出久君の叔父さん(同学年)が、出久君の運命を変えるようです。Season1 作:SS_TAKERU
第25話を投稿します。
お楽しみ頂ければ、幸いです。
出久side
『START!!』
プレゼント・マイク先生の声が響くと同時に、1騎の騎馬が僕達に猛然と突っ込んできた。
あれは、鉄哲君、塩崎さん、骨抜君、泡瀬くんの4人組か!
「緑谷!
騎手の鉄哲君が全身を金属化し、拳を打ちつける。正面から
「いきなりの襲来とはな。追われし者の
「もちろん! 受けてたつ!!」
常闇君の問いにそう答え、僕は『フルカウル』を発動して、迎撃態勢を整える。だけど-
「けっ…!」
骨抜君が不敵な笑みを浮かべると同時に、僕達の周りの地面だけが柔らかくなり、まるで底無し沼のように沈みだした。
「これは、骨抜君の“個性”『柔化』! 有効範囲が予想より広い!」
B組の皆の“個性”はまだまだ調査途中で、大まかな内容しかわからないのが災いした!
「貰ったぁっ!」
動きを封じて勝利を確信したような鉄哲君の叫び。でも、それは甘い考えだよ!
「耳郎さん! プラグを地面に挿して、衝撃波を!」
「OK!」
耳郎さんのプラグが地面に挿さると同時に衝撃波が送り込まれ、柔らかくなって僕達に纏わりついていた地面が一気に離れていく。超音波洗浄の原理を応用して、まずは拘束から脱出!
「麗日さん、お願い! それから皆、出来るだけ僕にくっついて!」
あとは、麗日さんの『
「ダブル
両腕を使って地面に衝撃波を放ち、その反動で一気に上昇!
「飛んだ!? そんなのありかよ! 塩崎!」
「お任せを」
空中の僕達を狙って、塩崎さんが蔦の髪の毛を放つけど、それらは全て常闇君の『
「いいぞ
「アイヨ!!」
「常闇君、このまま防御は任せるよ! 攻撃は僕達担当だ!」
間髪入れず、フィンガースナップを高速で繰り返して、衝撃波の弾幕を鉄哲君達へ放つ。
もっとも、これで倒そうなんて思っていない。あくまでも足止めと
「舐めるなよ、緑谷っ!」
流石は鉄哲くん。『スティール』の“個性”を発動して、防御を固めてしまえば、このくらいの攻撃じゃダメージは与えられないね。でも―
「ハチマキ、いただき!」
精密操作が出来る耳郎さんの『イヤホンジャック』で、ハチマキを奪う位の隙は十分作れる!
「しまったぁぁぁぁぁっ!!」
「着地と同時に一時後退! 油断せずにいこう!」
さぁ、タイムリミットまで暴れさせてもらうよ!
雷鳥side
『さ~~~スタート間もないが、早くも混戦混戦大混戦!!』
『各所でハチマキ奪い合い!!
プレゼント・マイク先生も煽るねぇ…それじゃ、俺達3人を狙えと言ってるようなもんだよ。
「アハハハ! 奪い合い…? 違うぜこれは…一方的な略奪よぉ!!」
ほら、言ってるそばから…って…
「障子と口田!? 2人だけか?」
いや、これ騎馬戦だろ。騎手はどうし-
「ッ!」
背中を走る悪寒。咄嗟に電磁バリアを前面に展開すると、何かがバリアに接触した。
「こいつは…峰田の『もぎもぎ』! どこから投げてきた!?」
「ここからだよ…吸阪ぁ…」
峰田、障子と口田が作った騎馬に跨っていたのか。ただでさえ小さくて目立たない上に、障子が『複製腕』で隠していれば気づかないわけだ。
「まずはオイラの『モギモギ』で動きを封じる! その後障子と口田のパワーで捻じ伏せれば、ハチマキはいただきだぜ!」
高笑いの峰田を載せて、こちらへ突進してくる障子と口田。身長が180cm後半の2人が組んだ事で、まるで戦車のような威圧感だな。
「仕方ない。迎え撃つぞ! 砂糖、少しキツイ役回りだが、移動全般任せた!」
「おう! 任せろ!」
「迎撃と攻撃は俺が! 梅雨ちゃんは周辺の警戒と、もしもの時のフォローを頼む!」
「ケロッ、わかったわ」
「発目は、アイテムで俺達のサポートよろしく! バッテリーがやばい時は言ってくれ、即充電する!」
「お任せください! 私のベイビーちゃん達の力をお見せしましょう!」
迎撃態勢は万全! さぁ、かかってこい!
「必殺! もぎもぎクレイモア!!」
真っ先に動いたのは峰田だ。頭の『もぎもぎ』を次々に外しては、こちらへ投げつけてくる。地面に落ちたアレを踏んだら厄介だ。だから-
「全部撃ち落とす! ダブルサンダー! ブレーク!」
両腕から電撃を薙ぎ払うように放ち、『もぎもぎ』を全て撃ち落とす。よし、焼いてしまえば、あれの粘着力も失われるだろう。
「畜生、吸阪の奴…こうなったら、接近戦だ! 障子、フルアタックモードにチェンジ!!」
「…勝手に名づけるな」
そんなやり取りを交わしながらも、障子は峰田を隠す形で使っていた『複製腕』を展開。6本腕となってこちらへ突進。
「…いくぞ!」
6本の腕を総動員して、パンチのラッシュを仕掛けてきた。
「砂糖! 手ぇ貸せ!」
「おう!」
「ライトニングプラズマァ!」
こちらも砂糖と一緒にパンチのラッシュを繰り出して対抗するが…。
「拙い、押されてる…」
障子の奴。合同特訓で鍛えたおかげか、出久に指摘されていた本来の腕と複製腕のタイムラグが、完全にではないとはいえ、かなり解消されていた。
正直な話。俺と砂糖じゃ、文字通り手が足りない! その時-
「ケロッ!」
「きゃぁっ!」
梅雨ちゃんが伸ばした舌で何かを弾いた。今の声は…。
「葉隠ちゃん。惜しかったわね」
「むー、ばれたかぁ!」
葉隠も一緒にいたのか。まさに思わぬ伏兵。気が付いた梅雨ちゃんに感謝だな。
「吸阪ちゃん。一旦退いて態勢を整えた方が良いかもしれないわね」
「了解!」
梅雨ちゃんの進言に答えると同時に、電磁バリアを展開して、ラッシュを防御。その間に態勢を立て直そうとするが-
「…そうはさせん!」
それよりも早く、障子は自身の両腕に複製腕を組み合わせ、巨大な2本の腕を形成すると-
「…
強烈な諸手突きを放ってきた。拙い、これは…
「ちぃっ!」
電磁バリアの出力を最大に上げた次の瞬間、障子の諸手突きがバリアに接触。ホンの数秒でバリアは突破され、諸手突きが一直線に俺へ迫る。だが―
「……吸阪のバリアで威力が弱まったから、なんとか…止められたぜ」
ギリギリのところで、砂糖が障子の両拳を受け止めていた。その両腕はいつもよりも巨大化しているが、他の部分が増強されていない為、アンバランスな印象だ。
「緑谷のアイデアで、体の一部分だけを増強出来るように特訓してたんだよ。今の俺の腕力は、
「助かったぜ、砂糖!」
当たればKO間違い無しな攻撃。今回は何とか凌げたが、こんな方法は何度も使えない。何より、砂糖の負担が大きすぎる。
「発目!」
「お任せを!」
とにかく今は退避が先決だ。発目の用意していたバックパックを使って、安全圏まで一気に後退。態勢を整える。
「ふぅ、さあ…仕切り直しといこうか!」
轟side
競技開始と同時に俺がやったのは、フィールドの一角に氷壁を張り巡らせての…そう、
「これでいい…前にだけ集中できる」
『おーっと! 1-A轟、スタジアムの一角に氷の陣地を作った! 左右と後方の守りは分厚い氷で行い、自分達は前方の敵を迎撃する事に専念するつもりだぁ!』
『自分の“個性”を上手く使った、合理的な戦術だな』
「来るぞ、迎撃!」
「任せてよ♪」
「了かーいっ!」
どうやら2騎は俺達を共通の敵として、共同戦線をはったようだな。かなりのスピードで接近しながら、飛び道具での攻撃を仕掛けてきた。
一方は両腕から鱗をマシンガンのように飛ばし、もう一方は頭の角を切り離して飛ばしてくる…か。
どちらも強力な“個性”だ。側面や後方から攻撃されていたら、厄介な事になっていただろうな。だが、真正面からしか攻撃が来ないなら、どうとでも対応できる。
「迎撃させてもらうよ♪」
青山のレーザーが、ブーメランのような軌道を描きながらこちらに迫る4本の角を次々と撃墜し―
「アシッドベール!」
芦戸が粘度を高めた溶解液で壁を作り、着弾した鱗を全て溶かしていく。
「八百万!」
「お任せを!」
更に、八百万が創造した
「し、しまった!」
「
「悪いな。これも勝負だ」
B組の抗議を聞き流し、首から下を氷漬けにして動きを封じれば、この2騎は戦闘不能だ。
『網で動きを封じた上に、駄目押しで氷漬け! 轟チーム、えげつなーい!』
『実に合理的な手段だ』
爆豪side
「単純なんだよ、A組」
背後から聞こえた声に振り向こうとした瞬間、頭に巻いていたハチマキが奪われていた。
「んだてめェコラ! 返せ、殺すぞ!!」
ハチマキを奪った犯人は、B組の腹黒野郎か! 俺に喧嘩売るとは、良い度胸してやがる!
「ミッドナイトが『第1種目』と言った時点で、予選段階から極端に数を減らすとは考えにくいと思わない?」
「あぁ!?」
「だから、おおよその目安を…大体40位以内と仮定してさ、その順位以下にならないよう予選を走ってさ」
「後方からライバルになる者達の“個性”や性格を観察させてもらった。その場限りの優位に執着したって仕方ないだろう?」
「
「まあ、全員の総意って訳じゃないけど、良い案だろ?
「てめぇ……」
「あ、そうだ。君に聞きたい事があったんだ。『ヘドロ事件』の被害者として、
「あんま煽んなよ、物間! 同じ土俵だぞ、それ」
B組の女が腹黒野郎を窘めているようだが…。
「ああ、そうだね。ヒーローらしくないし…よく聞くもんね。恨みを買ってしまったヒーローが
そんなことはもう関係ねぇ…。
「爆豪君、落ち着け!」
「爆豪落ち着けって! 冷静になんねえと
「おぉぉぉぉ…っし、進め。俺は今…すこぶる冷静だ…」
「頼むぞ、マジで」
まずは腹黒野郎、その次にデクと半分野郎、それから没個性野郎だ…全員完膚なきまでに叩き潰してやる!!
雷鳥side
あー、物間だったか…
実際、物間の作戦は9割がた上手くいっていた。自身の“個性”である『コピー』で、
「だけど、お前の誤算は…
そう、物間の誤算は
「獲れよ、爆豪君! トルクオーバー! レシプロバースト!」
レシプロバースト。おそらく、飯田の『エンジン』の出力を無理矢理上昇させて、一時的に超加速する…一種の裏技だな。
使用後にスピードがガタ落ちしているところから見ても、反動が強烈で好んで使いたい類のモノではないだろうが…この状況では最善の一手だ。
そして、切島と瀬呂が飯田を庇いながら最後まで動き続けた事で-
『TIMEUP!!』
『早速、最終種目に進出したチームを見ていきたいところだが! ここで1つルールの変更がある!』
…は? このタイミングでルールの変更だと!?
『あー、突然の事で混乱する気持ちはよーくわかるぜ! だから、ルール変更について、この方に説明していただく! 根津校長! クァモンザ! スッティィィジッ!!』
『やぁ、ネズミなのか犬なのか熊なのか、かくしてその正体は…校長さ!』
『君達の活躍、こちらで3年生の活躍と並行して見せてもらったよ。特にA組の活躍は素晴らしいね! 正直、こちらの予想を上回るほどだ。教師として実に誇らしいよ!』
『でも、プロヒーローへ生徒達をお披露目し、スカウトを募る。という目的から見た場合、A組だけが目立ち過ぎるのはあまり、よろしくないのさ!』
『よって、B組への救済措置として、最終種目に進出するチームを上位4チームから上位6チームに増やす事をここに宣言するよ!』
なん、だと…。
『雄英高校は自由な校風が売り! そしてそれは我々教師側もまた然り。A組の皆はこのルール変更を理不尽だと思うだろう。でも、そういう
『“
言いたい事だけを言って、モニターから校長は消えてしまった。
『では! 改めて、最終種目に進出した成績上位6チームを発表しよう!』
『第1位! 緑谷チーム!!』
『第2位! 轟チーム!!』
『第3位! 吸阪チーム!!』
ここまではある意味予定通り、残り3チームはどれが入る?
『第4位! 鉄て…アレェ!? オイ!! 心操チーム!?』
なんと、
『第5位! 爆豪チーム!!』
『そして第6位! 拳藤チームだ!!』
『以上6チームが最終種目へ…進出だぁぁぁっ!!』
これから昼休憩を挟んで、最終種目か…。
まったく、校長先生もやってくれるじゃないか。
ここまで煽られたんだ。何がなんでも成績上位独占してやるよ!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
最終種目に出場するのは、以下の通りです。
1-A
青山優雅
芦戸三奈
蛙吹梅雨
飯田天哉
麗日お茶子
尾白猿夫
切島鋭児郎
砂藤力道
耳郎響香
吸阪雷鳥
瀬呂範太
常闇踏陰
轟焦凍
爆豪勝己
緑谷出久
八百万百
1-B
拳藤一佳
小大唯
庄田二連撃
取蔭切奈
吹出漫我
柳レイ子
1-C
心操人使
1-H
発目明
合計24名。