拳突き上げた先に   作:それを言うなら

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既にある程度プレイ済みです。
修正 フレンドチャット→連絡用のマジックアイテム
原作を見るとフレンドチャット事態あるか危うかったので修正しました


【魔拳士】クラウン・スプリングス

■【魔拳士】クラウン・スプリングス■

 

「やっと終わった」

レジェンダリアのマグ・メルという街にある喫茶店【Fairy】。皆が集まる憩いの場であり、ケーキが美味しい上級職のシェフが居る反響のあるお店。

そこでクラウンはカフェラテとケーキを何点か頼みつつ、顔をテーブルに預けていた。

「後は上級職のジョブ探しだよね。……本当にその上級職があるかどうかだけど」

日のあたりも良いガーデンテラス。植物が自然に溶け込む空間で、俺とデコのパーティ会議を行っていた。

170㎝の身長があるスラッとした赤と緑を基調とした装備をしている黒髪の少年が、下級職の【魔拳士(デュアル・ボクサー)】をメインに置くアタッカー担当が俺、クラウン・スプリングス。

165㎝程の身長で、淡いオレンジのチェックで染めた上着とショートパンツを装備しているショートカットの少女が、上級職の【軽双銃士(デュアル・トリック・ガンナー)】をメインに置く支援、誘導担当のデコレーション。通称デコ。

勿論どちらもプレイヤー名で実際の名前ではない。

「始めてから1年経ったね……。【魔拳士】だって取得条件が難しいジョブだったけど、これからそれより難しいと思われるジョブを探す羽目になるなんてね」

「難しかったな。ジョブリセットも2度した。半ばロストジョブ化してる下級職なんて当時は驚きはしたが、探し当てて、今日やっと下級職の上限50レベルに出来た」

今相談しているのは、俺のジョブの問題。

この<Infinite Dendrogram>では下級職を6つまで取得できる。それぞれ50レベルまで育てることが出来る。メインの1つか2つ下級職を育てたら上級職に付くのが定説と言われているのだが。

【魔拳士】はMPとSTRの双方を一定源必要とする取得条件の特殊なジョブで、【魔術師】を絡めなければ取得することが出来ない見つけにくいジョブだった。構成も色々迷った末に、始めてから1年で何とか構成を固めることが出来た。

構成のために天地という別の国で【忍者】のジョブを得たり、その際にマリーと言う人に出会い、共闘する様な事件があったが、それはまた別の話。

「その間に僕なんて、上級職になっちゃったじゃないか。理由があるとは言え、パーティの人が遅れてるなんて由々しき問題だよ」

そうして悶々とやっている内に、俺よりデコの方がレベルが上ってしまった。

しかも、【双銃士】の上級職である【軽双銃士】にまでなっている。

「上級職が付けばもっと強くなるはず。そこからもっと、火力を出して――」

「でも、上級職に目処がないよね……実質ここでストップ状態だよね今」

「<適職診断カタログ>見てみよう。ヒントあるかもしれない」

自分に合い、就けるジョブを探してくれる<適職診断カタログ>は神アイテムだとプレイヤーの皆が言っている神の一品。

「……あった。これだ」

調べて<適職診断カタログ>から出てきたのは2つ。【魔人拳(ジン・ボクサー)】【剛魔拳士(ストロング・デュアル・ボクサー)】。どちらも聞いたことがないジョブだ。

「情報が欲しい。何だろうコレ。聞いたことがないよ」

デコも流石にいきなりお薦めはできないと、情報を求めている。

「見るに、単純に上位互換の職が【剛魔拳士】みたいだが」

だが、1つ目の【魔人拳】が気になる。とても格好いい。

「またジョブリセットをするのは、僕もキツイよ。一回情報探そう。【記者】のカレンさんに聞こう」

そう言って、連絡用のマジックアイテムをデコは使った。

【記者】カレンさん――カレン・レディーはこの<Infinite Dendrogram>のデータをwikiなどに纏めようとしている<DIN>というクランの一人だ。膨大なデータが有る<Infinite Dendrogram>でデータを公開することにより、皆が遊びやすく、そして迷わないデータ運用ができるように色々なデータを調べ回っている。<DIN>はどうやらこの世界内に多数いるようで、そのクランメンバーともデータを共有している。

つまり、こういった相談事ではカレンさん以上の適任はいないというわけだ。

「連絡付いたよ。来てくれるって。カレンさんの方も何か用事があるみたいだし。ただ、ここのケーキぐらいは奢らないと駄目かな」

「それぐらいなら安い。こっちがわからないことを教えてくれる人って珍しいから」

プレイヤーはデータを知られれば知られる程オンリーワンさを失う。対策されてしまうのだ。上級プレイヤー、特に超級職と呼ばれる者の中にはそれを軽々と突破するような者もいるが、逆に対策してしまうとあっさり倒せてしまうような者もいる。

例としては天地にいた【伏姫(ダウン・プリンセス)】という出合い頭の一撃に全てを掛けるジョブを持つプレイヤーは、その一撃さえ凌げてしまえば、どうにかなってしまう。勿論、一撃目を凌ぐのが難しいのだが。

「プレイヤー間でちゃんとしたデータのやり取りが出来る人は貴重だもんね。もっと皆公開してくれないかなぁ。自分のデータ」

「デコの就いている【軽双銃士】は、人口がいるし、データも他の人が公開してるけどな」

だが、俺のデータを流石に公開するのは憚れる。かなり苦労したのもあるが、それ以上にこのジョブに至るまで、周りの人に馬鹿にされたことがあった。だから、データを公開したくない。

「また意地はってる。大丈夫だよ。そのジョブ構成見て、なりたいっていう人はそういないよ」

「現在進行系で成った奴が目の前にいる」

【魔拳士】が気に入ってるんだ。放って置いて欲しい。

「<プリティ・ショートケーキ><ミディア・タルト>それと<フェアリーの紅茶>二つです。どうぞ」

店員さんが持ってきたケーキを持ってきた。<プリティ・ショートケーキ>はレジェンダリア特有の<プリティ・ベリー>という果実を盛ったショートケーキだ。シンプルで<プリティ・ベリー>特有のジワッと来る刺激をクリームが包み込む、調和の取れた一品。

「レジェンダリアで良かったって、こういう時思うよね」

「同感だ」

今までの不服さや、苦労などを忘れ、今は目の前のケーキに集中しよう。

<ミディア・タルト>は果汁の強い<ミディア>という果実から作られたモノだ。ミディア自身がモンスターにも好まれるような存在感のある果実であり、それをタルトにし、味を抑えずに、更に果実をミックスし、食べやすくした甘く、濃いジューシーなタルト。

レジェンダリア特有の魔力の溢れた空間ならではの果実から作られ、輸送もされずに直接届いた新鮮な素材で出来た料理達。

「これでバフも乗るのだから、素晴らしい」

「カレンさんまだ来ないね」

そう言っているデコは食べ始めている。

流れに乗り遅れるなと、最初の一口を口に入れ、感動を体に染み渡らせる。だが、直ぐに次が欲しくなる。

「食べながら、待とう」

「そだね。あ、店員さんすいませーん!」

デコは既に、2つ目のケーキを頼み始めていた。

 




三行まとめ
1.メイン下級職レベル上げ終わり
2.上級職わけわかめ
3.ケーキ美味しい
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