「モルモットねぇ…」
俺ー志々雄勇誠ーは彼女(ここでは御坂妹と呼称する)は自分の事をモルモットと言い表した。
まぁ実際俺も昔とある木原にモルモットとして扱われたことはあるがアレは少し以上だと思う。
多分アイツらはモルモットがどんな扱いを受けてどういう風に死んでいくのか理解している。
理解していてなお自分の事をモルモットと呼んでいる。
「彼女が知ったら面倒なことになるだろうなぁ…」
俺は知り合いのレベル5…と言うか体細胞クローンの親でもある御坂美琴を思い浮かべる。
彼女だけは暗部にかかわらせてはいけない。
あの子は日の当たる場所で幸せに過ごすべきだ。
まぁこの思いは後で粉々に粉砕されるわけだがそれは一端置いておこう。
俺は携帯電話を取り出し慣れた手つきでとある番号を呼び出した。
「もしもし、起きてなくても起きろよ眞白」
『なんだよこんな時間に…俺もうすぐ寝るとこだったぞ』
コイツの名前は眞白博隆…俺と同じ木原にモルモットにされて今も生き延びている仲間だ。
因みにコイツは暗部組織である『スクール』の構成員で能力は『磁力変動(マグネティックリバー
サル)』電気系統の能力者でレベルは4だ。
実験のせいで視力、聴力ともに完全に使い物にならなくなっているのでカエル顔の医者から
もらった土星のようなゴーグルをつけて日常生活を過ごしている。
「近くに垣根もいるか?」
『オイオイ、どうした?垣根さんまで呼ぶなんて…まさかなんかヤバい案件じゃないだろうな?』
「それを今から確かめんだよ…んでいるの?いないの?」
『今から変わるからちょっと待っとけ…垣根さ~ん志々雄が呼んでますよぉ~』
俺はまだ夏の暑さの残る道路のアスファルトに腰掛けながら『スクール』のリーダー垣根帝督が
出るのを待った。
因みに垣根帝督とは暗部組織『スクール』のリーダーであると同時に学園都市第2位のレベル5でもある、能力名は『未元物質(ダークマター)』
結構親しいので後ろが暗い案件だったら真っ先にコイツの情報網を利用している。
『おう変わったぞ志々雄…んで用件は何だ?』
「話が早いねぇっと、用件は絶対能力進化(レベル6シフト)計画についてだ」
『それか…結構暗部じゃ有名な話だぞ、お前知らないのか?』
「あぁ、知らねぇからテメェを頼って電話をかけてんだろうが、それくらい気付けバァーカ」
『うるせぇよ!情報教えてやんねぇぞ?』
「あぁ、悪かった」
『誠意が感じられん』
「すいませんでした垣根様」
俺は誠意を見せるべく頭を下げた。
勿論監視カメラがないのを確認してから通常とは反対の方向に頭を下げたのだが
『まぁいいか…んじゃよく聞けよ?絶対能力進化(レベル6シフト)計画ってのはな…』
そして俺は垣根から絶対能力進化(レベル6シフト)計画について教えてもらった。
実験内容は、
「20000通りの戦闘環境で量産能力者(レディオノイズ)を20000回殺害する」
被験者は一方通行(アクセラレータ)
運動量・熱量・光量・電気量など、体表面に触れたあらゆる力の向き(ベクトル)を任意に操作
(変換)する能力…まぁ何ともチートな能力だこと
「何か…倫理観の欠片もねぇ実験なんだな」
『俺の予想だがこの実験が安全に終わったとして一方通行がレベル6になったとしてもあいつ
自身が自分のしてきた殺しに耐えられるとは到底思えねぇ』
「てぇ事はアイツは必ずいつか壊れて使い物にならなくなると?」
『まぁあくまで俺の個人的な意見ではあるがな』
だがしかしそこには重大な穴がある。
「アレイスターの野郎がみすみす大事な『プラン』のための人材を壊すと思うか?」
『そこなんだよなぁ…まぁそこはおまえが探ってみてくれ』
「オイオイ、俺はそんなにアレイスターの野郎と親しいと思うか?」
『思わないね』
「ならなんでお前はそんなこと言ってやがるんだ?」
『一応お前は『明け空の弥生計画』の生き残りだからな』
明け空の弥生計画…俺と眞白が受けた実験だ。
詳しい内容は…後で話すとしよう。
「ん、まぁ言ってくるわ」
『いってらっしゃい…一応俺たちも援護に向かうわ』
「多分必要ねぇと思うぞ、さっきヒーローが目の前通ってった」
『オーケー…んじゃ予定変更してベッドの空きを用意しとくわ』
「じゃな」 『おう、生き残れよ悪友』
俺は深い呼吸をして自身の気持ちを落ち着かせる。
俺は大丈夫だ…時間を稼ぐだけでいい…
「うっし…行くかぁ」
俺は能力を発動させてその場を急いで去った。
実験の戦場は全て垣根から聞いている。
俺は黒い煙のような物体を振りまきながら戦場へと向かう。
目的はただ一つ…妹達(シスターズ)を…御坂美琴を助けるヒーローが来るための時間稼ぎだ。
黒い粒子は志々雄君の能力が発動した時に化学反応によってでるものだと理解してください。
因みにそろそろ他作品とのクロスが出来そうです