それなりに重力操れますから
彼、志々雄勇誠は初春飾利の丁寧なナビゲーションのもと無事に表通りに出ることが出来た。
その後彼はナビゲーションの借りを返すべく知り合いの風紀委員と一緒に見回りをすることに
なったのだが・・・
「聞いていますの志々雄さん!私がお嬢様にまとわりつく猿の掃除をしていることはあなたも
知っているのですからあなたもそれなりの努力をですね・・・」
知り合いの風紀委員・・・白井黒子はそれはそれは優秀な人間だ。
中学生でレベル4になれる人間はそうはいない。
しかも彼女は特に演算が難しいとされている空間転移・・・テレポーターなのだ。
その演算は大学院のレベルなのでそれだけでも彼女の凄さがうかがい知れる。
しかしどんな人間にだって欠点はある。
例えば知り合いの不幸少年は、女性にフラグを物凄いスピードで建築するのに対し女性からの
アプローチからには全然気づかない・・・所謂鈍感と言うやつだ。
他にも顔はいいのに自己中心的な性格で彼女が全くできないメルヘン君とか
ゴーグルをはずせばそれなりに顔は整っているのにいっつも余計なひと言で死にかける
死亡フラグを乱立している土星君とか
プロポーションはいいのに性格のせいで同じ中学のレベル5に嫌われているお嬢様だとか
欠点は人それぞれだ。
彼女、白井黒子の場合はお嬢様・・・御坂美琴に好意を寄せていると言うことだ。
好意を寄せているだけならまだいい、だがアプローチの仕方がオブラートに包み込めないほどに
変態的なのだ。
お嬢様~とか言いながら後ろから抱き着く・・・これだけであればまだかわいい後輩として
見れるのだろうが白井黒子(今後は白井と呼ばせていただく)はそこに胸に手を伸ばすと言う
無駄なアクションをおまけしてくるのだ。
その後はいつも電撃と言う制裁を食らって真っ黒子になっている。
「はぁ~・・・お嬢様はいつになったら私の愛を受け入れてくれるのでしょうか・・・?」
「白井、俺からの視点での意見だがそれは一生ないと思うぞ」
「そんなことはありませんの!昨日だって私はお姉様と甘いひと時を・・・グヘヘ」
「白井、顔がやばいぞどこぞの山賊みたいだ」
「おっと、私としたことが・・・申し訳ありませんの志々雄先輩」
そんなこんなで巡回の合間の愚痴を聞き終えた俺は自分が住んでいる寮へと足を運ぶ。
俺の住んでいる寮は外見からしても内装からしてもとても寮とは呼べない。
ホテルと言った方がしっくりくるようなものだ。
実際同じクラスのバカどもを家にあげたところ格差社会の実態を見たとか言われてしまったことを
覚えている。
俺はいつも大通りを通って家に帰っている、その方が迷わないからだ。
だが今日はそんな気分で話無かったので裏通りへと足を向けた。
俺が過去に戻れる能力を持っていたとしたら全力で止めたはずだ。
全財産をかけたっていい、それほど俺はこの時の決断を後悔しているのだ。
まぁ、そうしたとしても俺の運命の歯車は絶対に俺を争いの蚊帳の外へ出すことを
許さないのだろうがな・・・
「ここは・・・さっきも通ったか・・・」
只今絶賛迷子中だ。
ケータイがあるのでそれを使えば一発なのだがここが圏外だったら使えない。
実際今日の昼は世にも珍しい圏外の場所だったのだ。
まぁ、俺の迷子のおかげで圏外が潰せているのでそれとなく達成感も感じていたりする。
今日は圏外ではなかったらしく俺の現在位置が表示された。
その地図通りに歩いていくと異様な集団が目に映った。
「オイオイオイオイ・・・なんだよこりゃあ・・・」
俺の目に映っていたのは
「どうしたのですか?とミサカはあなたに確認を取ります」
大量にいる俺の知り合いのレベル5だった。