ストン…凄まじい速度で来た割には軽い音での着地が実験場に響き渡る。
「オイオイオイオイ‥‥こりゃあひでぇ…」
俺の目の前には一方通行と御坂妹の戦闘が始まっていた。
否戦闘ではなくこれは完全に一方的な虐殺が始まっていた。
周りの酸素が薄く酸素が取りづらい…
多分御坂妹は一方通行の周りの酸素を分解しオゾンを作って窒息でもさせる気でいたんだろう。
だが相手が悪かった…としか言いようのない。
相手はすべてのベクトルを自由自在に操ることが可能だ。
小細工ごときで殺られるなんてたまじゃない。
御坂妹に接近していることを見ると運動量のベクトルでも操って接近したんだろう。
接近すれば後はアイツの独壇場…と言う訳だ。
「なんてムリゲーだよ…まぁやるしかないんだけどさ」
俺は覚悟を決めて御坂妹と一方通行の間に重力子(グラビトン)を集めて作った重力弾を撃ち込む。
「ン?何だァ、実験の邪魔ァする奴はよォ」
そう言ってこっちを向く一方通行…
これで完全にこっちへと意識が向いた。
「いや…ただのそいつの知り合いだよ、最強」
「この俺を第1位であると知っての挑戦かよ…これだから実力の差が分かんねェ奴は嫌いなんだよ」
一方通行が俺を敵として認識したようだ。
目がコイツの方が先決だとばかりにぎらついていやがる。
(俺が最初にけしかけたんだけど…やっぱ怖いわ)
俺は自分の周りの生活が平穏なのであれば何もしない。
例え近くのスーパーで殺人事件が起こっていようが関係ない。
自分の周りが平穏で穏やかであればそれで問題ないのだ。
非情だとののしってくれたって構わない。
俺はそう言う人間なのだから…
でも、それでも周りの平穏が崩されれば俺だって動く。
今回はそれが御坂妹の死の危険だった…たったそれだけの話だ。
「やめてくださいとミサカは懇願します、私のようなお姉さま(オリジナル)の乱造品ではなく
貴方はオリジナルなのですよ?そんなあなたが何故私の為に?とミサカは問いかけます」
「自分をそんなに卑下するもんじゃない、いくら見分けがつかないからって君は御坂美琴と同じ
たった一人のオリジナルだよ?そいつを助けるなんて当たり前なこと俺がしないと思うかい?」
御坂妹は何か言おうと口を開いたが一方通行が会話に割って入ってくる。
「オイオイ、この俺を無視とはいい身分だなァ」
「無視はしてないつもりなんだけどな…やっぱ寂しかった?」
「ハッ、あの乱造品がオリジナルねェ…笑えねェ冗談だなァ」
「こっちの挑発は無視かよ…まぁいいか、コイツはオリジナルだろ?」
「どこがオリジナルだよ?こいつらは第3位の体細胞クr「もしかしてそう思わないと自分のに精神
が崩壊するとか?」ッ!」
何か焦ったような感じの一方通行
俺は少しばかり今のコイツに畳み込んでみることにした。
「お前ホントは他人を傷つけたくないんだろ?だからコイツをクローンと呼ぶことで何とか今の
精神状況を保っている」
「うるせェ」
「それを指摘する人間が現れたら速攻で消す…そうしないと自分が壊れるからな」
「うるせェっていッてんだろォがァァァァァァァ!」
一方通行は能力を発動させて俺に一気に肉薄する。
「テメェは俺の覗いちゃいけねぇ部分を覗いちまッた…楽に死ねるなんて思うンじゃねェぞ?」
「まさか、俺は死ぬつもりはないよ…俺にできるのは時間稼ぎだけだ」
そう言って俺たちは戦闘を始めた。
アイツはまさに怒り狂った獣のように能力を行使してハチャメチャに暴れだす。
俺はそれに冷静に対応して攻撃を加える。
アイツは俺がどんな方法で攻撃を加えているかはわからないようだ。
これで時間稼ぎの任は果たせそうな気がした。
「カハッ!」
何だ、何ですか、何なンですかぁ!?
コイツ俺を殴りやがった。
反射膜は働いていたはずだ。
何か別なものをクッションにして俺を殴りやがった。
チィ…癪だがもう一回喰らわねェとわかんねェな
「ゴハッ!」
イテェ‥‥だがからくりは分かった。
「成程なァ…ほざくだけあるじゃァねェかよ」
「その様子だと分かっちまった?」
「当たり前だ、テメェ何らかの現象を利用して次元に干渉しそれを媒介して俺を殴りやがったな?」
正解と言うとアイツの周りから黒い粒子が出始めた。
(これが奥の手かよ…はっきり言って気持ち悪ィな)
黒い粒子は煙るとなりアイツの背中を包み込み始めた。
その煙を破って出てきたのは三つ指が付いて入る手だった。
それも何本も出てきている。
「ッたく…何なんですかァ?俺を目の前にして手を抜くとかそんなに死にたいンですかァ?」
「手を抜いてたわけじゃねぇよ…それじゃあ改めて…おい…白モヤシ…覚悟はできてんだろうな…?」
「何の覚悟ですかァ?お前を殺す覚悟かなンかかァ?」
コイツの能力…今度こそ見極めて…封殺する。
「行くぜぇ!第1位‼」
「ハッ!愉快で素敵なオブジェに変えてやんよォ!」
アイツの背中の腕が俺の反射膜の上に殺到する。
コイツは多分俺の反射膜を越える何かを少なくともあと一つは持っていやがる。
それを一つ一つ解析しないといけねェのはちっとばかし癪だが付き合わなけりゃ負ける。
(さァこいよ…テメェの能力見定めてやんよォ!)
俺はあえて身をさらしデータを集める。
(カハッ…コイツの腕には反射膜は効いてねェってわけじゃないらしいなァ…何か別なもので力を
媒介して伝えていやがる)
そこで俺は一つの単語に疑問を覚えた。
(力の媒介?何でそんなめんどくせェことをしなけりゃなんねェんだ?力技で突破すりゃいい話
じゃねェか…もしかして)
俺は通す力ではなく腕を構成しているものを解析した。
「成程なァ」
腕が反射し始めている。
その事実にアイツは少し動揺しているようだ。
「テメェの能力…分かったぜ」
俺はアイツに一気に肉薄する。
「テメェの能力は素粒子を操るもの」
今までの恨みを込めてすべての力を注ぎ込む
「黒い煙を見て気付くべきだったぜ…なァ」
何かのプロテクションに阻まれてベクトルの力が減衰するが関係ない。
「第8位…忘れられた空位(ロストナンバー)さんよォ!」
奴の体に拳が到達し当たる。
普通の拳であれば何も効果をなさなかったであろうそよ風のような拳…
だが一方通行にかかればそんな拳でさえ
「なっ!」
大砲に早変わりだ。
ズドォン‥‥という音を立ててアイツの体がコンテナの群れに当たる。
普通の人間…いや痛みの耐性がある人間でも少しは気絶するはずだ。
「これからショウの始まりだぜェ?寝てねぇよなァ?」
気絶していると分かっているのに聞いている。
これが絶対強者の余裕と言うやつだろうか?
しかしその余裕は一瞬で消え去る。
「寝ちゃいねぇよ…ったくこの体質にすくわれる日がまた来るなんてな…運命もバカにしたもん
じゃないね」
血だらけの中立っている志々雄勇誠
ソレを見た一方通行は焦りと戸惑いを隠しきることは出来なかった。
「何だなんだよ何ですかァ?何で気絶してねェんだよ!」
「明け方の弥生計画って知ってっか?」
「暗闇の皐月計画なら知ってる…それとお前が何の関係があるんですかァ!?」
焦ったように聞き返す一方通行
俺はそいつとは対照的な冷静な声色で話し始めた。
「明け方の弥生計画ってのは暗闇の皐月計画の発展型だな、アレはおまえ個人の演算パターンを
ブチ込んだだけだったがこの実験じゃお前と他のレベル5の演算パターンをぶち込んで多重能力者
(デュアルスキル)を発現させる実験だった。まぁ失敗したんだけどな、生き残ったやつは俺を
含めてたった2人だけだよ…しかも生き残ったやつも五体満足では帰れなかった。
俺は痛覚を…もう一人は視覚と聴覚を失ったよ」
もう一人…眞白博隆はソレのおかげで恋人が出来たんだけどな?
一回見たけど何あの美人?テラ羨ましス。
でもアイツの恋人、友達のパンツ見せようとすっから怖いよね。
「成程なァ…だから気絶してねぇってわけか」
「まぁな、でも俺はこれ以上相手はしねぇぞ?」
「ハッ、俺が怖くて逃げるってか?」
「な訳ねぇだろうが、ヒーローが来たんだよ…後はそいつにバトンタッチだ」
まぁ他にも御坂妹の治療もしなくてはいけないしな。
一応俺の能力は応用が利くので応急処置程度は出来る。
俺は後ろを向いてヒーローのもとに歩き出す。
「おいヒーロー…負けたら承知しねぇぞ」
「あぁテメェの分までアイツを殴ってやるよ…それと俺の名前はヒーローじゃなくて上条当麻な」
分かってるさ、と返して俺は御坂妹のもとへと歩き出す。
血が流れすぎたらしく意識がもうろうとしてきた。
アイツの応急処置が終わるまで意識保っておいてくれよ…!
だがそんな俺の思いは誰かが引き継いでくれていたようであれほど荒かった呼吸が安定していた。
「垣根サンキューな」
「分かってんだったらアレおごれよ、地獄ラザニアの天国盛り」
俺はいつの間にか来ていた垣根に礼を言う。
「そういやいつから来てたんだ?」
「オイオイオイオイ…こりゃあひでぇ」
「最初からかよ!」
「お前のマジな戦闘って久しぶりだからな…でもお前派手にやられたなぁ」
俺の体は右腕が完全につぶれている。
他にもコンテナの破片がところどころ突き刺さっており少し立ち止まっただけで小さな血だまりが
出来ていた。
「うるせぇテメェは一発勝負だろうが」
「まぁな…そろそろ寝とけ治療すっから」
「OKんで眞白は?どこにいやがる」
「アイツは救急車呼んでるよ…まだ時間はかかるがな」
「なーるー、事情は分かったわ…ありがとな」
「それじゃさ、お礼として女の子の紹介頼むわ」
「OKお前にピッタリなお花畑がいるぞ」
誰だよそれ!なんて声が遠くから聞こえる。
俺はもうそろそろ気を失うようだ。
出来ればもうちょっとアイツをからかいたかったなぁ。‥
なんて思いながら気を失う。
今の俺は失血死寸前、どうやって助かるのかは…カエル顔にでも聞いてくれ
そのうち他のやつも投稿していくつもり………つもりですまさないように気を付けたい