スマイルプリキュア!~魔弾剣士と5人の戦士~   作:tubaki7

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Episode3

 

「これがキュアデコルクル」

 

 

落ちてきた小さなアクセサリーをキャッチしてこれがその代物だと二人に見せる。みると本当に“こっちの世界”で一般的に知れているデコルのそれとそっくりだ。

 

 

[キュアデコルはマダンキーと同じくロイヤルクイーンの復活に必要なものだ。そしてデコルのみが今敵の手に渡っている]

 

「ちょい待ち。なんでデコルだけなんだ?」

 

 

変身が解けたつばきが小型の端末となって腰についているゲキリュウケンに問う。

 

 

[マダンキーはデコルとは対を成している。例えば、デコルが扉を閉める錠前ならキーはその名の通り鍵というわけだ。奴らにとってデコルは素材としてはうってつけだったようだが、マダンキーはその力が非常に不安定だ。魔弾騎士やロイヤルクイーン以外が使えば暴発してしまう程に危険なものなんだ]

 

「なるほど、さっぱりだ」

 

[・・・・ようは危険だから手を出さなかった、ということだ]

 

 

呆れぎみに呟くゲキリュウケンだがどうやらつばきだけでなくキャンディとみゆきもわかっていなかったらしく同じ反応を示している。本来であればこういう役目はプリキュアを探してくるよう使命をおったキャンディの役割のはずなのだがと頭を悩ませる。

 

 

[プリキュアの適格者はほかにもいるはずだ。探し出して、奴らを倒さなければこの世界にも魔の手が伸びる]

 

 

なんだが本当に漫画の世界だなと呟くつばきだったが、そこでようやく自分とみゆきの距離が異様に近いことに気が付いてサッと距離を置く。その動作を不思議に思ったみゆきは首を傾げた。咳払いを一つ。

 

 

「つまり、だ。おまえ達は国を滅ぼされたが、それに敵を足止めすることに成功してはいる。だが敵も親玉の復活をもくろんでいて、それよりも早くプリキュアを全員揃え、デコルを回収してその女王様とやらを復活させなくちゃいけない。そういうことだな」

 

「そうクル!ちみ達は伝説の戦士プリキュアと魔弾騎士に選ばれたんだクル!」

 

 

キャンディが嬉しそうにはしゃぐ。みゆきがそれを聞いてまるでファンタジーの世界だとはしゃぐ。が、それとは正反対につばきはため息をついた。それに何故と問われたのでなにもわかってないなと言ってから口を開く。

 

 

「いいか?それを受け入れるってことはさっきみたいな奴らとまた戦わなけりゃいけないってことだ。それは避けて通れないだろうし、少なからず負ければそれは直結して死ぬってことにもなるかもしれない。しかもこっちは命かけてるのにこいつらにメリットばかりで俺達にはデメリット、しかも超ド級のしかない。この条件ではいけじゃあ一緒に頑張りましょうってのは笑えねー冗談だな」

 

「でもキャンディたち困ってるんだよ?それを見過ごすことなんてできないよ」

 

「お人よしは結構だ。だが困ってるからと言って自分が賭けるモンがデカすぎる。一生丸々棒に振って負ければ死ぬんだぞ?さっきのアレでもう俺ら目をつけられたようなもんだぜ」

 

「だからて――――」

 

「なぁ転校生。自分の命と他人の命、天秤にかけて重い方はどっちだろうな?」

 

「そんなの・・・・・」

 

 

言葉が出てこない。どう言ったらいいのかわからずみゆきは口どもってしまう。

 

 

「遊びじゃないんだ。これは紛れもない現実、絵本のお話みたいにキラキラハッピーエンドなんかじゃない。バッドエンドと隣り合わせ、一歩間違えれば取り返しのつかないことにだってなる。それでもやる覚悟ってもんがおまえにあんのか?」

 

「・・・・鳴神君にはあるの?」

 

「ある」

 

 

つばきの即答にみゆきは問う。「どうして」と。つばきは答える。「失くすものがないから」と。

 

 

「俺って結構周りと比べてちょっと人生ハードモードになってるらしくってさ。もう小学校のころからずっと何か失くしてばっかなんだよ。だから今更なにか失くしたって悲しくもなんともないんだ」

 

 

ケラケラと笑いながら言うつばき、その顔はどこか悲しげで、辛そうで。でもなぜか枯れたようになにも出てこない。それをみたみゆきの印象はこうだ。

 

 

 “綺麗な作り笑い”

 

 

それを見て、みゆきは自然と拳を握っていた。

 

 

「・・・・決めた。私、やっぱりやるよ」

 

「・・・・人の話聞いてたか?」

 

「バッチリ。でも、やっぱりほっとけない。私は、バッドエンドな結末なんて認めない。もしそんな決まったラストなら、ページを破いてでもハッピーエンドに書き換えてみせる。それがどんな無茶苦茶なことでも、辛くても、みんなでウルトラハッピーになれるなら、私は頑張れる。戦える。それになんだかつばき君一人に任せてたら心配だし」

 

「おまえは俺の母ちゃんか何かか。つかしれっと名前で呼んでるし」

 

「嫌だった?」

 

「・・・・好きに呼べば」

 

 

そっぽを向いて鞄を担いで歩き出す。

 

 

「来いよ。ここら辺わかんないだろ?道案内してやる」

 

「うん!」

 

 

 

先ほどとは違い笑顔でつばきの隣にならぶみゆき。素直じゃないなと横目で顔をのぞき見つつ、そんな彼の不器用なところがおかしくてクスリと、小さく笑った。

 

 

「つばき君」

 

「ん?」

 

「・・・・これからよろしくね」

 

「・・・・おう。“みゆき”」

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