出久君の叔父さん(同学年)が、出久君の運命を変えるようです。Season1   作:SS_TAKERU

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短編を投稿します。
お楽しみ頂ければ、幸いです。

なお、今回の短編を製作するにあたり、幾つかのグルメ漫画やレシピ本を参考にしました。


第2章 激闘! USJ編
第11.7話:吸阪君のお弁当


雷鳥side

 

「………よし」

 

 時間は午前5時。いつもより1時間半早く起きた俺は、手早く身支度を済ませて台所に足を踏み入れていた。

 俺と出久の分に加え、梅雨ちゃん、麗日、芦戸、葉隠、切島、瀬呂の6人分、合計8人分の弁当を作るのだ。時間は多めに取っておくに越した事はない。

 

「まずは…主菜その1から作っていくか」

 

 主菜その1は肉料理。そのメイン食材は、豚ロースの薄切りだ。

 まず、肉に塩胡椒を振り、下味をつけておく。家で食べるならガーリックパウダーを振るなり、摩り下ろした大蒜を塗るなりしても良いが…弁当のおかず、それに女子も食べるから今日はやめておこう。 

 細めのスティック状に切った人参、付け根のヘタ部分を切り落としたさやいんげん、根元を切り落としたニラは軽く塩茹でして、冷水に取り、水気を切っておく。

 豚肉を半分を1枚ずつ縦に広げ、肉の幅に合わせて切った人参とさやいんげんを並べたらクルクルと締めながら巻いていく。巻き終えたら掌で包むように握って肉を馴染ませる。同じ要領で残り半分の豚肉でニラ巻きも作っていく。

 全ての肉巻き野菜を卵1個につき、薄力粉大匙4、水大匙2の割合で作ったバッター液にくぐらせ、パン粉をまぶしたら170℃の油でキツネ色になるまで揚げていく。

 これで1つ目の主菜『野菜の豚肉巻きフライ』の完成っと。

 

「おはよう、雷鳥」

「おはよう、雷鳥兄ちゃん」

 

 カラリと揚がったフライをキッチンペーパーの上に並べ、油を切っていると引子姉さんと出久も起きてきた。

 

「おはよう。姉さん、新聞テーブルに置いてるよ。出久、姉さんのコーヒーを頼む」 

「任せて」

 

 出久にコーヒーメーカーの操作を任せている間に、主菜その2魚料理作りに入る。こちらのメイン食材は鰆だ。

 まず、食べやすい大きさに切った鰆に塩と酒を振って10分放置し、水分が出てきたらキッチンペーパーでよく拭き取る。

 ビニール袋に鰆と小麦粉を入れ、袋を揺すって小麦粉を纏わせたら、油を引いたフライパンで焼いていく。

 鰆に9割方火が通ったら、ペーパータオルで油を拭き取り、醤油、酒、蜂蜜を混ぜて作ったタレを投入。

 タレが煮たったら、フライパンを揺すり、照りが出るまで煮絡めれば、2つ目の主菜『鰆の照り焼き』の完成だ。

 この2品をメインに、微塵切りにした長葱とほぐしたカニカマを具にした『だし巻き卵』、『アスパラとコーンとエリンギの塩バターソテー』を副菜として用意する。

 

「さて、次は…」

 

 フライパンを片付け、次に取りかかるのは主食の準備。

 炊飯器の蓋を開ければ、昨晩の内に仕込みんでおいた筍と薄揚げ入りの炊き込みご飯が、ホカホカの湯気を漂わせる。

 

 一口味見…うん、美味い。薄味にしたからこれ単品では若干物足りなくもないが、おかずと一緒に食べるから問題ない。

 

 これを一旦ボウルに取り、おにぎりにしていく。最近は素手で握ったおにぎりが食べられない奴もいるから、調理用の手袋をするのも忘れない。

 

「雷鳥兄ちゃん、手伝うよ」

「悪いな」

 

 出久の助けも借りながら、おにぎりを急ピッチで握っていく。2個で茶碗1杯分程度の小ぶりなサイズにしているから…男子4人と女子4人の8人で、40個あれば十分だろう。余ったら、俺と出久で食えばいい。

 

「…よし」

 

 こうして出来上がったおにぎりとおかずを3段の重箱に詰めていく。

 1段目におにぎり、2段目に主菜、3段目に副菜をそれぞれ詰める。主菜は油やタレが互いに移らないよう、前もってサラダ菜を敷き詰めておく。

 詰め終わったら重箱に蓋をして、風呂敷で四つ結びに包めば8人分の弁当は準備完了だ。時間は…6時15分か。

 

「出久、10分で朝飯作る。5分後にトーストの用意を頼むな」 

「任せて、ヨーグルトとか出しておくね」

「助かる」

 

 そんな会話を出久と交わしながら、3人分のベーコンエッグを作り、並行して以前作ってから冷凍保存しておいたコーンスープを温め直していく。そしてジャスト10分後-

 

「「「いただきます」」」 

 

 俺達3人は揃って朝食を食べ始める事が出来た。ちなみに朝食のメニューは-

 

 ・トースト

 ・コーンスープ

 ・ベーコンエッグ

 ・グリーンサラダ

 ・ヨーグルト

 

 以上5品だ。

 

 

 朝食を食べ終え、食器を片付けた俺と出久は、部屋着から雄英の制服に着替えて登校の準備を整える。

 

「姉さん。炊飯器の中に炊き込みご飯があるし、冷蔵庫の中に余分に作ったおかずがあるから」

「ありがとう。今日は午後に編集さんと打ち合わせだから、午前中はのんびりしとくわね」

 

 引子姉さんの仕事は小説家で、ペンネームは碧谷鸚鵡(あおやおうむ)。主に時代小説を執筆しており、確かな時代考証と緻密な描写で根強いファンを獲得している。閑話休題。

 

「「それじゃあ、行ってきます!」」

「行ってらっしゃい」

 

 引子姉さんに見送られ、家を出る俺達。駅から電車に乗り、雄英に登校したのだが…何故かすれ違う人が皆、俺を二度見してきた。

 …高校生が重箱持って登校するのが、そんなに珍しいか?

 

 

 何とも言えない体験をしながら、雄英に辿り着いた訳だが…

 

「なんじゃこりゃ…」

 

 校門の前に大量のマスコミが押しかけ、登校の邪魔になっていた…。

 不躾に向けられるマイクやカメラのフラッシュ、記者の質問をかわしながら何とか雄英の敷地内に滑り込む。とりあえず、ここまで来れば大丈夫だ。何故なら-

 

「うわぁぁぁ! 何だぁ!?」

 

 無断で敷地内に足を踏み入れたマスコミを、分厚い鋼鉄の扉『雄英バリアー』がシャットアウトした。

 扉の向こうで記者達が『我々には知る権利がー!』とか『雄英の秘密主義に断固抗議する!』等と喚いているが…知った事かよ。

 マスコミ、いやマスゴミにウンザリしながらも俺達は教室に向かうのだった。




最後までお読みいただき、ありがとうございました。

引子さんの職業が不明だったので、オリジナル設定として小説家としました。
もしも、公式で職業が設定されている場合はご一報ください。修正いたします。
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