アサシンズプライド~赤と青の仮面騎士~   作:暁士道

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作者「どうも、FGOのバレンタインイベントでピックアップ鯖の紫式部さんを当ててしまった。わたしだ!」

セント「まぁ、LINEのグループの人たちに恨まれたことはいい思い出だなw」

作者「あれは怖かった((;゜Д゜)ガクガクブルブル」

エボルト『さて、今回の話はセントとクーファが学教区につく話だ』

セント「そして、あのキャラも登場するよ」

セント・エボルト「『では、2話どうぞっ!』」



第2話 金烏の目覚めPart1

~クーファside~

 

大地に突き立てられた巨大なシャンデリア。ソレがこの世界の姿だ。

 

人々が見上げる空には一切の光がない。星や月、太陽といったまばゆい天体の存在は、古代の文献のなかに伝承として語られているのみだ。詩人の創作である、とする学者も多い。昔は頭上一面の空が青く輝いていたなど、到底信じられぬ、と。

 

この世界では天頂から大地、そしてその果てに至るまで、すべてが夜の闇に覆い尽くされていた。そこにどんな環境が広がっているのかも定かではない。大地の総面積など想像の埒外だ。なんの色彩も捉えられない完全な暗闇……。その片隅にあって、高さ数百から数千メートルに及ぶ超巨大なガラス容器の群れだけが、煌々とした灯りを放っている。

 

それが人類最後の都市国家、

ランタンの中の世界(フランドール)》だった。

 

ランタンの直径は最大のもので五キロ。この超スケールのガラス容器は『キャンベル』の名称で呼ばれ、それぞれに街区が収められている。特権階級たちの多く住まう《聖王区》を取り巻くよう二十四のキャンベルが密集し、金属基盤に支えられて整然と屹立する様はシャンデリアと形容するしかあるまい。もっとも、サイズは桁違いだが。

 

各キャンベルの中間には金属製の橋が幾重にも架けられ、そこを渡る鉄道が人々の移動手段となっていた。そして今まさに、聖王区の端に開いたトンネルから飛び出し、数百メートルの高架線路に沿いながら別のキャンベルへと下っていく一本の列車が見える。

 

その二等客車、後部寄りのコンパートメントにて。何気なしに窓を眺めるひとりの青年は、荘厳な威容を誇る数十のキャンベルを視界に収めながら、取りとめもなく考えた。

 

クーファ「(こんな途轍もない建造物を何者が作ったのか、想像するのもはばかられる。)」

 

ーーと。

 

~クーファside終了~

 

~セントside~

 

どうも、皆さん。てんさぁい↑ぶつりがくしゃ↓のセント=クロスロードデース!……これ毎回やらないといけないのかな?

 

エボルト『やらなくてもいいんだぞ!セント』

 

セント「でも、台本に書いているし」

 

エボルト『メタい!!』

 

セント「メタいも何も…って、もう少しで目的地に着くな、楽しみだw」

 

クーファ「俺たちは遠足に行くのではないんだぞ!!任務のために行くんだなら気を引き締めろよ!!」

 

セント「わかっているよ(それでも、ここから俺達とメリダお嬢様の物語の始まりだ!楽しみだなw)」

 

エボルト『(頑張りすぎて空回りするなよ)』

 

セント「(余計なお世話だ!!)」

 

~セントside終了~

 

~三人称side~

 

俺達が乗る列車が辿り着いたのは、聖王区の外周に位置するキャンベルのひとつ、カーディナルズ学教区だった。様々な分野のカレッジが立ち並び、住民の実に半数が学生というフランドール随一の学園街である。

 

時刻は早朝。白の蒸気のたちこめるプラットフォームに降り立った途端、青年らはここが学生たちの街であるということをひと目で確認した。

 

列車から降りる物、乗り込んでいく者。構内を行き交う乗客たちの年齢層が、総じて若い。クーファは瑞々しい空気を胸いっぱいに吸い込んで、着こなれた軍服を軽く整える。

 

クーファは外衣のポケットから取り出したのは、街のおおよその地理が描かれた紙片だった。

 

カーディナルズ学教区の特徴といえば、『思索する尖塔』とも称される美しい建築物たちである。数学者と物理学者と芸術家が心を一つにして設計したかのような、理路整然としたとんがり屋根が幾百も空を衝いている景色は、まさに圧巻だ。

 

目指す場所は、この尖塔の街並みの最端。

 

街を横断するシムズ水路の畔に、話に聞いたメリダ=アンジェルの屋敷は建っている。

 

今日から三年間ーーーこの街で、青年らの家庭教師としての生活が幕を開けるのだ。

 

クーファ「聖王区とはずいぶん空気が違うな」

 

セント「そうだな」

 

クーファはメモをポケットに仕舞いながら,セントは愛用のメガネをかけながら、すんすん、と青年らは小さく鼻を鳴らした。

 

クーファ・セント・??「「「頭の良さそうな匂い」」」

 

呟いた言葉が、図らずも、高く澄んだ声と重なる。

 

ぱっと傍らを見下ろせば、同時にこちらを見上げてきた人物と目が合った。

 

今まさにタラップを降りてきた、ひとりの少女である。青年らより少し年下、16歳ぐらいだろうか………って。ロゼティなんだけどねwその姿は都会風というか、身だしなみに気を使っているのがひと目で窺い知れった。

 

艶のある赤い髪は手入れが行き届き、すらりとした肢体は魅惑的かつスレンダー。妖精の翅のように華やかなその装いは、ステージから飛び降りてきたショウダンサーか、雑誌から飛び出してきたファッションモデルを思わせた。

 

当然、周囲の少なからぬ男性の目を引きつけている彼女だが、当人に自身の魅力に対する自覚はないようだ。こちらに向けてきたあどけない笑顔は、ずっと子供っぽく見えた。

 

ロセッティ「えへへっ、ハモっちゃった」

 

クーファ「みたいだな。ーーーではなく、ええと」

 

クーファはそっけなく返しかけて、すぐに小さく頭を振る。

 

この街に着いた瞬間から任務ははじまっているのだ。今の自分たちは騎士公爵家に赴任する家庭教師の身分。その立場で接する全員に、仮面を徹底しなければならない。

 

セント「ご旅行ですか?」

 

ロゼティ「う、ううんっ、仕事なの!そういうあなたたちも……」

 

クーファ「ええ。ご覧のとおり、学生ではないもので。ーーー行きましょうか」

 

彼女を自然とエスコートして、列車前部の荷物車両へと向かう。

 

その道中、ロゼティに見惚れていた周囲の男性や構内を行き交う婦人たちが、ほうと頬を染めて立ち止まっていたよ。

 

セント「(まぁ、そうなるよな)」

 

エボルト『(そりゃ、あんなのを見せられたらな)』

 

セント「(本当に、お似合いだわ)」

 

エボルト『(でも、ロゼはクーファのこと覚えてないけどな)』

 

セント「(それでも、再会できて良かったよ)」

 

~三人称side終了~

 

~クーファside~

 

荷物車両に辿り着くと、青年は一足先にタラップを踏む。

 

クーファ「番号札は?」

 

ロゼティ「あれ、何番だっけな、ええと………あった!」

 

スカートのポケットから取り出されたタグを、青年はさりげなく引き取る。ひとりで荷物車両に入っていくと、出てきたときには右手に自身のトランクを、右手にはたくさんアクセサリーの飾られた、大きく可愛らしい旅行鞄を提げていた。

 

クーファ「お待たせしました、レディ」

 

旅行鞄を差し出すと、ぽかんと口を開けていたロゼティは、興奮気味に叫んだ。

 

ロゼティ「し、紳士だっ!」

 

クーファ「これくらいは当然です。目的地までご一緒できれば良いのですがーーー」

 

ぶんぶんっ、と恐縮したように頭を振ると、少女は慌てて旅行鞄を引き取っていく。

 

聞けば彼女の目的地は、カーディナルズ学教区でもっとも瀟洒な高級住宅街。人気のない郊外へと向かう青年らとはまるで逆方向である。

 

駅を出ると、街並みを一望できる、長く大きな階段の上に立つ。

 

さながら舞台のワンシーンのように、そこでふたりは握手を交わした。

 

ロゼティ「実はあたし、ひとりで不安でたまらなかったんだけど……この街に来て早々、親切なひとに会えてよかった!なんだかこれから、色んなことが上手くいきそう!」

 

クーファ「それはなによりです。ではいずれまた、どこかで」

 

ロゼティ「うんっ、またね!ぜったいぜったい、また会ってね!」

 

青年の手のひらを両手で握り、何度も上下に振ってから、少女は一足先に階段を駆け下りていった。ときおり赤い髪が翻り、笑顔とともに手のひらが振られてくる。

 

小さく手を振り返し、遠ざかっていく彼女の背中を見送りながら……「ふう」と、青年は人知れずため息を零した。

 

~クーファside終了~

 

~三人称side~

 

セント「お疲れ様ニヤ(・∀・)ニヤ」

 

クーファ「うぁ!?セント!?いつからいた?」

 

セント「ロゼちゃんに小さく手を振っているあたりからかな?」

 

クーファ「そ、そうか」

 

セント「再会できてよかったな」

 

セントは人波に消えていくロゼティを見ながらクーファに聞いた。

 

クーファ「あぁ」

 

セント・エボルト「『さて、そろそろ行きますか?クーファ=ヴァンピール先生』」

 

クーファ「そうだな。セント=クロスロード先生&エボルト」

 

そして、俺たちはメモを頼りに、放射状に延びる街路のひとつへ。知的なとんがり屋根と、すがすがしいまなざしをした学生たちの合い間を、郊外へと向かってひた歩いていく。

 

都市国家(フランドール)を構成する二十五のキャンベルは、それ自体がーーー正しくは内部の街がだが、夜の闇を押しのけるほどの鮮烈な光を放っている。その正体は、道々に等間隔で掲げられている街燈だ。ガラス窓の奥に満ちる、特殊な気体の輝き。

 

太陽の血(ネクタル)》である。

 

フランドール近郊の鉱脈から採れるその液体燃料は、気化させたものを炎にかざすことで強力かつ神聖な光を放つ。それは、この世界の呪われた夜(・・・・・)から都市を守る盾であり、鎧だ。人類が文明社会を維持するための、最後の生命線ーーー

 

鉱脈のネクタルが尽きたとき、はたしてフランドールの生活はどうなるのか。評議会で散々議論され、いまだ明確な答えの出ないその問いが、青年の脳裏を横切って、去る。

 

セント「(そんな、遥か未来の心配よりも、今はこの見知らぬ街で迷子にならないことの方が重要だわ!)」

 

メモと睨めっこしながら、ちゃんと目的地につけるのか不安な気持ちになっているセントであった。

 




作者「今回は区切りが良いのですがここで終わります」

次回予告
俺とセントは3年間働く屋敷に到着して共に暮らすメイドたちや主のメリダお嬢様と会う。そして、メリダお嬢様と一緒に学院へ登校するのだが……そこでセント達が見たものは……

セント「嘘だろ!?……なんでいるんだよ!!この世界に、○○○○○○○が!!」

作者「第3話 金烏の目覚めpar2でお会いしましょう!チャオ」

エボルト『オレの挨拶がとられた!!』

セント「どんまい」

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