遊戯王ARC-V 真エンタメデュエリストへの道 作:九空揺愛
俺は目覚めて5分で自分の置かれている現状に気がついた。
「ここってもしかして……」
俺は辺りを見渡す。知らない部屋に、知らないベッド。壁には『目指せ!プロデュエリスト!舞網チャンピオンシップ!』と書かれたポスターが貼ってある。
「えーっと、落ち着け俺落ち着けよ俺……いくら遊戯王が好きな俺でも、まさか幻覚が見えるほどやってなかったよ?そうか夢だ!そりゃあそうだ!夢に決まってる。そうじゃなきゃありえない。確かに夢なら置かれている現状とか全ての辻褄が合うしな!いやーなら安心だな!取り敢えず夢だけど、遊戯王の世界を覗いてみるか!」
俺はベッドから降りて窓を開ける。
「眩し!いやー夢なのに風が気持ちいいなー!夢なのに!」
あっはっはっはっは!と一人で笑う。夢なのに眩しい?風が気持ちいい?いつから俺の夢はとある世界のVRMMOよろしく、不思議の国よろしくの寝ている状態で眩しかったり風を感じたりとまるで現実世界かな?と錯覚してもおかしくないレベルの夢が見れるようになったんだ?まあいいか!どうせ夢だろうし!(思考放棄)
すると、突然ドアが開いた。
「いつまで寝てんだよ遊太!早く起き……って起きてんのかよ……。ん?どうしたんだ?そのお化けでも見たような顔して?」
そう、俺の目の前に居たのは遊戯王アークs……じゃなくて遊戯王ARC-Vの主人公榊遊矢だった。
「あ、あ、さ、さか」
「どうしたんだ遊太?ほらほら、もう朝御飯できてるから早く来いよ」
どうやらこの家は遊矢の家の中だったようだ。そして俺は遊矢に腕を引っ張られる感じに部屋を出ると下へと降りれる鉄の棒を伝って遊矢は降りていった。
「そ、そうだよな!遊戯王の夢だもんな!そりゃあ榊遊矢ぐらいいるよな!でもやけに腕を引っ張られた時の感覚がやけにリアルだったのはきっと気のせいだよな!うん!」
俺は鉄の棒を伝って降りようとするが、滑って尻餅をついてしまった。
「痛っ!……え?夢なのに痛い?」
「だ、大丈夫かよ遊太!?」
俺の全身から血の気が引いていく。
(ま、まさか……本当にこれは現実なのか?本当に転生したのか!?え!?千歩譲って俺が転生したなら、よくある神様登場展開は?転生モノあるあるのチート能力は?ってかここが遊戯王の世界なら俺のデッキ達は!?)
俺はふと顔を上げると遊矢が心配そうに俺を見て居た。
「大丈夫か遊太?」
(そもそも遊太って誰だ!?俺の事じゃないよな?)
「あのさ、さっきから言ってる遊太って俺の事か?」
「え?当たり前だろ?お前は赤城遊太だろ?」
(いや、誰がゆうただよ!俺が地雷プレイヤーなわけないだろ!?俺が過去に使ってたデッキだって、マキュラエクゾとか八汰ロックとかゼンマイハンデスとか……あれ?地雷通り越してクソ野郎じゃね?いやいや、そんなことより俺にはちゃんとした名前が…………あれ?)
「本当に大丈夫か?頭からは落ちてないから大丈夫なはずだけど……」
俺は記憶を呼び起こした。俺の転生前の記憶はある。でも、名前だけはどうしても思い出せないのだ。
「遊太?」
「俺は誰だ?」
「は?」
まあ、それから遊矢と遊矢のお母さんによって冷静になった俺は今の現状を整理した。
ここは遊戯王ARC-Vの世界
俺の本名は思い出せず、名前は赤城遊太とこの世界の住人には呼ばれる。
俺のデッキは転生前に使っていた。デッキケースがなぜかこの世界で俺が使っていたという机に置いてあり、全部で10個あった筈のデッキは7個になっていた。3個持ってったやつマジ絶許
「もうすぐ塾が始まるし、早く行こう!」
「塾って、もしかして遊勝塾か?」
「当たり前だろ?ほらほらデッキを持って!」
俺はデッキケースと、黒いタブレットの様なデュエルディスクを持って遊勝塾に向かった。
遊勝塾は榊宅から数分の所にあった。
中に入ると、ARC-Vのヒロイン柊柚子が腕を組んで立っていた。
「遊矢も遊太も遅い!」
「ごめん柚子!ちょっとトラブルがあってな!」
「トラブル?」
遊矢は俺に指差して、
「遊太が記憶喪失なんだ」
「え!?本当に!?大丈夫?」
柚子は心配そうに覗きこむように見てくる。
「あ、ああ……大丈夫だ」
「ならいいんだけど……取り敢えず中の方に行きましょう」
中のデュエル場にいく。
「遊太!俺と柚子が今からデュエルするから、何か思い出せそうだったら言ってくれよ!」
遊矢と柚子はリアルソリッドビジョンを起動させて、アクションデュエルが始まった……のだが。
ドン!☆
リアルソリッドビジョンの装置から煙が出始めそして、爆発した。
「リアルソリッドビジョンシステムが壊れちゃったら俺の熱血指導がぁぁぁ!」
遊勝塾塾頭の柊修造はソファに座って顔を伏せていた。すげー本当に遊戯王ARC-Vの第1話のシーンだわ。
「おやおや、何やらお困りのようですね?」
ドアを開けて入ってきたのはニコ・スマイリーという、ストロング石島のマネージャーだった。ニコは遊矢にストロング石島とのエキシビションデュエルをしないかというデュエルの申し込みに来たようだ。
「ダメだ!遊矢を見世物のようにはできん!」
修造はキリッという効果音と共にいう。修造よく言った!今日からお前は富士山だ!
しかし、ニコが石島とのデュエルを承諾したらタダで最新型のリアルソリッドビジョンシステムを使えるようにすると聞くと、手のひらを返した。
「俺、デュエルやるよ!」
遊矢はデュエルを承諾し、この話は瞬く間に広がっていった。
「と、承諾したのはいいんだけど……勝てるか不安だな」
俺と遊矢は舞網市にある河川敷で寝っ転がっていると、遊矢はそう呟いて来た。
「そう緊張せず、落ち着いていけばいいと思うぞ?」
俺は取り敢えずフォローしておく。実際アニメでは不思議な力でカードがペンデュラムカードになり、勝利する。すると遊矢は俺の方を向いて、
「なあ遊太。俺とデュエルしてくれないか?この気持ちを発散させる為にもさ!」
「え!?」
マジか?マジなのかこいつ。俺も遊戯王ARC-Vはエクシーズ次元編まで見ていた。そしてこいつはまだ石島とデュエルしてないと言うこと、つまりまだペンデュラム召喚を使えないと言うことなのだ。EMでペンデュラムが使えなければはっきり言って俺の持っている残りの7個デッキのどれとやっても相手にならないぞ?
「頼む!」
遊矢は合掌の構えで頼み込んでくる。
「俺はいいけど、本当に……「じゃあデュエルだ!」……もうどうにでもなれ」
俺達はデュエルディスクを構え、
「「デュエル!」」
YUYA 4000
YUTA 4000
「俺の先攻。手札からモンスターをセットしてターンエンド!」
「いくぞ!俺のターン!」
遊矢は手札をサッと見て笑みを浮かべる。
「手札から《EMシルバー・クロウ》を召喚!バトルだ!《シルバー・クロウ》でセットモンスターに攻撃!」
シルバー・クロウの爪が裏側になっていたモンスターに食い込んだ。そのままモンスターは破壊される。
「破壊された《E・HEROシャドー・ミスト》の効果発動!墓地に送られた事でデッキから《HERO》を手札に加わえる!《E・HEROエアーマン》を手札に!」
「やるな遊太!カードを伏せてターンエンド!」
「俺のターン!ドロー!《E・HEROエアーマン》を召喚し、デッキから《E・HEROバーストレディ》を手札に加わえる!そしてフィールド魔法《チキンレース》発動!1000ライフを払い、カードをドロー!そしてカードをセットしてターンエンドだ」
「遊太のエンドフェイズに速攻魔法《超カバー・カーニバル》を発動するよ!デッキから《EMディスカバー・ヒッポ》を特殊召喚!で、俺の……ターン!」
YUYA 4000
YUTA 3000
キュピーン!という効果音と共にドローする遊矢。辺りを見渡すと、自分達のデュエルを見ている所謂ギャラリーが居ることに気がついた。遊矢はすかさず笑顔を作ると、
「レディース&ジェントルマン!今から榊遊勝直伝のエンタメデュエルをご覧に入れましょう!相手のフィールドには《E・HEROエアーマン》が居ます!そして私のフィールドには愉快な仲間達《EMディスカバー・ヒッポ》と《EMシルバー・クロウ》がいます!ここで、我が一座の主役をお呼びしましょう!《ディスカバー・ヒッポ》をリリースし、世にも珍しい二色の目をもつ龍!《オッドアイズ・ドラゴン》をアドバンス召喚!」
ディスカバー・ヒッポが手……いや前足を振って走り去っていくと、赤と緑の瞳を持った赤い龍が現れた。
「出た……オッ素」
「ん?何か言った?」
「いや!?なんでもない!」
オッドアイズ・ドラゴンが『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』になるのはもっと後だったはずだ。それを今の遊矢が知ってしまうのはまずいよな。
「さあ!主役の登場と共にフィナーレです!が、その前に!興ざめなカードを破壊しておきましょう!私は《チキンレース》の効果を発動し、1000ライフを払って破壊します!《オッドアイズ・ドラゴン》は攻撃力2500です!これで私の2体のモンスターの攻撃が通れば、《オッドアイズ・ドラゴン》の効果ダメージも合わせて私の勝利でございます!バトルだ!いけ!《オッドアイズ・ドラゴン》で《E・HEROエアーマン》を攻撃!『スパイラルフレイム》!」
オッドアイズ・ドラゴンの口から赤い炎が飛び出して、エアーマンを包み込んだ。
エアーマンは苦しそうにもがきながら砕け散る。
YUYA 3000
YUTA 1800
「《オッドアイズ・ドラゴン》は戦闘で相手モンスターを破壊した場合!そのモンスターの攻撃力の半分のダメージを与える!1800の半分で900のダメージだ!」
YUTA 900
「そして、《EMシルバー・クロウ》でダイレクトアタック!《シルバー・クロウ》は攻撃宣言時に攻撃力が300アップして攻撃力が2100になる!これで終わりだ!」
「それはどうかな?」
「え?」
遊矢は遊太の方をよく見ると、伏せているカードが起き上がっていた。
「《ヒーロー逆襲》を発動していた!相手は俺の手札のカードを選択する。それが『 E・HERO』なら特殊召喚され、相手モンスターを破壊する。違ければ俺の負けだ!さあこの3枚のカードから選べ!」
「……右」
「……ビンゴ!現れろ!《 E・HEROバーストレディ》!」
炎を纏った女性のHEROが現れた。それと同時に遊矢のシルバー・クロウは破壊される。
「さぁいくぜ!ドロー!まず俺は魔法カード《強欲で貪欲な壺》を発動!10枚のカードを除外して2枚ドロー!そして《融合》を発動!」
「え、ええ!?《融合》!?」
「《 E・HEROバーストレディ》と手札の《 E・HEROフェザーマン》を融合!来い!《 E・HEROフレイム・ウィングマン》!」
すると、片腕に竜の頭を携えたHEROが現れる。しかし、遊矢はその攻撃力を見ると、胸を撫で下ろした。
「驚かせるなよ遊太。《 E・HEROフレイム・ウィングマン》の攻撃力は2100、それじゃあ2500の《オッドアイズ・ドラゴン》には勝てないよ?(いつから遊太が融合召喚が使えるようになったか知らないけど、もしかして遊太は俺のエンタメデュエルの引き立て役になってくれているのか?確かに融合召喚したモンスターを倒せば盛り上がるだろうしね!流石遊太!分かってるじゃん!)」
「じゃあ教えてやるよ!ヒーローにはヒーローの、戦う『舞台』があるんだ!」
「え……(あれ?)」
「フィールド魔法《摩天楼-スカイスクレイパー-》発動!」
遊太の発動したフィールド魔法によってあたり一帯が高層ビル群に変わる。デュエルを見ていたギャラリーたちもざわざわと騒ぎ立てていた。
そして、遊矢はある事に気がついた。
「あれ?遊太の《フレイム・ウィングマン》はどこだ?」
遊矢は周りを見渡すが、何処にも見当たらない。すると、ギャラリーの1人の子供が一番高いビルの上を指していた。
「あそこ!」
ギャラリーや遊矢はその指のさした先を見ると、フレイム・ウィングマンはビルの上で腕を組んで立っていた。
「かっこいい……」
その姿に思わず子供の声が漏れる。
「バトルだ!《フレイム・ウィングマン》で《オッドアイズ・ドラゴン》を攻撃!」
「攻撃力の低いモンスターで攻撃!?」
「ヒーローは必ず勝つ!《スカイスクレイパー》は『E・HERO』が相手モンスターに攻撃する時、その攻撃モンスターより攻撃力が低い場合に攻撃力を1000アップさせる!」
「何だって!?」
フレイム・ウィングマンはビルから飛び降りると、身体に炎を纏う。
「いけ!『スカイスクレイパー・シュート』!!」
フレイム・ウィングマンはそのままオッドアイズ・ドラゴンにダイブし、爆発が起こった。
YUYA 2400
YUTA 900
「そんな……俺の《オッドアイズ・ドラゴン》が……」
「《フレイム・ウィングマン》は戦闘で相手モンスターを破壊し墓地に送った場合、元々の攻撃力分のダメージを与える!」
「うわあああ!!」
YUYA 0
YUTA 900
YUTA WINNERの表示と共に歓声と拍手が起こる。
俺は歩いて遊矢の元に行くと、跪いている遊矢に手を伸ばした。
「楽しいデュエルだったよ遊矢。ありがとな」
「あ、ああ……それは良かったよ……」
まあ予想どおり俺が勝ったけど、中々いいデュエルが出来たと思う。相手にならないって認識は撤回しておくか。
「ほら、お前の好きな歓声だろ?手を振って応えないとな」
「ああ……そうだな」
遊矢は立ち上がると、俺たちはギャラリーに向かって手を振り返した。
次はいつやるかは未定です。
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