出久君の叔父さん(同学年)が、出久君の運命を変えるようです。Season1   作:SS_TAKERU

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第8話を投稿します。
お楽しみ頂ければ、幸いです。


第8話:戦闘訓練!ーその1ー

雷鳥side

 

 個性把握テストを終え、諸々の書類を受け取った俺達は、帰宅の途についた訳だが―

 

「緑谷君! 吸阪君!」

 

 それに気づいた飯田が俺達に声をかけてきたのを皮切りに―

 

「おーい! お三かたー! 駅まで? 待ってー!」

「ケロケロ。私も途中までご一緒させてもらえるかしら?」

 

 梅雨ちゃんと…たしか、麗日だったか…が、合流してきた。

 

「君達は…たしか(むげん)女子と蛙女子」

「む、∞女子に蛙女子って…飯田君、もしかしてあだ名のセンス0!?」

「あだ名のセンスもだが、飯田…女子の名前はなるべく早く覚えたほうがいいぞ…」

「む、も、申し訳ない…」

「ハハ、ハハハ…」

「じゃあ、改めて自己紹介! 麗日お茶子です!」

「蛙吹梅雨よ。梅雨ちゃんと呼んでちょうだい。でも…飯田ちゃんは性格上、ちゃん付けは出来ないタイプみたいね」

「ぐっ!? た、たしかにその通りだ…だが、蛙吹くんが望むのであれば、そう呼べるように努力しよう!」

「自分のペースでいいわよ。ケロケロ」

 

 そんなやり取りをしながら歩いていると、街路樹の陰から峰田(ちっこいの)が、こちらを射殺さんばかりの視線で睨みつけていたのに気づいたが、華麗にスルーしておく。

 

「それにしても、個性把握テストでの2人の活躍は実に凄まじいものだった。感服したよ!」

「そうね。吸阪ちゃんも緑谷ちゃんも殆どの種目で上位に入っていたし…普通の記録だったのは、長座体前屈くらいね」

「まぁ、伊達に10年以上2人で鍛えてきた訳じゃないからな」 

「10年以上…2人はすごく親しいみたいだけど、幼馴染かなにかなの?」

「親戚同士…まぁ、従兄弟とでも言っておこう」

「幼馴染…と言えるかは微妙だけど、爆豪君とは長い付き合いだよ。あまり良い関係じゃないけど」

「そう言えば、彼は緑谷君の事をデクと呼んでいたな…あれはもしや」

「うん、出久(いずく)の読み方を変えてね…何も出来ない木偶の坊のデクだって」

 

 出久の告白に梅雨ちゃんと麗日は絶句し、飯田も眉間に皺を作りながら声を絞り出す。

 

「蔑称か…個性把握テストの時の言動と言い、彼は性格に少々難があるようだ…」

「少々どころか、大いに難があるよ…出久が止めてなかったら、何度報いを受けさせてやろうと思った事か………」 

 

 あぁ、いかんいかん。奴の事を思い出したら、無性に腹が…ん?

 

「4人ともどうした? そんなに距離を取って…」

「雷鳥兄ちゃん…殺気が、その…だだ漏れだったよ」

「…すまん!」

 

 その後、4人にお詫びとしてジュースやスイーツを奢る事になった。皆気にしていないと言ってくれたが、怯えさせてしまった事に違いはないからな。

 それにしても、あんな事くらいで殺気を外に漏らしてしまうとは…まだまだ俺も鍛錬が足りないよ。 

 

 

 翌日から雄英高校のカリキュラムが正式にスタートした。午前中は英語など必修科目…いわゆる普通の授業を受ける訳だが…

 

「んじゃ、次の英文のうち間違っているのは?」

「おらエヴィバディ、ヘンズアップ! 盛り上がれー!!」

 

 プレゼント・マイクが担当する英語の授業は、すこぶる普通だった。そして昼休み。

 

「こいつは…美味いな」

 

 大食堂で注文した大盛りシーフードカレーの味に、俺は衝撃を受けた。学校の食堂でこれほどの味を、それもここまで安価に提供するとは…大食堂の主であるクックヒーロー『ランチラッシュ』、恐るべしだな。

 

「うん、美味しい!」

 

 出久の頼んだ大盛りカツ丼も絶品らしく、箸が止まる気配がない。

 

「雷鳥兄ちゃんの作るごはんも美味しいけど…」

「むこうはプロだぞ。俺の作るもんより美味くて当ぜ-」

「え!? 吸阪って、自炊してるの!? すっごーい!」

 

 被り気味に背後から聞こえてきた声。振り返って見るとそこには、ピンクの髪と肌を持つ女子の姿が…。

 

「芦戸か。どうした?」

「いや、今緑谷がさ。吸阪の作るごはんって言ってたから、気になってね!」

「あぁ、そういう事か。俺は今、親戚である出久の家に居候しているからな。出来る範囲で家事手伝いをしている。それだけだ」

「雷鳥兄ちゃん、料理上手なんだ。本当なら今日もお弁当の予定だったんだけどね」

「大食堂に興味があったんでな。予定を変更した訳だ。まぁ、来て良かったよ。これだけ美味い物が食えるとわかったのは、収穫だ。出久、明日からの弁当楽しみにしておけ。良い目標が出来た」

「緑谷、良いなぁ! 私料理苦手だし、お弁当作ってくれる人もいないし…あっ! ねぇ、吸阪、私の分もお弁当作って! って、流石に図々し-」

「良いぞ」

「ホント!? ホントに!?」

「あぁ、2人分作るも3人分作るも大して手間は変わらないからな。ただ…材料費と手間賃は貰うぞ。合わせて…300円な」

「安っ! そんな安くていいの!?」

「あぁ、別にこれで利益出す訳じゃないからな。あ、金は明日弁当と引き換えでいい」

「それじゃあ、お願いしまーす!」

 

 教室に戻ると、芦戸から話を聞いた麗日と梅雨ちゃん、葉隠。男子からも切島と瀬呂が弁当の注文をしてきた。

 …全部で8人分。帰りにスーパーに寄らないとな…それに全員分の弁当箱はないから……重箱にでも詰めてくるか。

 

 

 そうしている内に昼休みは終わり、午後の授業。本日のメインイベントが始まった。

 

「わーたーしーがー!!」 

「普通にドアから来た!!」

 

 HAHAHA! と高笑いをしながら教室に入ってくるオールマイトにクラスメートのテンションも上がる。

 

「オールマイトだ…!! すげえや、本当に先生やってるんだね…!!」

「あれ、銀時代(シルバーエイジ)のコスチュームね!」

 

 クラスメート達からのキラキラした眼差しを受けながら、教壇に立ったオールマイトは高らかに宣言する。

 

「ヒーロー基礎学! ヒーローの素地をつくる為、様々な訓練を行う科目だ!!」

「早速だが今日はコレ!! 戦闘訓練!!」

 

 戦闘訓練。その響きに、全員のボルテージは更に一段階アップする。それを-

 

「そしてそいつに伴って…こちら! 入学前に送ってもらった『個性届』と『要望』に沿って誂えた…戦闘服(コスチューム)!!」

 

 オールマイトは戦闘服(コスチューム)を見せる事で更に煽る。教室のテンションはもはや最高潮だ。

 

「着替えたら順次グラウンド・βに集まるんだ!!」

 

 オールマイトは言う。恰好から入るってのも大切な事だぜ少年少女!! 自覚するのだ!! 今日から自分は…ヒーローなんだと!!

 

 

「良いじゃないか皆、カッコいいぜ!!」

 

 自分だけの戦闘服(コスチューム)に着替え、グラウンド・βに集合した俺達を満足げに見つめるオールマイト。

 

「先生! ここは入試の演習場ですが、また市街地演習を行うのでしょうか!」

 

 そこへフルアーマータイプの戦闘服(コスチューム)を身に纏った飯田が、生真面目に挙手をしながら質問をぶつけた事で説明が開始された。

 

 今回行うのは、2人1組の『ヒーロー』と『(ヴィラン)』に分かれての屋内戦。

 状況設定は『核兵器』の隠された(ヴィラン)のアジトへヒーローが乗り込むというもので、制限時間内に(ヴィラン)を無力化するか、『核兵器』を確保すれば、ヒーローの勝ち。

 逆に制限時間内『核兵器』を守るか、ヒーローを無力化すれば(ヴィラン)の勝ち。そして…。

 

「コンビ及び対戦相手は…くじで決める!!」

「適当なのですか!?」

「プロは他事務所のヒーローと急造チームアップする事が多いし、そういう事を見据えてじゃないかな…」

「そうか…! 先を見据えた計らい…気がつかずに申し訳ありませんでした!!

 

 くじで決めるというアバウトなやり方に声をあげた飯田に、出久が補足説明をするシーンなどを挟みつつくじ引きが行われ、全10チームが決定した。

 

 Aチーム:吸阪雷鳥&麗日お茶子

 Bチーム:轟焦凍&障子目蔵

 Cチーム:八百万百&峰田実

 Dチーム:爆豪勝己&飯田天哉

 Eチーム:芦戸三奈&青山優雅

 Fチーム:口田甲司&砂藤力道

 Gチーム:緑谷出久&耳郎響香

 Hチーム:常闇踏陰&蛙吹梅雨

 Iチーム:尾白猿夫&葉隠透

 Jチーム:切島鋭児郎&瀬呂範太

 

「続いて、最初の対戦カードはこれだ! ヒーローがAチーム! (ヴィラン)がDチームだ!」

 

 Aチーム(俺達)vsDチーム(爆豪達)。その組み合わせが発表された瞬間、俺は心の中で咆哮をあげた。

 戦闘訓練を行う以上、いつかは爆豪(こいつ)とやりあう時が来る…と思っていたが、まさかこうも早くとは…神様の思し召しって奴なら、大歓迎だ。 

 さぁ、やろうぜ爆豪(クソガキ)。お前の大好きなヒーローの(悪が倒される)時間だ。




最後までお読みいただき、ありがとうございました。

次回、遂に雷鳥と爆豪が激突!
果たして勝者はどちらなんでしょうか?(棒読み)
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