異世界に転生したら、食べるのと料理するのが好きな魔法使いになってたって話   作:小鳥遊やよい

2 / 7
やっぱり最初は赤ちゃんから

(ん、まぶし)

 

 

 

ゆずは目を覚ました。

 

そして今、自分がされていることをしっかりと理解し、声をあげた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オンギャアアアアアァァァァ!!!!!!」

(さわんなクソがあああああぁぁぁぁ!!!!!!)

 

 

 

 

 

「はぁい、元気な女の子ですよー」

 

 

 

 

 

「......よかった、元気で...産まれてきてくれてありがとう...」

 

 

 

 

 

 

 

 

感動的な場面の中、ゆずはひとり、思いをぶちまけていた。

 

 

 

 

 

 

 

「オンギャアアアアアァァァァッ!!!!!!オンギャアッ!!!!!!」

(マジで転生しやがった!許さねーぞあのコスプレ野郎ッ!!!!!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんて名前にするんだい?」

 

 

 

 

この男の人は...お父さんにあたる人だろう。

 

 

 

 

「────ユズ。いい名前でしょう?」

 

 

 

 

窓の外を眺めながらお母さんにあたる人が喋った。

 

 

 

 

「ああ、いい名前だ。ほらユズ、お父さんだぞー」

 

 

 

 

 

 

 

 

(うまくやっていけるんだろうか─────)

 

 

 

ゆずはそれだけが心配でしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇

 

 

 

あれから五年。

 

 

 

 

 

「お母様!お料理のお手伝いするわ!」

 

 

 

 

「あら、ユズ。じゃあお願いしようかな」

 

 

 

 

最近のユズの趣味は、お母さんの料理のお手伝い。

 

異世界ならではの食材は、ユズの好奇心をくすぐった。

 

 

 

 

お母さんは魔女で、お父さんは優秀な鍛治職人。

 

ユズは二人を見て、どんどん技術を学んだ。

 

4歳になる前には、ちょっとした魔法も使えた。

 

他の魔女の子より、成長が著しく速いらしい。

 

 

 

 

◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

「ごちそーさまっ!お母様、遊びに行ってくるね!」

 

 

 

 

「暗くなる前に帰ってくるのよ」

 

 

 

 

 

 

ユズが住んでいる街、ベルガモットは農業や商業が発展していて、

 

ぶらぶら歩くのに飽きない。

 

 

 

 

 

「ユズちゃん!ココポの実、いるかい?」

 

 

 

八百屋のライおじさんがそう言った。

 

 

 

「ライおじさま!ありがとう!」

 

 

 

「ユズちゃんは小さいのにしっかりしててお利口さんだな!

 よし、もう一個持ってけ!」

 

 

 

「わあっ!いいんですか?」

 

 

 

「いいよいいよ!オレはユズちゃんの笑顔見れたらそれでいいんだ!」

 

 

 

「ありがとうございます!ではこれで!」

 

 

 

 

ユズはココポの実の皮を剥きながら歩き始めた。

 

ココポは庭でも簡単に育てられる小さな木。  

 

それになる実は、白い皮を剥けばもちもちでオレンジ色の

 

小さな果肉が顔を出す。生でも食べられて小腹が空いたときに便利だ。

 

 

 

 

 

 

「ピチピチッピチチッ」

 

 

 

ココポの実の甘い香りに誘われて、野生のピョチがとんできた。

 

ピョチは人懐っこいので、手を差し出せばそこにとまってくれる。

 

剥いたばかりのココポの実をやると、食べてくれた。

 

 

 

「お友達、なる?」

 

 

 

ピョチはピピッと鳴いてくれた。いいよの合図だ。

 

ゆずは覚えたての呪文を唱えた。

 

 

 

「しぜんのばんにんよ、われにちからを」

 

 

 

 

 

 

「今日からキミはバジルってなまえね!!」

 

 

 

バジルは嬉しそうにさえずった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。