出久君の叔父さん(同学年)が、出久君の運命を変えるようです。Season1 作:SS_TAKERU
お楽しみ頂ければ、幸いです。
また、掲載に伴いキャラクター設定集にも追加を行っております。
雷鳥side
「
「ヒーローの学校に入り込んでくるなんてアホすぎるぞ!」
突然の
「やっぱり駄目か」
案の定と言うべきなのだろう。聞こえてくるのはノイズばかりで、送信も受信も出来なくなっている。
「相澤先生! 試してみましたが、外部への通信は不可能になってます! 侵入者用のセンサーが作動していない事から見ても、電波妨害とセンサーの無力化が出来る“個性”か技術の持ち主がいる事は間違いないです!」
「行動が早いな…だが、状況は解った」
「相澤先生、まさかとは思いますけど…あの数を1人で相手にするつもりですか?」
「………」
「プロヒーロー『イレイザーヘッド』の実力を疑う訳じゃないですが…いくらなんでも無謀ですよ。貴方風に言わせるなら非合理的だ」
「たしかにな…校舎と離れた隔離空間。そこに
「正面きって戦うのが駄目なら、せめて援護だけでも!」
俺の言葉に続き、轟と出久が声を上げる。だが、相澤先生は-
「お前らヒヨコに心配されるほど、柔な鍛え方はしちゃいない。俺の心配より、自分の身を守る事を考えろ」
「13号、避難開始! USJから脱出と同時に学校に連絡試せ!」
それだけ言い残し、1人歩き出した。
「先生! いくら“個性”を消すっていっても! イレイザーヘッドの戦闘スタイルは、敵の“個性”を消しての捕縛。あの数相手の正面戦闘は…」
「緑谷、覚えておけ。一芸だけじゃヒーローは務まらん。13号! 任せたぞ」
直後、相澤先生は
「情報じゃ13号とオールマイトだけじゃなかったか!? ありゃ誰だ!?」
「知らねぇ!! が、1人で正面突っ込んでくるとは大まぬけ!!」
有象無象の
「あれ? 出ねぇ…」
既にお前らの“個性”は抹消済みだ。間髪入れず、マフラーを一番近くにいた2人に巻き付けて動きを封じ-
「まず2人」
そのまま引っ張れば、2人は顔面同士がぶつかる形で激突。地面に崩れ落ちた。
「馬鹿野郎! あいつは見ただけで“個性”を消すっつうイレイザーヘッドだ!!」
俺の事を知っている
「消すぅ~!? へっへっへっ、俺らみてぇな異形型のも消してくれるのかぁ?」
岩のような肌と4本の腕を持つ巨漢。見るからに力自慢といった風貌だが、自分の“個性”を過信し過ぎだ。
「いや、無理だ。発動系や変形系に限る」
だから、容易く懐に潜り込まれる。無防備な顔面に拳を叩き込み、打ち倒すと同時にマフラーを足に巻き付け-
「だが、お前らみたいな奴の旨みは統計的に、近接戦闘で発揮される事が多い」
別の
「だから、その辺の
倒した
ほんの10秒足らずの間に4人を倒した事で、奴らも状況が理解出来たのだろう。迂闊に動かず、こちらを遠巻きに取り囲むだけに留めてきた。よし、このまま時間を稼げれば…。
「肉弾戦も強く…その上、ゴーグルで目線を隠されていては、『誰を消しているのか』わからない。集団戦においては、そのせいで連携に遅れを取るな…成程…」
「嫌だなプロヒーロー。
全身に『手』をくっつけた怪人…奴がこの集団の長だろう。となると、奴を潰せば…。そう考えた次の瞬間、黒い
迂闊! 一瞬の瞬きの間に一番厄介そうな奴を!
雷鳥side
「させませんよ」
「初めまして、我々は
「本来ならば、ここにオールマイトがいらっしゃる筈…ですが、何か変更あったのでしょうか? まぁ、それとは関係なく…」
「私の役目はこれ」
黒い
「おらおらおらぁっ!」
「吹っ飛んで死ねやぁ!」
俺達に先んじて、爆豪と切島が黒い
切島の硬化した腕による斬撃と爆豪の爆破により、黒い
「その前に俺達にやられる事は考えてなかったか!?」
勇ましく啖呵を切る切島。だが、その攻撃は悪手だ!
「危ない危ない……そう…生徒といえど優秀な金の卵」
切り裂き、吹き飛ばしたのはあくまでの黒い
「駄目だ! どきなさい2人とも!」
13号先生や俺達の射線に被ったせいで、攻撃が出来ない!
「散らして…嬲り殺す!」
次の瞬間、黒い
「ちぃっ!」
咄嗟に、右腕の籠手に内蔵されたワイヤー付きアンカーを射出。真っ先に黒い
出久side
「っ!?」
黒い
あの黒い
そんな最悪の状況に歯噛みする間もなく、着水。急いで浮上を試みるが-
「来た来た!!」
待ち構えていたのは半魚人のような風貌の
拙い…1人や2人ならどうって事ないけど、水中でこれだけの数を相手にするのは、骨が折れるぞ。
「お前、陸の上ならかなり強いみたいだな! だが、水の中なら俺が上! 恨みはねぇけどサイナラ!!」
大きな口を開き、鋸のように並んだ無数の牙を見せながら向かって来る
「えいっ!」
「ぐへぁ!」
だけど、次の瞬間思いもやらない援軍が来てくれた。蛙吹さんだ! 傍らに抱えているのは峰田君!
「緑谷ちゃん!」
蛙吹さんは、舌を長く伸ばして僕を絡め取ると、バランスを立て直そうとしている
「サイナラ」
水上に飛び出すと、浮かんでいた大型のプレジャーボートに降ろしてくれた。
「つぁっ!!」
峰田君は何故か投げ捨てられていたけど…多分、セクハラ紛いな事をやったんだろう…ブレないなぁ。
「ありがとう、蛙吹さん」
「梅雨ちゃんと呼んで。しかし、大変な事になったわね」
「うん、雷鳥兄ちゃんや轟君も言っていた通り、奴らは周到に準備を重ねてきてる。オールマイトを殺すっていうのもあながちハッタリとも思えない」
「ちょ、ちょっと待てよ! オールマイトを殺すなんてそんな事出来っこねぇよ! オールマイトが来たら、あんな奴らケッチョンケッチョンだぜ!」
「峰田ちゃん…出来る出来ないは別にして、殺す算段が…少なくとも可能性くらいはあるから、連中こんな無茶してるんじゃないの?」
「そこまで出来る連中に、私達嬲り殺すって言われたのよ? オールマイトが来るまで持ちこたえられるのかしら? オールマイトが来たとして…無事に済むのかしら」
「みみみ緑谷ぁ!!」
冷静な蛙吹さんの言葉に、ガタガタと震えだす峰田君。うん、峰田君1人でここに送り込まれなくてよかった。確実に嬲り殺されていただろう。
「峰田君、とりあえず落ち着こう。今僕達がやらなくちゃいけない事は、この状況を突破する事だよ。少なくとも陸地に上がる事が出来れば、助かる確率は上がる…少なくともここにいるよりはね」
「そうね…緑谷ちゃんも陸地の方が戦いやすいでしょうし…峰田ちゃん。ここは3人協力していきましょう」
「わ、わかった!」
峰田君からも同意を得た所で、僕達はそれぞれの“個性”を確認する。と言っても、僕の“個性”はバスで話したし、蛙吹さんの“個性”は直に見ている。だから後は峰田君の“個性”なんだけど…。
「凄いよ。峰田君の“個性”!」
『もぎもぎ』という名の“個性”の詳細を聞いて、僕は驚いた。これを使えば、限りなく安全にここから脱出できる!
「…よし、脱出の算段がついたよ」
「本当か! 緑谷ぁ!」
「緑谷ちゃん、水を差すつもりはないけど…向こうはこちらの“個性”を把握しているから、妨害されたりしないかしら?」
「うん、その点に関してだけは心配いらないと思う。だって、この水難ゾーンに蛙すっ…つ、梅雨…ちゃんが移動させられているから…」
「………自分のペースでいいのよ」
「あっ…そう、なの…」
「どういう意味なんだよ!?」
「だからつまり、
「たしかに…蛙の私を知っていたら、水難ゾーンじゃなく、あっちの火災ゾーンに放り込むわね」
「僕らの“個性”がわからないからこそ、バラバラにして、数を頼りに攻め落とすって作戦にしたと思うんだ。数も経験も劣るけど、
そして僕は2人に作戦を説明した。作戦成功の鍵は…ずばり峰田君だ。
「お、お、オイ…オイラが作戦の鍵…無理、無理だ…この前まで中学生だったんだぜ! そんなオイラが作戦の鍵だなんて…」
あ、ガチガチになってる。これじゃ、まともに動く事も出来ないかも…。
「…峰田ちゃん」
その時、蛙吹さんが峰田君をそっと抱きしめ、安心させるように背中を摩り始めた。
「大丈夫。私たち3人が全力を尽くせば絶対に上手くいくわ。だから、峰田ちゃんも頑張って頂戴」
「う、うぅ…や、やって、やってやらぁ!!」
蛙吹さん凄い! 峰田君のやる気をここまで引き出すなんて! これで準備は整った!
「2人とも…いくよ!!」
次の瞬間、僕は『フルカウル』を発動して一気にジャンプ。プレジャーボートを囲むように浮かんでいる
「
「梅雨ちゃん! 峰田君!」
そこへ峰田君を抱えた蛙吹さんがジャンプ!
「おいらだって! おいらだってぇ!!」
更に峰田君が頭からの出血も厭わずに『もぎもぎ』を投げ続ける!
「水面に強い衝撃を与えたら、水は一時的に広がって、また中心に収束する為に渦となる!」
「ぐっ、渦に、ひ、引きずりこまれる…!」
「それにこの丸いのなんだよ! くっついて、取れねぇ!」
『もぎもぎ』を取ろうともがく
「一網打尽!」
「とりあえず、
こうして、僕らは何とか水難ゾーンでの危機を脱する事が出来た。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。