出久君の叔父さん(同学年)が、出久君の運命を変えるようです。Season1 作:SS_TAKERU
第24話を投稿します。
お楽しみ頂ければ、幸いです。
オールマイトside
緑谷少年と吸阪少年、そして轟少年が同時にゴールへ飛び込み、3人が同着1位と判定された瞬間、私は心の中でガッツポーズを決めていた。
-雄英体育祭、俺達は全力で暴れまわります!-
-僕達が来た! と世間に知らしめる為に!-
2週間前、2人は私に宣言してくれたが、現時点では100点満点と言って良いほどの結果を見せてくれている。是非ともこのまま頑張って欲しいものだ。
「同着1位となった3人のうち、1人はフレイムヒーロー『エンデヴァー』の息子、轟焦凍。残る2人は、今年の入学試験で160Pを獲得。堂々1位タイで合格した緑谷出久と吸阪雷鳥か」
「今年のA組はタレント揃いだけど、この3人は別格だな。“個性”の強さもあるけど、素の身体能力や判断力がズバ抜けてる」
「事務所経営を請け負ったと仮定して、彼らをどう売り出していくか意見を交えたいんだけど、どう思う?」
「轟に関しては、エンデヴァーの息子という看板があるから、そこを活かしていくのは?」
「いや、それだと彼の実力を見もせずに、『親の七光り』だと批判する層が一定数出現する事になる。それにエンデヴァー自体、ファンとアンチがハッキリ分かれているヒーローだから、あまり親の名前を利用するのは得策ではないよ」
「それなら、彼の“個性”である氷と炎を同時に操れる点をプッシュしていくのは? 相反する力を同時に扱える点は、大きなセールスポイントになる筈だよ!」
「緑谷に関しては、増強系の“個性”と、どこか愛嬌のある顔立ちのアンバランスさっていうセールスポイントがあるから、そこを利用しない手はないね」
「吸阪は…とにかく器用な印象だな。活躍場所を選ばないマルチパーパスなヒーローとして売り込んでいくのが良いと思う」
経営科! 相変わらず、分析に余念がないね!
雷鳥side
第1種目、障害物競走で俺達A組は1位から20位までを独占し、開会式での上位独占宣言は今のところ守られた。だが-
「くっ………こんなハズじゃあ………」
八百万の様子がおかしい事が気にかかる。そういえば、彼女は第二関門に差し掛かった辺りから、遅れだしていたな。どこか怪我でもしたんだろうか…。
「一石二鳥よ、オイラ天才!」
「サイッテーですわ!!」
…なるほど。峰田という余計な
安心しろ八百万。馬鹿にはすぐに報いを受けさせる。
「みーねーたーくーん♪」
「ッ!!」
峰田め。俺の猫撫で声に危険を察知したようだが…もう遅い!
「何やっとんのだ…お前はぁ!」
慌てて八百万から離れ、逃げようとした峰田の首根っこを掴んで、脳天に
「A組の恥になるから、そういう真似は慎めよ」
「わ、悪かった…」
峰田に反省を促したところで、ちょうど準備も整ったようだ。ミッドナイト先生に注目するか。
「予選通過は上位42名! 残念ながら落ちちゃった人も安心しなさい! まだ見せ場はは用意されているわ!」
「そして次からいよいよ本選よ! ここからは取材陣も白熱してくるよ! キバリなさい!!」
「さーて、第2種目よ! 私はもう知ってるけど~…何かしら!? 言ってるそばから……コレよ!!」
ミッドナイト先生の声と共に、モニターへデカデカと映し出されるのは、
「騎馬戦……!」
「騎馬戦……!」
「個人競技じゃないけど、どうやるのかしら」
皆から疑問の声が上がるが…それもミッドナイト先生は想定内だったようだ。愛用の鞭を一振りして、説明を続けていく。
「参加者は2~4人のチームを自由に組んで、騎馬を作ってもらうわ! 基本は普通の騎馬戦と同じルールだけど、1つ違うのは先程の結果に従い、各自に
ふむ、入試の時みたいに、
「そして、与えられる
なるほど、そうなると1位を取った俺達は…210
「そして、1位に与えられる
なん、だと…。
「ただし! 今回は1位が3人いる為、3人に3分の1ずつ、333万3333
おいおい…4位の飯田が195
「上を行く者には更なる受難を。雄英に在籍する以上、何度でも聞かされるよ。これぞ“
「予選1位タイ通過の吸阪雷鳥くん! 緑谷出久くん! 轟焦凍くん! 持ち
この学校はそういう学校だった。上等だよ…この受難、乗り越えてやろうじゃないか!
チーム編成に与えられたは15分。さて、誰と組むか…いや、それ以前に確認しておく事があるな。
「出久! 轟!」
「雷鳥兄ちゃん! 轟君!」
「吸阪、緑谷」
どうやら、2人も同じ考えだったようだな。手間が省けてありがたい。
「さて、俺達3人が組むという選択肢はあるし、勝利の為にはそれが最も効率的だが…どうする?」
「……ごめん、雷鳥兄ちゃん。その選択肢は選べないよ。たしかにその選択肢を選んだ方が効率的なのはわかってる。でも、だからこそ安易な道は選びたくないんだ。この体育祭でトップを取る為にも」
「…緑谷に言いたい事は全部言われた。そういう事だ」
「フッ、予想通りの答えをありがとう」
「それじゃあ、雷鳥兄ちゃんも!?」
「ああ、
さーて、誰と組もうかな?
「ちょっとお待ちを! そこの1位タイの方!!」
ん? 誰だ?
出久side
「まさか、飯田君から断られるなんて…」
雷鳥兄ちゃん、轟君と別れてすぐ、真っ先に僕へ声をかけてくれた麗日さんの『
-入試の時から…君には負けてばかり。君は素晴らしい友人だが、だからこそ…君についていくだけでは、俺はいつまでも未熟者のままだ-
-この場を借りて、俺は君…いや、
そう言い残し、飯田君は僕に背を向けて行ってしまった。多分、雷鳥兄ちゃんや轟君とも組むつもりはないのだろう。
「緑谷君…」
「断られたものは仕方ない。切り替えていこう、麗日さん!」
飯田君の協力が得られないのは痛いけど、この可能性を考慮していなかった訳じゃない。
「常闇君! 耳郎さん! お願いがあるんだ!」
轟side
「お前達3人を選んだのは、俺なりに考えて最も安定した布陣だと思ったからだ」
そう言って俺はスカウトに乗ってくれた3人、八百万、芦戸、青山にそれぞれの役割を説明していく。
「青山は左翼でレーザーによる遠~中距離の防御を担当。当てる必要はない。近づかせない事を優先してくれ」
「了解だよ♪」
「芦戸は右翼。酸を使っての近接防御を頼む」
「OK!」
「八百万は騎手。状況に応じて色々作ってくれ」
「かしこまりました!」
「先頭は俺。氷と炎で攻撃と牽制を行う」
この4人でトップを狙う!
爆豪side
「ハッキリ言っておこう。俺は君の事が好きではない」
俺の元にやって来るや否や、眼鏡がそんな事を言ってきやがった。なんだコイツ、こんな時に喧嘩売ってやがるのか?
「だが、君のその勝つ為に形振り構わない姿勢だけは、見習うべきだと思う事もまた事実! 爆豪君、俺と組んでもらおう! 君としても、高い機動力は必要な筈だ!」
コイツ…そう言えばさっきデクと何か話してやがったな…よし。
「良いだろう眼鏡、悪くねぇ提案だ」
「俺の名前は飯田天哉だ! クラスメートの名前くらい覚えたまえ!」
「お、飯田も爆豪と組むのか?」
「なんか、意外な組み合わせだな」
「クソ髪とテープ、何の用だ」
「切島だよ! 名前覚えろよ!」
「おめぇ、どうせ騎手やるんだろ!? そんなら、おめぇの爆発に耐えられる騎馬の先頭は誰だよ? 『硬化』の俺だよ!」
「ぜってーブレねえ馬だ。獲るんだろ? 1位の3人」
「………悪くねぇな」
「俺の『テープ』だって、役に立つから使えよ」
「そこまで言うなら使ってやる。だが、役に立てよ、テープ」
「はぁ…俺達くらいしか、お前と組んでやる奴いない…って思って声かけたけど、こりゃ正解だわ」
雷鳥side
『さぁ、起きろイレイザー! 15分のチーム決め兼作戦タイムを経て、フィールドに12組の騎馬が並び立った!!』
『………なかなか、面白ぇ組が揃ったな』
相澤先生の言う通り、相対する11組の騎馬はどれも一筋縄ではいかない連中ばかり。だが、こっちも負けちゃいない。
『さァ上げてけ鬨の声! 血で血を洗う雄英の合戦が今!! 狼煙を上げる!!』
『いくぜ! 残虐バトルロイヤルカウントダウン!!』
『5!』
「3人とも準備はいいか?」
『4!』
「砂藤!」
「おう!」
『3!』
「発目!」
「フフフ!!」
『2!』
「梅雨ちゃん!」
「ケロッ!」
『1!』
「獲るぜ! 1位!!」
『START!!』
さぁ、騎馬戦のスタートだ!!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ここから僅かずつですが、原作とは違った展開になっていく予定です。
なお、騎馬戦のチーム分け、1-A+αの内訳はこのようになっています。
緑谷チーム
緑谷出久 3333333P
麗日お茶子 155P
常闇踏陰 190P
耳郎響香 130P
合計 3333808P
轟チーム
轟焦凍 3333333P
八百万百 150P
芦戸三奈 140P
青山優雅 120P
合計 3333743P
雷鳥チーム
吸阪雷鳥 3333333P
蛙吹梅雨 170P
発目明 5P
砂藤力道 160P
合計 3333668P
爆豪チーム
爆豪勝己 115P
飯田天哉 195P
切島鋭児郎 180P
瀬呂範太 185P
合計 675P
障子チーム
障子目蔵 165P
峰田実 145P
葉隠透 125P
口田甲司 135P
合計 570P
なお、尾白君につきましては第1種目8位で、175Pとなっております。
2022/05/04追記
1-A以外のチーム分けも知りたいというご意見を頂いた為、追記します。
鉄哲チーム
鉄哲徹鐵 100P
泡瀬洋雪 95P
骨抜柔造 105P
塩崎茨 110P
合計 410P
拳藤チーム
拳藤一佳 65P
柳レイ子 75P
取蔭切奈 15P
小大唯 50P
合計 205P
物間チーム
物間寧人 25P
黒色支配 55P
回原旋 85P
円場硬成 80P
合計 245P
角取チーム
角取ポニー 20P
鎌切尖 30P
凡戸固次郎 80P
合計 130P
鱗チーム
鱗飛竜 45P
宍田獣郎太 60P
小森木乃子 35P
合計 140P
心操チーム
心操人使 70P
尾白猿夫 175P
吹出漫我 10P
庄田二連撃 40P
合計 295P