ゴブリンスレイヤー ―灰の剣士―   作:カズヨシ0509

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 急激に暖かくなったり寒戻したりと体調を崩しやすい時期のようです。
更にもうすぐ花粉が飛び交う時期に入りそうです。
私は花粉に弱く、一発で、目、鼻、くしゃみ、と全てに反応します。
うぅ…、辛い時期に突入してしまった。(_□_:)

では投稿します。



第45話―盤外の世界―

 

 

 

 

 

 

ロスリックの聖剣(魔力消失)

 

 王子ロスリックの直剣。

 嘗ては、エンマの祝福により強い魔力を帯びていた。

 

 それは本来英雄たる彼が振るうべくにあり

 終に振るうことのなかった白金の聖剣である。

 

 しかし祝福された魔力は既に尽き果て

 それは最早、単なる美麗な直剣と化した。

 

 故にそれに力は無く、兄弟の喪失を知る者は極僅かである。

 

 生者となり無念と心の痛痒を抱かえし弟。

 未だ不死として四方世界に惑う兄。

 

 彼等は互いを想うも世界を隔てた壁は厚く、双子を分かつ。

 

 戦技は「構え」

 構えからの通常攻撃で、盾受けを下から崩し

 強攻撃で踏み込みからのかち上げ突きと、状況に応じ使い分けられる。

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 私は確か、眠りに就いていた筈だが……、これは夢なのか……?

 

普段使っている宿の寝台に潜り込んだ所までは覚えている。

 

程無く深い睡魔に見舞われ彼は眠りに誘われた。

 

そして気が付けば、見知らぬこの世界に呆然と立ち尽くしていたのだ。

 

その世界は、言葉で評するには余りに難い世界だった。

 

ただ一言……。

 

美しい……。

 

この一言に限る。

 

あの四方世界よりも澄み切った淡い青空。

 

その青空を基調としながらも、時間を置く毎に空の色が刻々と変化していく。

 

そして空から舞い降りる、淡くも温かみのある陽光……、いや、本当に陽光なのかも判別が付かない柔らかい光が、天から降り注ぎ地上と自分を照らす。

 

地上は青々と多種多様な植物が生い茂り、所々に色彩豊かな花が咲き乱れ、見る者の目を楽しませてくれる。

 

遠くには生命溢れる山脈が並び、その傍らには大陸が浮かんでいる。

 

何処かの娯楽小説で読んだ記憶がある、所謂『浮遊大陸』という奴だろうか?

 

その浮遊大陸から滝が流れ落ち、清流となって河川を形成していた。

 

これだけ美しい世界だ。

 

当然、生命も存在している。

 

鳥が群れを成して羽ばたき、大小の動物が其処彼処に走り回っている。

 

無論建造物も立ち並び、それ等は見た事も無い様な優美さと美麗さを誇っていた。

 

遠目に人が出入りしているのが分かる。

 

気の遠くなる火継ぎの時代を過ごし、幾度となく巡礼の旅を強いられたあの世界(ダークソウル)とは、あらゆる意味で真逆と言えよう。

 

命も途絶え、営みすら失われ、生と死が曖昧になった文字通り滅びを迎えた()()()()

 

その世界から見れば、四方世界でさえ生命溢れる美しい世界だ。

 

しかし彼『火の無い灰』が目にするこの世界は、言葉に言い現せない程の美しさと温かさを誇る。

 

いや、現に暖かく優しい微風が、彼の肌を撫でた。

 

その風に身を暫し委ね、彼は思う。

 

昼夜問わずこの気温なら、最早衣服さえ不要となるだろう。

 

この美しい世界、もう暫く身を任せ堪能したい所だが、そうもいかない様だ。

 

何故なら彼の直ぐ傍に、一人の女性が不機嫌そうに此方を睨んでいるからだ。

 

「……そろそろ()()()に反応を示し給えよ、キミ!」

 

 適当に切り揃えたであろう金髪に、鈍くぼやけた様な緑色の瞳、赤を基調とした縁のある眼鏡をかけた、若く美しい女性。

 

そして幾何学的な刺繍入りの上品質なローブを身に纏い、フード付きの外套は小奇麗な色彩を帯びていた。

 

腕には装飾された金属製の腕輪を身に付け、頭には白い帽子を被っている。

 

あの時『暗黒の塔』以前の彼女とは、服装が打って変わり品性さえ滲ませている。

 

更に彼女から漂う、微かな甘い林檎の香り。

 

辺境外れの小川に居を構え、一人黙々と研究と編纂を重ねていた、一人の魔術師にして賢者。

 

過去にゴブリンスレイヤーが『(スパーク)の指輪』なる代物を手に入れ、それが彼女の手に渡り、彼女は無事悲願を成就した。

 

 

 

「孤電の術士。これは貴公が――?」

 

「不幸にして幸いな事に、全く以てその通り!……久しぶり……、って言う程でもないか」

 

 立ち振る舞いの方は相も変わらずと言った処だろうか。

 

実際あの塔で別れてから、丸一日と少し経過したかどうか位の時間しか経っていない。

 

 

 

何時か何処かで生きて会おう。

 

 

 

そんな想いを胸に秘め彼女を見送ったが、まさかこんなにも早く再会を果たそうとは……。

 

「……」

「……」

 

 両者は言葉も無く、暫し見つめ合う。

 

「お……おい、何か言えよ!恥ずかしいじゃんか!」

 

 彼女は顔を急激に赤らめ、視線を外した。

 

「……いや……、余りに唐突だったもので…な。まさかこんなにも早く再会しようとは、予想外だった」

 

 正直彼自身も反応に困り、しどろもどろになりながらも言葉を並べる。

 

顔を紅潮させながらそっぽを向く彼女だが、彼を召喚したのは他でもない本人だ。

 

当然ただ会いたいが為に、灰を呼び出した訳ではあるまい。

 

彼は訪ねる。

 

”一体何事か?”と。

 

「……やれやれ、目の前にこんな良い女が居るってのに、もう少し再会を楽しんで欲しいもんだねぇ」

 

 少々呆れながらも彼女は徐に歩き出した。

 

”私の後に続け”という意味を込めて。

 

柔らかい雑草に包まれながらも、決して不快ではない草道を歩き、灰はふとした事に気付く。

 

「そう言えば、私の体は霊体か?……限りなく実体に近い様だが?」

 

 自分の身体を見回したり触れたりを繰り返し、その感触を確かめた。

 

嘗ての時代、多次元の世界に侵入する際は白く輝く『霊体』という形で召喚される。

 

本体ではない為、万が一その世界で死んだとしても元の世界に戻されるだけだ。

 

どうやらこの世界でも霊体として召喚されたようだが、少し違う様だ。

 

あの時の様に白霊としてではなく、普段通りの姿で存在している。

 

装備も普段通りのままだった。

 

「その通り!今回は残念ながら、霊体として召喚させて貰ったんだ。もっと手間と準備を整えれば、実体そのものを呼び出せたんだけどね!……かと言っても、五感はそのまま適用されるし、感じる事も触る事も出来る――」

 

 孤電の術士が振り向き、悪戯っぽい笑みを浮かべながら彼の手を握る。

 

「――こんな風に……な!」

 

 彼女は掴んだ彼の手を、自分の豊満な胸へと押し当てた。

 

「……貴公……、安心した……。そういう所は相も変わらずで」

 

 既に彼女の性格はある程度知り得ている。

 

彼の反応は思いの外平静で、動じる事は無かった。

 

「……そっちもな。相変わらず反応が薄くて、安心したやら哀しいやらで……」

 

 彼女も分かっていたのか、皮肉めいた反応を示す。

 

しかし、ここで灰は意外な行動に出た。

 

「一応言っておくが、私にも性欲は有る。余り調子に乗ると……」

 

「おっ?!どうするのかなぁ?!」

 

 彼女は興味深そうに彼を覗き見る。

 

「――こうだっ!」

 

「――うんひやぁあぁんっ?!」

 

 押し当てられた手に力を込め、彼女の豊満な胸を何度か揉み解した。

 

彼の突拍子もない行動に不意を突かれ、彼女は身を仰け反らせ数歩後退する。

 

「……?!!」

 

 そして咄嗟に自分の胸元を手で庇い、心底驚いた様に彼を見やる。

 

「い、イぃ、イキ…なり何をするンだ……?!」

 

 声が上ずった彼女は、今度こそ顔全体を紅潮させた。

 

「……ほれ見た事か。次やったら、もっと過激な事で応えるからな」

 

「た…、楽しみじゃないか……。キミィ…、覚えとけよぉ……」

 

――若しかして、経験あるのかな?この男。

 

 額に汗を滲ませながら、彼女は不敵に笑う。

 

しかし、この様な戯れを続けていては何時まで経っても事が進まない。

 

”早く案内してくれ”と彼女に催促する。

 

「はいはい、じゃあ行こうか」

 

 再び彼女が歩き出し、彼も後に続く。

 

歩きながらに彼女が召喚の術について説明した。

 

「今回使用した術……、それ程高度な術でもなくてね、数時間と経たない内に修得出来たよ。だからそれほど負担も大小も支払う必要は無いんだけれどもね、召喚される側にも条件が必要になるのさ」

 

「私にも条件が――?」

 

「そっ!術式を行う側と対象となる側……、強い繋がりが必須となるんだ……。ま、絆やら親しい間柄やら、ソウルで繋がる……とかかな?」

 

 ソウルで繋がる。

 

彼女は振り向きもせず更に説明を続ける。

 

「更に召喚された側には、この世界に存在する資格も備わっているんだ。この世界……、一応あの世の一種らしいからね。死んで魂《ソウル》となった人達の一部はこの世界に滞在しているよ。……誰でもこの世界に来れる訳じゃないけどね!」

 

「……資格の無い者がこの世界に来た場合…、どうなる…?」

 

「召喚した側、呼び出された側、双方に相応の苦痛と負担を強いられる事になるね。更に余程の高難度な術を行使し、尚且つ大規模な準備や素材も必要となる。だが、そんな事をしてまで呼び出す理由は基本的に存在しないし、何の利点も無いと思うがね?……死んだ者がこの世界に導かれるには高い善性を備えてないと駄目だ、……つまりキミ、万が一死んだ場合この世界で住む事になるだろうさ!」

 

「そうなのか?」

 

「そうとも!これから先、馬鹿げた悪人にでも成らない限りはね!」

 

二人は歩を進めるにつれ、自然物から人工物の比率が多くなり、舗装された石造りの街道に差し掛かった。

 

上質な石材を使用しているのだろうか、色彩豊かな石畳が敷き詰められ、視覚でも歩行者を楽しませてくれる。

 

文化の違いなのだろうか、あの辺境の街とは建築物の形状が少々異なっていた。

 

この様な光景はそうそうお目に掛れないだろう。

 

彼は視線を其処彼処に動かし、興味深そうに街の景観を楽しんだ。

 

「……私も、最初此処へ来た時は珍しかったもんさ。こんな世界が在ったなんてね」

 

 孤電の術士が彼の心情を察したのか、この街世界について言及した。

 

「この世界……。この世界は、貴公の望んだ盤外の世界、神々の世界なのか?」

 

 気になっていた事を彼女に訊ねる。

 

過去に彼女が言っていた盤外の世界。

 

確かに彼女は今こうやって別の世界に存在している訳だが、果たして彼女の望みは叶ったのだろうか?

 

「ん~……、まぁそうだね……」

 

 彼女は振り向く事なく、頭を帽子越しにポリポリと搔きながら、曖昧に答える。

 

「半分は叶ったかな」

 

「半分……と、言う事は此処は……」

 

 先程から感知出来るソウルの流れから大方は察していたが、神或いはその眷属特有のソウルではない。

 

此処に至る迄、何人かの住人とすれ違い、その度にソウルを感知してみたが特殊な流れは感じない。

 

只、覚えのあるソウルがチラホラと感知出来るのは何故だろうか?

 

「はっきり言っちゃうとね、此処は魔術師達が至った方の世界なんだ。……やっぱ世の中そう甘くはないってこった!」

 

 嘗て彼女が語った、魔術師の時代――。

 

現在よりも遥かに優れた魔術師達が、己が知識と研鑽を競い合い、最後は四方世界を旅立った者達。

 

彼等は皆例外なく盤外を目指し結果、この世界に至ったという訳だ。

 

「では、この世界には神々が存在してはいないと?」

 

「まぁ、そうなるな。……詳しい事は、偉大な先人達から聞くと良いよ。私よりも深い知識を有しているし、何より君の事も良く知っている様だしさ!」

 

「――?!」

 

 自分の事を知っている?

 

彼女の言葉に、彼は疑問符を浮かべた。

 

一体どういう事なのだろう。

 

「会えば分かるさ!」

 

 そういった彼女と彼は更に歩を進め、やがて一際大きな屋敷が見えてきた。

 

まるで小さな城にも見える優雅な屋敷だ。

 

石英を多く含んだ花崗岩、その石材をふんだんに使用し、見る者に高級感を提供する豪華な造りをしていた。

 

どうやらこの屋敷にお邪魔する様だ。

 

「此処に来て間もない私に、この屋敷の一室を割り当ててくれた親切な人が居てね。いやぁ、助かったよ本当に……」

 

 屋敷の敷地内に入り、孤電の術士がこの世界に来た当時の事を話す。

 

この世界に訪れた彼女は当然、右も左も分からず、何を成すべきかも見出せないまま途方に暮れていたのだが、一人の人物が彼女に声を掛け、この屋敷に案内してくれた。

 

そしてこの屋敷の持ち主を通して、彼女に一室を割り当ててくれたのである。

 

「ま、中々に出来た人達でね……、世話になったついでに弟子入りさせて貰ったのさ!」

 

 彼女が曰くには、今の自分よりも更に知識や学問に対する造詣が深く、弟子入りする事で目下精進を重ねている途中だという。

 

屋敷の入り口まで辿り着き、守衛の兵士らしき人物を目にした灰は思わず警戒し、身構えてしまった。

 

「……おい?どうしたんだ、急にっ?!」

 

 灰の取った行動が酷く奇行に移ったのだろう。

 

孤電の術士が、怪訝な表情で彼に呼び掛けた。

 

「何故だ?!……何故、ロスリックの兵士達が此処に居る?!」

 

 腰のシミターに手を掛け、彼は臨戦態勢のまま守衛の兵士達を睨み付けた。

 

対してロスリックの兵士達は微動だにせず、灰に視線を送ったままだ。

 

「キミ……、落ち着き給えよ。彼等が亡者でない事位分かるだろう」

 

 若干呆れ顔で、灰の肩に手を置き宥める。

 

彼女の言う通り、守衛の兵士達は亡者ではなく、精悍な顔付きをした生者のソレであった。

 

嘗ての火継ぎの時代の様に、意思も無く彷徨い問答無用で他者に飛び掛かる兆候は微塵にも感じさせない。

 

それどころか、彼等から灰に語り掛けて来たのである。

 

「灰の方。彼女の仰るように、今の我等は亡者ではありません。時代が移り変わり、今の我々は真っ当な生者として新たな任に就いております。貴方様が問題を起こさぬ限り、我々も貴方様に矛を向ける気は御座いません!どうか武器をお納め下さい」

 

 元亡者とも思えぬ毅然とした姿勢――。

 

その兵士としての有り様に灰は暫し面喰い、静かに構えを解いた。

 

「……取り乱して申し訳なかった。今の非礼、どうか許して頂きたい」

 

 灰は深く頭を下げ彼等に謝罪の意を示し、無言ではあったが彼等もそれに敬礼で応えた。

 

――これが彼等本来の姿か。

 

願わくば見てみたかった――。

 

繁栄していた時代のロスリックやロードランの時代を……。

 

「ふぅ……、さて、行こうか?」

 

 気を取り直し、彼女が屋敷の案内を再開する。

 

豪華に装飾された廊下を通り、二人は或る部屋の前まで到着した。

 

「先生、先輩。彼をお連れしました!」

 

 彼女が扉をノックし、姿勢を正しながら返事を待つ。

 

普段掴み所のない飄々とした孤電の術士。

 

そんな彼女が礼節を重んじる姿勢を見るのは、実に初めてだった。

 

”ああ、入ってくれ給えよ”、扉の向こう側から聞こえて来る声――。

 

彼の耳に届いたのは、若い女性の声のようだ。

 

――この声、ソウル……やはり覚えがあるぞ。

 

彼は扉に視線を向け、孤電の術士は扉を開け入室した。

 

「……ようこそ。火の無い灰……嘗ての我が弟子よ」

 

 二人を出迎えくれた若い女性。

 

「……貴公等だったのか。『闇術士のカルラ』そして『大沼のコルニクス』……」

 

 ソウルの感知である程度は予測が付いていたが、まさかこの場で彼等と再会するとは――。

 

「ほら!ボ~っと突っ立ってないで、早く座った座った!」

 

 孤電の術士に急かされるがまま、灰は談話用のソファーに腰を降ろした。

 

「……」

 

「久し振りだな、貴公。何時以来だろうな……?」

 

 言葉が思い浮かばず沈黙のままの彼に、カルラは穏やかに声を掛ける。

 

以前の黒を基調としたボロボロの服装でなく、今は白を基調とした品のあるローブに身を包み学士としての佇まいを醸し出している。

 

「おや、どうしたのかな?流石に我々の顔を見忘れた訳でもあるまい?」

 

 大沼のコルニクスも後に続く。

 

相変わらず帯で素顔を隠しているが、以前の見窄らしい姿は鳴りを潜め、品格と威厳に満ち溢れた様相で此方を見ていた。

 

「……私は……、私は、貴公等に……」

 

「その事ならいい」

 

 灰が言い終える前に、カルラが言葉を遮った。

 

「もう過去の事だ。確かに火の消えた祭祀場で、我々はロンドール一派の手に掛かり、その生涯を終えた。だが、君が火を消そうが継ごうが、どの道あの時代は終焉を迎えていたのだよ。……我等も含めてな。そう…、(仕方がなかった)という奴だ。火継ぎの循環は既に限界を迎え、始まる以前に終わっていたのだから無理もない。永遠などは何処にも存在せぬ。故に…、我々は君を恨んだりはしていない。……尤も、君が世界を崩壊させた、()()()として後世に記録を残した輩も存在していた様だがね」

 

 大沼のコルニクスも、灰に深い憎悪を抱いてはいない旨を伝える。

 

「細かい事は、この二人から聞いたんだ。君の居た時代や成してきた事も含めてね!」

 

 孤電の術士も彼等に続き言葉を加えた。

 

あの高級店で彼女に語った事は、要点のみを掻い摘んで話した為、細やかな部分が抜け落ちていた。

 

それ等をこの二人がして補完くれたのなら、灰自身がこれ以上改めて語る必要は無いだろう。

 

実際、魔術や学問云々は、彼等の方が精通している。

 

孤電の術士がこの二人に弟子入りしたのは、一種の正解といえるだろう。

 

「そうか……。少し、心が軽くなった。有難う、二人共」

 

 着席したまま灰は彼等に頭を下げ、礼を述べる。

 

話が一段落した処で、灰は改めて二人に訊ねた。

 

「私を召喚したのは貴公等なのだろう?」

 

「……残念だが、それは違う。我々は、()るやんごとなきお方の命で、召喚の儀式を施したにすぎん。……あまり依頼人を待たせるのも失礼故、行こうか」

 

 そう言ったコルニクスは立ち上がり、灰達もそれに倣い部屋を出た。

 

少しのあいだ屋敷内を歩き、一際大きな部屋に到着する。

 

先程の部屋とは違い、扉の造りは、より頑丈で、より豪華な装飾が施されていた。

 

そして扉を守る二人の鎧を纏った騎士――。

 

ロスリックの騎士が扉の脇を占めている。

 

しかも、普段見慣れた騎士よりも一回り大柄な体躯を誇り、外套も蒼に染められた物を着用している。

 

つまり彼等は、より上位に属する親衛隊でもあった。

 

この事から察するに、部屋の住人もこの騎士が守るに相応しい、高い身分に身を置く人物と察する事が出来る。

 

ロスリック関連で、そんな高貴な人物など極僅かだ。

 

「コルニクス様、カルラ様……、主の元へようこそ御出で下さいました」

 

「件の御客人を連れて参った。お目通りを――」

 

 コルニクスに見事な敬礼で応え、騎士の一人が扉を開け部屋へと案内する。

 

鎧兜の所為で身体は見えないが、この騎士達も間違い無く生者に違いない。

 

彼等からは、生者特有のソウルを感じる。

 

豪華な装飾品に大小の家具類で彩られた部屋は、正しく上流階級が住まうに相応しい内装が施されていた。

 

その中央に、腰掛けていた一人の老婆と一人の青年。

 

どちらも裾の長いローブを纏い、静かに時間を過ごしている。

 

そして火の無い灰は、この二人にも見覚えがあった。

 

「ようおいで下すった……。灰の英雄様……」

 

「よく来たね。わが家へようこそ。……薪の王……もとい、灰の剣士」

 

 老婆と青年が、それぞれ簡単な挨拶を澄ます。

 

「まさか……、こんな形で再開するとは……な。祭司長エンマ殿、……ロスリック王子」

 

 忘れもしない、この二人。

 

片や、祭司長エンマ。

 

ロスリック王家の家臣で、城の祭儀場で一人静かに佇み、訪れた灰に薪の資格者達は故郷に帰還した事を伝え、ロスリックの小還旗を託した人物だ。

 

そしていよいよ火の陰りが限界に近付いた頃、二人の王子に玉座に就く事を託し息を引き取った。

 

片や、王家の血統双王子の片割れ『ロスリック王子』。

 

黒いローブに身を包み、嘗ての薪の王たる資格者の一人であった。

 

しかし本人は火を継ぐ運命を否定し、双子の兄王子『ローリアン』と共に城の最奥へと引き籠り、世界の終わりを待ち望んだ。

 

また本人は生まれながらに病魔に侵され、脆弱な体と類まれな魔力と呪力を秘めていた。

 

更にその呪いの力で、ローリアンの脚の運動力と声を奪い、本人もそれを甘んじて受け入れたと言われている。

 

そして対峙した当時の灰に、襲い掛かって来たのである。

 

脚力は戦闘に於いて、非常に重要な役割を担う。

 

それ等を喪失して尚、強大な戦闘力を有していたローリアン。

 

もし彼が、五体満足で此方と敵対していたらと思うと、正直身震いが止まらない。

 

全盛期だった頃の彼は単身、『デーモンの王子』を屠ったと言われている。

 

それ程の存在だった彼だが、部屋の何処にも彼の気配は感じ取れなかった。

 

灰は辺りを見回してみたが、彼の居ると思わしき形跡は見つからなかった。

 

「……兄上は此処には居ない……いや、この()()には来ていないんだ」

 

 ロスリック王子はフード深く被り、伏目がちに告げる。

 

「恐らくは、嘗ての居城に捕らわれ一人彷徨っているのかも知れない……、ああ……兄上……!」

 

 手を組み天を仰ぎながら、彼は兄を案じ嘆いていた。

 

理由が有ったとはいえ、当時の彼等を倒し彼等のソウルと薪を手に入れたのは、紛れも無い自分だ。

 

まさかこんな結末で因果が巡り、二人を引き離す結果になろうとは……。

 

「……すまぬ……。……王子……!」

 

 彼は頭を下げ、謝罪する事しか出来なかった。

 

それでローリアンが戻って来る訳ではないというのに……。

 

「……。…いや、良いのだ。灰の剣士よ。……これも非力な私に責がある。貴公は己が存在を賭け、役割を全うしたのだ。私に貴公を責める資格はないさ……だが、もしも……、もしもだ…!」

 

 頭を下げる灰を責める事無く彼は、一振りの剣を灰に手渡した。

 

「もう何の祝福も魔力も消失した只の剣だが、もしも万が一……兄上に会う事が出来たなら、この剣を彼に送り届けてくれないか。……貴公を一人の勇者と見込んで…頼む!」

 

 本来なら彼自身の手で、それを成し遂げたい。

 

しかし、今の彼にはそれを叶える事は不可能だ。

 

今や彼自身も生者となり病魔も取り払われたが、非力な身体は尚も変わらず。

 

仮に転移の秘術で四方世界に赴こうとも直ぐに落命し、道半ばで朽ち果てるのは自明の理であろう。

 

「何の見返りも用意出来ないが…、頼めるだろうか?」

 

 痩せ細りひ弱な体躯に不釣り合いな程の、強い意志が彼の瞳に宿っていた。

 

「分かった。だが、あまり期待はしないでくれ……」

 

 達成出来る保証は何処にも無い。

 

しかし、これ程強い意志で懇願されては断る事など出来なかった。

 

少なくとも、火の無い灰には……。

 

――何れはロスリック城にも赴く。しかし、ローリアン王子が都合よく城に居てくれればいいんだが……。

 

魔力を失った『ロスリックの聖剣』を王子から預かった。

 

願わくば彼等が再び巡り会わん事を――。

 

その後ロスリック王子は静かに席から立ち上がり、こう告げた。

 

「さて、これ以上あの御仁を待たせる訳にはいかない。そろそろ行こうか」

 

 彼の言葉から察するに、灰に用があるのは別に居るようだ。

 

改めて意識を集中してみれば、遥か遠方に覚えのあるソウルが漂っている。

 

今迄感じたどのソウルよりも遥かに巨大で、神々しい。

 

「……」

 

 その方角を見据える灰に、緊張感が増す。

 

「エンマ、お前はどうする?」

 

「……私は、もう年です王子。此処で事の経緯を見守る事にします」

 

「では留守を頼む……」

 

 祭儀場エンマに屋敷の留守を任せ、王子は屋敷の裏手へと一行を案内した。

 

裏手の兵士達に見送られ、一行は屋敷を出た後、林道へと歩み出す。

 

林道にしては街道並みに整備が施され、街幅は馬車数台分の広さを誇っていた。

 

屋敷を出る途中配下の騎士から、馬車の使用を提案されたがロスリック王子はこの案を拒否。

 

”たまには自分で歩く”と徒歩で向かう旨を伝え、こうして現在に至る。

 

灰が意外だと感じたのは、自分達と同じ方角目指している通行人が異様に多い事だった。

 

彼等の視線が自分達に集中しているのは、気の所為ではないだろう。

 

そう言えば屋敷に着く迄、建物と住人の比率が随分不自然でもあった。

 

居住区の規模に比べ、人の数がやけに少なかった事を思い出される。

 

――成程、皆この林道に集中していたわけか。……しかし、彼等は何を目指しているのか?

 

灰は不自然に多い通行人達に視線を這わせてみたが、彼等も動揺に視線を返して来る。

 

冒険者ギルドで見慣れた、興味や侮蔑の様々な感情が入り混じった視線だ。

 

自分に視線を向けてはヒソヒソと小声で話している者も居る。

 

どうやら、あまり歓迎されていないのかも知れない。

 

「随分人が多いだろう?」

 

 唐突に王子が話し掛けて来た。

 

「滅多に起きない一大行事だからね。彼等にとっても興味の的なのさ……貴公」

 

「……」

 

 王子の言葉に無言で耳を傾ける。

 

「その行事の中心が君なのだよ、我が弟子よ」

 

 コルニクスも会話に加わった。

 

「周囲の先人達は、日々切磋琢磨しながら精進を積み重ねてきた。……にも拘らず、神々の領域に到達出来ず、一向に望みが果たされる事はなかった。しかしだ……、或る日向こう側から、この世界に干渉して来たのだよ。そして我々に召喚の儀式を依頼してきたのさ」

 

 カルラが事情を補足した。

 

此処に居る住民の大半は、非常に優れた賢者や魔導士の類だ。

 

そんな彼等の望んだ存在が唐突に、この世界へと降臨した。

 

……ともなれば、その依頼者は人を越えた高次元の存在である事が仄かに示唆される。

 

人ならざる高位の存在……、自ずと限られよう。

 

林道を進むにつれ、感じ取れるソウルが徐々に濃密になる。

 

それに従い、空模様に変化が訪れつつあった。

 

淡く優し気な青空は徐々にだが暗い赤を帯び始め、白く穢れの無い雲は濃い灰色に染まり始めている。

 

そしてそれは、空模様にだけ限ったものではなかった。

 

周囲の植物にも変化が表れている。

 

青々と生い茂っていた生命溢れる木々や彩り豊かな花も、次第に色褪せ始め姿形も禍々しいものに変わりつつあった。

 

釣られて空気も何処と無く重苦しく澱みを帯びつつある。

 

更に気温も下がり始め、先程まで優しく心地良い微風も、刺すような冷風が吹き付けていた。

 

それ等の環境の変化は、当然周りの人々も気付いており皆口々に騒ぎ始めていた。

 

林道を進むにつれ、その変化は生命の息吹から死の抱擁に成り代わろうとしている。

 

「なぁ、皆もう気付いてると思うんだが……。周りの景色が変わっちまってるんだ……。この空気感……、一応覚えがあるんだが、私は……」

 

 道歩く孤電の術士が、両腕で肩を抱き不安気に訴える。

 

「……そう言えば、貴公もあの世界を一部とはいえ、体感したのだったな」

 

 カルラは平然としながら返した。

 

孤電の術士も暗黒の塔を目指す過程で、ロスリックの高壁から不死街の入り口付近を通過していた。

 

そして、此処に居る一行は皆が全員、嫌という程この変化に馴染んでいたのだ。

 

嘗て『最初の火』が陰り、世界全体に死と終焉が訪れつつあった、あの呪われた時代。

 

終焉間際の時代。

 

『火継ぎの時代』を――。

 

幸いにも火継ぎの時代とは違い、周囲には正気を保った生者達が数多く林道を共にしている。

 

中には肉体ではなく、灰と同じく霊体に身を置いた者も多数存在していたが。

 

一行は林道を更に奥深く進み、半ば朽ちかけた石造りの階段に差し掛かった。

 

昇り階段の入り口には、忘れもしない銀騎士と黒騎士が左右に陣取り、階段には左右の分かれ道が存在していた。

 

先行していた魔術師達は皆例外なく分かれ道側に誘導され、誰一人として階段を昇る事は叶わない様だ。

 

不満気な声と視線を騎士達に向けながらも魔術士や賢者達は、渋々分かれ道へと歩み進んで行く。

 

暫くして周囲に誰も居なくなり、灰達一行のみとなった。

 

騎士の元へと訪れた一行も当然行く手を阻まれたが、灰の剣士と孤電の術士のみが階段へと進む事を許可され、他は脇道へと進まされる事となった。

 

「……意外だったね。まさか、私も此方側に進めるとは……」

 

「先方は、君にも用事が有るという事か」

 

 二人は階段を昇り先へと進む。

 

――まるで『最初の火の炉』の再来だな。

 

火を継ぐ為に必ず訪れた彼の地。

 

今や周囲の空気も景色も、完全にあの時と同じ様相を変わり果てていた。

 

とても同じ次元に存在しているとは思えない。

 

気が付けば空には、あの暗い深淵が滴り落ち、溶岩の様に煮えたぎるも弱々しい太陽が浮かび上がっている。

 

 

 

――よもや、この期に及んで火を継げとか言うじゃないだろうな?……流石に今度ばかりは、ご勘弁願いたいものだ。

 

 

 

そんな疑念を抱きながら二人は先へと進み、階段を昇り切る。

 

昇り切った先は、見晴らしの良い開けた空間が広がっていた。

 

お世辞にも、とても祝福された地とは言い難いが……。

 

冷え切った灰と塵が降り積もり、周囲は岩場と棘の様に朽ちた木が生え、それ等の傍らには古びた剣や槍が積もった塵灰に突き刺さっている。

 

それ等が構成する外壁の更に向こう側。

 

小高い丘の様な台地が存在し、先程の魔術師達が此方を見ているのが分かる。

 

小高い丘よりも更に高い台地には、ロスリック王子を始めとした面々が居た。

 

よく見れば、薄い膜の様な壁が透けて見える。

 

「あれは結界だね。此方に侵入させない様にする為の措置かな?」

 

「これじゃあまるで、闘技場だ」

 

 孤電の術士と灰は周囲にを見回しながらも、歩を進める。

 

――それに何だ?見た事も無い巨人の様な残骸が散乱している……。ゴーレムの死骸か?

 

灰は訝し気に、散見される()()に目をやった。

 

見た事も無い形状の鎧の様な金属物の残骸。

 

不思議な事に派手な赤や青、黄色や緑と謂った不自然な位に色豊かな、金属物の破片。

 

巨人と見紛うばかりの巨大さを誇り、熱で溶けたかの様な傷痕。

 

何か強い力で粉砕され、引き千切られたかの様に断裂した跡。

 

クロスボウに似た様な巨大な朽ちた武器の数々。

 

密かに書物で読んでいた為、朧気ながらも知識は有していた。

 

――あれ等は確か……『銃』だったか?随分巨大だが……。それにしては何処と無く、無駄がなく洗練されている様な……。

 

降り積もった塵灰の大地に横たわる、多数の金属の巨人達と思わしき亡骸。

 

中には、四脚や逆関節に車輪付きの下半身をした巨人の残骸まで在る。

 

肩部を思わせる部位には、掠れて読めないが文字が刻まれていた。

 

中には東国の文字『漢字』で描かれた物や、数字の『⑨』が彫られた赤い残骸も転がっている。

 

――若しかして人工物の成れの果てか?……これ等は……?

 

当然灰だけでなく、周りの魔術師達もこれ等の残骸に興味を示しているのか、皆口々にザワついている様だ。

 

そうこうしている内に二人の視線に見覚えのある『篝火』が見えてきた。

 

「あれは『篝火』だったか?誰か居るな。あれが本当の依頼人かな?」

 

 孤電の術士が『篝火』の傍に座り込んでいる一人の人物を指し示す。

 

――あれは……、まさか……?!

 

まだ遠間だったが、灰には察しが付いていた。

 

やがて篝火に辿り着き、二人は其処で立ち止まる。

 

篝火に座っている人物はゆっくりと視線を此方に向け、静かに口を開いた。

 

「よく来た。……まぁ座ると良い」

 

 口を開いた人物は老人だった。

 

しかし、枯れ果て朽ちゆく老人とは正反対に生命に満ち、涼やかながらも鋭い眼光は対峙する者に得体の知れない圧を感じさせた。

 

そして彼の肩には一羽の『黒い鳥』が停まっている。

 

彼に言われるがまま、二人は篝火に腰を落ち着けた。

 

丁度、篝火を通してその老人と対面する形となる。

 

「短いが先ずは祝辞を述べさせてほしい。学士のお嬢さん。よく高位の謎を解き明かし盤外の世界へと辿り着いた、真におめでとう。我々も遠巻きながらに観戦させてもらい、非常に楽しませて貰った。神々を代表して礼を言わせて頂きたい」

 

 腰を下ろしたままだが、その老人は姿勢を正し、孤電の術士に礼を述べ頭を下げた。

 

「……ど、どう…も……。恐縮…で、す……」

 

 自らを神と名乗る老人に委縮し、ぎこちなく返した。

 

「……それから……」

 

 老人はもう一人の男、火の無い灰に向く。

 

「久しいな。我が(生命体)……『火の無き灰』……いや『灰の剣士』よ」

 

 孤電の術士と対峙した時とは打って変わって、鋭い眼光で彼を見据える。

 

灰は無言のまま無表情で老人の視線を受け止めていたが、やがて彼も徐に口を開く。

 

「まさか貴方と再会する事になろうとはな、初代薪の王……」

 

 

 

 

 

      ――大王グウィン――

 

 

 

 

 

篝火の中心には『螺旋の剣』が激しく燃え盛っている。

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

王子ロスリック

 

 ロスリック王家は薪の王たるを生み出す為、おぞましい『血の営み』を繰り返していた。

 その血統の末に誕生した双子の王子。

 その片割れ、弟王子が彼『ロスリック』である。

 

 国そのものの名を冠し、薪の王たる資格者として、世界を繋ぎ延命する救世主として臣民から熱い期待と希望の眼差しを向けられたが、彼は生まれながらに病魔に蝕まれ萎びた赤子であった。

 

 長じた彼等は薪の王としての運命を拒絶し、大書庫の最奥へと立てこもり世界の終焉を待ち、静かに朽ちゆく道を選んだ。

 後に火の無い灰である現『灰の剣士』に敗北し、ロスリックの亡骸は薪として『火の祭儀場』の玉座に捧げられ、彼は玉座へと連れ戻された。

 

 時が過ぎその世界は終わりを迎え、新たな時代が幕を上げる。

 全ての存在意義を失った彼は生者として生まれ変わり、この穏やかな『魔術師達の世界』で屋敷の主として平穏な日々を過ごす事となる。

 しかし、彼の心は満たされる事は無かった。

 常に傍らに居続け、共に在った双子の兄は其処には無く、言い様の無い空虚感が彼の心を支配する。

 

 唯一無二の肉親《半身》と引き換えに手に入れたのは、優しく穏やかな虚しい平和だった。

 

「兄上は私の、王子ロスリックの剣。だから、どうぞ立ってください、……それが、私たちの呪いです」

 

 

 

 

 

 




 盤外の世界、初めての試みです。
上手く表現出来てれば良いのですが。
原作でも外の世界についてはほぼ言及されてなかったと思うので、殆ど自分の想像と独自の設定に基づいて書いています。
まぁ、ツッコミどころ満載なのは承知の上でですが……。

盤外の世界、勿論他にも多数存在すると思います。
中にはダークサイドな世界も在るのではないでしょうか。

こんな矛盾だらけの稚作ですが、読んで下さり本当に有難う御座います。

デハマタ( ゚∀゚)ゝ

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