出久君の叔父さん(同学年)が、出久君の運命を変えるようです。Season1   作:SS_TAKERU

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お待たせしました。
第88話を投稿します。
お楽しみ頂ければ、幸いです。


第88話:林間合宿ーその12ー

梅雨side

 

「痛ぅ……」

「お茶子ちゃん。腕大丈夫?」

 

 左腕をナイフで斬られたお茶子ちゃんを庇いながら、私は攻撃の主を睨みつける。私達の前に立っているのは、私達と同年代の女子。

 

「ん! んー…浅いし少ない」

 

 趣味の悪いマスクにセーラー服。普通とは随分とかけ離れたセンスの持ち主ね。何より…

 

「急に斬りかかって来るなんて酷いじゃない。何なのあなた」

 

 私達に問答無用で攻撃を仕掛けてきたという事は…(ヴィラン)の一員と考えて良さそうね。

 

「トガです! 2人ともカァイイねぇ…麗日さんと蛙吹さん!」

 

 何の躊躇いもなく自らをトガと名乗った(ヴィラン)は、薄っすらと血の付いたナイフを向けながら、私達の名前を呼んできたわ。

 

「名前バレとる…」

「体育祭かしら…何にせよ情報は割れてるって事ね。不利よ」

「名前だけじゃありませんよ。“個性”も戦い方も把握してます。体育祭のビデオは何回も見ましたから!」

「2人…ここにはいない八百万さんも合わせて3人は凄いですよねぇ。あの雄英体育祭で、男子に負けない大活躍。カァイイし強いし、最高です!」

 

 …何なのかしら、この子。本気で私達を評価しているみたいだけど、同時に本気で私達を害しようとしてる…2面性という言葉で片付けるのは、やめた方が良さそうね。

 

「やっぱり、血が少ないとね、ダメです。普段は切り口(・・・)からチウチウと…その…吸い出しちゃうのですが…」

「この機械は、刺すだけでチウチウするそうで、お仕事が大変捗るとの事でした。刺すね!」

 

 そう言って、一直線に向かって来るトガ(ヴィラン)

 

「来た!」

 

 直前に相澤先生から戦闘許可が下りた事もあって、迎え撃とうと構えるお茶子ちゃん。

 

「お茶子ちゃん」

 

 だけど、私はそんなお茶子ちゃんを舌で絡め取り、茂みの方へ投げ飛ばす。

 

「宿泊施設へ走って。戦闘許可は『(ヴィラン)を倒せ』じゃなく『身を守れ』って事よ。相澤先生はそういう人」

「梅雨ちゃんも!」

「もちろん私も…痛っ!」

 

 お茶子ちゃんに続いて跳ぼうとした瞬間、舌先に走る鋭い痛み。

 

「レロ…」

 

 ナイフで切られた? ナイフの間合いは把握していた筈…どうして?

 

「梅雨ちゃん♪」

 

 その声と共にトガ(ヴィラン)の手元でクルクルと回りながら、刃の長さを自在に変えるナイフを見て、疑問は解決したわ。ナイフの刃が伸縮するギミックが仕込まれていたのね。

 

「梅雨ちゃん…梅雨ちゃん♪」

「カァイイ呼び方。私もそう呼ぶね♪」

「やめて、そう呼んでほしいのは、お友達になりたい人だけなの」

 

 私を梅雨ちゃんと呼ぶトガ(ヴィラン)に、何とも言えない悪寒を感じながら、距離を取ろうとジャンプした瞬間―

 

「やーじゃあ私もお友達ね! やったぁ!」

 

 投げつけられた何かによって、私の髪が樹の幹に縫い付けられてしまったわ。

 

「梅雨ちゃん!」

「血ィ出てるねぇ、お友達の梅雨ちゃん! カァイイねぇ、血って私大好きだよ」

 

 動けない私に抱きつこうとするトガ(ヴィラン)。そこへ―

 

「梅雨ちゃんから離れて!」

 

 私を助けようと、お茶子ちゃんが一直線に向かって来たわ。

 

「セイッ!」 

 

 お茶子ちゃんは、無造作に突き出されたナイフを紙一重で避けると同時に、手刀の一撃でナイフを叩き落とし―

 

「はぁぁぁぁぁっ!」

 

 “個性”を発動しながらトガ(ヴィラン)を持ち上げ、そのまま一気に投げ飛ばそうとしたんだけど…

 

「痛っ!」

 

 投げ飛ばされるよりも早く、トガ(ヴィラン)はお茶子ちゃんの太腿に注射器のような物を突き立てたわ。

 

「チウ、チウ…」

 

 思わず膝をついたお茶子ちゃんから、少しずつ吸い取られていく血液。状況が動いたのは、その時よ。

 

「麗日!? 蛙吹!?」

「常闇ちゃん、皆…!」

 

 奥の茂みから、常闇ちゃん達が飛び出して来たわ。常闇ちゃんが背負っているのは…障子ちゃん!?

 

「あっ、しまっ…」

 

 常闇ちゃん達の登場に、お茶子ちゃんが一瞬気を取られた直後、お茶子ちゃんを突き飛ばして距離を取るトガ(ヴィラン)

 

「人増えたので、殺されるのは嫌だから…バイバイ」

 

 そう言い残して、森の奥へ消えて行ったわ。

 

「何だ、今の女は…」

(ヴィラン)よ。クレイジーだわ」

 

 合流し、素早く情報を交換する私達。1人残った轟ちゃんが心配だけど…私達がやるべき事は一刻も早く、宿泊施設へ向かう事ね。急ぎましょう。

 

 

出久side

 

「ウォーターホース……パパ…ママ…も、そんな風にいたぶって…殺したのか…!」

 

 岩陰から飛び出した洸汰君が、マスキュラーへと石を投げつけながら発した言葉に思わず息を飲む。

 洸汰君は、マスキュラー(こいつ)がご両親を殺した(ヴィラン)だと知っていたのか…。

 

「あぁ…? マジかよ。ヒーローの子どもかよ? 運命的じゃねーか」

「衝撃の再会…いや、初めて会うから衝撃の対面ってやつか?」

 

 マスキュラーもトリケラトプス(ヴィラン)も、少なからず驚いているみたいだ。2人とも僅かに力を抜いている。

 

 

「ウォーターホース。この俺の左眼()を義眼にしたあの2人だ」

「おまえのせいで、おまえらみたいな奴のせいで…いつもいつもこうなるんだ!!」

 

 腹の底から声を振り絞り、怒りを露にする洸汰君。だけど、マスキュラーは涼しい顔だ。

 

「……ガキはそうやってすぐ責任転嫁する。良くないぜ」

「俺だって、別にこの眼の事恨んでねえぞ? 俺は“殺す(やりたい)”事やって、あの2人はそれを止めたがった」

「お互いやりてぇ事やった結果さ」

「兄貴の言うとおりだぜ、小僧。それに……兄貴はお前を救ってくれた(・・・・・・)んだ」

 

 トリケラトプス(ヴィラン)の発した言葉に耳を疑う。救ってくれた? 何を言っているんだコイツは…。

 

「理解出来ないって顔だな。なら、説明してやるよ。ヒーローって生き物はな。子どもを持つと狂う(・・)んだよ」

「自分の上位互換(・・・・)にしようと躍起になって、自分が叶える事が出来なかった夢って重荷(・・・・・)を背負わせようとする」

「自分で勝手に期待して、叶わなかったら、全責任を押し付けてくる。親になったヒーローなんて、道端に落ちた犬の糞にも劣る最低最悪の存在さ」

「小僧、ウォ-ターホース(お前の両親)だって、じきにそうなってた。そうなる前に、お前は解放されたんだ。兄貴に感謝こそすれ、恨むなんて筋違いもいいところだぜ」

 

 …この口ぶり、まさかとは思うけど……。

 

「お前も…ヒーローの子どもなのか?」

 

 間違っていてほしい。そう思いながら、心に浮かんだ疑問を口にする。その答えは―

 

「あぁ、そうさ」

 

 最悪のものだった。

 

「タックルヒーロー“ライノセラス”を知ってるか?」

「……7年の間、ヒーロービルボードチャートJPのトップ10に入り続けた強豪。3年前、惜しまれつつ引退した直後、自宅を突き止めていた(ヴィラン)の報復を受けて、無念の死を遂げた悲劇のヒーロー……まさか!」

「その、まさかだよ。ライノセラスを殺したのは…俺だ」

 

 

トリケラトプス(ヴィラン)side

 

 俺の告白を聞き、青褪めた顔の小僧どもを見ながら、俺はゆっくりと口を開く。

 

「そう…狂っちまう前のアイツは、ヒーロー活動に邁進し、たまの休日(オフ)には、家族サービスに励む…まともな父親だった」

「ランキングも右肩上がり…アイツにとっては、公私共に絶好調だった。だが、そんな日々は突然終わる」

「ヒーロービルボードチャートJP、第8位。それがアイツの限界(・・)だった。オールマイト、エンデヴァー、不動のトップ2はおろか、たった1つ上の7位にすら届かない。それほど絶対的な実力差に加え、虎視眈々と上を狙う下位のヒーロー達」

「自分はこれ以上先に行けない。限界を悟ったアイツは、今の地位を守る事に躍起になった。他のヒーローが追い詰めた(ヴィラン)を偶然を装う形で退治して、成果を掻っ攫ったり、後々脅威になると判断した若手を、トレーニングの名目で叩きのめして気力を削いだり、やれる事は何でもやってた」

「そして、最後にして最大の策として実行したのが…トリケラトプスという自分の上位互換な“個性”を持った俺を、ヒーローとして育て上げる事だった。俺をナンバー(ワン)にする事で、自分の夢を間接的に叶えようとしたのさ」

「奴の指導は常軌を逸していて、俺は何度も命の危険を感じた。そんな俺を心配したお袋に、アイツは暴力を振るい、夫婦関係も急速に悪化していったよ」

「「……………」」

 

 俺の話を聞いて、ただただ黙り込む小僧ども。もう一息だ。

 

「やがて、アイツは外に女を作り、滅多に家へ帰って来なくなった。たまに帰ってきたかと思えば、俺の成長具合を確認し、少しでも想定を下回っていれば、容赦なく暴力を振るう」

「アイツにとって俺は、叶いもしない夢を叶えるための道具で、お袋はそんな俺を世話する家政婦程度の存在になってた。こんな屑が、外ではランキング上位の強豪ヒーロー扱いだ。世の中狂ってると思わないか?」

「…に、逃げようと思わなかったのか? 行政に助けを求めるとか…」

「オイオイ、寝惚けた事言うなよ。相手は腐っても強豪ヒーロー。使える金も人員も桁違いさ。どこに逃げてもすぐに連れ戻される。お役所にしたって、実績豊かな強豪ヒーローと、それに反発するガキ。どっちの言う事を信じると思う?」

「そ、それは…」

「誰も助けちゃくれない。だったらどうする? 自分で何とかするしかないよなぁ! 俺は、心を押し殺して鍛錬に励んだ。いつの日かアイツの力を超えて、復讐する為にな!」

「そして3年前…お袋が病気で死んで、アイツがヒーローを引退したのを機に、俺は計画を実行した(アイツを襲った)。“個性”が上位互換である上に鍛え続けた俺と、現状維持に終始していたアイツ。その差は歴然だった」

「血反吐に塗れたアイツが、地面をのたうちながら死んでいく様子を見ながら、俺は決意したよ。ヒーローなんて人種が親になれば、碌な事にならない。コイツと同じ存在がまた現れる。俺と同じ目に遭う子どもが増える。だったら…俺が、子ども達を解放しようってな」

「それから俺は子持ちのヒーローだけを襲ってきたよ。3年で7人殺し、11人を再起不能にした。救った子どもは20人近くになる。どうだ? すげぇだろ!!」

 

 そうさ。俺の行いは子ども達の未来を守る…まさに正義(・・)の行い。

 (ヴィラン)と呼びたければ、呼ぶがいい。俺は、この狂った世界で正しい正義を実行するまでだ!

 

 

出久side

 

 トリケラトプス(ヴィラン)の告白。それはあまりに壮絶で、まだまだ未熟な僕が何を言っても、何の意味も無いのかもしれない。だけど…

 

「パパも…ママも…アイツの親みたいに…」

 

 虚ろな目のまま呆然と呟く洸汰君をこのままにはしておけない!

 

「洸汰君! こっちを見るんだ!」

「ッ!」

 

 突然の大声に体を震わせながら、涙目で僕の方を見る洸汰君。僕は洸汰君の肩に手をやると、軽く息を吸い…思いを言葉に変えていく。

 

「悔しいけど、アイツの経験してきた事は事実で、どうしようもない屑みたいな親は存在する…だけど、君のご両親は! ウォーターホースは! そんな屑の同類なのか?」

「君の思い出の中にいるご両親は、君にそんな事をするような奴らなのか? どうなんだ!」

「………ち、がう。パパも、ママも…そんな事しない! するもんか!」

 

 僕の問いに泣きながらそう答える洸汰君。そうだ、君が信じなくて、誰がご両親を信じるんだ!

 

「ご両親を信じるんだ。それは子どもである君にしか出来ない事だから」

「ハッ、流石はヒーロー志望。詭弁もお手の物だな」

「黙れよ…」

 

 洸汰君への言葉を詭弁と笑うトリケラトプス(ヴィラン)に、僕は向き直り―

 

「アンタの過去は悲惨で…心底同情するよ。だけど、どんなに自分が不幸だったからって…自分勝手な考えで、他人(ひと)から家族を奪って良い理由にはならない!」

「自分の不幸を、他人(ひと)に押し付けるな!!」 

 

 湧き上がる思いをぶつけながら、『フルカウル』の出力を45%(自壊半歩手前)まで高めると―

 

「さぁ、来いよ。相手になってやる!」

 

 敢えて挑発的な台詞と共に構えを取った。

 

「ハハッ! 相手になってやる、なってやるだと? 上等だ、だったら最後まで楽しませろ!!」

 

 そんな僕が心底おかしく見えた(・・・・・・・)のだろう。抜いていた力を入れ直すマスキュラーとトリケラトプス(ヴィラン)

 

「ミンチになるまで、いたぶってやる!」

 

 叫びと共に右腕を振り上げ、向かって来るマスキュラー。まともにぶつかれば、さっきの二の舞。だけど、対抗策はある。

 綱渡りみたいな危なっかしい方法。出来るならやりたくはない。だけど、雷鳥兄ちゃんなら間違いなく選択するだろう。一言こう言って―

 

「分の悪い賭けは嫌いじゃない! ワン・フォー・オール、フルカウル! 50%!」

 

 『フルカウル』の出力を45%(自壊半歩手前)から、更に一歩踏み込む! 今の僕なら、この出力でも数十秒なら耐えられる筈だ!

 

50CALIBER(フィフティーキャリバー)! スマァァァァァッシュ!!」

「うぉらぁっ!」

 

 僕の50CALIBER(フィフティーキャリバー)スマッシュと、マスキュラーの右ストレートの激突。

 

「うぉぉぉぉぉっ!」

「何だ!? さっきまでと―」

 

 2度目の激突で自身が勝った事で、出力45%が僕の限界(・・)だと、マスキュラーが誤認していた事。

 マスキュラーの攻撃が、僕の限界を上回る程度に調整されていた事。

 そして、僕の攻撃が50CALIBERスマッシュ(最強必殺技)だった事。それら全てが僕に味方した。

 

「吹っ飛べぇ!!」

「ごはぁ!!」

 

 血反吐を撒き散らしながら吹き飛び、崖に叩きつけられるマスキュラー。

 

「兄貴!?」

 

 マスキュラーが吹き飛んだ事に驚き、一瞬その動きを止めるトリケラトプス(ヴィラン)。その隙を突いて、僕は一気に間合いを詰め―

 

44MAGNUM(フォーティーフォーマグナム)! スマッシュ! シックスオンワン!」

 

 44MAGNUMスマッシュを一点集中の6連発で打ち込む!

 

「ぐはぁぁぁぁぁっ!!」

  

 マスキュラー同様、血反吐を巻き散らしながら吹き飛び、崖に叩きつけられるトリケラトプス(ヴィラン)

 

「やった…ぐぅっ!」

 

 2人を倒し、わずかに気が緩んだ途端、右腕に走る鋭い痛み。

 

「やっぱり…無理があったな」

 

 呼吸を整えながら、ゆっくりと右手を握り、状態を確かめる。折れては…いない。拳と腕の骨にヒビが入ったってところだ。

 

「だ、大丈夫…か?」

 

 不安げに僕の顔を覗き込む洸汰君。ごめんね、不安な思いをさせちゃって。

 

「大丈夫だよ。さぁ、施設に行こう。ここからならすぐに―」

 

 その瞬間、猛烈な悪寒が背中を走った。思わず振り向くと、そこには―

 

「ウソ…だろ…」

「良いパンチだったが……俺を仕留めるには、ホンの少し足りなかったぞ。しかしやるなぁ…緑谷!」

「効いたぜ…さっき喰った物、全部吐いちまった…アバラも何本かヤバイか」 

 

 ゆっくりと立ち上がるマスキュラーとトリケラトプス(ヴィラン)の姿。2人とも相応のダメージを負ってはいるけど、戦闘不能とはとても言えそうにない。

 

「まさか、これほどとは思ってなかった。正直、舐めてたよ。お前を…やめるよ! 遊びは終いだ! お前強いもん!」

 

 マスキュラーはダメージで破損した左の義眼を外すと―

 

「こっからは……本気の義眼()だ。100%でぶっ潰す!!」

 

 別の義眼に付け替え、全身を今まで以上の筋肉で肥大化させていく。

 

「俺も全力だ!」

 

 トリケラトプス(ヴィラン)も、今までとは目の色が違う。さっきのように、相手の慢心や油断を突くような戦いはもう出来ないだろう。だとすれば…

 

「洸汰君…あいつらは何としてでも食い止める。僕とあいつらがぶつかったら(・・・・・・)、全力で施設へ走るんだ」

「ぶつかったらって…おまえ、まさか!」

「無理だ! 逃げよう…1人であんな化け物に勝てる訳ないじゃん!!」

「大丈夫…勝てなくても負けないから!」

 

 洸汰君にぎこちない笑顔を見せ、ゆっくりと呼吸を整える。両腕と引き換えにしてでも、あの2人は倒す。倒してみせる!

 

「ワン・フォー・オール、フルカウル!」

 

 体が自壊する事も構わず、『ワン・フォー・オール』の出力を100%に引き上げ―

 

「ダブルサンダー! ブレーク!」

 

 その直前、落雷と見間違う程の強烈な電撃が、マスキュラーに叩き込まれた。

 

「がぁぁぁぁぁっ!!」

 

 完全に不意を突かれた攻撃に、声を上げるマスキュラー。直後、1つの影が僕達を庇う様に飛び出し―

 

「ライトニングソニック!!」

 

 トリケラトプス(ヴィラン)の顔面に電撃キックを叩き込む! あれは…来てくれたんだね!

 

「出久! 待たせたな!」

「雷鳥兄ちゃん!」

 

 僕と洸汰君を庇うように立ちながら、構える雷鳥兄ちゃん。だけど、そこから漂う雰囲気はいつもとは違って―

 

「てめぇら…小さな子どもだけじゃなく、俺の甥っ子にも随分な真似してくれたな…ただで済むと思うなよ!」

 

 怒りの感情を前面に出している。でも、洸汰君が怯えるから、殺気はあいつらだけに向けて…ほしいかな。

 

「お前も…リスト(・・・)にあったぞ! オールマイトの弟子!」

「吸阪雷鳥! 2人纏めて仕留めれば、死柄木さんからの特別報酬が、500万っすよ!」

「2人で500万? 随分と安く見られたもんだな…まぁいい、その臨時収入とやら、取らぬ狸の皮算用になると…覚悟しときな」

「雷鳥兄ちゃん。僕も―」

「…やれんのか?」

「…もちろん!」

「わかった。頼む」

 

 並び立つ僕と雷鳥兄ちゃんを睨みつける、マスキュラーとトリケラトプス(ヴィラン)。戦いの再開だ!  




最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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