出久君の叔父さん(同学年)が、出久君の運命を変えるようです。Season1   作:SS_TAKERU

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お待たせしました。
短編を投稿します。
お楽しみ頂ければ、幸いです。

また、掲載に伴い、キャラクター設定集の改訂を行っております。


第25.5話:雄英体育祭! 昼休み&組み合わせ抽選!!

雷鳥side

 

さて、無事に午前の部を終えて昼休みに突入した俺達だったが…。

 

「大混雑だな」

 

 早々に敗退した普通科やサポート科の連中が、午前の部終了と共に詰めかけたせいで、大食堂は大混雑。

 幸い席は確保出来たが、メニューを注文するには長い行列を並ばなくてはいけない状態だ。

 厨房のスタッフが如何に歴戦の(つわもの)揃いでも、15分やそこら待ったくらいじゃ昼食にはありつけそうもない。

 

「午後の部開始まで1時間。どうする? 外の屋台で何か買ってくるか?」

「大丈夫だ。()()()()()()()()()()準備してきた物がある」

 

 切島の言葉にそう答えた俺は、厨房のスタッフに声をかけ、朝預けておいた小型のクーラーボックスを受け取ってきた。

 

「吸阪。それって、もしかして…」

「あぁ、ガラにもなく緊張していたみたいで、いつもより早く目が覚めたんでな。暇潰しも兼ねて、作ってきた」

 

 俺の答えにクラスメート達から歓声が上がる。まぁ、大した物じゃないんだが、喜んでくれるんなら作った甲斐があるってもんだ。

 

「吸阪さん、これは海苔で巻いた…おにぎりですか?」 

 

 ラップで包まれた四角くて黒い物を手に、首を傾げる八百万。あぁ、八百万みたいなお嬢様はこういった物とは無縁だろうから、知らなくて当然か。

 

「それはな、『おにぎらず』だ。握らずに作るおにぎりで…まぁ、ご飯版のサンドイッチみたいな物だと考えてくれ」

「おにぎらず、そのような料理があるのですね。不勉強の為、今の今まで存じ上げませんでしたわ…では、いただきます」

 

 俺の説明に頷きながら、おにぎらずを食べ始める八百万。さて、口に合えばいいんだが…。

 

「こ、これは…美味しいですわ! 吸阪さん! 中に挟まれているのは…豚肉の味噌漬けですね!」

「そう、豚ロースを味噌や酒、はちみつなんかを混ぜて作った特製の漬け地に漬け込んでから焼いた物だ。一緒に挟んでいるのは、塩茹でにして薄くスライスした人参とアスパラ」

「こっちは挽肉と卵のそぼろが入ってるぞ! 甘辛い味つけがご飯にぴったりだ!」

「俺のは…厚切りベーコンと卵焼きか! 厚切りベーコンの食べ応えが実に良い!」

「これは…ほぐしたアジの干物と長ネギをゴマ油で炒めた物か…更に大葉を敷く事で、アジの臭みを見事に消している…正に佳良な一品」

 

 どうやら気に入ってくれたようだ。よかった。だが…。

 

「尾白、どうした? そんな難しい顔して…」

 

 尾白の様子がどうも引っかかるな…あ、まさか!

 

「もしかして、おにぎらずの具が食べられない物だったか?」

「あ、いや、そうじゃないよ。エビフライは大好きさ。ただ…」

「ただ?」

「ちょっと迷っている事があってね。その答えを何とか出さなくちゃいけなくて…」

 

 ふむ、おにぎらずの方は問題なかったか。だが、()()()()()()ね。

 

「尾白、お前が何に迷っているのかは…皆目見当がつかん。だが、そういう時は自分の心のままに行動するのが一番じゃないか? 少なくとも、俺はそう思う」 

「心のままに…か。そうだな、自分の心に従ってみるよ。ありがとう、吸阪」

 

 どうやら吹っ切れたみたいだな。うん、よかった。

 

 

 そして、昼休みも無事に終わり、午後の部が始まったのだが…。

 

『どーしたA組!?』

『なーにやってんだ…?』

 

 何故かチアリーダーの格好をしたA組の女子達は、全員ガックリと肩を落としていた。

 

「峰田さん!! 騙しましたわね!?」

 

 ……OK、八百万の叫びと峰田の顔で大体わかった。大方、八百万を口八丁で騙して、あんな格好をさせたって所だろう。

 安心しろ女性陣。馬鹿にはすぐに報いを受けさせる。 

 

「みーねーたーくーん♪」

 

 先程(第1種目終了直後)と同じ、俺からの猫撫で声に危険を察知した峰田は、すぐに俺から距離を取るが…。

 

「みーねーたーくーん♪」

 

 残念。怒っているのは()()()()()()()ぞ。

 

「み、緑谷ぁっ!!」

 

 出久の右手で顔面を掴まれ、アイアンクローで締め上げられる峰田。おぉ、ここからでもミシミシ言っているのが聞こえるぞ。

 

「峰田君、クラスメートを騙して恥ずかしい思いをさせるのは、良くない事だよ? 少し……()()()()()か?」

「ご、ご、ごめんなさぁぁぁぁぁいっ!!」

 

 ………さらばだ、峰田。お前の事は忘れないよ。3日くらい。

 

 

『ちょっとしたトラブルがあったみたいだけど、さァさァ皆楽しく競えよレクリエーション!』

『それが終われば最終種目! 進出した6チーム、総勢24名からなるトーナメント形式!! 一対一のガチバトルだ!!』

 

 プレゼント・マイク先生の実況が響き、ミッドナイト先生がクジ引きの箱を持って姿を現した。

 これから組み合わせが決定するのだが…。

 

「あの…! すみません。俺、辞退します」

 

 尾白がいきなり爆弾を投げ込んできた。

 

「尾白君! 何で…!?」

「せっかくプロに見てもらえる場なのに!!」

 

 A組の皆が口々に翻意を促すが、尾白は『全ては自分のプライドの話』と決して自分の意思を曲げようとはせず、それを見たB組の庄田と吹出も棄権を申し出てきた。

 最終的な判断は主審のミッドナイト先生に一任されるわけだが…。

 

「そういう青臭い話はさァ………好み!!」

「尾白、庄田、吹出の棄権を認めます!!」

 

 …好みで決めたか。

 尾白達3人が棄権した穴埋めは、騎馬戦で敗退したチームの中から上位6チームに次ぐ成績を残していた鉄哲チームが選ばれ、その中から鉄哲、骨抜、塩崎が出場する事になった。

 そしてクジ引きが行われ…組み合わせが決定した。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 第1試合から俺の出番。相手は…心操(あいつ)か。

 あいつにも譲れない物があるように、俺にも譲れない物がある。悪いが、天辺まで駆け上がらせてもらう!




最後までお読みいただき、ありがとうございました。

ちなみに、今回雷鳥が用意したおにぎらずは-

・豚肉の味噌漬けと塩茹でした人参&アスパラガス
・挽肉と卵のそぼろ
・厚切りベーコンと卵焼き
・ほぐしたアジの干物とゴマ油で炒めた長ネギと大葉
・エビフライと茹でキャベツの千切りと手作りタルタルソース

以上5種類となります。
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