出久君の叔父さん(同学年)が、出久君の運命を変えるようです。Season1 作:SS_TAKERU
お楽しみ頂ければ、幸いです。
表彰式で
必要以上に騒がない事を念押しして、俺は教室を後にする。本来なら、少しばかりの書類仕事を済ませて帰宅なのだが…。
「……帰りたい」
思いがけずそんな愚痴が漏れ出てしまったが…誰も責めはしないだろう。胃痛と頭痛を堪えながら、俺は根津校長に指定された時間に間に合う様、校長室へ歩みを進めた。
「………これは…裁判か何かですか?」
校長室に入った途端、思わず言葉が漏れる。
椅子に座った根津校長とリカバリーガールが睨む先には、正座した
そんな光景を目の当たりにして、無意識に胃の辺りを押さえていると…。
「やぁ、相澤先生。よく来てくれたね。さぁさぁ、掛けたまえ」
校長から着席を促された…無言で頷き、リカバリーガールの横に着席する。
こうして、オールマイトへの
「さて、オールマイト。なぜこんな事になったか…その自覚は……勿論あるよね?」
「は、はい…やはり、その…表彰式での、カミングアウト…でしょうか?」
「それ以外に何があると言うのさね! あるなら言ってごらんよ!!」
「は、はいぃぃぃっ! も、申し訳ありません!!」
怒りを露にするリカバリーガールに平身低頭で謝るオールマイト。正直言って、ナンバー
「…オールマイト。あのカミングアウトは
「あんたの短慮で、あの2人はこれから常に『オールマイトの弟子』という肩書きが付いてまわる。一挙手一投足が注目され、期待や羨望、奇異、嫉妬、様々な視線にも晒される事になる。マスコミにだって追い回されるだろうね。プロならそれも当然さ。でも、あの2人はまだ学生、アマチュアなんだよ」
「それに君の弟子となれば、
「……私が浅はかでした!!」
根津校長とリカバリーガールから同時に責められ、床に額を擦りつけながら、自分の短慮を悔やむオールマイト。
はぁ……少しばかり手を差し伸べても、批判はされないか…。
頭の中で素早く考えを纏め、根津校長に声をかける。
「校長、
「例の件? あぁ…なるほど。それはいいね。ただ…彼ら2人だけに適用するとなると、余計な憶測を招きかねないよ」
「それなら2人だけでなく、轟にも適用させます。USJにおける
「彼は体育祭での成績は問題ないね。だけど、それ以前の実績が少し弱い…今回は難しいだろうね」
「では、吸阪、緑谷、轟の3名に適用させるという事で」
「うん、校長として許可するよ」
よし、これで吸阪と緑谷は緊急時の対応が少しは取りやすくなる。あとは…。
「オールマイト、助け舟を出してくれた相澤先生に感謝するんだよ」
………校長、何を言ってるんですか。オールマイトも拾われた子犬みたいな目を向けないでくれ。
「………助け舟を出したつもりはありません。ナンバー
根津校長とリカバリーガールからの視線に耐えられなくなった俺は、書類仕事が残っている事を言い訳にして、校長室から退室する。
ドア1枚隔てた室内から『身辺警護に長けたヒーローと契約』、『費用はオールマイトの給料から天引き』等と聞こえてくるが…まぁ、話が纏まれば情報も入ってくるだろう。
帰りに頭痛薬と胃薬を買う事を心に決めつつ、俺は書類仕事に精を出す。あと30分で終わらせよう。それ以上の残業は非合理的だ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
あと2話短編を投下した後、職場体験編に突入いたします。