出久君の叔父さん(同学年)が、出久君の運命を変えるようです。Season1 作:SS_TAKERU
第101話を投稿します。
お楽しみ頂ければ、幸いです。
根津side
『悪夢のような光景! 突如として神野区が、半壊滅状態となってしまいました!』
『現在オールマイト氏が元凶と思われる
記者会見を乗り切り、
『信じられません!
「よもや、これほどとは……」
テレビの画面に映る惨状に、思わずそんな声が漏れる。
オールマイトの宿敵、オール・フォー・ワン。その強大な力、理解したつもりでいたけれど…過小評価だったようだね。そんな中―
『それにしても! オールマイト氏以外のヒーローは、一体何をやっているのでしょうか!? ベストジーニスト、ギャングオルカ、Mt.レディ、そしてシンフォニックの6人!』
『錚々たるヒーロー達が、たった1人の
現場上空を飛ぶ報道のヘリコプター。それに乗り込んだリポーターの
「………まったく、これだからマスコミは…」
額に青筋を浮かべ、そう吐き捨てる
『只今中継において不適切な発言がありました事を、視聴者の皆様及び、プロヒーローの方々にお詫びいたします』
突然、中継が打ち切られ、スタジオの女性アナウンサーが謝罪の言葉と共に、深々と頭を下げた。そして―
「先程、雄英高校で行われた記者会見において、一部のジャーナリストが
「視聴者の皆様が、より健全で正しい判断ができる材料を提供するとの観点から、公明正大な報道により一層邁進致します事を、ここにお誓いします」
そう宣言し、再び中継が再開された。
今の宣言。本心からなのか、それとも追及を逃れる為のポーズなのか、それはわからないが…少なくとも今は、不愉快な実況に悩まされないで済みそうだね。
急遽交代したリポーターの若干不慣れな実況に、思わずそんな事を考える。
まさか、それから2分もしないうちに、あんな事になるとは…予想も出来なかったけどね。
オールマイトside
「残念だったね、オールマイト。弟子が2人とも死んでしまったよ」
心底楽しそうなオール・フォー・ワンの声が響く中、私は戦いの最中でありながら、全身の力が抜けていくのを感じていた………。
「くぅっ…」
必死に歯を喰いしばり、足に力を込める。そうしなければ、膝から崩れ落ちてしまうのを…止められない。
「長年の宿敵として、心中お察しするよ。かつては自らの師を
芝居がかった口調でお師匠の、そして
「黙れ! 貴様が…お師匠や少年達の死を、死を嗤うな!」
「おっと失礼。だが…笑わずにはいられない。何しろ、緑谷出久の取った行動は、
「脈々と受け継がれてきたワン・フォー・オールの系譜を途切れさせてしまった分、罪深いとすら言える」
「き、さまぁ…」
自らの命と引き換えにして、私を救ってくれた
「その言葉を、取り消せぇ!」
奴へと殴りかかる!
「駄目じゃないか、オールマイト。
だが、怒りで冷静さを欠いた一撃は、易々と回避され―
「『
逆に足元から次々と生えてくる槍状に尖らせた石と、
「長きに亘る因縁もそろそろ終わりにしよう。『空気を押し出す』
そこへ間髪入れず撃ち込まれる、強烈無比な衝撃波。迎撃は…間に合わない!
「くっ!」
私は咄嗟に防御を固めるが…。
「ぐぉぉぉぉぉっ!!」
衝撃波は、防御の上からでも容赦なく私の体力を削り取っていく。そして―
「私に師匠を、愛弟子を奪われたオールマイト。私は君から全てを奪う。次は怪我をおして通し続けたその矜持」
「惨めな姿を世間に晒せ。
攻撃を耐え抜くのと引き換えに、私はマッスルフォームの維持も覚束無いほど体力を消耗していた。
飯田side
『えっと…何が、え…? 皆さん、見えますでしょうか?』
『オールマイトが…しぼんでしまっています……』
テレビから聞こえてくるリポーターの呆然とした声。それは僕達家族全員の思いでもあった。
「う、嘘だ…」
ベストジーニストを始めとするヒーロー達、吸阪君、緑谷君…次々とあの
「目を逸らすな! 天哉!」
逸らしかけたところを兄さんに一喝された。思わず兄さんに視線を送り、僕は息を呑む。
「ヒーローを目指すのなら、どんな辛くても目を逸らしちゃ駄目だ…」
車椅子に座る兄さんは、もう動かない両足を何度も殴りながら、歯を喰いしばり、画面を見つめていた。
「…すまない、兄さん」
一言兄さんに詫びると、僕は視線をテレビへ戻す。そう、今の僕に出来るのは、この戦いの結末を見届ける事だけだ…。
オールマイトside
「頬はこけ! 目は窪み! 貧相なトップヒーローだ! 恥じるなよ、それが
オール・フォー・ワンの憐れむような声が、周囲に響き渡る。私の隠し通してきた秘密を暴き、さぞ良い気分だろう…だが―
「あぁ、これが本当の私さ…」
もう、
「私は弟子を死なせ、お師匠を含む先人達の思いを、後世に繋げる事が出来なかった。だからこそ!」
「オール・フォー・ワン! 平和の象徴として…」
例え、
「ここで、お前を倒す!!」
宣言と共に、私は再びマッスルフォームとなる。消耗した体力の分は、
「大した覚悟だ。だが、精神論でひっくり返せるほど、戦況は甘くない。その搾りカスのような残り火で、私を倒せるなど…万に一つも思わない方が良い」
「万に一つの可能性を掴み取るのが…ヒーローなんだよ!」
その叫びと共に、私はオール・フォー・ワンとの間合いを詰めようとした…次の瞬間!
「ッ!?」
私の突撃を止めるように、猛烈な火炎がオール・フォー・ワンへと放たれた。今の炎は!
「なんだ貴様…」
「そのちっぽけな背中は何だ! オールマイトォ!!」
エン、デヴァー…。
エンデヴァーside
「全て
今放てる最大出力の火炎を事もなく防ぎながら、心にも無い称賛を口にする
「貴様!」
炎を纏わない…
「ぐぅっ…」
不意を突いた一撃を受け、たたらを踏んでへたり込むオールマイト。俺は奴を睨みつけると―
「俺が超えようとした男の背中は、そんなちっぽけでは……断じて無い! 俺を道化にする気かっ!!」
激情を言葉に変え、思いっきり叩きつけた。
「ッ!?」
俺の叫びを聞き、虚を突かれた様な顔をするオールマイト。そうだ…
「お涙頂戴の猿芝居など必要ない。引っ込んでいてくれないか?」
そんな俺の思いを嘲笑うように、攻撃態勢に入る
「抜かせ、破壊者。俺達は
駆け付けたエッジショットが、息をもつかせぬ連続攻撃で
「逃げ遅れた人々は、我々が!」
「我々には、これくらいしか出来ぬ…それでも、
シンリンカムイが、虎が、この作戦に参加し、まだ動けるヒーローやサイドキック達、そして警官達が逃げ遅れた人々を次々と救助していく。そして俺も―
「親父!」
「焦…アブソリュート。奴を討つ。最大火力で撃ちまくれ!」
「あぁ、出し惜しみは無しだ!」
「赫灼熱拳! ジェットバーン!!」
「
グラントリノside
エンデヴァー、エッジショット、そしてアブソリュートが、オール・フォー・ワンに猛攻を仕掛ける中、負傷した儂は、瓦礫に背を預けたまま座り込み…今は亡き盟友の言葉を思い出していた。
-八木俊典! 面白い奴だよ。イカれてる-
-曰く…犯罪が減らないのは、国民に心の拠り所がないからだと-
-この国には今、“柱”がないんだって。だから、自分がその“柱”になるんだって-
「そうだ…俊典。お前は“柱”…」
儂の呟きとほぼ同時に、立ち上がるオールマイト。エンデヴァーの不器用過ぎる叱咤で、自分を取り戻したようだ。まだ楽観は出来んが、一安心と―
「煩わしい」
その瞬間、自らを起点に巨大な竜巻を起こすオール・フォー・ワン。
「ぬぉぉぉぉぉっ!」
竜巻に巻き込まれたエンデヴァー、エッジショット、そしてアブソリュートは瞬く間に吹き飛ばされ、儂を含む多くのヒーロー達も、その余波で戦う力を奪われていく。
「やれやれ、力の差がまだ理解出来ないとは…大昔の人間が『馬鹿は死ななきゃ治らない』と言っていたらしいが…ヒーローという存在は、馬鹿しかいないようだ」
「馬鹿だからこそ、人を助けるのさ…オール・フォー・ワン!」
残るはオールマイトただ1人…もう儂らには、勝負の結末を見届けるしかない。そう思った…その時だ!
「トールハンマー! ブレイカー!!」
叫びと共に放たれた電撃が、オール・フォー・ワンに襲いかかった!
「ぐぅっ…」
完全に想定外の攻撃だったのだろう。辛うじて防御こそ間に合ったものの、ダメージ0とはいかなかったオール・フォー・ワンは、攻撃の主を確認し―
「馬鹿な…」
思わずそう呟いていた。
「君は―」
「
よくぞ…よくぞ生きとった! ライコウ!
雷鳥side
「
ホンの僅かに動揺した様子のオール・フォー・ワンに、そう啖呵を切りながら、俺はオールマイトへと駆け寄り―
「
「シールド博士から渡された…
心底安堵した様子のオールマイトに、懐に忍ばせていた掌サイズの機械を見せた。過負荷によって破損し、機能を停止したこの機械に、俺は命を救われた。
-コレは、私が開発した
-一定値以上の衝撃に対し、自動的にバリヤーを展開する仕組みになっている-
-エネルギー容量や伝達系にまだ問題があって…バリヤーの展開可能時間等に、少々難があるが…それでも、戦車砲程度の攻撃なら3回、オールマイト級の攻撃でも、1回は防ぐ事が出来る筈だ-
-今度の戦い、何が起きるかわからない。気休めかもしれないが…持って行ってくれ-
「そうか、デイヴが…」
「まぁ、流石に無傷とまではいきませんでしたがね…アバラの何本かにヒビ入ってるし、あちこち打撲だらけだ…でも、まだ戦えます。俺も、
その言葉にオールマイトが驚愕の表情を見せた次の瞬間、瓦礫を吹っ飛ばして出久が飛び出してきた。だが、その体は
「あれは…『浮遊』の、“個性”…
オールマイトの呟きに、俺は、『ワン・フォー・オール』の中に眠る歴代継承者。その“個性”が、目覚め始めた事を察する。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
次回以降、出久君に歴代ワン・フォー・オール継承者の“個性”を発現させようと考えています。原作ではまだ『浮遊』と『黒鞭』の2つしか明らかになっていない為、この2つのどちらか、若しくは両方を発現させる。あるいは完全オリジナルの“個性”を1つもしくは複数発現させる。以上の5択でアンケートに回答してください。
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7代目継承者・志村菜奈の『浮遊』が発現
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5代目継承者・万縄大悟郎の『黒鞭』が発現
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『浮遊』と『黒鞭』の同時発現
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完全オリジナル“個性”が1つ発現
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完全オリジナル“個性”が複数発現