出久君の叔父さん(同学年)が、出久君の運命を変えるようです。Season1 作:SS_TAKERU
第56話を投稿します。
お楽しみ頂ければ、幸いです。
なお、今回はエクトプラズム先生のト書きも片仮名表記を行っております。
皆さんの反応によっては、修正を行うかもしれません。
エクトプラズムside
『…瀬呂・峰田ペア、条件達成だよ』
「ヨモヤ、コノヨウナ展開にナルトハナ…」
リカバリーガールノアナウンスヲ聞キナガラ、我ハ1人呟ク。
体重ノ半分ノ重リヲ装着スルトイウ身体的ハンデト、2対1トイウ人数差ハアルガ、環境は
ソシテ何ヨリモ…勝チ筋コソ残スモノノ、
「当初ノ想定通リデアレバ、100%トハイカヌマデモ、85%程度ノ勝算ハアッタ筈…」
ダガ、実際ハ
生徒達ガ、ズバ抜ケテ幸運ダッタ? 否!
アクマデモ計算上ノ話ダガ、85%ノ勝算デ3連敗スル確率ハ…15%ノ3乗。即チ―
「1000000分の3375、0.003375%ダ」
約29630分ノ1。トテモ偶然ヤ幸運デ片付ケラレルモノデハナイ。ナラバ…。
「生徒達ガ強クナッタノダ。
予兆ハアッタ。雄英体育祭ニオケルA組ノ快進撃。根津校長ガ突然ノルール変更ヲ行ッタ程ノ圧倒的強サ。ソレヲ
「オールマイトノ愛弟子、吸阪雷鳥カ…」
入学試験以来何度トナク耳ニスル名前ニ、思ワズ呻ル。
流石ハオールマイトダ。不手際ガ目立ツ新米教師ト見セカケナガラモ、シッカリト弟子ノ育成ヲ行ッテイル。
ソノ吸阪雷鳥ヲ筆頭ニ目覚シイ勢イデ成長シテイルA組。今ヤソノ実力ハ、仮免ヲ取得シタ2年生ヤ3年生ニモ引ケヲ取ラナイダロウ。
「ナラバ、我モソノ想定デ戦ニ挑ムノミ」
静カニ呼吸ヲ整エ、内ナル力ヲ高メテイク。
「悪イ流レ…ココデ断チ切ラセテモラウ!」
常闇踏陰、ソシテ蛙吹梅雨! 我ハ本気ダ。覚悟シテ来ルガイイ!
常闇side
「あと数分で試験開始…蛙吹、準備は良いか?」
「梅雨ちゃんと呼んで、常闇ちゃん。準備の方はバッチリよ」
俺からの問いかけにそう答え、ナックルガードを装備した左右の拳を軽く打ちつける蛙吹。
数日前に吸阪からアドバイスを受け、
「無事に試験を突破出来たら、もう少し可愛いデザインの物を作ってもらうわ」
「…そうか」
どうやら、考えが読まれていたらしい。蛙吹の洞察力、恐るべし…だな。
『それじゃあ、1-A期末テスト、第4戦。蛙吹・常闇ペア対エクトプラズムの試合を始めるよ! スタート30秒前!』
ここで聞こえてくるリカバリーガールのアナウンス。俺と蛙吹は互いに頷きあい、スタートに備える。そして―
『スタート5秒前! レディィィィィゴォ!!』
開始と同時に走り出した。それから5秒もしない内に、俺達の周囲へ次々と現れるエクトプラズム先生の分身達。
「来たか!」
「常闇ちゃん! 打ち合わせどおりに!」
「わかっている!」
蛙吹の声にそう答えた俺は、無言で跳びかかって来た2体の分身を―
「
「アイヨッ!」
「闇を纏いて力と成す!
「
すかさず
「
「はぁぁぁぁぁっ!」
力任せに振り回して、壁に叩きつける!
「接近戦に不安があった頃の俺はもういない。何処からでもかかって来るが良い!」
梅雨side
「常闇ちゃん、ノリノリね」
エクトプラズム先生の分身を蹴散らしている内に、だんだんとテンションが上がってきた常闇ちゃんの5m程後ろを走りながら、こっそり呟く。
常闇ちゃんが前衛、私が後衛で進んでいく手筈だったけど…私の出る幕は無さそうね。
「ッ!」
そう思ったのも束の間、背後から分身が次々と湧き出てきたわ。素早く常闇ちゃんとアイコンタクトを交わし、私はそっちを対応する。
「ケロッ!」
最初に向かってきた分身は3体。1体目をジャンプでやり過ごし、更にその後頭部を踏み台にして、更にジャンプ!
「ケロォッ!」
空中回転の勢いを乗せた舌の一撃で2体目。続けざまに放った左右連続の踵落としで3体目を打ち倒す。
「これが吸坂ちゃん命名の
続けて向かってきた分身達を、右の跳び回し蹴りから左の後ろ回し蹴り、更に二段爪先蹴りへと繋げるコンビネーションで次々と打ち倒していく。
「
そして最後の1体は、伸ばした舌を胴に巻き付け、一気に縮める事で間合いを強制的に詰めさせ―
「ケロッ!」
すかさず右踵と左爪先を用いての挟み蹴りを両側頭部に叩きこみ、更に自分が回転する勢いを利用して、投げ飛ばしたわ。
「今のが
エクトプラズムside
「放ッタ分身ハ全滅シタヨウダナ」
近ツイテクル2ツノ気配ニ、分身ガ全滅シタ事ヲ悟ル。ソシテ、ソノ感覚ハ2人ガ姿ヲ現シタ事デ確信ヘト変ワッタ。
「アノ数ヲ退ケルトハ…流石ダ」
三十数体ノ分身。ソノ全テヲ退ケタ2人ニ、内心称賛ヲ与エナガラ、我ハ
「ダガ…コレナラドウダ?」
全テノ分身ヲ一点集約、超巨大化サセル事デ、広範囲ヲ一気ニ捕縛スル。ソノ名モ―
強制収容・ジャイアントバイツ
「蛙吹! 避けろ!」
常闇踏陰ノ声ガ響イタ直後、ジャイアントバイツノ一撃ガ2人ノイタ一角ヲ容赦ナク破壊スル。
「無事か! 蛙吹!」
ドウヤラ、常闇踏陰ハ逃レタヨウダナ。蛙吹梅雨ハ、姿ガ見エナイヨウダ。捕ラエル事モ出来テイナイヨウダガ…。
「チィッ!」
ソウシテイル内ニ、常闇踏陰ガ1人飛ビ降リテキタ。
「蛙吹梅雨ハドウシタ? 常闇踏陰」
「………逃げ込んだ通路が瓦礫で塞がり、今別ルートでこちらへ向かっています」
「ナルホド…」
思ワヌ不運トイウヤツダガ…ダカラトイッテ蛙吹梅雨ガ来ルマデ待ツ程、我ハ甘クナイ。
「仲間トノ分断。単独デ強敵トノ戦イ。実戦ハ常ニ予期セヌ事態ノ連続。ダガ、ソウイッタ不測ノ事態ヲ覆シテコソ、ヒーロートイウモノ。常闇踏陰ヨ! 汝ハヒーローナリヤ?」
「聞かれるまでもない…例え1人でも戦い抜くのみ!」
常闇踏陰ノ言葉ニ、我ハ大キク頷ク。ソウ、ソレデコソヒーロートイウモノダ。
「残リ時間ハ8分弱。サァ、カカッテクルガイイ!!」
ソノ声ト共ニ、常闇踏陰ヘ襲イカカルジャイアントバイツ。常闇踏陰ハ素早ク動キナガラ―
「
「
次々ト攻撃ヲ繰リ出シテクルガ…正直言ッテ、サイズノ差ガ大キスギル。象ト蟻…トマデハ言ワナイガ、象ト狼程度ノ差ハアルダロウ。
「闇雲ニ攻メルダケデハ、我ニハ勝テヌゾ。常闇踏陰」
「生憎…元から勝つつもりなど無い」
「ナニ?」
勝ツツモリナド無イ。常闇踏陰ノ言葉ニ、耳ヲ疑ウ。
パートナーノ蛙吹梅雨ガイナイ今、我トジャイアントバイツヲ突破シテゲートを潜ル事ハ、マズ不可能。ダトスレバ、我ニカフスヲ掛ケル事ガ唯一ノ合格手段ノ筈。
ソレナノニ、勝ツツモリガ無イトハ、一体何ヲ考エテ………マサカ!
「蛙吹梅雨ハ分断サレテナド!」
「そういう事よ。エクトプラズム先生」
2人ノ
「…ヤラレタナ」
カフスヲ掛ケラレテシマッタ。
『…蛙吹・常闇ペア、条件達成だよ』
「最初カラ分断ナドサレテイナカッタノダナ」
試験終了後、我ハ2人ニ問イカケタ。我ヲ見事ニ出シ抜イタソノ作戦ヲ知リタカッタカラダ。
「あの時、俺達はギリギリで捕獲を免れる事が出来ました。その時です。蛙吹から作戦を告げられたのは」
「フロアの一角が破壊された事で煙が巻き上がり、エクトプラズム先生のいた位置から私達は一時的に見えなくなっていた。その隙を突いて、私は最近出来るようになった
「俺は蛙吹と分断された様に装い、先生と正面から戦ってみせた。まるで可能性の低い正面突破を目論んでいるかのように」
「ソシテ我ハ、オ前達ノ策ニマンマト嵌マリ、蛙吹梅雨ガソノ場ニイナイモノト思イ込ンダママ、常闇踏陰1人ニ集中シテシマッタト言ウワケカ。見事ナリ、オ前達ノ作戦勝チダ」
生徒達ヲ侮ルツモリハ微塵モ無カッタガ…我モマダマダ甘イト言ウ事カ。
試験突破ヲ静カニ喜ブ2人ヲ見ナガラ、我ハ自ラノ未熟ヲ痛感スルノダッタ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
演習試験の結果は以下のようになっております。
第1戦(終了)○切島鋭児郎&砂藤力道vsセメントス×
第2戦(終了)○轟焦凍&八百万百vsイレイザーヘッド×
第3戦(終了)○瀬呂範太&峰田実vsミッドナイト×
第4戦(終了)○蛙吹梅雨&常闇踏陰vsエクトプラズム×
第5戦 飯田天哉&尾白猿夫vsパワーローダー
第6戦 口田甲司&耳郎響香vsプレゼント・マイク
第7戦 障子目蔵&葉隠透vsスナイプ
第8戦 青山優雅&芦戸三奈&麗日お茶子vs13号
第9戦 吸阪雷鳥&緑谷出久vsオールマイト