拳突き上げた先に   作:それを言うなら

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<エンブリオ>の設定についてはこれでいいのだろうかと四苦八苦しています。
段階制でスキル決めるの難しい……。

修正 <2つで1つ>消費なしだったのをSP消費アリに。
修正するの忘れてた……。


”2人”の反撃

■<幼児化>【魔拳士】クラウン・スプリングス

 

「待っていました。マスター」

そこに一人の女性が現れる。長身で俺よりも少し背が大きく、髪色がピンクで綺麗なロングヘアーをしている。ひらひらした服だ。今まで見たことがない姿。第1形態に見た時はポリゴンのように形のなかった姿だったはずの<エンブリオ>。俺が嫌悪し、表に出さなかったはずの姿が、色を帯び、変わっていた。

【ブギーマン】が拳で攻撃してくる。

女性――TYPE:メイデン・アポストルwithアームズ・テリトリー【矛盾創造 オメテオトル】は俺を担ぐ形で、避けてくれた。

「自分で動けますよね? マスター」

そう言い、俺を下ろすと、アームズ形態に、俺の左の巨大な手甲の中に宿った。第1形態とは違い、そこにはピンク色の光が灯っている。

「第3形態まで開放されてる」

<エンブリオ>の能力を確認する。第3形態まで一気に開放されたこともあるが、スキルも2つ増えている。これは……これならいけるかも知れない。

「元々、かなりの経験値は溜まってのですよ? さっきの変なシステムで普通のレベルアップと併用することで、一気に第3段階レベルアップすることが出来ましたが」

あのシステムは、【オメテオトル】の仕業だったのか。

「あ、"私"の時はシラトって呼んでください。マスター」

「シラト?」

"私"って――

「今変わりますね。私の出番はまだでしょうし」

そう言うと手甲の中の光が"黒"に染まった。

「早く敵を向けよ。マスター。敵が来てるぜ。俺が、"クーリト"がいるんだ負けることは許さねぇ」

声質が変わっている。男性の少し低音の声が、ズッシリ響いた。

「シラト、クーリト?」

「何だ分かんねぇのか。俺と姉ちゃんで二人いるんだよ。俺達は”2人で1つのエンブリオ”何でな」

マスター1人に対し、<エンブリオ>は1つ。その1つの<エンブリオ>に2人の人格があるってこと……なのか。

「察しが良いじゃないかマスター。そういうこったな。さて、じゃあちっとずつ反撃と行こうじゃねぇか」

「ああ、頼む。クーリト」

<エンブリオ>のスキルが『クーリトとシラト』その双方で使えるものが異なる様だ。切り替え時はどちらのスキルも使えない時間がある。

 

<2つで1つ(イン・ドゥブス・ウーヌス)> LV:1

『最大半径20メテルまで有効。範囲は自在に変えられる。

物理攻撃、魔法攻撃に有効。攻撃の攻撃力を魔法攻撃力と物理攻撃力を合計し、その後1/2にした数値にする。

使用時SPを継続的に消費する。

範囲内の味方敵の識別可能。このスキルは、クーリト状態にしか使えない』

 

「アイツが鞭で攻撃するからって、アイツ自身は霊体だろ? だったら、物理攻撃力は大したことねぇ。目に見えてるアイツは『全部アイツの一部』」

「今までどおりには、ダメージは食らわない」

そう、まだ『攻撃を受ける必要がある』。それはシラトのスキルに関係している。シラトのスキルは<生まれる世界>を"5段階目"まで溜める必要があるのだ。

「使い勝手が悪いな」

「けど、まだ俺は成長するぜ。今後にちゃんと期待しろよ」

「分かってる。悪くないスキルだ」

スキルによる特殊な攻撃には反応しないだろうが、ただの攻撃の打ち合いだけでも有効に使える。俺は【魔拳士】だ。使える場所は多い。

ブギーマンが、鞭を振るう。大きな方の左でそれをガードすると、やはり先程よりグッとダメージが抑えられている。

「?」

そのダメージの通りの悪さに、ブギーマンは顔をしかめている。だが、攻撃をやめる訳にはいかない。また、逃げられるのは厄介だから。

「(後は、"2つ")」

『どうやってこの状況を切り抜けるか』。『どうやってクーリトとシラトの切り替えまで時間を稼ぐか』。

"5段階目"が何処まで溜めればいいか余り、わからない。HPに余裕がある内に、溜まればいいが……。

「(よしっ)」

溜まった。HPにはまだ余裕がある。後は多少HPを食らいながらでも逃げながら作戦を考えられれば――

後ろからかなりの魔力を感じた。まさか、【ブギーマン】? 分裂も出来るというのか?

 

「ほえ?」

後ろから、虹色の発色がしたのと同時に、デコが俺の元へ、舞い降りた。

 

■【軽双銃士】デコレーション■

 

不思議な光景を見た。カレンさんの<エンブリオ>によるテレポートにより、来たのはホラー映画で見るような、気色の悪い部屋。それと、”何もない”方へ向かい合い、ガードの姿勢を取っているクラウンの姿。

しかし、それだけで十分だ。僕はハンドガンをクラウンの目の前の空間に向けて何発か撃つ。

「デコ! そこじゃない! もっと奥だ!」

「うんっ!」

どうやら、近距離で攻撃を受けているわけじゃないようだ。敵の攻撃は中距離辺りだろうか? 次は確かめるように3メテル程を目安に、距離を変えながら撃った。

「ヒット!」

クラウンのその声で、当たったと判断した。

「(なるほど、敵の攻撃範囲はそこら辺か)」

全く見えないのは既に想定済み。ここまでカレンさんが手こずっているのならその可能性があったし、外のマスター達と話している内にそういう意見もちらほら出ていた。

無くなった弾を補充しながら、次を考える。次とは”どうやって倒すか”。見えない敵に対して、僕自身が何処まで出来るかを考えていた。

「デコはやっぱり見えないか?」

ガード姿勢を崩し、前まで立ったクラウンは確認のためにそう聞いてきた。

「見えないよ。大体の間合いは分かったけど、当てずっぽうで当てられるのも限界があると思う」

「時間を稼いでくれないか? 『左手を使う』」

「分かった。じゃあ、何時も通りで」

装填が完了した。銃二つを構えながら、敵がいると思われる場所を向く。

「<マジック・ミサイル・パーティ>!!」

牽制としてクラウンが魔法を放つのを見る。ここで大事なのは『当たっている弾』よりも『当たっていない弾』。

3つ当たっていない弾があった。

当たった弾の所を撃ちながら、『頭の位置』と『敵の大きさ』を確認する。かなり大きいようだ。

「(モンスターなら<UBM>かな。そうじゃないとここまで苦戦っていうのも変だろうし、ってあれ?)」

クラウンの左手の手甲から黒い光が溢れている。今まで見たことがないものだ。

「クラウン? その光は?」

「エンブリオの形態が第3形態になった。モンスターは<伝説級><UBM>だ。多分俺しか狙ってこない」

「よろしく頼むぜデコぉ! 俺はクーリトだ」

「おおっ。良かったね! やっとこさ第3形態かぁ……。あ、よろしく、クーリト?」

聞いてた<エンブリオ>の名前が違う気がする。いや、今は気にしないでおこう。でも、やっぱり<UBM>か。しかも、ターゲットにされてるってなると。中途半端なのよりも、視界を封じるのも必要かな。

「HIHIHIHIHIHIHIHIHIHIHIHIHIHIHIHIHIHIーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」

部屋中から<UBM>の悲鳴が響き渡る。どうやら攻撃が当たっているようで、怯んでいるのだろうか? だとしたら耐久力が少ないのかな? そう言えばさっきの攻撃、クラウンの攻撃だけ弾かれてたけど、僕の攻撃はそのまま消えていた気がする。

「"キーワードは【悪い子】"だ。出来ればそっちも頼めるか」

「――ああ、なるほど。分かったエンブリオね。タイミングは頼んだよ」

自分たちが決めている合言葉を了承し、僕はコインの――僕のエンブリオの準備をする。

「準備はいい? 僕はいつでもいけるよ。クラウン」

「俺もいい。やってくれデコ」

 

――そうして、私は【軽双銃士】を始めた。




三行まとめ
1.2人はエンブリオ!
2.魔法と物理が合わさって最強に見える。
3.やっと出番があったよデコぉ!
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