上位に位置する程の実力を身に付けている。

しかし狭間の地の住人相手には、些か荷が重いのも事実だ。

先ずは彼女を離脱させる事にした。

幸い彼女も実力を自覚しているのか、即座に反応し従ってくれた。

もし、変にプライドの高い粋りたがりの新人相手なら、手を焼いていただろう。

彼女も伊達に”青玉等級”を授かってはいない。

今現在、鈴玉狩りの相手は、灰の剣士とオーレルの二人が担っている。

二人とも鈴玉狩りに肉薄し接近戦を仕掛けている為、遠隔操作剣を受ける事はない。

だが、敵の攻撃は強力無比である事に変わりなく、直撃を貰えば無事では済まないのだ。

思い切った灰の剣士は、渾身の一撃で鈴玉狩りの大剣を弾き僅かな隙を作る。

 

「――オーレル卿、今ッ!」

「――今回は従ってやる…!」

 

 仮にも上流階級出身である自分が、一平民(実際は奴隷階級)でしかない灰の剣士に従うという構図。

 

――以前の僕なら素直に従っていただろうか?

 

ルルアに出会う前の彼は、どうしても自身の出自に一種の誇りと拘りを持っていた。

思えば彼女との出会いが、今の自分に多大な影響を及ぼしていたのは言うまでもない。

社会的階級や出自など関係なく、ルルアは平等に接してくれた。

そのお陰で、自分も随分丸くなったものだ。

最後の最後でルルアの哀しみを取り除いてやれなかったのは心残りではあるが、彼女には大いに感謝すべきだろう。

もしルルアに出会う事なく此処に居れば、間違いなく鈴玉狩りとの戦いに固執し、無事では済まなかった筈だ。

心配そうな表情で此方を見つめるルルアを視界に映しながら、オーレルも即座に戦線を離脱する。

 

――最後は私だな…!

 

スイーパー、オーレルが離脱した事で、灰の剣士だけが残される事となる。

 

「――剣士さん何してるの、早く逃げてッ!」

 

 横からルルアの叫び声が耳を打つ。

彼女に言われるまでもなく元よりその積りだ。

しかし下手に背中を見せれば、背後から綺麗サッパリ切り伏せられ無残な姿を晒すのは目に見ている。

一見鈍重そうに見える鈴玉狩りだが、見かけによらず敏捷性にも優れているのだ。

何とか隙を作り、其処に付け込むしかない。

今の鈴玉狩りが狭間の地と同じであれば、このまま迷い無く討伐していた。

しかしこの敵が、どの様な手を隠し持っているかも知れない状態だ。

結界の展開も待たず行使されてしまっては、街の被害は計り知れないものとなる。

やはり後方のジークバルドに託すべきだろう。

灰の剣士は、敢えて構えを解き無防備に立ち竦む。

それを隙と見たのか、鈴玉狩りは大剣で鋭い刺突攻撃を繰り出した。

 

――かかったッ!

 

だがそれは彼の誘いだ。

彼の読み通り、大振りな刺突攻撃は見事に空振る。

鈴玉狩りの突きを『クイックステップ』で躱しながら、敵の真後ろへと回り込んだ。

がら空きとなる鈴玉狩りの背中――。

その背に『前蹴り』と奇跡『フォース』の同時発動で、鈴玉狩りをジークバルドの方へと押し出した。

そして自身は、反動を利用しながらの後方宙返りで戦域内を離脱する。

 

「――結界を展開ッ!」

 

 透かさず空中で、ライザとルルアに結界発動を呼び掛ける。

 

「――ルルア!」

「――うん!」

 

その声に呼応した二人は即座に結界を展開させ、ジークバルドの周囲は忽ち淡い白色透明の膜に覆われた。

 

「――即席で造ったから、時間制限に気を付けてよ!」

 

「――うむ、任されよ!」

「――後は、あたし等がやるさね!」

 

 今発動させた結界には、時間制限があるらしく長時間の展開は不可能である。

警告を促すライザに、ジークバルドと女部族は快く応えながらも、結界内に取り残された鈴玉狩りを見据えていた。

 

「第一段階は成功か」

 

 大通りへの誘導、結界発動による戦域の限定化。

一連の事象を見届けた灰の剣士は作戦成功と見なしながら、ライザの下へと駆け寄った。

 

「――灰君大丈夫!?ケガはないッ!?」

「…少しは信用してくれ、見ての通りだ」

 

 此方へ寄ってくれた事に内心嬉しく思うも表には出さず、彼の安否を気遣うライザ。

だが見ての通り、灰の剣士は全くの無傷だ。

彼の実力は、ライザ自身も認めてはいる。

しかし彼女の与り知らぬ領域で、彼は頻繁に負傷する。

その事に、ライザは心中穏やかでないのだ。

クーケン島の冒険でも、これほど仲間の危機に動揺を覚えた事はない。

ダークゴブリン戦の時といい、狭間の地から帰還した時といい、ライザが今まで歩んだ人生の中で、灰の剣士ほど心中掻き乱した男は初めての体験だった。

 

ライザとルルアが張り巡らせた結界内の戦域には、ジークバルドたちと鈴玉狩りが残されている。

街の大通りに誘い込んだ事で、重装備であるジークバルドが動き回るには充分な広さを誇っていた。

そして結界の恩恵で、鈴玉狩りの遠隔操作剣が外部に漏れる事はない。

両者とも思う存分実力を発揮できる状況だ。

 

「さぁて行こうかね、騎士さん!」

「うむ、参ろうか!」

 

「……」

 

 士気旺盛な女部族に、ジークバルドも自慢のストームルーラを構え応える。

ジークバルド勢と鈴玉狩りの、第2ラウンドが開幕した。

 

先に動いたのは鈴玉狩り。

腰に差した直剣を抜き、赤いソウルを注ぎ込む。

直剣は赤くも禍々しい輝きを放ち、彼の手から離れた。

 

――情報通りか。

 

昼間、灰の剣士から鈴玉狩りの情報を得ていた。

鈴玉狩りの武器が赤く輝けば、遠隔操作の合図であると。

その報は正しく、遠隔操作された剣がジークバルドたちに襲い掛かる。

しかしジークバルドは、事前情報を得ていたにも拘らず遠隔操作剣の阻止には動かなかった。

彼の実力なら、何らかの阻止を成していた筈である。

敢えてそうしなかった理由――。

 

「――女人よッ!」

「――あいよッ!」

 

 ジークバルドは女部族に合図を送り、此処で漸く動きを見せる。

予め打ち合わせしておいたのだろう。

女部族も威勢よく応え、飛来する直剣目掛けてポールアクスで叩き付けた。

 

「――ぬんッ!」

 

 その動きに合わせ、ジークバルドは鈴玉狩りへと突撃する。

彼の突進は予想以上に俊敏で、鈴玉狩りの反応は鈍かった。

遠隔操作剣を阻止しなかった理由は、正にそこだ。

剣を操っている間、鈴玉狩りは身動きが満足に取れないという弱点がある。

ジークバルドは、わざと鈴玉狩りに剣を遠隔操作させ、弱点に付け込んだのだ。

弱点を突かれた鈴玉狩りの対応は遅れ、ジークバルドの接近を許してしまう。

遠隔操作した直剣を呼び戻そうとするも、女部族のポールアクスが直剣を叩き落とし、そのまま地面に押さえ付けている為、操る事が出来ない。

今や完全にジークバルドの間合いだ。

鈴玉狩りは大剣を所持しているが、此処まで肉薄されては満足に武器を活かせない。

ジークバルドのストームルーラーが唸りを上げ、大上段から振り下ろされる。

こうなれば防御で精一杯だ。

鈴玉狩りは、咄嗟の鉄茨の大盾で剣を防ぐが、実はこの大盾は木製である。

また防御特化型の盾ではなく、ジークバルドの剣を完全に防ぐ事が出来なかった。

ストームルーラーの刀身が大盾に食い込み、鈴玉狩りの盾防御ごと肩口を抉った。

 

「――!?」

 

 抉られた衝撃で、鈴玉狩りは呻きと悲鳴ともつかない不気味な声を漏らす。

闇霊とは言え痛覚は、あるらしい。

しかし鈴玉狩りも手練れの実力者。

ジークバルドと肉薄した事で、鉄茨の大盾の射程圏内だ。

透かさずシールドバッシュで、ジークバルドを殴り付けようとするが、またもや激痛が彼を襲った。

 

「――甘いな貴公!」

 

 鈴玉狩りがシールドバッシュを仕掛ける前に、ジークバルドのピアスシールドが炸裂した。

ジークバルドのピアスシールドも、その名の通り中央部に刃が取り付けられている。

鉄茨を巻き付けただけの大盾とは違い、此方は歴とした武器としても機能する。

カウンター気味のピアスシールドは鈴玉狩りに深々と突き刺さり、更なる痛痒を負う羽目になった。

だが此処で、鈴玉狩りの纏っていた赤黒いソウルが一気に膨れ上がる。

 

「クク…甘いのは貴様も同じ…どうする?」

「――!?」

 

 突如、鈴玉狩りから不適な言葉が紡がれ、ジークバルドは一瞬躊躇いを見せる。

彼の力が僅かに緩んだのを見逃さず、鈴玉狩りは大剣を手放し遠隔操作する。

更に空いた両腕をジークバルドの背に回し、完全に抱き締める(キャッチホールド)形で拘束する。

 

「――ぐッ…ぬッ、動けん…!」

 

 相当の膂力を誇る鈴玉狩り。

ジークバルド自身も筋力に優れた騎士だが、振り解く事が出来ないでいる。

鈴玉狩りの手から離れた大剣は、女部族目掛けてドリルの様な螺旋を描きながら突進する。

 

「――避けろぉッ!」

 

 結界外から女部族に向け、灰の剣士の声が投げ掛けられる。

 

「――チッ…!」

 

 しかし、大剣の螺旋突きは予想以上の速さで襲い掛かり、更に女部族は直剣を押さえ付けている状態で反応が遅れた。

大剣の飛来には気付いていたものの、僅かに舌打ちした女部族は大剣の螺旋突きを真面に受けてしまった。

 

「――うぐぇッ…!」

 

 大剣は彼女の腹部に命中し、口から吐しゃ物を撒き散らしながら後方へと吹き飛んだ。

女ながらに屈強な体躯が盛大に吹き飛んだのだ。

螺旋突きの衝撃の凄まじさを物語っている。

 

「――お、己ぇ…!」

 

 女部族の惨状に、ジークバルドは拘束を振り解こうと躍起になる。

 

「…安心しろ、直ぐに後を追わせてやる…」

 

 その台詞と共に鈴玉狩りの赤黒いソウルが全身から爆散し、ジークバルドも派手に吹き飛んだ。

 

「――ぬぉッ…!」

 

 吹き飛んだ衝撃を相殺する事が出来ず、地面を転げ回るジークバルド。

鈴玉狩りから解放されし、全方位に爆散したソウルの衝撃波。

 

「あんな技、狭間の地では見なかった…」

 

 灰の剣士がリムグレイブで出会った鈴玉狩りは、あのような技は有していなかった。

一体あの鈴玉狩りは、彼の知る個体なのか?

謎は深まるばかり。

相手を拘束し、ゼロ距離からのソウルによる衝撃波。

あの密着状態で直撃すれば、一般人なら肉体が四散しても可笑しくはない威力だ。

その証拠に、周囲の結界も激しい振動に見舞われている。

結界の恩恵で、幸い民家や街の造形物は無傷だ。

もし何の処置も施していなければ、この時点で大惨事を招いていただろう。

 

吹き飛ばされたジークバルド。

 

玉葱を彷彿とさせる、彼の重甲冑。

かの時代の中でも屈指の強靭度と防御力を誇るため、ジークバルド自身はそれ程痛痒を負っていない。

しかし、此処で攻守の流れが完全に入れ替わってしまった。

今度は鈴玉狩りが、ジークバルドを攻め立てる。

転倒したジークバルドに、遠隔操作された直剣が襲い掛かる。

 

「――ぬッ、フォース!」

 

 回避は間に合わないと判断し、咄嗟のフォースで迎撃。

フォースの衝撃波で直剣は弾いたが、次は遠隔操作された大剣が飛来した。

だが間一髪でローリングが間に合い、大剣から逃れるジークバルド。

しかし、鈴玉狩りの猛攻は止まらない。

遠隔操作された2本の剣が、ジークバルド目掛け間断なく襲い掛かる。

ローリングを繰り返し辛うじて立ち上がるものの、宙を自在に舞う大剣と直剣に防戦を余儀なくされた。

 

「…ぐぅ…!」

 

 反撃の糸口を見出したい処だが、女部族はやられ自身も追い詰められてしまった。

今は何とか凌いでいるが、このままでは何れ息切れを狙われてしまうだろう。

 

「あわわわ、どうしよう…?」

 

 結界の外側では、ライザが狼狽え慄いていた。

 

「ルルア、結界の外から手助けできないの?」

 

 ルルアに結界の外からの助力は可能かと問うスイーパー。

しかしルルアは無言で頭を振る。

今回作成した結界は使い捨て用で、ただ被害を遮断する為だけの役割に特化していた。

もう少し希少な素材と手順を踏めば、味方だけを擦り抜けされる結界を造る事も出来た。

つまり今の結界は、敵味方問答無用であらゆる力を遮断し、しかも無駄に強固な代物に造ってある。

 

「あの騎士を信じるしかないな、歯痒いが…!」

 

 今更足掻いた所で、もはや後の祭りだ。

ジークバルドが結界の制限時間まで持ち堪えるか、若しくは勝利を収めて貰うか。

それしか彼等の助かる手立ては残されていない。

逸る気持ちを堪えながらも死闘を見守るオーレル。

彼ら以外のメンバーも無言ではあったが、同じ気持ちを抱いていた。

 

――だが流石はジークバルド。徐々に体勢を立て直しつつある。

 

灰の剣士だけは、ジークバルドの僅かな変化に気付いていた。

劣勢に立たされながらも、ジークバルドは不利な体勢から立ち直りつつある。

盾で剣を防ぎ、軽いステップで大剣を交わし、甲冑の硬い部分で攻撃を受け流す。

それ等の動作を繰り返す事で、体幹感覚を少しずつ取り戻していた。

そして彼の変化に鈴玉狩り自身も感付いており、遠隔操作から二刀流の接近戦へと切り替えた。

 

『――うぉ、もう始まってやがるぜ…!』

『――ジリ貧じゃねぇかよ、大丈夫か?あの騎士…!』

 

「貴公等…」

 

 ジークバルドの死闘を見守る灰の剣士達の下に、重戦士や槍使いの一党が挙って駆け付けた。

現場の周辺は、衛兵や他の冒険者達が封鎖していた筈だが、彼等も一応は関係者である。

無理を言って通して貰ったのだろう。

怪我は完治していない様だが、こうして馳せ参じたという事は動ける位には回復したと解釈できる。

しかし重戦士も槍使いも、ジークバルドの防戦一方に焦りの色を滲ませている。

 

「彼を信じよ、我々に出来る事はそれだけだ。…不本意だがな」

 

 彼等の気持ちも分からなくはない、灰の剣士。

本来なら自分が駆け付け参戦したい。

だが今の結界は非常に強固で、手出しができない状態だ。

流れは完全に鈴玉狩りに傾いている。

しかし灰の剣士は気付いていた。

 

――ジークバルド…かなり落ち着いているな。

 

流れが不利にも拘らず、ジークバルド自身は何処か余裕さえ感じさせる立ち回りを見せている。

二刀流と化した鈴玉狩りの怒涛の攻め――。

一見成す術が無い様な流れだが、的確かつ確実に敵の剣を防ぎ捌いてさえいた。

威力に優れる大剣をストームルーラーでいなし、速さに優れる直剣をピアスシールドで受け流す。

その動作は時間を追う毎に確実性を帯び、防戦ながら主導権はジークバルドが掴んでいた。

 

「お…のレ…!」

 

 追い詰めた筈が、何時の間にか自身が追い込まれている。

その現状に業を煮やす鈴玉狩り。

呻きにも似た言葉を漏らし、一旦攻撃を中断し距離を取る。

 

( 推奨BGM Antti Martikainen ―― From the Fields of Gallia )

 

「貴公…判断を誤ったな…!今からそれを証明して御覧ぜよう…!」

 

 兜の奥で不敵に笑うジークバルド。

視界確保用の隙間から、彼の瞳が鈍く灯り鈴玉狩りを睨み付けた。

 

「なら、これはどうだ…」

 

 再び2本の剣を遠隔操作し、ジークバルドへと仕掛ける鈴玉狩り。

直撃させると見せかけワザと軌道を曲げながら、擬態(フェイク)混じりで翻弄する。

小回りに優れる直剣と威力に優れる大剣の特性を活かし、縦横無尽に宙を駆ける2本の剣。

赤黒い軌跡を描きながら、宛らうっとおしく飛び回るハエの如くジークバルドの周囲に纏わり付く。

 

「フハハハ…!恐かろう…!」

 

 勝ちを確信たかの様に嘲笑する鈴玉狩り。

弄ぶかのような軌道で剣を操作し、ジークバルドに揺さぶりを掛ける。

 

「貴公…まだ気付かんのか…」

「――ほざケッ!」

 

 憐憫の色を滲ませたジークバルドの声に、鈴玉狩りは感情を露わに反応する。

それまで飛び回っていた直剣をジークバルドへと(けしか)けた。

 

「――フッ!」

 

 遠隔操作された直剣はストームルーラーで弾かれ、明後日の方へと飛ばされる。

 

「かかったなッ!」

 

 ジークバルドの主兵装は如何にも目立つ、ストームルーラーである事は鈴玉狩りも感付いている。

その主力武器を防御に使わせる事が出来た。

大振りな武器である事に変わりなく、素早く振り回すには不向きな代物だ。

奴は判断を誤り致命的な隙を晒した。

そう勝利を確信した鈴玉狩りは、遠隔操作の大剣を最大限に螺旋回転させジークバルド目掛けて突き入れる。

ジークバルドも盾を所持しているが、あの程度の盾なら防御ごと貫ける。

もはや此方の勝利は揺るぎない。

弾丸の如き高速で、螺旋突きが迫る。

 

しかし――。

 

「――戦技、嵐の壁!」

 

 呆気にとられたのは、鈴玉狩りだけではない。

 

「…ジークバルド?」

 

 灰の剣士を始めとした、他の冒険者たちも思考が追い付かず唖然と呆けていた。

ジークバルドが繰り出した戦技は『嵐の壁』と呼ばれるもので、要約すれば盾戦技の『パリィ』である。

装備した盾に嵐を纏わせ、飛来した飛び道具を逸らせる追加効果が備わったパリィである。

だがその戦技の出所《ルーツ》は、狭間の地の筈だ。

狭間の地で編み出された嵐の戦技を、事もあろうか()()()()()()が繰り出しているのだ。

一体どういう事だろうか。

灰の剣士の与り知らぬ領域で、彼も狭間の地へと降り立っていたのだろうか。

ジークバルドに対する疑念は膨らむばかりだが、今はそんな事を気にしている場合ではない。

とにかく目の前の鈴玉狩りの件を片付け、情勢が落ち着いた頃合いで聞き出せばいいだけだ。

意識を再び結界内へと向ける灰の剣士。

 

嵐を纏ったパリィに弾かれた大剣は、回転しながら宙を迷走する。

 

「――ッ!!」

 

 必殺の一撃が弾かれた事で激昂する鈴玉狩り。

宙を舞う大剣を軌道修正し、今度は、直剣と大剣の二つを同時に操りジークバルドに(けしか)ける。

先程とは比較にならない速さで襲い掛かる2本の剣。

暗い赤を帯びた大剣と直剣が別々の方角からジークバルドに迫るも、直剣をストームルーラーで受け流し、大剣をまたもや戦技『嵐の壁』で凌いだ。

 

「…甘いナ…!」

 

 しかし鈴玉狩りは、それを予見していたのか受け流された直剣を即座に軌道修正し、再度ジークバルドに放つ。

今度は、彼の後頭部目掛けて高速で突き進む。

彼の兜は強固だが、螺旋回転と最高速を以て突き破れば即死させる事が出来る筈だ。

直撃さえすれば、ジークバルドの頭部は兜ごと挽肉同然に砕け散る。

加えて彼は無防備だ。

ジークバルドの癖を、鈴玉狩りも学んでいたのだ。

今度こそ勝利を確信した鈴玉狩り。

残念だがこの四方世界では、鈴玉を得る事は叶わない。

しかし代わりに『ソウル』と呼ばれるエネルギー体を入手する事が出来る。

今は無理だが、それを加工する術を会得すれば万物の力の根源と成す。

この騎士からは、どの様な『ソウル』が奪えるのだろうか。

愉しみだ。

だが鈴玉狩りの放った直剣は、ジークバルドの後頭部スレスレで制止し、微動だにしなかった。

 

「――ッ!?」

「「「「「――…ッ!?」」」」」

 

その様子に鈴玉狩りのみならず、結界外の冒険者たちも騒つく。

どういう事だろうか?

普通に考えれば、鈴玉狩りが攻撃を止めたと解釈するしかない。

しかし当の本人も、動揺が見られる。

 

「貴公…まだ分からぬか?」

 

 静止しているのは直剣だけでなく、ジークバルドも同様。

玉葱に似た珍妙な兜奥から、鋭い眼光が見え隠れする。

 

「カタリナの騎士様の身に何が…?」

 

 建物から見守っていた監督官も記録の手が止まってしまい、誰に向けるでもなく疑問を口にする。

 

「あの人のルーンが増大しましたね」

「何が起こったのかは俺にも分からん。だがジークが…勝つ…!」

 

 傍らに居た輝石の貴公子とオーベックも、ジークバルドの様子に戸惑いを覚えていた。

だがオーベックは、ジークバルドの佇まいに勝利を確信する。

 

「鈴玉狩り…否、鉄茨のエレメールとやら!貴公、手の内を見せ過ぎたな!」

 

 何時になく怒号に似た口調のジークバルド。

その瞬間、彼の後頭部付近で制止していた直剣が再び動きを見せる。

 

「――覚えたぞ…エオヒドの剣舞!」

 

 高らかに断言するジークバルド。

その瞬間、宙を漂っていた直剣が高速で襲い掛かった。

 

   ―― 鈴玉狩り目掛けて ――

 

( 推奨BGM Antti Martikainen ―― Lords of Iron )

 

「――ッ!?」

 

 余りに予想外の事態に、防御反応が遅れる鈴玉狩り。

回避は間に合わず、破損した鉄茨の大盾で辛うじて防ぐ。

事もあろうか、眼前の騎士が直剣を操っている。

この怪現象に思考が混濁する鈴玉狩り。

 

「ふむ、まだ熟達に修練が必要か」

 

 ジークバルドが放った遠隔操作剣は、唯の突きで何の回転も加えていない。

もし鈴玉狩りと同じく回転を加え刺突していれば、盾をも突き破っていただろう。

 

「――貴公、精神修練が成っておらぬなぁ!たったこの程度の些事で、もう慄くか!?エオヒドの名が廃れるぞ!」

 

 宛ら乱舞の如く直剣を操り、鈴玉狩りを四方八方から切り荒ぶ。

ジークバルド自身は一歩も動かず、鈴玉狩りを負い詰めて行く。

此処で流れは一気にジークバルドへと傾いた。

 

「…馬鹿め…」

 

 大盾と手甲で、直剣を防ぎながら鈴玉狩りは二タリとほくそ笑む。

エオヒドの剣舞は、鈴玉狩りの戦技だ。

これを行使している間は、自身も身動きが取れないという事。

それはつまり――。

 

――死ぬがいい、カタリナの騎士!

 

直剣の乱襲に晒されつつも鈴玉狩りは大剣を再び操り、微動だにしないジークバルドへと仕掛ける。

狙いはやはり、ジークバルドの頭部。

直剣に比べれば速さは劣るが、威力は此方が大幅に勝る。

 

「…貴公もな…」

 

 ジークバルドは、迫る大剣をスウェ-で難なく避ける。

 

「――な!?よ、避けた…ッ!?」

 

 剣を操っている間は、自身の動きに制限が掛かる筈だ。

剣に気を送り込み並外れた意識を集中させる事で、遠隔操作を可能とするエオヒドの奥義。

その欠点を、眼前の騎士は難無く克服してしまっている。

 

「――そ、そんな筈はないッ!」

 

 何処の馬の骨とも知れぬ騎士が、我が奥義を自分以上に昇華してしまっている。

その様な事実を認めてなるものか――とばかりに、何度も大剣を往復させジークバルドに仕掛けた。

 

「無駄ぞ…!」

 

 だが全てが無に帰す。

飛来する大剣を剣で弾き、盾で流し、手甲や脚甲で穿つ。

何度も何度も繰り返し大剣を飛来させるも、その悉くをジークバルドは防ぎ弾き飛ばす。

 

「――ぎッ!?」

 

 その間、逆に鈴玉狩りが痛痒を背負わされていた。

此方の大剣は全て防がれ、向こうの直剣で切り刻まれる。

此方は防御も出来ないが、向こうは操りながら回避や防御を不自由なく行える。

 

「な、何故だ…何故、我が奥義を使えるのだ…!?」

 

 度重なる傷を負った鈴玉狩りは遂に膝をつき、荒い呼吸を繰り返しながらジークバルドに問う。

 

「先程も申した通り、貴公は”手の内”を見せ過ぎた」

 

 いともアッサリと応えるジークバルド。

鈴玉狩りは、自慢の遠隔操作で何度もジークバルドを翻弄していた。

そこまではまだ良かったのだ。

だがあまりに勝負を長引かせ、エオヒドの剣舞を繰り返す事で、ジークバルドはソウルの流れを学習してしまった。

 

「最初の1,2撃目で決着を付けるべきだったな…!」

 

「あり得ぬ…いくら技を学んだ処で、そう易々と会得できるものか…!」

 

 恐らく慢心が生まれていたのだろう。

下手に長引かせず、初見または対応できない間に屠るべきだった。

しかし、ジークバルドがソウルの感知で流れを把握したとて、瞬時に会得できる技ではない。

長い年月と犠牲の上に、ようやく実現した修験者達の結晶。

エオヒドの剣舞。

よもや得体の知れぬ一介の騎士が、自分以上に技をモノしようとは何たる恥辱か。

 

「貴公が放ったソウルの爆発…、アレが決定打となった」

「――ぬっ…!?」

 

 宙に浮いた直剣を地面に突き立て、ジークバルドは語る。

先程、ジークバルドを拘束しゼロ距離で放った全方位の衝撃波。

凄まじい威力を誇るが故に、鈴玉狩りの色濃いソウルがジークバルドへと無遠慮に降り注いだ。

そのソウルの激流が、ジークバルドに戦技の数々を学ばせてしまったのだ。

鈴玉狩りが放った『エオヒドの剣舞』を戦技『嵐の壁』で防いだ事も、それが起因している。

今まで鈴玉狩りが殺した犠牲者の中には、戦技を学んだ者も含まれていた。

それ等の戦技も、ソウルの流れを通じてジークバルドに学習させていたのである。

『嵐の壁』が使えたのは、犠牲者の有していた戦技の一つなのだろう。

 

「それだけの技を学びながら悪鬼へと堕ちるか、誠残念の極みよ、鉄茨のエレメールよ…!」

 

 ゆっくりと頭を振るジークバルドは再び直剣を操り、何と鈴玉の下へと返却した。

 

「これも、お返ししよう。唯の剣ではないのであろう?なればこそ、貴公の全力を以て私に挑んできたまえ。このカタリナの騎士ジークバルド、我が誇りに賭けて全力でお相手いたそう、このストームルーラーでな!」

 

 未だ膝をつく鈴玉狩りへと直剣を返したジークバルドは、ストームルーラーで待ち構えた。

 

「…きぃさぁ…まぁ…!」

 

 地面に突き立つ直剣を手にした鈴玉狩りは、怨嗟の声を上げ再び立ち上がる。

破損だらけの鉄茨の大盾は、もう使い物にはならない。

大剣と直剣の二刀流でジークバルドへと対峙した。

しかし盾を捨てたのは鈴玉狩りだけでなく、ジークバルドも同様だ。

 

「騎士という生き物は、存外不器用な上に窮屈でな。多くを枷を背負ってしまうものなのだよ。それ故、縛られし枠組みの中で限られた自由と謳歌を求めながら騎士道を歩んでゆく。悲しい現実だが快楽を求めるあまり、民に狼藉を働く者も居るがね。だがこの(わたくし)、ジークバルドは束縛だらけの騎士道にこそ、自由と気高い誇りを以て道を突き進む事に”意義”が有ると信じている!……だからこそ、貴公の如き悪鬼を見過ごす訳にはいかぬ!計り知れぬ苦行の末に練り上げたであろう素晴らしき戦技を、殺戮と略奪に染め上げる貴公の存在をなッ…!!」

 

 彼もピアスシールドを捨て、ストームルーラーを両手に攻撃の構えで迎える。

 

「…戯言を…!弱者は淘汰され、強者が生き残るは世の必定よ!我は、ソレを悟ったがのみッ!」

 

「もはや貴公とは分かり合えそうもない。覚悟は良いな、鉄茨のエレメール!」

 

「…貴様の大言…後悔させてくれようぞ!」

 

 瞬時に空気が張り詰め即座に弾け飛ぶ。

気が付けば、両者とも大地を蹴り激しい剣戟が繰り広げられた。

 

( 推奨BGM Antti Martikainen ―― The Crown of War )

 

鈴玉狩りの大剣と直剣の乱打が、ジークバルドに迫る。

激流の如き乱打を、ジークバルドは全て剣で受け切った。

ストームルーラーを両手に持ち替えた事で、彼の筋力が最大限に活かされた結果だ。

軽戦士や技量戦士には少々重い、ストームルーラー。

筋力に優れたジークバルドでさえ、片手で扱うには些かに重い剣。

今まで片手で振るってきた為か、連撃や素早い防御は少々不得手であった。

だが両手に切り替えた事で、片手持ちの欠点は完全に克服され、鈴玉狩りの乱れた剣撃に全て対応していた。

一見不利に追いやられている様だが、ジークバルドは攻撃を悉く捌き切り自らの土俵へと持ち込んでゆく。

鈴玉狩りの一撃がジークバルドの防御ごと後方へと吹き飛ばす。

吹き飛ばされたジークバルドは、ローリングで受け身を取り転倒から逃れ、両者の間合いが開く。

 

「…どうした、防戦一方ではないか、ええ?」

 

 鈴玉狩りの猛攻にジークバルドは手も足も出ないのだろう。

そう解釈した鈴玉狩りは、決着を付けるべく直剣を投げ捨てた。

そして両手持ちへと切り替えた大剣で、渾身の一撃を叩き込むべく突撃する。

エオヒドの剣舞の応用で、赤い気を注ぎ込む事で一撃に全てを賭けた。

 

「数多の犠牲者達よ、このジークバルドが貴公らの無念…打ち払おうぞ…!」

 

 だがジークバルドも臆する事無く、真正面から鈴玉狩りを迎え撃つ。

 

「逝けぃッ、カタリナの騎士よッ!」

 

 突撃からの大上段切りがジークバルドに降り掛かる。

 

「――戦技、嵐脚ッ!」

 

 しかしその一撃は振り下ろされる事なく、鈴玉狩りの身体は僅かに浮き上がり仰け反った。

渾身の一撃が決まる寸前で、ジークバルドは大地を勢いよく踏み込み、自身の周囲に一瞬だが”濃密な嵐”を発生させた。

一瞬で小規模だが嵐の威力は絶大で、鈴玉狩りの甲冑越しに衝撃と斬撃の痛痒を(もたら)す。

 

「――ッ!?」

 

 またもや予期せぬ現象に、鈴玉狩りの出鼻は挫かれ体幹を僅かに崩す。

 

「――もう一度、嵐脚ッ!」

 

 追加とばかりに繰り出す、戦技、嵐脚――。

今度こそ崩れかけた体幹を乱し、鈴玉狩りの勢いは削がれた。

 

「――フンッ!」

 

 体幹が崩れた事で鈴玉狩りに大きな隙が生じる。

その隙目掛け、ジークバルドは剣の柄頭で敵の腹部を穿つ。

 

「――ゴぅッ!?」

 

 ジークバルド、追加の一撃。

腹部に強い衝撃が奔り、鈴玉狩りは身体を”く”の字に曲げた。

更にジークバルドの連続攻撃は続く。

蹲る鈴玉狩りに『前蹴り』で体勢を仰け反らせ、ショルダータックルで大きく間合いを突き放した。

 

「――戦技、嵐呼びッ!!」

 

 間合いの離れた鈴玉狩りに向け、別の戦技を叩き込む。

頭上に掲げたストームルーラーを回転させ、周囲に嵐を巻き起こした。

荒れ狂う嵐は、鈴玉狩りを容赦なく巻き込み全身隈なく斬り刻む。

 

「ぐぬぅぉおおッ…!」

「――まだまだァッ、こんなものではないぞッ!」

 

 小規模とは言え、ジークバルド起こした嵐は結界内で無秩序に暴れ回る。

その嵐に巻き込まれた憐れなる鈴玉狩りに、成す術はなかった。

ジークバルドは留める事なく回転を続け、その度に嵐が狂わんばかりに暴れ回り、鈴玉狩りへと群がるのだ。

 

「これでお開きだ、戦技、嵐の襲撃ッ!」

 

 今や完全に無防備を曝け出す鈴玉狩り。

連携攻撃(コンボ)の締めにと、ジークバルドは別の戦技で仕留めに掛かった。

再び自身に一瞬だけ嵐を発生させ、宙高く跳躍し、そのまま着地と同時に剣を突き立て嵐を噴き上げた。

 

「…ぬぅ…ぅ…お……」

 

 戦技『嵐の襲撃』を真面に受けた鈴玉狩りは、力無くヨロヨロと後退る。

 

嵐脚→柄突き→前蹴り→ショルダータックル→嵐呼び→嵐の襲撃による連携攻撃(コンボ)

 

怒涛の攻めが見事に決まり、鈴玉狩りの運命は最早風前の灯火となる。

 

力なく後退る、鈴玉狩り。

背中にふとした感触を感じ、振り返れば――。

 

「おいおい、アンタの相手は、あの騎士さんだろ?――そるぁッ!!」

 

 序盤で仕留めた筈の女部族が待ち構えており、彼女の致命攻撃(バックスタブ)が鈴玉狩りを容赦なく打ち据え吹き飛ばす。

女とは言え、彼女は辺境部族の女。

豊満で大柄な体躯に恵まれ、取り分け筋力に優れていた。

加えて彼女のポールアックスは長柄の斧で、武器の重量と彼女の筋力が合わさり凄まじい打撃力を発揮。

背中からの致命攻撃を真面に受けた鈴玉狩りは、ジークバルドの方へと派手に吹き飛ぶ。

 

「…ば…馬鹿な…、貴様は最初に仕留めた筈…な…ゼ…!?」

 

 女部族は、エオヒドの剣舞を真面に食らい、腹部を抉り取った筈だ。

即死ではないとはいえ、生身の部分へと抉り込ませれば無事で済む筈はない。

しかし彼女の腹部は、紅く腫れ上がるのみで出血すらしていなかった。

よろけながらも何とか立ち上がる鈴玉狩りは、疑念に支配されるばかり。

 

「いやぁ…”霊薬”様様だねぇ。剣士さんの、お陰さね…!」

 

 そう、彼女はエオヒドの剣舞を食らう前に、予め霊薬を口にしていた。

灰の剣士から受け取った霊薬は、狭間の地で褪せ人が常備していたものと同じである。

 

『真珠色の泡雫』の効果で、一定時間一度だけ全ての攻撃を大幅に遮断してくれる効果がある。

その恩恵で、女部族はエオヒドの剣舞の直撃にも耐える事が出来た。

――とは言え、かなりの威力の前に多少の痛痒は負った。

だがもう一つ、『緋湧きの結晶雫』の効果で彼女の傷は徐々に癒されていた。

ジークバルドの戦闘中、彼女はすっかり回復し切っていたのである。

 

「その通り、貴公が起こしたソウルの爆発…アレも確かに凄まじい威力であった」

 

 そこでジークバルドも言葉を加える。

実は彼も事前に霊薬を口にしており、鈴玉狩りのソウルのゼロ距離爆発にも耐える事が出来たのであった。

いくら堅牢を誇るカタリナの鎧一式とて、アレを至近距離で食らえば唯では済まないほどの威力だ。

しかし灰の剣士より受け取った霊薬の恩恵が、彼等を救っていたのである。

 

「……!」

「さぁ、もう諦めたまえ。素直に負けを認め、潔く裁きを受けるのは何ら恥ではない、鉄茨のエレメールよ!」

 

 歯軋りする鈴玉狩りを諭すジークバルドは、ゆっくり剣を上段へと構える。

これで勝敗は決した。

この剣を振り下ろせば、この闇霊の件は肩が付く。

鈴玉狩りの本体の所在は気になる処だが、今は眼前の敵を処理しなければならない。

 

「あ、結界切れちゃった…」

 

 時を同じくしてライザの言葉通り、周囲の結界の効果時間が限界を迎える。

淡い白色に覆われた膜は完全に消失し、結界が消え去った事を告げていた。

しかし、もう被害を気にする必要はない。

ここまで大勢が決すれば、何の憂いもなく結末を見届ける事が出来る。

 

だが、鈴玉狩りは不気味な笑い声を漏らした。

 

「クックック…結界が消失したか……。…待っていたぞ…この時をッ…!」

 

「――ぬッ!?」

 

 何処からどう贔屓目に見ても、跪き蹲る鈴玉狩りに流れを覆す術は無い。

しかし追い詰められて尚、彼は不気味な笑い声を漏らし懐から何かを取り出そうと動きを見せる。

 

「――させんッ!!」

 

 危険を察知したジークバルドは、躊躇なく剣を振り下ろし鈴玉狩りを切り伏せた――かに見えた。

 

( 推奨BGM ゴブリンスレイヤー ―― 悪の所業 )

 

「ぬぅ…貴公、往生際の悪い…!」

 

 脳天目掛けて剣を振り下ろした筈だが、この後に及んで鈴玉狩りは抵抗を試みた。

頭部を僅かにずらし、ジークバルの剣は鈴玉狩りの肩から胴体部に深く抉り込む。

これで即死は免れた。

やはり鈴玉狩りは一筋縄ではいかない強敵だ。

素振りさえ見せなかったが、彼は秘かに結界の消失を待っていたのである。

 

「…ククク…これが我の切り札…隠し玉よ…!」

 

 鈴玉狩りが密かに取り出した物、それは――。

 

「あ、ありゃあ…魔法のスクロールじゃねぇかッ!」

「呪文、来る、わ…!」

 

 現場を見守っていた槍使いと魔女が、鈴玉狩りのスクロールに警戒感を示す。

 

「――全員伏せやがれッ!、アブねぇぞッ!!」

「ここら一帯吹き飛ばす気かッ!?」

 

 鈴玉狩りが取り出したのは、四方世界に存在する使い捨ての魔道具(マジックアイテム)である、魔法のスクロールだった。

 

「――離れろッ、二人共!巻き込まれるぞ!!」

 

 よもや結界の消失まで視野に入れていたとは。

最後の最後で鈴玉狩りの策が功を成し、灰の剣士はジークバルドと女部族へと退避を呼び掛ける。

 

「もう遅い…!この世界の切り札…存分に使わせて貰おうぞ…!せめてもの謝礼だ、受け取ってくれ給え…クックック…!」

 

 不気味に暗い嘲りを上げ、鈴玉狩りの手にしたスクロールが開かれた。

開かれたスクロールの封じられた呪文が発動し、鈴玉狩りの前に魔法陣が浮かび上がる。

 

「呪文を封じたスクロールッ!?」

「あの野郎、どんな呪文を封じやがった!?」

 

「貴方は伏せていて下さい!」

「大丈夫、心配しないで!ちゃんと記録しないと…!」

 

 いよいよスクロールの呪文が発動し、建物に避難していたオーベックたちは監督官に伏せるよう警告する。

しかし彼女は事の顛末を詳細に記録するという職務を全うする為、敢えて拒否し記録に努めた。

 

「――四方世界の異形達よ、その憎悪と欲望を存分に発露せよッ!出でぃ、200の小鬼(ゴブリン)共――!!『小鬼禍(ゴブリンハザード)』、開闢(かいびゃく)セリ!」

 

 しかし意外な事にスクロールに封じられたのは、攻撃呪文ではなく”召喚魔法”であった。

 

「…ケっ、脅かしやがって…!最後の切り札って、まさかの()()()()かよ…!」

 

 スクロールを目にした事で過剰に警戒した槍使い。

しかし、切り札の正体が混沌最底辺の小鬼(ゴブリン)だという事実に、若干の肩透かしに浸る。

 

「――油断召されぬな、若き槍の武人よ!」

「――アイツ、200って口走ってなかったかい!?」

 

 だがジークバルドと女部族は、()()()という言葉を聞き逃してはいなかった。

 

「――各位、警戒せよ!()()()()()()()が雪崩れ込むぞッ!!」

 

 展開したスクロールの魔法陣から、次々と緑色の塊が噴水の如く沸き上がる。

その光景を目にした灰の剣士は、周囲に警戒と臨戦態勢を勧告した。

 

「――フハハハ…!怯えろ!竦め!武具の性能を活かせぬまま、死んでゆけぃッ…!――ぐぉふッ…!」

 

 スクロールの展開し終わった鈴玉狩りは、嘲笑を叫びながら消失した。

鈴玉狩りを討ったという勝利の余韻に浸る暇もなく続け様に発生したのは、何と小鬼召喚(ゴブリンハザード)の儀。

それも200を超える規模で出現し、最悪なのは現場が街中という現状だ。

 

闇霊とは言え一体の鈴玉狩りによる”質”の暴力――。

そして今度は、200を超える()()()()という”数”の暴力――。

質と数の悪意が、この夜の街へと溢れ返ろうとしていた。

 

今この街に、小鬼禍(ゴブリンハザード)が発生したのである。

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

エオヒドの剣舞

 

剣に気を宿し、螺子の如く、捻りを加えた突きを前方に放つ戦技。

その剣は激しく回転し、連続でダメージを与える。

タメ使用で飛距離を増し、回転の持続時間も増す。

 

幾多もの修験者が、研鑽と苦行の末に生み出したであろう猛き戦技。

しかし、彼等の結晶も悪行と汚名に染まり行く。

今こそ彼が汚名を濯ぎ、嘗ての埃に塗り替えん。

 

奥義は、一人の騎士に受け継がれた。

 

 

 

 

 

 




この鈴玉狩りの襲撃事件ですが、ジークバルドのパワーアップイベントの為に用意したものです。
各種、嵐の戦技に加え『エオヒドの剣舞』まで土壇場で修得――。
う~ん今考えてみれば、エオヒドの宝剣と剣舞だけでも良かった気がする。( ̄ω ̄;)

如何だったでしょうか?
少しでも楽しんで頂けたら幸いです。  
デハマタ。( ゚∀゚)/

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