アサシンズプライド~赤と青の仮面騎士~   作:暁士道

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作者「どうも、皆さん。お久しぶりです」

セント「この度はうちのバカ主の投稿が遅くなりまして誠に申し訳ありませんm(。。)m」

エボルト「と、言っても次の投稿は今回の倍の期間かかるかもしれないけどな」

作者「自分で言うのもなんですが100%そうなります。新しくシンフォギアXD始めてモンスト、シンフォギア、FGO、その他の周回とかで今現在忙しいので」

セント「シンフォギア始めた理由バンドリコラボらしいしな」

エボルト「しかも、推しは小日向未来ちゃんらしいぞセント」

セント「何故に?未来ちゃん?」

作者「シンフォギアの二次作品を見ているうちに好きになりました」

セント・エボルト「『だから、お気に入りにシンフォギア多かったのか』」

作者「そういうこと。あと。投稿期間を開ける理由がもう一つあります。それは、今この文章を書いているスマホが謎の不具合を起こしていてスリーズしたり突然電源が切れたりして強制再起動しないと行けない現状になっているのですよ(´;Д;`)」

セント「それは、呪われているな」

エボルト「ご冥福をお祈りします」

作者「今月厳しいのに(´;Д;`)そういうことなので気長に待ってください」

セント「えぇと、話はここまでにして第3話をどうぞ」


第3話 金烏の目覚めpar2

~三人称side~

 

メモを頼りに足を進め、ときおり露天商に道を尋ねながら歩き続けていると、いよいよ目的地であるキャンベルの端っこまで辿り着いた。しばらく前から通りの右手側には石塀が延び、頑丈そうな鉄柵が訪問者を拒んでいる。

 

柵の向こうに見えるのは、驚くべきことに鬱蒼とした植物園だった。

 

キャンベル内に存在する緑は、もちろん天然のものではありえない。これだけの庭園を維持できるのは、いったいどれほどの財力を有した名家だろか。

 

青年たちのおおよその予想通り……と言うべきか。そこから少し進んだ門扉の前に、エプロンドレスをまとった少女たちが三人、ガス燈の下でお淑やかに佇んでいた。

 

青年らが近づいていくと、メイドたちは揃って、ゆっくりとお辞儀をする。

 

メイド1「クーファ=ヴァンピールさんとセント=クロスロードさんですね?ようこそ、お待ちしておりました」

 

その、今回の任務のためにクーファに用意された偽名を聞いて、クーファは優雅な笑みを返した。この仮面が万人に有効だということは、先ほどの赤毛の女の子が証明してくれている。

 

えっ、お前は偽名じゃないだろ?って、そうだよ。理由は後に分かるからね(´>ω∂`)☆

 

クーファ「はじめまして。これからよろしくお願いします」

 

セント「同じく、はじめまして。これから三年間よろしくお願いします」

 

メイド1「はい、こちらこそ。お会いできてうれしゅうございますわ」

 

三人のなかで真ん中、一歩前にいたメイドが、花のような笑顔とともに顔を上げる。牧歌的でやわらかい印象の、それでいてしっかりと芯を感じさせる少女だった。

 

メイド1→エイミー「わたくし、当屋敷メイド長のエイミーと申します。分からないことがあったら遠慮なさらず、なんでも頼ってくださいね?」

 

クーファ「メイド長?」

 

青年ーーークーファは、ほんの少し眉をひそめた。エイミーと名乗った彼女は、どう見ても年の頃十七かそこら、つまり自分とそう変わらない。召し使いたちの長は『ミセス』の敬称で呼ばれ、通常であれば、もっと年齢と経験を積んだ女性が任せられるものだ。

 

セント「(クーファが困惑するのもわかる)」

 

セントはクーファの横顔を横目で見ながら。ふと、任務につく前に上司から聞いた話を思い出す。血筋が疑われてからというもの、件のメリダ嬢はアンジェル家の中でかなり微妙な立場にいるらしく、父親からも邪険にされた彼女は最低限の使用人とともに別邸へ追いやられているのだとか。

 

最低限とはすなわち、人数だけではなく、経験値という意味でもあるのではないか。エイミーの後ろにいるふたりのメイドもまた少女と呼んで差し支えない年齢である。

 

メイド2「見て、男よ!」

 

メイド3「男だわ……!」

 

メイド2「お二人共、ずいぶんお若いのね……」

 

メイド3「落ち着いていらっしゃるけど、おいくつなのかしら?」

 

こそこそと。彼女らは客前だというのに、顔を寄せて内緒話に花を咲かせている。あからさまに向けられてくる興味の視線には、どこか熱が込められていてこそばゆい。

 

メイド2「見て右側、あのすらりと高い背丈……っ。騎兵隊(ギルド)の軍服がこの上なくハマってるわ!」

 

メイド3「それに艶やかで紫がかった黒髪に、涼しげな切れ長の瞳も素敵……!」

 

メイド2「いかにも、『やり手ですが何か?』って雰囲気ね!」

 

メイド3「むしろ先輩のはずの私たちが、教育という名の厳しい指導をされてしまうのよっ」

 

メイド2「ああっ、なんて鬼畜!」

 

メイド3「鬼畜の教師だわ……っ!」

 

クーファ「(誰が鬼畜教師だ!)」

 

言葉とは裏腹になぜか喜んでいる様子の彼女らに、クーファは聞こえないふりをしつつ小さく嘆息した。

 

メイド2「そして、左側も負けないぐらいに高い背丈……っ。軍服がこの上なく似合っているわ!」

 

メイド3「艶やかで茶色がかった黒髪に、暖かな切れ長の瞳も素敵……!」

 

メイド2「いかにも、『優しく教えますよ?』って雰囲気ね!」

 

メイド3「むしろ先輩のはずの私たちが、彼の教育という名の優しい指導を受させられるのよっ」

 

メイド2「ああっ、なんて王子!」

 

メイド3「王子の教師だわ……っ!」

 

セント「(大袈裟だな)」

 

聞こえてないふりをしつつ小さく嘆息した。するとその仕草を誤解したのか、エイミーが慌てて手を俺たちの方へ伸ばしてくる。

 

エイミー「まあっごめんなさい、お疲れですよね!お荷物をお持ちいたしますっ」

 

クーファ「いいえ、お気遣いは無用です」

 

セント「俺も同じく、お気遣いは無用ですよ」

 

やんわりと断りながら、クーファは伸ばされてきた手のひらを握る。

 

クーファ「今日から同僚なんですから、お互い遠慮はなしにしましょう?オレらを手足と思って、任せられる仕事があったらなんなりと申しつけてください」

 

エイミー「まあ!」

 

エイミーはぽっと頬を赤らめた。背後のメイドたちがざわめく。

 

メイド2「さっそくエイミーが落とされたわ!」

 

メイド3「エイミーずる~い!」

 

こほん、とわざとらしい咳払いをして、若きメイド長はスカートを翻した。

 

エイミー「で、ではお屋敷にご案内いたします。参りましょう?」

 

三人のメイドに付き添われて、クーファとセントは門扉をくぐり抜ける。その先は、塀の向こうからも覗けた広大な植物園だ。鬱蒼と生い茂る背の高い植物の隙間を、舗装された細道が曲がりくねりながら延びている。道の先は緑に隠れ、屋敷の姿はまだ見えない。

 

エイミー「男の方が来てくださって助かりました。女所帯だといろいろ大変で……」

 

エイミーが水を向けると、他のメイドたちも便乗して身を乗り出してきた。

 

メイド2「力仕事とかお任せしていいですか~?」

 

メイド3「荷物運びとか、高いところのお掃除とか!」

 

俺たちは苦笑しつつ、空いた方の腕でぐっと力こぶを作り、

 

クーファ・セント「「どんとこい」」

 

答えてやると、「「きゃ~~~っ!!」」と黄色い歓声が返ってきた。

 

彼女らによれば、屋敷にはもうひとり同じ年頃のメイドがいるという。裏を返せば、使用人はたったのそれだけ…。男子禁制、というありふれた言葉が脳裏を横切る。

 

クーファ「(仕事とはいえ、その花園に踏み込んでいくことに緊張しないではない。しかしこの雰囲気の和やかさを見る限り、任務に支障をきたすほど心を惑わされることもなさそうだ。)」

 

セント「(ーーー道の先で《彼女》に出会うまでは、確かにそう思うよなクーファ)」

 

 

 

メリダ=アンジェルのお屋敷は、六、七人で暮らしてちょうど良い広さの、瀟洒な二階建てだった。カーディナルズ学教区の街並みに相応しいとんがり屋根で、周囲を埋める植物園とあいまって、魔法使いの隠れ家のような雰囲気である。

 

門扉から約五分。ようやっとたどり着いた玄関口で、エイミーはふわりと振り返った。

 

エイミー「あらためまして、クーファさん、セントさん。当家へようこそおいでくださいました。ここが今日から三年間、あなた達の職場になります。すでにお嬢様がお待ちに………あら?」

 

そこで、ふと気づいたように彼女は頭上を振り仰いだ。ここまで導かれてきたクーファとセントも、それに付き添っていたふたりのメイドも、ほぼ同時に顔を上向ける。

 

話し声が漏れ聞こえてきたのだ。

 

玄関の真上にはテラスが張り出している。声の源は、その奥の広間からだった。

 

??『ねえ、まだかしら?迎えに行ってからずいぶん経ってるわ』

 

??『もうお嬢様ってば、何回おなじ質問するんですかぁ?ちゃんとエイミーたちがお迎えに上がってますから、もうじきお見えになりますって~』

 

??『でも、予定の到着時刻まであと三分しかないじゃない。もしかしたら道に迷われているのかも。それともまさか、列車事故に遭っていたり……!わたし、様子を見てくる!』

 

??『ちょ、ちょっとメリダお嬢さま!?』

 

直後、テラスへ飛び出してきた人影があった。忙しない靴音がクーファたちの頭の上に反響する。クーファとセントはその姿を確かめようとして、一、二歩、とあと退る。

 

ーー直後、視界に押し寄せてきたまばゆさに思わず目を眇めた。

 

黄金色の髪だった。ネクタルの神聖な明かりよりも、なお眩しい。もはや色と言うよりも《輝き》だ。宝石の反射光を天使の指先が編み上げたら、あのような神々しいブロンドのごとく金髪が舞う。

 

そのおてんばな仕草だけは、資料にあった十三歳という年齢のままだ。

 

人形という形容がぴったりな、幼くも精緻に整った顔の造形。

 

やわらかそうな桜色の頬に、華奢な体躯と可愛らしい背丈ーー幼年学校を卒業したばかりだとは思えないほど完成された美貌に、クーファの目は一瞬で吸い寄せられ、セントはそんなお嬢様を見ながら苦笑するしかなかった。

 

セント「(原作読んでいたから知っていたけど、なんというか……)」

 

エボルト『(呆れる?)』

 

セント「(いや、無能才女には見えないなっと、あの顔を見ていると…)」

 

エボルト『(……でも、彼女は正真正銘の無能才女だっ)』

 

セント「(あぁ、わかってるよ……、エボルト)」

 

クーファが半ば見惚れるように見上げる先で、当のメリダ嬢は柵から大きく身を乗り出し、遠くのほうを眺めていた。探し人が真下にいることにまるで気づいていないらしい。

 

??→メリダ「う~ん…………見えない!植物園にはいらっしゃらないわ。ということはまだ街の方?それとも門の前に……もうっ、前から思ってたけれど植物が育ち過ぎなのよ!」

 

??→メイド4「ちょ、ちょ、ちょ!お嬢さま、危ないですってばあ!」

 

広間から追いかけてきたメイドが慌てたのも、さもありなん。

 

なんとおてんばなお嬢さまはもどかしそうに文句を言いつつ、柵にがしっと片膝をのせたのだ。さすがにその光景には、クーファも「うっ」と喉を詰まらせてしまう。

 

登校時刻が迫っているのか、メリダ嬢は学院の制服姿だった。赤薔薇のように奥深く、それでいて鮮やかな色合いが彼女のブロンドにはよく映える。

 

それは結構なことなのだが……当然ながら、下はスカートである。こちらの視点からすると、大胆にめくれ上がった裾の内側が非常にはしたないことになりーーー…………………クーファとセントはすかさず、さっと顔を逸らした。

 

代わりに慌てたのが、同じ視点を持つエイミーたちである。

 

エイミー「い、いけませんいけませんわ、お嬢さま!こちら!こちらです!」

 

メイド2「見えてますっ!男のひとが見てますってば!」

 

メリダ「えっ?」

 

まったく予想しなかったのであろう方向から呼びかけられて、メリダ嬢はそのままの体勢できょとん、と首を傾けた。そしてようやく気づいただろう。玄関先から自分を見上げている三人のメイドと、その真ん中に立つ軍服姿の長身のふたりに。

 

自分の格好と、お互いの立ち位置を鑑みてーー想像するしかないが、クーファには彼女の幼い美貌がみるみる紅潮していくのが分かった。

 

メリダ「えっ……あっ、ふわわっ……!?ーーきゃっ!」

 

エイミー・メイド2・メイド3「「「あっ!!」」」

 

くすぐるような羞恥の声と、一転して鋭い悲鳴。同時にエイミーたちが大きく息を呑んだのを察してーークーファは瞬間的に顔を跳ね上げた。

 

~三人称side終了~

 

~クーファside~

 

メリダ嬢がバランスを崩し、二階のテラスから転げ落ちたのである。こういうとき、心構えのない人間はとっさには動けない。クーファはトランクをセントへ投げ捨てて足もとを蹴り、彼女の落下地点へ滑り込んだ。腕を広げて持ち、若干の余裕を持ってーー受け止める。

 

ぽすんっ、と。羽毛に似た襲撃がクーファの胸に収まった。お姫さま抱っこである。何が起きたのか分からないのか、メリダ嬢はぎゅっと目をつむったまま固まっていた。

 

クーファ「だ、大丈夫ですか?お嬢さま」

 

メリダ「えっ……?ーーあっ、えっと、は、はい……っ」

 

おそるおそるまぶたを開いた彼女は、ぱちんと、クーファと視線を衝突させる。

 

途端。彼女の幼い美貌が、耳の先まで真っ赤に染った。

 

先ほどのことを思い出したのか。それとも腰が抜けたのか。あるいは細かい筋肉がびっしりついたクーファの腕が、あまりに硬くて居心地悪かったせいなのか。

 

桃色の唇だけが震えて、熱い吐息とともにつぶやきが零れる。

 

メリダ「あなたが、わたしの先生、ですか……っ?」

 

クーファ「はーーはい、クーファと申します。相方のセント共々、これから三年間、よろしくお願いいたします」

 

メリダ「……っ」

 

メリダは、またぎゅっと唇を引き結んでしまった。

 

宝石じみた瞳が引力を放ち、クーファの視線を引き寄せる。図らずも至近距離から見つめ合う格好になり、どんどん狭まる視界からは彼女以外の一切が消え失せていくーー

 

セントとエイミーたちがわっと駆け寄ってきて、クーファもメリダ嬢も、同時に我に返った。

 

エイミー「お嬢さま!!ご無事で何よりでしたわ!」

 

メリダ「わわっ!えっ、あ、わたし……な、なんて格好……!」

 

そこでようやく、自分の体勢を顧みたらしい。異性からのお姫さま抱っこなど初めての経験だったのか、真っ赤な顔でクーファの胸を押しのけて、飛び降りてしまう。

 

そのまま逃げ去るかと思いきやーー寸前で、公爵家のプライドが彼女の足を留めた。

 

メリダ「せっ……先生たちをお部屋へご案内してちょうだいっ」

 

精一杯の声音で言い置いたのち、屋敷に飛び込んでいく。慌ただしくも可愛らしいブーツの声音が遠ざかって……玄関先に残された使用人たちは、自然と顔を見合わせた。

 

~クーファside終了~

 

~セントside~

 

セント「ええと、あの方がオレたちの主人になられる……?」

 

エイミー「……メリダ=アンジェルさまですわ」

 

しごく頭の痛そうな様子で、エイミーはお辞儀をする。他のメイドたちも「やれやれ」と肩をすくめていた。どうやらこの屋敷の主のおてんばっぷりは毎度のことらしい。

 

これは色々と覚悟せねばならないかとクーファが腹をくくっていると、屋敷のなかから靴音が近づいてきた。メリダ嬢が戻ってきたのかと思いきや、そうではない。

 

ばん!と玄関扉を跳ね開けたのは、まだ名前も知らぬ四人目のメイドだった。

 

メイド4「お嬢さまがテラスからフライハイで大変!!……って、あれ?お嬢さまは??」

 

きょろきょろと玄関前を見渡し、姿の見えない主の代わりに五人の同僚を発見する。同年代のメイドたちと、上司のエイミーと、初めて顔を合わせる家庭教師の俺ら……。

 

クーファと一緒にすかさず、にこっと愛想笑いをプレゼントすれば、

 

メイド4「鬼畜のイケメン教師……っと、王子のイケメン教師……っ」

 

メリダ嬢の危機をすっぱり忘れて、とろんと瞳を潤ませていた。

 

セント「(反応するだけ無駄だな)」

 

~セントside終了~

 

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~三人称side~

 

玄関先で思わぬ騒動に見舞われたものの、俺たちはようやく屋敷へと招かれた。

 

私室としてあてがわれたのは、二階と屋根裏の中間。半屋根裏部屋とでもいったところだった。階段の途中に据え付けられた扉を開け、エイミーは軽く頭を下げてくる。

 

エイミー「今まで男性のお部屋というものがなかったものですから、急いで空き部屋をお掃除させていただいたんです。ご不便をおかけして申しわけありませんわ」

 

クーファ・セント「「いえ、まさか」」

 

重たいトランクを手に、クーファとセントはこれから三年間を過ごすことになる自室へと入る。

 

荷物を床に下ろして、ようやく人心地ついた。エイミーは謙遜していたが、クーファとセントがこれまで寝泊まりしていた聖王区郊外のボロアパートに比べれば、楽園のごとしである。それが偽らざる本心なのだが、エイミーは顔面どおり受け取らなかったらしい。クーファらにこの職場を気に入ってもらうとしてか、一生懸命に身を出してくる。

 

エイミー「うちのお屋敷ではお嬢さまも我々使用人も、一緒になってお食事をするんです。今晩はクーファさんとセントさんの歓迎パーティを計画していますから。楽しみにしていてくださいねっ!」

 

クーファ「ええ、楽しみにしてます」

 

セント「同じく」

 

エイミー「……って、これはクーファさん達には秘密なんでした!やだ、私ったら………!」

 

クーファ・セント「「あははっ」」

 

恥ずかしそうに頬を押さえるエイミーの姿に、こちらの表情も自然とほころぶ。

 

彼女が退出していったあと、セントたちはあらためて室内を見回した。

 

空き部屋と言っていたが、隅々まで掃除が行き届いている。ベットはかつてないほどにふかふか。新品のマットレスからは、街燈(ネクタル)のぬくもりをたっぷりと含んだ優しい匂いがする。これらすべて、メイドたちが新しい仕事仲間のために準備したのだろう。

 

クーファ「悪くない職場じゃないか」

 

セント「そうだな」

 

すうっと、胸いっぱいに新鮮な空気を吸い込み、まぶたを閉じる。

 

するとふいに、扉の外に誰かが立つ気配があった。

 

セント「(原作通りだと、メリダお嬢さまかな?)」

 

ややためらうような沈黙のあとに、こんこん、とひかえめなノックの音が響く。

 

メリダ『……せ、先生方。よろしいですか………?』

 

クーファ「お嬢さま?」

 

クーファはすぐにドアへ駆け寄った。扉を開けてみれば、聖フリーデスウィーデ女学院の制服に身を包んだメリダが、もじもじと膝をすり合わせながらこちらを見上げていた。

 

クーファ「どうされました?学校にはまだお時間があるはずでは」

 

メリダ「は、はいっ。ですからあの、その……っ」

 

言いにくそうにしていた彼女は、やがて意を決したふうに視線を上げる。

 

メリダ「よろしければ学院が始まるまで、さっそくレッスンをお願いできないかなって……」

 

クーファ・セント「「は……」」

 

メリダ「す、すみません!お疲れなのに!」

 

ぺこりっと勢いよく頭を下げる少女を前にして、クーファは軽く面食らっていた。

 

クーファ「(ーーへえ、これは驚いた。どれだけやる気がなければあんなどん底の成績を叩き出せるのかと思いきや、意外や意外、本人はいたって努力家じゃないか。)」

 

クーファの方でも、俄然彼女に対する興味が湧いてきた。

 

クーファ「いいですよ、セントもいいだろ?」

 

セント「ああ、俺もいいですよ」

 

答えつつ、クーファは軍服の外衣を脱いで、軽くネクタイを緩めていき、セントの方もクーファと同様に軍服の外衣を脱いで、ネクタイを軽く緩めてから、トランクの中からネイビー色のトレンチコートを取り出して羽織った。

 

その時、念のためにビルドドライバーと数本のフルボトルをコートの懐の中に入れたおいた事に誰も気づいてないようだw

 

セント「それでは簡単にお嬢さまの力を見てみましょうか。運動できる格好で庭に出てください」

 

メリダ「はーーはいっ!よろしくお願いします!」

 

顔を上げたメリダは、とても嬉しそうに笑った。

 

瞬間、クーファの心臓がどきんっと跳ねる。彼女の笑顔のあまりのまばゆさに、思わず息を忘れて見入ってしまったのはーーきっと不意打ちだったからだろう。

 

~三人称side終了~

 

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~セントside~

 

あの後、お屋敷の裏手にある、花園に囲まれたお茶会のための広場にて、原作通りに朝のレッスンが始まった。

 

ワイシャツ姿のクーファと、トレーニングウェアとスパッツに着替えたメリダお嬢さまが、それぞれ練習用の武器を手に向かい合っている。

 

俺はというと少し離れた場所で二人の様子を見ていところだ。

 

 

セント「なぁ、エボルト?」

 

エボルト『どうした?相棒?』

 

セント「なんか、街の方から不穏な気配がするんだが気のせいか?」

 

俺は街の方向へ視線向けながらエボルトとに聞いてみた。

 

エボルト『……やっぱり、お前も感じるか』

 

セント「あぁ、こりゃーこいつ(ビルドドライバー)を持ち出して正解だったな」

 

エボルト『そうだな。だがよ、気をつけろよ嫌な予感がするからなぁ』

 

セント「わかてるぜ、エボルト」

 

視線をお嬢さまたちの方に戻すと、ちょうど軽い打ち込みするところであった。クーファはメリダお嬢さまの正面に回り、すっとまぶたを閉じると、全身から蒼炎を噴き上がった。マナの解放である。

 

焔といっても、我が身を焼いたりはしない。その輝きは、《夜》を退ける神聖な力を放つのみ。マナとはいわば、能力者の体に宿る《太陽の血(ネクタル)》だとも言われているのだ。

 

~セントside終了~

 

 

~クーファside~

 

メリダ「ふわぁ……っ!」

 

メリダお嬢さまが目を丸くしてこちらを見つめていた。

 

メリダ「先生のマナは蒼いんですね……!そんなに淀みのない焔、わたし初めて見ました!」

 

クーファ「そうですか?お恥ずかしい」

 

メリダ「あのっ、失礼ですけど、先生の位階はなんですか……?」

 

クーファ「《サムライ》です。敏捷力に優れた位階ですね」

 

反り返った細身の木刀を、ひゅんっと回してやると、メリダお嬢さまはまた感嘆の声を上げた。

 

苦笑しつつ、クーファは木刀を正面に構える。手のひらからマナが伝わり、片刃を伝った蒼炎は、切っ先でりんっと空気を灼いた。

 

クーファ「では、自由に打ち込んできてください。当たりそうになっても寸止めは要りません」

 

メリダ「は、はいっ」

 

緊張した顔で頷き、メリダお嬢さまは長剣を上げた。やはり少し重そうで、剣先がぐらつく。

 

不動の体勢で待つこと数秒、メリダお嬢さまが動いた。踏み込みとともに剣先が跳ね上がり、大上級へと振りかぶりながら一気に距離を詰めてくる。

 

メリダ「ヤアァ!」

 

威勢の良い掛け声を聞きながら、クーファは「おや?」と内心首を傾げた。

 

しかし、もう遅い。長剣の切っ先が、重量を上乗せして勢いよく振り下ろされる。軌道に合わせるように位置をずらされた木刀へと、鋭く叩きつけられてーーーバシイイイイ!!と耳をつんざくような衝撃とともに、跳ね返された。

 

メリダ「きゃうっ!」

 

メリダお嬢さまは二メートルは後方へ吹き飛び、たまらず尻餅をついた。彼女の手から離れ、上空へと舞い上がった長剣は、天頂で真っ二つに砕ける。落下地点がちょうどメリダお嬢さまの真上だったので、クーファはすばやく前進して木刀を振るい、残骸を払い落とした。

 

木刀を左手に持ち替え、くらくらと目を回しているメリダお嬢さまを助け起こす。

 

クーファ「すみませんお嬢さま、大丈夫ですか?」

 

うかつだった。彼女の資料にあった【MP0】の記述をすっかり失念していた。

 

なぜマナを宿す能力者たちが貴族の特権を与えられ、引き換えに外敵の矢面に立つ責務をかせられているか、少し考えれば分かろうというものだ。メリダお嬢さまはマナをまったく扱えない。マナをまとわせた武器とそうでない武器とが衝突すれば、こういう結果を招く。

 

~クーファside終了~

 

 

~三人称side~

 

セントが若干苦笑気味な顔をしながらクーファとメリダお嬢さまの所へ近づいて来る。

 

セント「予定を変更しましょう。まずはマナを目覚めさせるところからですね」

 

バラバラになってしまったメリダお嬢さまの木剣を見回して、もうひとつ苦笑。

 

セント「武器も新しいのを用意しましょうね」

 

メリダ「……すみません」

 

ちっとも悪くないのにメリダお嬢さまはそう言って、深くうなだれた。

 

セントはクーファにアイコンタクトで「責任持ってお前がやれ!」と送ると、自分の失態だったため「わかった」と返してきた。

 

練習用の武器を収めて、メリダお嬢さまを広場の中央に立たせる。

 

クーファもまた身軽な格好で、彼女の真正面から基本的な講義を開始した。

 

クーファ「能力者の肉体には、目に見えないいくつかの器官が備わっています。全身にマントルと呼ばれる十箇所のマナの噴出孔があり、それらをヴァポライザーと呼ばれる二十二本の通り道が繋いでいるのです」

 

ぽん、とメリダお嬢さまの頭に手のひらを置く。正確に示したい場所は頭蓋の中央なのだが。

 

クーファ「噴出孔(マントル)にはそれぞれ名前がつけられています。ここが《ケテル》」

 

続いて華奢な右上腕、右前腕。左上腕と左前腕。すらりとした右腿にふくらはぎ、左腿にふくらはぎと、順々に手を触れさせていく。同時に読み上げる名称は、それぞれ「ビナー、ゲブラー、コクマ、ケセド、マルクト、ネツァク、イェソド」である。

 

最後にクーファは、胸の中央に指先を置いた。メリダお嬢さまの頬がちょっぴり赤くなったが、こちらはあくまで真面目な顔である。十三歳の少女も、ぎゅっと唇を引き締めた。

 

クーファ「《ティフェレト》ーーここが一番重要なマントルです。マナの源泉はここにあり、二十二本のヴァポライザーはすべてここに集積されています。このティフェレトに能力者の意思で圧力を加えることにより、ヴァポライザーを通したマナが全身から開放されるのです」

 

やってみましょう、とクーファが促すと、メリダお嬢さまは大きく頷いた。

 

目を硬くつむり、掌を組み合わせて、祈るような姿勢を取る。

 

そのまましばらく待ってみるが……何も起こらない。

 

メリダお嬢さまの額に汗が浮かび、頬を伝って落ちていく。

 

クーファ「(ーーやはり駄目か)」

 

セント「(ーーそうだよな)」

 

たとえば俺たちは、尻尾を持つ猫の感覚が理解できない。超音波で飛ぶ蝙蝠の真似事はできない。魚のようにエラがなければ、水中で呼吸することもできない。

 

自分にない身体器官を持っているとすれば、それはもはや、自分とは別の生き物だ。

 

メリダお嬢さまが今感じている苦悩も、それと似たようなものだろう。

 

彼女の身体にはマントルもヴァポライザーも、そしてマナ自体も存在しないのだーーー

 

セント「……お嬢さま、そろそろ学院のお時間です」

 

結局、エイミーが呼びに来るまでなんらの成果も得られなかった。とぼとぼと屋敷に引き上げていく小さい背中を、メイド長は切なそうな表情で見つめる。

 

ふと、エイミーはクーファとセントの方を振り向いて、無理やりに笑顔を作った。

 

エイミー「そうですわ、クーファさんにセントさん。学院でもお嬢さまのお世話をよろしくお願いします」

 

クーファ「お任せください。公爵家の使用人として気を引き締めないといけませんね」

 

セント「右に同じく」

 

メリダ「ーーえっ!?」

 

びっくりしたように振り返ってきたのはメリダお嬢さまだ。おそるおそる尋ねてくる。

 

メリダ「せ、先生方も学院にいらっしょるんですか……?」

 

クーファ「え、ええ。ご存知ありませんでしたか?オレたちはお嬢さまの教育係であると同時に、従者でもあるのです。聖フリーデスウィーデ女学院は原則的に男子禁制とのことですが、オレたちはお嬢さまの付き人ということで、特別に立ち入りを許可いただいています」

 

メリダ「……っ」

 

メリダお嬢さまは複雑そうな表情で唇を噛みしめると、ぱっと身を翻した。屋敷に駆け戻って行くその背中に、残されたクーファとエイミーは顔を見合わせるばかりであり、セントはそんなお嬢さまの背中が見えなくなるまで見つめていた。

 

彼女がなにを懸念しているのか、この時のクーファには知るよしもなかったのだ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

メリダお嬢さまの通う聖フリーデスウィーデ女学院は、お城のような校舎に大聖堂が併設かれた歴史と風格あるカレッジである。南地区のアルベルト大通りに位置し、広大な敷地を高い城壁で囲んでいるようだ。遠目からでも、空に突き出す校舎の尖塔が見える。

 

貴族の子弟が通うーーすなわちマナ能力者の見習いたちが学ぶ養成学校は、フランドール全体で十三校。なかでもとりわけ聖フリーデスウィーデ女学院は、一人前の淑女としての教養を身につけさせることに重点を置いている、由緒正しいお嬢さま学校だった。

 

さすがに通学の時間帯ともなれば、街の通りには学生が多く溢れかえる。伝説的なローブ姿や可愛らしいプリーツスカートなど、学校ごとに制服も様々。

 

そのなかを聖フリーデスウィーデ女学院の、愛らしさと品格の調和したゴティック風の制服をまとったメリダお嬢さまは、ややうつむきがちに石畳を見つめて歩いていく。

 

華奢な両腕には、ずっしりと中身の詰まった革鞄を提げていた。

 

クーファ「重そうですね、お嬢さま。お持ちしましょうか?」

 

メリダ「いっ、いえ!平気ですから!」

 

こちらを見ずに、ぶんぶんと首だけを振る。いったい何が入っているのだろうか?

 

エボルト『(なぁ、相棒)』

 

セント「(なんだ?エボルト)」

 

エボルト『(あの革鞄の中身って……)』

 

セント「(十中八九、クリス・ラトウィッジの新作の恋愛小説の二冊(分厚い)だろうな)」

 

エボルト『(やっぱりか)』

 

セント「(俺も詳しく知らないけど高飛車ツインテールらのからパシられているだろうな)」

 

エボルト『(酷いものだな、マナの能力者というやつは)』

 

セント「(そういう言うなよ、あんなのごく一部の奴らだけだからよ。それに、俺もいちようマナ能力者なんだけど(苦笑))」

 

エボルト『(すまんすまん)』

 

やがてアルベルト大通りに近づき、周辺には同じ制服を着る女生徒たちの姿が増えてきた。ふたり、凛々しい軍服姿のクーファとセントだけが色彩も身長も抜きん出ていて、ちらほらと好奇の視線が集まってくる。メリダお嬢さまはますます居心地が悪そうに肩を縮こまらせていると、背後から聞き慣れた声が聞こえてきた。

 

??「メリダさん、おはよう!」

 

俺達が振り返るとそこには聖フリーデスウィーデ女学院の制服を着たBanG Dream!の戸山香澄の目の色を水色に変えた容姿の女生徒がこちらにやって来た。

 

メリダ「カ、カスミさん、お、おはよう((((;´・ω・`)))」

 

??→カスミ「も~う、そんなに怯えなくてもいいのに?」

 

それを見ったクーファは、軽く驚きながらセントの方をジト目で見ていると、セントはカスミというと少女の方へ近づいて行った。

 

セント「お前な馴れ馴れしいだよ」

 

ピシッと頭を軽く叩くと、カスミはその場でしゃがんで若干涙目になりながら頭を手で抑えてセントの方を見る。

 

カスミ「い、痛いよ!?お兄ちゃん(・・・・・)!!」

 

カスミのその発言にその場にいたメリダお嬢さまを含めた聖フリーデスウィーデ女学院の女生徒たちは一斉に、

 

メリダ・女生徒たち「「「「「ええええええええええ、お兄ちゃん!!??」」」」」

 

セントはお嬢さまたちの驚愕の声を聞き流しながら、あれ?と頭に疑問符を浮かべていた。

 

セント「おかしいな、手加減したはずなのに?なんでだ??」

 

クーファ・カスミ「「お前(お兄ちゃん)のステータスが他のとは違うからだろ(でしょう)!!」」

 

セント「ありゃ、そうだけ?」

 

クーファ・カスミ「「そうだ(でしょう)!」」

 

セント「………すみませんでした」

 

セントが謝るとカスミは頭をセントの方へ出してきて、頭を撫でるように要求する。セントは頬を人差し指でかきながらカスミの頭を撫でると、髪型の猫耳部分をぴょこぴょこさせながら嬉しそう笑う。

 

カスミ「そういいよ、お兄ちゃん」

 

セント「そうか?あと、言うの遅れたけどお兄ちゃんって呼ぶな!!恥ずかしいだろ!!」

 

カスミ「ええ、いいじゃん。お兄様」

 

その時、クーファも含めてメリダお嬢さまと聖フリーデスウィーデ女学院の女生徒たちの心の声が一致した。

 

クーファ・メリダ・女生徒たち「「「「「「(あっ、言うこと聞いて呼び方変えた)」」」」」」

 

セント「良くないからな同僚と主人の前なんだぞ!」

 

カスミ「主人ってメリダさんのこと?」

 

セント「そうだ、今日からメリダお嬢さまの家庭教師兼従者になったからな」

 

それを聞いてカスミはメリダお嬢さまの方を見て羨ましそうな顔をしながら。

 

カスミ「えー、いいなメリダさん。お兄様に勉強教えてもらえて」

 

セント「いやいや、俺だけじゃないぞクーファもな」

 

セントが指でちょんちょんとクーファの方を指すとカスミを驚いた顔をしていた。

 

カスミ「本当だ!?クーファさんもいる、全然気づかなかった」

 

それを聞いたクーファ肩を落として項垂れてしまった。それを見て可哀想だなとその場の全員が思ったことは言わないでおこう。

 

カスミ「ごめんなさいクーファさん!悪気はなかったの信じて」

 

慌てて手を合して謝罪してきたのを見てクーファは苦笑をしながら許した。すると、いつの間に懐から海中時計を取り出したセントがこっちらの方を向いてきて。

 

セント「あのーそろそろ行かないと遅刻してしまぞ」

 

カスミ「ウッソーーー!!」

 

その言葉と共にその場の全員が少し急ぎ気味に歩き出した。その時、カスミやクーファはセントに対して「「もっと早く言え(ってよ)」」と言って怒った。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

あれからかなり急いで歩いて行き、聖フリーデスウィーデ女学院のエントランスへ差し掛かる時に前方の方から突然爆発音が鳴り響いてきた。

 

俺達は、その場で立ち止まり何が起こったんだと困惑していると前の方から炎の弾が飛んできたので俺とクーファが前へ出て各々の得物を抜いて斬り伏せってから武器を構えて戦闘態勢をとる。

 

クーファ「セント!!」

 

セント「あぁ!!出てきた所を殺るぞクーファ!!」

 

すると、前方から足音が聞こえてきた。だが、その音は人間というかゴーレムの類の足音に近いことに俺たちは疑問を覚えていたが、その疑問は驚きで塗り変わった。

 

クーファ「なっ!?なんだあれは!?」

 

セント「嘘だろ!?……なんでいるんだよ!!この世界に、スマッシュが!!」

 

そう、俺たちの前に現れたのは仮面ライダービルドの世界に出てくる怪物《スマッシュ》。このアサプラの世界に絶対に存在しないはずの《スマッシュ》が登場したことにより、俺は軽く混乱を起こしていると体の中にいるエボルトが俺に話しかけてきた。

 

エボルト『落ち着け!相棒!!』

 

セント「…エボルト」

 

エボルト『なーに軽く混乱しているだ!早くスマシュをなんとかしないと被害が大きくなる!シャキーンとしろよ相棒!!』

 

セント「……そうだな。お前の言う通りだな、ありがとう相棒(エボルト)

 

俺は自分の頬を手で叩き、頭の中を切り替えるとさっきまで聞こえてなかったお嬢さま方の微かな悲鳴を耳に入ってきたので、後ろを向きお嬢さまたちに笑顔を向けながら落ち着かせる言葉を言うた。

 

セント「大丈夫ですよ。俺が指一本もお嬢さま方に触れさせませんから」

 

すると、お嬢さまたちは少し落ち着いた顔になったので、クーファの方を向いてアイコンタクトで今からすることを教えると了解したと頷いて答えてくれた。

 

カスミ「……お兄様」

 

傍まで来ていたカスミの頭に手を乗せてわしゃわしゃとした後、笑顔で「行ってくる」と言うとカスミは顔を笑顔にして「ご武運を」と言って送り出した。

 

セント「さて、実験を始めようか」

 

懐に入れていたビルドドライバーを取り出して腰にあてると機械音と共にベルトが腰に巻き付く、その後、片手に1本ずつ持ったボトルを上下に振ると空中から数式現れてきて、それを見たメリダお嬢さまたちは驚く。

 

メリダ「な、何!?突然数式が現れたんだけど!」

 

中のボトルの成分が活性化したのを見て振るうを止めてボトルのキャップのラベルを正面に合わせてからドライバーのスロット部分に差し込む。

 

〔ラビット!!〕

 

〔タンク!!〕

 

〔ベストマッチ!!〕

 

〔Are you ready?〕

 

セント「変身!!」

 

〔鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イエーイ!!〕

 

スナップライドビルダーから生成したハーフボディがセントの前後から挟むように合わさった瞬間に隙間から蒸気を出して仮面ライダービルドラビットタンクフォームに変身した。

 

メリダ「セント先生の姿が変わった!?しかも、あの姿は……」

 

クーファ「お嬢様のご想像通りです。最近、噂されている赤と青の仮面騎士です」

 

メリダの疑問を近くへ来たていたクーファが今朝とは違う雰囲気を醸し出しながら答える。

 

メリダ「クーファ先生は最初から知っていたのですか?」

 

クーファ「えぇ、知っていました。」

 

そう言ってスマシュと戦っている同僚の方へ視線を向ける。その時のクーファの瞳から感じられたのは悲しみや己に対しての怒りの感情だった。

 




第4話から読者の方が考えたオリキャラを登場させようかなと思います。なのでキャラ募集を開始しようと思います。
・名前
・性別
・見た目、性格
・武器
・キャラの設定
こんな感じですかね。

締め切りは5月24日で一人1キャラでお願いします。

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