指揮官と仕事とHK416 作:が、画面の向こうの人形が僕を見てる!
Vectorの性格が違うかなと思ったけどこのまま投稿します()。
今日は珍しく我が司令部は休みである。
何故ならここ最近気候が安定せず、鉄血でさえ自然の驚異には敵わなかったのか先日この戦線から撤退していった。まだ近くに基地があるため油断はできないが。
それに天候のためか書類も荷物も何も届いていない、業務を次の日に持ち越したりもしていないので仕事がない。
そんなわけで今日は逃走に使う経路を確保し、序でに何人かの人形を逃走する為の仲間に引き込もうと思う。
*
今日の副官はVectorである。
このVectorという人形は一見攻撃的で厚顔無恥、一切他人に興味が無いように思えるが、本当は自己評価が低く、仲間思いで優しい人形である、彼女にしたい。
そしてこのVectorはとても可愛いのである。すべすべしていて玉のように白い肌、肩の上まで伸びたその銀灰色の髪はよく手入れされているのかさらりとして天使の輪とも呼べるものが表面に窺える。また、その曇りのない眼はまるで早期にサトウカエデから採ったシロップのように綺麗なコガネ色をしている。身に纏う衣は、少しタイト目なワンピースのような服でスカート部は股下から十数糎程しかなく、彼女の穿いているニーハイソックスとの間の絶対領域には弾装を仕舞うためのベルトが巻いてあり、強すぎない程度の絶妙なエロスを感じさせる。彼女にしたい。
彼女にしたい(迫真)。
「おはよう、今日の副官は私よ、失望した?」
「好きです(迫真)」
「えっ」
おっといけない、心の声が漏れてしまった。
「いやなんでもない。おはようVector」
「え、ええ。それで今日の仕事はなに?」
「いや、今日は何もない。だから色々探索してみようかと思ってな」
「あら珍しいわね。いつも過労死するんじゃないかって位働いてたのに」
「まあ、たまにはこんな日があっても良いだろう」
さて、まずは何処に行こうか。
「Vectorッ!君の意見を聞こうッ!」
「な、何よ、私の意見?聞いてどうするの?」
参考にすると思うんですけど(名推理)。
「今日何処へ向かうかの指標にしようかと思ってな」
「そうね……訓練棟なんてどうかしら。たまには私達の練度がどれくらいか把握したらどう?」
「ふむ、たまには良いかもしれんな。よし、訓練棟へ行こうか」
確か訓練棟の近くにはグラウンドや射撃場があった筈だ、次に逃走するときはそこを通ろうか。正面玄関から逆であるし案外気付かれないのでは、そう考えるが訓練棟の向かいには資源保管庫があることを思い出した。これは見付かるのではないかと一瞬思考するが、向かいだし分かるわけがないと一蹴する。
*
この基地の訓練棟は司令部から向かって西側に位置しており、周辺には前述した通り射撃場にグラウンド、資源保管庫があり、これ等を総称して《演習場》と呼ばれている。
だが今回向かうのはその中の訓練棟のみだ、何故なら司令部から通路を使い行くことが出来るのは訓練棟だけだからだ。こんな荒れた天気のなかわざわざ射撃場やグラウンドに向かいたくはない。
訓練棟に着くまでは特になにもなかったので割愛する。
目的地に着くとそこには出撃がないからか様々な人形がそれぞれ切磋琢磨していた。ある者は近接格闘技、ある者は装備の慣らし、実に多種多様である。
「この時間帯に此処に来たのは暫くぶりな気がするな」
「それもそうでしょうね、少なくとも半年は仕事で缶詰になっていたんですもの」
「そんなに長かっただろうか」
「長かったわよ」
Vectorと雑談しながら逃走に使えそうな物を探す。が、中々見付からない。それもそうだ、此処は人形達が訓練するための場所である、決して人間が逃走するための施設ではない。
だが指揮官はそんなこと関係ないとばかりに計画がバレないように程々に周囲を見渡している。まあ、実際には指揮官は気が急っているばかりに無意識に大きくキョロキョロしていたのだが。幸運だったのはVectorは指揮官との話を楽しんでおり指揮官自身に目を向けていないことか。
そんなこんなでVectorと話ながら歩いていると、背後からパシャリとシャッター音が聞こえた。振り返るとそこにはケータイを構えたMDRが居た。
「いっひひ~、指揮官のデート写真ゲットだぁ!《グリフィンタレコミ掲示板》では恋人がいなさそうな指揮官ランキングで堂々3位だった我が基地の指揮官にも遂に春が到来か!」
「そうだよ(威風堂々)」
「ちょっと!そんなわけないじゃない、私は飽くまでも副官として付き添っているだけ。くれぐれも掲示板とかにはあげないで」
「あっ、そっかぁ(届かぬ想い)」
「え~、本当にそうなの~?つまんないのぉ」
Vectorにさらりとフラれたがそれはそれ、後で写真を送ってもらおう。
「じゃあ『指揮官が彼女の横で汗だくの人形達をガン見してた~!キャー襲われちゃーう!』送☆信!」
「あっおい待てぃ!(江戸っ子)そんな投稿をされたら私の評価が地の底に落ちる、だから止めてください!何でもしますから!」
「ちょっ、指揮官そんなこと言ったら………!」
「え~!本当?指揮官!!だったらぁ、今度最新式のケータイ買ってよ~!」
「ぐっ……わかった、良いだろう。その代わりさっきの写真送っておいてくれ」
「良いよぉ、よぉ~し!遂に最新のケータイを改造して可愛い私を撮る事が出来るぞお!」
まるで嵐の様にMDRは去って行った。そして去って行った後に思い出した、仲間に勧誘するの忘れてた。
少しだけ後悔しながらVectorと共に先へ進む、未だ逃走に使えそうなものは見付からない。
「あら、指揮官じゃない」
聞き慣れた透き通っている声がした。そっちに顔を向けると416が作業机でアタッチメントを取り換えていた。
「416か、調子はどうだ?」
「まあ、ぼちぼちね。そんなに悪くは無いわ」
「そうか、そりゃいいな。調子は良すぎると却って悪いからな」
「そうかしら」
「そんなもんだよ」
416と軽口を叩き合う、なんだかんだ基地に着任してからの付き合いなので一番接していて疲れないのが彼女だ。
416を逃走仲間に加えようか迷ったが、彼女はこの前逃走計画がバレたばかりだ、それにまた逃走しようしてるとバレると〆られそうだ。ここは仲間に加えずそっとしておこう。
「ちょっと待ちなさい、指揮官」
ウェイ!まさかバレたか?そんな馬鹿な、今回は隙を見せていない筈だぞ!
416が此方へ近付いてくる。そして目の前に来て首元に手を伸ばした。
「襟が立ってるわよ、しっかりしなさい」
えっバレてない……?
「えっ、あ、あぁ、ありがとう」
「本当にこういう所は前から直らないわね」
「これでも気にしているつもりなんだがなぁ」
よかったバレてないぞ!………ん?何416?そんなに顔を近付けて、
(今日は何を企んでいるかは知らないけど、程々にしなさい。Vectorに迷惑かけたら駄目よ、指揮官)
「アッハイ」
バレとるやんけ。
416と離れ、再びVectorと一緒に様々見て回る。だが416に『Vectorに迷惑をかけるな』と言われてしまった以上、周りをチラチラ見ていられない。適当に区切りをつけて司令室へ戻るかな。
そうこうしている内に訓練棟を一周してしまったようだ。それにしてもVectorと雑談して歩き、適当な人形と話しただけで終わってしまったな。Vectorが言っていた『人形達の練度の把握』がまったく出来ていないぞ…。
「そろそろ全部見て回ったかな」
「そうね…。指揮官は私達の練度の把握、できた?」
「あ、ああ、お陰さまでな」
「妙に歯切れが悪いわね…どうかした?」
「あー、いや実はな、話に夢中で周りをよく見てなかったんだよ。だからあまり把握出来なかった…すまない」
するとVectorはふふっと笑って一言。
「別に良いわよ、私は今日楽しかったから」
「ありがと、指揮官」
この時のVectorはとても魅力的に見えた。逃走なんぞどうでもよくなる位には。
こっそり投稿してる連載が滞っているのでお茶を濁す。
最後適当に終わらせたけど許して下さい!何でもしますから!
何故今回がVectorなのかはわかる人はわかるハズ。